2017年01月25日

異世界横断鉄道ルート66


著者:豊田巧
出版社:ファンタジア文庫
異世界横断鉄道ルート66

主人公は、すべての願いが叶う魔法の街ブレーメンにあこがれる少年・ケント。彼は、田舎町で「舞踏家」の跡継ぎとして育ちますが、厳しすぎる父親に反発して、ナガサキへと家出してきました。しかしながら、父親たちに追いかけられ、結果的に大陸横断鉄道の一列車に無賃乗車することに。その列車の中(正確には貨車の綿花の中)で、クレアと名乗る美少女と出会います。ところが、クレアは史上最高額の賞金首で、世界一の鉄道会社の跡取り娘。賞金稼ぎのラウラに襲われながらも「どんなに危険でも私はブレーメンへ行かねばならないのです!」という彼女の使命を訊き、ケントは「君を守る」と誓います。そして始まる冒険。

この世界では、列車のオーナーが自分の列車を軌道に走らせているようです。そのため、列車によって、運賃も内装も異なります。ある意味競争の原理に則った方式といえないこともありませんが、現在のように、気軽に移動手段として用いることは難しいようです。さらに、決まった時刻表があるわけではなく、客が集まり列車主の思惑とあった時に出発するのが普通のようです。

舞踏家の跡取りということで、ケントの芸能でお金を稼ぎながら旅をするのだと思っていたのですが、実際にはクエストを受注する形で、お金を貯めていきます。持っている笛も予想外の利用方法であり、楽器として利用するシーンも出てきますが、ほとんど効果なし。このあたり新しいですね。

作者は、鉄道小説を書いてきた人。なので、今回も鉄道が主役となっています。ただ今まで私が読んだのは、現代世界を舞台にしたものでした。そのため、鉄道がうまく物語の一ピースとしてはまっていたのですが、舞台が現実世界ではない今回は、少し浮いてしまっているような気がしました。仮想世界の物語で、大陸横断鉄道も銀河鉄道999に似た雰囲気があるのに、駅名は実在するもの。そのため、現実の都市が頭に浮かんでしまい、世界観に入り込めません。現実地名でも、もう少しわかりにくい街にして欲しかったですね。鉄道とファンタジーは相性がよくないのかもしれません。

★★☆
posted by あにあむ at 11:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジア文庫

2017年01月23日

かみこい!


著者:火海坂猫
出版社:GA文庫
かみこい! 〜くっついたらとれません〜

主人公は、神社の息子・神来旭。彼には「あとは告白するだけ」という、クラスメイト・風歌がいました。クラスメイトからは「付き合っていないというほうが、おかしい」といわれる二人ですが、お互いはっきりと言わないため、ズルズルと… 旭がとっとと告白しない理由は、子供の頃から父親に「誰かを好きになるのであれば、生命をかけるよう」言われ続けていたことが、背景にあるようです。そんな彼もついに決心し、風歌に告白しようとした瞬間、なぜか空を飛んでどこかへ連れ去られてしまいます。連れ去ったのは、蒼媛と名乗る美少女。その正体は、蒼媛之大神という神様で「旭、蒼媛を貴様の嫁にするのだ! 」と告げます。さらにいきなり服を脱ぎ、旭にのしかかり「性行しよう」と迫ります。その場に現れた父と政府機関の女性によって、なんとか事なきを得ますが、どうやら子供の頃に、旭は蒼媛と結婚の約束をしていたようですが、旭はそのことをまったく覚えておらず。蒼媛は、その後も旭にべったりとくっついて、離れようとしません。しかも旭がそばからいなくなると、不安になって大災害を引き起こす始末。世の平穏のためにと父や、日本政府も旭に蒼媛と結ばれるように薦めてきます。旭はどうするのか? そして風歌は?

あと一歩が踏み出せないカップルの前に、押しかけ女房が現れるというストーリーです。いわゆるラブコメなんですが、なぜ旭が蒼媛のことを覚えていなかったのか?という点に、シリアスな設定があり、物語を重くしています。さらには、風歌の旭への想いが、怖すぎる。「私、神様が恋敵でも負けない!」ってのはいいんですけど、想いを表に出してからの言動が怖いです。全体にコメディ色があるから、大丈夫と踏んだのかもしれませんが、シリアス部分での言動があるので、どうもコメディに見えません。なんというか、旭はどちらを選んでも苦労しそうとしか…

蒼媛のセリフは「xxだぞ。xxなんだぞ。」と少々特殊なものになっています。神様であり、一般人とは違うことを強調しようとしたのでしょうが、それ以外のメンバーが普通に話をしているので(もう一人の神様でさえ)違和感があり、全体のリズムを壊しています。安易に語尾でキャラ付けしようとすると、たいてい失敗に終わりますね。

★★
posted by あにあむ at 14:41| Comment(0) | TrackBack(0) | GA文庫

2017年01月19日

最強の種族が人間だった件(2)


著者:柑橘ゆすら
出版社:ダッシュエックス文庫
最強の種族が人間だった件(2) 熊耳少女に迫られています

平凡なサラリーマン・雨森葉司が召還された先は、人間が最強の種族である「アーテルフィア」。そこでは、人間は物理的な力も強く、魔力も強大。さらに髪の毛や体液は「聖遺物」として、それを取り込むことによりパワーアップできる貴重なアイテム。さらにその世界では、人間は滅びたと思われており… その世界で最初に出会った美少女エルフ・リアとアジトで共同生活をするように。その地下には、人間によって作られたダンジョンがあり、その第一層は「温泉エリア」 守護ゴーレムを攻略し、温泉にも入り放題。さらに今回は第2層「グルメエリア」を攻略し、調味料やお菓子を作ってみたり、みんなで王都に遊びに行ったりまったり過ごしています。そんな中、謎めいた魔族が放った刺客が襲ってきます。果たして?

前巻では、葉司になびかなかった百合騎士も攻略し、ますます葉司のハーレムが増強されていきます。アジトでの生活は、朝起きると、まずはリアとキス。挨拶キスではなく、2分ほどのキス。普通ならそのまま…となりそうなもの。で夜は、一緒にお風呂。マットの上に横になり、リアに全身を洗ってもらう… うーむ、爛れた生活だ。リア曰く「一線は越えていない」ということですが、別の意味で超えてしまっているような気もします。しかもリアもそれを願っているようです。王都見学へ行った際、リアはとあるものを買いたいと葉司に頼みます。一緒に行ったお店はランジェリーショップ。そこで、いろいろな下着を葉司に選ばせて、葉司を誘惑。さらに大きなホテルなどでは、葉司が人間ということがばれてしまう可能性があると、いわゆるラブホへ。そこで服を脱ぎ、下着姿に…さすがに葉司も我慢ができなくなり、抱きついてしまいます。さらにリアは葉司の服を脱がし…というところで朝が。人間の体液には、魔力だけでなく誘淫効果もあり、キスでも2分が限界。体液の中でも精液は特にその効力が強いということで、リアは耐えられず昇天・失神ということらしく。…ということは、精液を飲むような行為まではあったんだ。

しかし、この世界が不思議なのは「貧乳こそ正義!」という美的センス。女性は、少しでも胸を小さく見せようとし、貧乳ほどモテるという世界。なら幼女ほどモテるのか?というと、そういう危ない世界ではないようで、葉司がランジェリーショップで、ライムへのお土産として子供ぱんつを購入する際、奇異な目で見られたということですから。

今回、葉司の敵となりそうな存在が現れました。でもバトルな展開にはなりそうもありません。これからも、まったりねっとりな日常が続いていくのでしょうね。そういや、サブタイトルに出てくる熊耳娘。あまり活躍していないなあ。

★★★★
posted by あにあむ at 13:30| Comment(0) | TrackBack(0) | ダッシュエックス文庫