2017年07月03日

ワールドエンド・ハイランド


著者:つくも三太
出版社:MF文庫
ワールドエンド・ハイランド 世界樹の街の支配人になって没落領地を復興させます。

異世界に召喚された高校生・榊喜一が主人公。彼は、召喚主の美少女・アイシャの願いにより、没落寸前の領地を救う手助けをすることに。
喜一は、現代社会で「自称妹」という一種ストーカーにつきまとわれており、その存在から逃れるためなら、異世界でも問題なしという状況でした。ってここですでに躓いてしまうなあ。ネットでの評価は非常に高いのですが、この自称妹・ヒナタの存在がまったく理解できない。「心の病」にかかった少女という扱いですが、それだけで「まわりも逃げていく」というのが理解できません。世代の差かねえ。

と最初で躓いたもので、後も展開もよくわからない。召還された異世界は人工的なダンジョン・戯迷宮へ望む冒険だけが娯楽になった世界。死んでも簡単に蘇生することができ(蘇生するたびにバカになっていくが、時間が経てばもとどおり)「死」さえ意味を持たなくなった世界。そんな世界でアイシャの領地は、最果ての地・ヒト・モノ・カネのすべてがないどうしようもない状況。そのため冒険者がほとんど来ない。さらにアイシャが創る戯迷宮は難易度が最悪で「またやらかしたね!こんな殺人“戯迷宮”だから冒険者が来ないんだよ!」というもの。喜一はそんな領地を、意識高い系・スマリ、厨二病・ユーフォリア、現世から追っかけてきた妹・ヒナタと共に、復興しようと頑張ります。

本来ラブコメなんでしょうね。でも全くコメディが見えてこない。ヒロインズが酷すぎて、全然共感できない。アイシャの「笑顔になる」という方向性のズレも酷すぎ、なにをしても笑いの要素が見えてこない。

「人と違う」ことを笑いにするという、昭和に流行った悪しき風習が復活してきているのかなあ。「人を笑わせる」ことと「人を嘲う」「人に笑われる」というのは、すべて違うはずなんだけど、ごっちゃになっているような。残念です。

タグ:
posted by あにあむ at 13:41| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫

2017年06月26日

せきゆちゃん(嫁)


著者:氷高悠
出版社:ファンタジア文庫
せきゆちゃん(嫁)

ヒロインは、油天国「ユデン」出身の油天使・せきゆちゃん。人間と接点を持ってはいけないという「プラスティックの掟」により、廃油にされそうな彼女を救うため、主人公・水並灯也は、せきゆと結婚します。それまで妹と二人だけの貧乏生活を続けていた灯也は、せきゆから無限に出る石油で石油王として勝ち組人生を送ることに…

ヒロインが「ざるそば」って作品がありましたが、今回は石油ですか…この手の作品は、矛盾点を無視して楽しめるかどうかにかかっていますが、ちょっと難しいですねえ…
せきゆちゃんは可愛いし、「熱いですっ!私、燃えてきましたっ!」と心も身体も引火しやすかったり、嫉妬に燃えて(不完全燃焼)一酸化炭素発生させたり、本当に燃えたりと面白いことは面白いです。でも「お風呂に入ったら、風呂が石油になる」その理由は、肌の石油がしみ出すから…ってそれじゃ風呂はすべて石油にならないよな。水などの不純物が混じった状態だよなとか…石油王になれるくらい(いきなり3階建ての一軒家を買ったり、南の島にチャーター機で旅行にいけるくらい)の石油って、無茶苦茶な量になるのでは? ドラム缶レベルじゃないよなとか、いろいろ考えてしまって…

まあそれよりも、灯也の妹がゲスすぎて、気持ち悪いというのが、面白さを削っている最大の理由です。特に前半の行動は、酷すぎます。成金とかそういうレベルでなく、人として大切ななにかを忘れてしまっています。さらに、灯也のクラスメイトもおかしいですね。お金を配ることでしか、人とのつながりがとれない…もう笑えるレベルではありません。

ギャグのつもりなんでしょうが、笑えないですね。スベっているほうがマシです。笑ってはいけないレベルで、人間性を疑う登場人物が多すぎます。ヒロインが石油ってのは、今までにない面白い設定ですし、なぜかせきゆちゃんが石油が出る(漏れる)ときに恥ずかしがるという、いろいろ遊べそうな設定もあるのに…(理由はまあアレなんでしょうが)強烈キャラを、投入しようとして失敗しているなあというのが感想です。

★☆
posted by あにあむ at 17:34| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジア文庫

ヒーローお兄ちゃんとラスボス妹 抜剣! セイケンザー


著者:逢空万太
出版社:GA文庫
ヒーローお兄ちゃんとラスボス妹 抜剣! セイケンザー

高校生の少年・鶴来奏斗が主人公。海外留学から帰ってきた双子の妹、湊と一緒に訪れた地元の催しで「聖剣」を引き抜き、謎の騎士団「ブラッドテンプル」を呼び出してしまいます。当然うろたえる奏斗。ところが湊は、彼らを従え「世界征服」の野望に燃えます。大事な妹の暴走を止めようとする兄・奏斗。悪の大首領となった湊は、彼の思いもむなしく…いつの間にか開発していた「ヒーローに変身」するアイテムを渡します。…えーと湊はどっちの味方なんだ?
超巨大なマッチポンプ妹を救うことはできるのか? そもそも湊はなぜ世界征服を企むのか?

地域密着型変身ヒーローコメディということですが、いままでの逢空万太さんの作品に比べると、キレがないですねえ。ヒーローに変身する奏斗が、いままでの主人公に比べて弱いのかなあ(キャラが)。妹・湊もマッドサイエンティスト感が足りない。せっかくブラッドテンプルという、謎な悪の組織(シフト制)があり、夜型だとか、女性型でヒーローに恋するパーシヴァルだとか、いいキャラが多いだけに残念。そっか前半で母親の影が薄いのも原因なんだ。あの強烈な母親が目立たないから、ひと味足りないんだな。

湊が世界征服したい理由は、中盤で明かされています。っていうか実は最初からバレバレということもあります。で、その理由を母親も受領しているのだから、十分おもしろいお母さんだと思うのだけどねえ。

えーお色気シーンもあります。湊が一人でごにょごにょします。賢者モードになります。まるまる一ページあります。ということで、期待してどうぞ!(石を投げるなら、作者にお願いします)

★★
posted by あにあむ at 17:17| Comment(0) | TrackBack(0) | GA文庫