2018年05月28日

異世界に転生したら美少女で女城主だった。


著者:水城みなも
出版社:ファミ通文庫
異世界に転生したら美少女で女城主だった。

黒猫を助けるため、七門景は生命を落とし…小国sテンベルグのお姫様ティフォに転生。ティフォは、ペットの黒猫に魂が入ってしまう。玉突き転生ですね。じゃあ、黒猫の魂はどこいった? 本筋とは関係ないのでひとまずおいておくことにします。

転生モノのお約束して、チート能力や特殊スキルを授けられることもなく、元の身体の持ち主がすぐそばにいるという不思議な状況。しかも二つの大国のうち一方から結婚、一方から戦争をふっかけられ、貞操も生命の絶賛危機のまっただ中。どうやって切り抜けていくのか?

身体の持ち主がそばにいるので、異世界で異性として生活することの一部分は助かっている景です。現状やお姫様としての対応などは、テイフォに教えてもらっているのですが、それ以上にまわりのキャラが強烈すぎて、主人公ペアがかすんでしまいそうです。
景が利用したのは、テイフォが完璧な美少女だという部分。むさ苦しいおっさんが頼んでも無視されることを、美少女が上目遣いで頼んできたら…勝てないということを利用したものです。まあ例によって景が主人公スキル持っているから、使いこなせているんですけどね。普通の人ならば、それまで経験したことのない世界で、妙案を思い浮かべるのも難しいでしょうし、現代日本で普通の生活をしていた人が、戦場で正気を保てるというのはかなり困難。

物語の前半は、コメディタッチで進みます。後半はかなり病んだ人がメインでストーリーが進むので、少々読後感が悪いですね。どうせなら最後までコメディで進めてもらったほうが、面白かったと思います。ティフォの許嫁が女騎士だとか、ロミオとジュリエットなイベントがあったりとか、コメディ部分のほうが読みやすいです。後半のシリアスパートは、サイコホラーな感じもあり、あまり楽しいものではありません。

これも一種のTSなんでしょうが、本人の嗜好は、その器に影響を受けるという考えのようですね。本来男である景が、ティフォの身体に入ったことで、イケメン騎士に惚れてしまうという、究極の三角関係ですね、

次巻も続くようです。もっとコメディに特化したら、読む気が増しそうです。

★★☆
posted by あにあむ at 16:48| Comment(0) | TrackBack(0) | ファミ通文庫

2018年05月23日

乃木坂明日夏の秘密


著者:五十嵐雄策
出版社:電撃文庫
乃木坂明日夏の秘密

帰ってきた「乃木坂春香の秘密」です。
今回も当然、主人公目線で描かれております。そうでなきゃ、このシリーズじゃないですしね。ヒロインは、春香の娘・明日夏。容姿端麗で成績優秀な学園一のアイドル。そして、アニメ・マンガ研究会の部員として、アキバ系知識にも精通していることになっている彼女。ところが、そこには秘密があって…

春香は「アキバ系」ということを隠しており、それを主人公が偶然知ったことにより、物語が動きましたが、今回は「アキバ系でない」ことを隠しており、それを主人公が偶然に知ることにより物語が始まる…ここ数年でのアキバ系の扱いの差ですね。ただ秘密を知るパターンは前回をほぼ踏襲。白いぱんつが見えてしまうのも同じ流れ。今回はなかったのですが、続刊があればマウントポジションも登場するんでしょうね。その後も明日夏の秘密が少しずつ暴露されていくという流れなんですが、しっくりこない部分があるのも事実でした。それは明日夏の姉・未来の存在。実の両親がピアノ演奏会とビジネスで、ほとんど家にいないので、美夏が母親代わり(おかーさん)しているのは違和感ありません。ただ未来がどうしているのか? の説明がないんですよね。両親について世界を飛び回っているのか、どこか海外の学校に行っているのか? なので最初「秘密」を勘ぐりすぎて「明日夏は春香の未来の子供で、現代にタイムスリップしてしまった」とか「未来は実は存在していなかった」など変な方向に考えてしまい、純粋なラブコメに戻ってこれなくなりそうでした。

前シリーズのキャラも登場しています。ほとんど変わっていない人もいれば、えー!そっち方向に変わったのかよ! という人もいたりして、前シリーズファンにとっては、楽しい作品です。よくわからない例えも健在ですし「おにーさん」「ぷりてぃ美夏ちゃん」も復活。

最近電撃文庫での著作がなくなり、残念だったのですが、久しぶりに「これぞ五十嵐雄策」という作品を読むことができました。是非続刊を出して欲しいですね。

★★★☆
posted by あにあむ at 11:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫

恋愛至上都市の双騎士


著者:篠宮夕
出版社:ファンタジア文庫
恋愛至上都市の双騎士

かつて世界を救い「双騎士」の名を持つ、勇也と藍葉。二人が次に頼まれた仕事は、一度倒したにも関わらず未来に復活する魔王討伐。そのため、タイムマシンで送り込まれたのは未来。そこは、恋愛感情が生むエネルギーで戦う世界でした。ハグに添い寝に恋人つなぎ。過激なスキンシップもすべては世界を救うため。

この世界の主力武器は「恋愛銃」使う人の、恋愛エネルギーが高まれば、強力な武器になるというもの。なんとか強くなるために二人はやむなく、「優しく、ぎゅって抱きしめてください」戦闘中にハグしたり。「先輩、顔近いですっ…まだ心の準備が」訓練で壁ドンさせられたり。「この戦闘服、スカート短すぎです…!」ギリギリな衣装を着せられたり!? お約束として、いつも生意気な態度をとっている藍葉は、勇也のことが好きで、少しずつドキドキが隠しきれなくなっていきます。二人はイチャラブで世界を救うことができるのか?

この世界では、恋愛がすべてということで、その恋愛も男女のものに限られているような印象です。少なくとも二次元妻は認められておらず、テロリスト認定されているようです。でも年齢に対するタブーはあまりないようですね。恋愛至上主義というより、スキンシップ至上主義なので、街中でもキスは当たり前。それ以上のことをしているカップルも多々見受けられるという、なんというかな世界になっています。

藍葉が、勇也のことを好きという設定があるので、ストーリーが面白くなっています。さらに勇也が、雰囲気に流されていないところも好感が持てますね。積極的に迫ってくる(この世界では、童貞・処女は馬鹿にされる)女性から実を守るためスタンガンを装備して「そういうわけで僕は大丈夫だ。お前が襲ってきても確実に意識を刈り取れるぞ」とすごむなど、脱力系でもあります。

少々(かなり)ご都合主義な展開になっているのが残念。特に後半一番盛り上がるところで「別に主役この二人でなくてもいいんじゃない?」という疑問が生じる展開だったのが一番残念ですね。救国の双騎士というのであれば、彼らでしかなしえない「なにか」を追加したほうが、もっとおもしろかったかと。

★★★☆
posted by あにあむ at 11:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジア文庫