2018年01月26日

終末の魔女ですけどお兄ちゃんに二回も恋をするのはおかしいですか?


著者:妹尾尻尾
出版社:ダッシュエックス文庫
終末の魔女ですけどお兄ちゃんに二回も恋をするのはおかしいですか?

人類最強の歩兵として従軍していたことがあるが、今は普通の男子高校生である昴が主人公。ある日、四女・紅葉が魔力が枯渇して禁断症状が出た状態で昴もとに降ってきた。しかも記憶を失っている状態。幼い頃に交わした妹の約束を果たすため、人類の敵と己の理性に力限り立ち向かう、限界ギリギリエロティックアクションということです。第5回集英社ライトノベル新人賞・特別賞受賞作。

ってことなんですが、確かにエロコメ要素もありますが、シリアス寄りの作品でした。タイトルやあらすじからはずれていますね。原因は、この作品の出自にあるようです。もともとエロコメだったのを、リテークでシリアスに修正。でも結局評価されたのはエロコメ部分だったと…素直にエロコメにしてもらったほうが面白かったかも。

人間を食らう界獣と、それに対抗できる数少ない魔女。かつて七人の義妹たちと、魔族としてともに戦っていたけど、あることが原因で戦場から退いた少年・昴。彼の前に四女・紅葉が現れますが、軍から脱走してきており、記憶を失っていました。魔力が枯渇すると、魔力タンクである兄から魔力を譲ってもらう必要があり、その方法が接触。お約束で、粘膜接触が一番効率いい。ついでに魔力を供給する側もされる側も気持ちがいい。んで、魔力が満タンになったら「イクッ!」という設定もあります。エロコメ用鉄板設定ですね。でも、ストーロー全体はシリアスなので、少々浮いてしまっている感も否めません。もう少しバランスがよかったらなあ。他にも、姉妹数が非常に多いのに、実際に登場するのは3人だけとか、軍組織がいまいちよくわからないとか、中途半端なところが残っていますね。コメディよりの作品を上梓されるようであれば、もう少し読んでみようかなあ。でも同時期に刊行された作品は、かなり暗い話のようですし、どうしようかなあ。

この作品で一番受け入れられなかったのは、紅葉の胸(表紙)。おかしすぎるだろ。ここまでくると、悪意しか感じられません。

★★★
タグ:異能 ★★★
posted by あにあむ at 16:31| Comment(0) | TrackBack(0) | ダッシュエックス文庫

てのひら開拓村で異世界建国記(2)


著者:星崎崑
出版社:MF文庫
てのひら開拓村で異世界建国記(2) 〜増えてく嫁たちとのんびり無人島ライフ〜

カイたちは、孤島で自分たちの国を作ることになります。国を失った姫・ユーリ、女騎士・サラを仲間に加え、さらなる技術向上や島民の安定した暮らしを求めて奮闘します。異世界のんびり建国記第2弾。

カイに授けられた邪神(?)の祝福によって得た「てのひら開拓村」というスキルは、箱庭内の村(外部からは隔絶された世界)を発展させることで、その村でとれた産物などをこちらの世界に持ってこれるというもの。前巻では、じゃがいもなどが名産品だった村も、今回は陶器(粘土を持ち込んだ)を作ったり、小麦粉を取り入れたりします。また村のレベルアップにより、アドバイスをしてくれるエルフも一人増え、村も島も人口が増加。どちらもさらに、発展させていく必要が生じます。

ストーリーとしては、前回同様途中で島を出て、新しい街へ。そこで交易をするのと同時に、あ田らしいものを仕入れ、村を発展させるという流れになっています。まあある意味ワンパターンですね。まあこういった日常系だと、新しいことやるよりいいのですが、どんどんスローライフから離れる伏線が増えてきています。そのため、城を建てたり、戦争の影が迫ってきたりと、スローライフの対局にあるイベントが起こりつつあります。カイの知識が、今の世界でのもの+前世(転生する前の現実社会)の両方であるため、ファンタジー世界に浸れないという欠点もあります。

「のんびり無人島ライフ」というサブタイトルがついていることですし、もう少しのんびりした、スローライフが描かれたほうが面白くなりそうです。てのひら開拓村のエルフは、のんびりしていますしね。嫁候補は順調に増えています。下手したら、街の発展よりも順調かも。

もう少しゆったりとしたストーリー進行で、のんびり開拓村を楽しみたいですね。

★★☆
posted by あにあむ at 16:07| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫

2018年01月22日

魔法塾


著者:壱日千次
出版社:MF文庫
魔法塾 生涯777連敗の魔術師だった私がニート講師のおかげで飛躍できました。

魔法大国・日本のトップ魔術師に史上最年少で成り上がった天才・鳴神皇一郎が主人公。彼は、とある事件で仲間の裏切りに遭い、強力な魔法を使おうとすると、強烈な痛みが走るという呪いをかけられ、さらに戦いの場から逃げた卑怯者というレッテルを貼られます。そのため、引きこもりニートとなっています。自分が堕ちたことよりも、恩師の魔法塾の信用を失墜させてしまったことを、悔やんでいる日々。そこに、恩師の娘・結が「私が経営する魔法塾・黎明館の講師になって」と頼んできます。彼女から恩師が病によってこの世を去ったことを聞き、また憑依術により「娘をよろしく頼む」と頼まれたことで、その職を引き受けることにします。そのままでは受講生など来るわけがないので、姿を変えるメガネを使って……そんな塾にやってきた塾生は、生涯全敗の魔法騎士・ベアトリクス、死霊軍団の結成を夢見るお嬢様・芙蓉。閉所が大好きで、優秀な子種を収集しようとしてしているつぼみ。落ちこぼれや変態ばかり。それでも天才と呼ばれた元ニートは、「安心しろ。俺がこの塾を『母校より母校』と思える場所にしてみせるから!」と頑張ります。

この作者、同じレーベルで「バブみネーター」というとんでもない駄作を刊行しています。その翌月に刊行された作品なので、また同じ流れいなってしまうのでは? と恐れていたのですが、想像以上に面白い作品に仕上がっていました。
主人公を筆頭に、まっとうな人生からは脱落した人物ばかりで、それぞれの出自を考えると、かなり暗い話になりそうですが、うまくコメディ下手に味付けされていて、一気に読むことができした。皇一郎も、前向きな主人公なので、読後感もすっきりしています。大切な人を守るために、自らの生命ですら投げだしていく熱さ。

ヒロインの中では、ベアトリクスがいい色持っていますねえ。天才的な剣技を持っているにもかかわらず、狙った敵に決して決して当たらないという呪いをかけられているため、全戦全敗という酷い成績になっています。普通ならば、この時点でダークサイドに堕ちてしまいそうですが、さらにビキニ型アーマーは、おしゃれではなく、お金がなくて質入れしたとか……そんな状況下でも、明るさを忘れない彼女のおかげで、物語が明るくなっています。まあ他の二人……芙蓉やつぼみも大概な奴らですけどね。

前作とは異なり、ある意味正当派の作品。このままのバランスで楽しませてもらいたいですね。

★★★☆
posted by あにあむ at 15:06| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫