2017年11月24日

俺が好きなのは妹だけど妹じゃない(4)


著者:恵比須清司
出版社:ファンタジア文庫
俺が好きなのは妹だけど妹じゃない(4)

人気声優の桜が、家出して氷見祐の自宅に転がり込んできます。しかもなぜか親も家出していることを知っているという不思議な状況。こんな状況を妹の涼花に見られたら、人生が終わってしまう。なんとかばれないように頑張ろうとしますが、そんなことは不可能。あっさりバレてしまいます。そこで桜が追い出されれば、話は終わるのですが、妙に説得力のある桜の話術に涼花が陥落。さらに本当の妹にしてほしいと言い寄る桜に、なぜか涼花が対抗意識を燃やして、スク水で風呂に乱入し「お、お兄ちゃんの背中って、意外と大きいですね…」と。

仕事のほうでは、アニメ監督が「本当の永遠野誓だったら、もっと妹萌えがわかっているはずだ! その程度なら主人公を改変する!」と宣言。なんとか説得するために、2週間で「妹萌え」を理解できるよう、涼花とイチャイチャすることに。そんな面白い状況をほっておけない舞とWピース先生まで「妹になる」といいだす始末。祐は乗り越えることができるのか?

今回は桜がキーパーソンになっています。こんな可愛い女の子に「お兄ちゃん」と呼ばれるなんて、「自爆しろ」としか思わないのも事実ですが、祐なりに頑張っているのも事実なんでしょうね。第三者的立場で見れば、氷見兄妹はお互いをすごく大切に想っているのは明白です。お互い「嫌われたくないから」ギクシャクしてしまう。そんな関係。

アニメ監督の妹萌えは、妹にハァハァするとか、下着をクンカクンカするといった変態(妹を異性と捉える)的なもの。元々祐が考える妹萌えとは方向性が異なります。というか、18禁でなければ、祐のほうが普通な気がします。でも妹萌えを理解するために、ハァハァもマスターしそうな祐。いや、それはしなくていいから。

★★☆
posted by あにあむ at 15:09| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジア文庫

妹さえいればいい。(8)


著者:平坂読
出版社:ガガガ文庫
妹さえいればいい。(8)

クリスマスを迎え、一つになるカップルやら悲喜こもごも。
年が明け、「妹のすべて」のアニメ化発表が近づいていたある日、エゴサーチをした伊月が見たものは「妹すべ、アニメ化決定!」という帯付き新刊の画像ツイートだった。さらに、その画像の出所はギフト出版の公式サイトで……原因は、担当編集のチェック漏れによるお漏らし……本来あげてはいけない画像を「新刊案内Web」に掲載されるのをチェックしなかったことが原因。年末進行による激務の中で起こったミスでした。

新刊発売と同時に大々的に発表する予定だった、伊月やアニメ関係者からは非難囂々。担当編集と編集長が謝ってまわりますが、後の祭り。完全に信用を失ったGF文庫編集部は起死回生の一手を打ってきます。伊月たちが、アニメに翻弄される中、春斗や京、他の新人作家たちの恋物語も進んでいき、千尋の心にも大きな変化が。

ついに公表されることになったアニメ化。というか、実際にはフライングでバレてしまったのですが、どうやらこのお漏らし事件は、実際に起こったことのようです(「妹さえ」の時に発生)Appleはわざとリークさせて、話題作りするようですし、意図的なリークはよくある話なんですが、今回のものは「意図せず」で、周囲に大迷惑をかけたパターンです。まあ逆に、すでに発表されている事項を、かなり経ってから「xxということがわかった」と記事にするマスコミもよくありますが(特にライブ関連)

前巻から、那由多と付き合うようになった伊月ですが、今回も那由多に搾り取られています(なにを?〜)ほんの少し前までは童貞と処女だったはずなんですが、もう百戦錬磨ですね(だからなにが?) 伊月は非常に真面目な考えなので、当然那由多と結婚するつもりがあるわけですが(でないと手をださない)このことが、千尋にも影響を与えることになります。

父親から警戒されていた伊月(変態的な妹好き)。そのため、千尋は伊月の前で、妹ではなく弟として過ごしてきたのですが、伊月がきちんと女性と付き合うようになったことにより、千尋に対して間違いを犯す可能性がなくなったということで、千尋に対して「実は女の子だったことを伊月に明かしてもいい」と告げます。父親の論理としては「妹好き変態ラノベとやらを書いているので、実妹がいれば襲う可能性がある。でも別の女性と付き合うということは、そこまで変態ではなかった。だから大丈夫」というものなんですが、これが吉と出るのか凶と出るのか? いままでの伊月から考えると、もともと杞憂だったと思うのですが、千尋のほうが…

次巻以降も楽しみが続きそうですね。

★★★★
posted by あにあむ at 11:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ガガガ文庫

2017年11月21日

ワキヤくんの主役理論


著者:涼暮皐
出版社:MF文庫
ワキヤくんの主役理論

主人公は、青春を最大限に楽しむためのメソッド「主役理論」を掲げる・我喜屋未那。ようやく勝ち取った一人暮らし。アパートの隣に住む少女・友利叶も一人暮らしで、クラスメイトでバイト先も趣味嗜好もすべてが同じ……違うのは、真逆の「脇役哲学」を掲げていること。そんな叶と壁越しに口げんかを続け、同時に部屋の壁を蹴破ってしまいます。当然大家さんに叱られると思ったら、なぜかまったく怒られず、気がついたらそのまま実質同棲することに…二人に甘い青春はなく「これは戦争だ」と同時に考えていた。
「そっちこそ、煩わしい人間関係に嫌気が差したら、いつでも頼ってくれていいよ」
俺の《主役理論》と叶の《脇役哲学》、どちらが正しいかこの同棲で白黒つけようか!

……端から見ていると、二人が目指しているのは「全く同じ」ことなんですよね。気が合うどころのレベルじゃない二人。趣味だけでなく、生活リズムや口にせずとも細かいニュアンスもわかり合えるという、もう新婚を通り越して、長年連れ添ってきた仲良し夫婦な状態。あまりにも一致しているが故の、すれ違い。でも二人は最初から気づいていたようですね。二人は男と女であり、しかも恋人以上に気が合うということに。というか、そうでなければ、実質同棲を選ぶはずがない。食事も一緒にしているし、家事も分担してという状況ですからねえ。

二人が主張するメソッドも、端から見ていると同じことを、鏡写しに見ているようなものです。誰もが自分の人生では主人公だし、誰かの人生では脇役。それをどちらから見るかなんですよね。

この作品最大の「謎」は、我喜屋くんの旧友。性別すら明らかにされていませんが、重要な局面で適切なアドバイスを電話でしてくれます。そもそも主役理論を一緒に構築したようですし、かなり重要な存在のようです。その割に電話での登場しかないですし。もう熟年夫婦な二人に、大きな影響を与えていく存在で、もしかしたら爆弾になるかもしれないですね。

★★★★
posted by あにあむ at 11:12| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫