2018年04月02日

異世界ギルド飯(2)


著者:白石新
出版社:GA文庫
異世界ギルド飯(2) 〜魔王とおでんと自衛隊〜

「腕によりをかけて作ってやるさ!」ギルドの地下食堂は本日も大繁盛。店主とチートな客が飯テロを連発!?カラアゲ&マヨネーズ、茹で&焼きズワイガニ、超高級日本酒&イカの塩辛、コーネリアの創作料理、トンカツ定食、心まで温まるおでんなどなど、みんな大好きな日本食が異世界を救う!? ということで、異世界冒険者ギルドの地下にある食堂の主人が主人公な、日本食無双物語。日本酒も登場しています。どうも獺祭のような気がするのですが、どうなんだろうなあ。それを「日本酒の最高峰」とか言われるの、私は嫌です。ってなことはおいといて、今回、店主の生い立ちと貯蔵庫の秘密が明かされます。なぜ、日本食なのか? 仕入れはどうなっているのか? などですね。

コーネリアが本来の目的「魔王として世界を滅ぼす」をどうするかが、今回のテーマになっています。カツカレーを食べるだけの少女ではなく、魔王としての本来の姿との葛藤が描かれています。でも、まあそこはこの作品のゆるさで、あまり深刻になっていないんですけどね。

異世界と現代世界は時間の進み方が違うようです。異世界の10年が現代世界の数日(?)くらいの感覚。まあそうしないと、設定に矛盾が生じるんでしょうね。異世界のほうが時間の立ち方が早いってのは、お約束ですから。

店主の生い立ちについては、さらに謎が深まったような気がします。…というか、矛盾を出さないよう無理矢理つじつま合わせしているような。ゆるいお話なんだから、いっそ「謎」のままにしてくれたほうが、楽しめたのかもしれません。本来メインテーマであるはずの、コーネリアの葛藤が妙に軽く扱われていますからねえ。

サブタイトルの自衛隊…別にいらんような気がする。もう少し面白くなるかと思っていたのですが、結局盛り上がりやまとまりに欠けたまま…ラストも端折りすぎで盛り上がらなかったし…「生徒会」や「GJ部」みたいに、ゆるく長く続けるのか、短くはじけるのか…そのどちらもできないままでした。少々残念な結果になっていますね。

★☆
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2018年03月26日

俺もおまえもちょろすぎないか


著者:保住圭
出版社:MF文庫
俺もおまえもちょろすぎないか

付き合ってください!―少しでも“いい”と思ったらすぐに告白してしまう少年・星井出功成が主人公。冒頭部分から、彼の特性が表現されているが、正直かなりウザいというか、痛いヤツです。でも、友人からの評価を見ていると「なにか理由があるのかな?」と思わせる出だしになっています。そんな彼の前に、初鹿野つぶらが現れます。彼女は、超生真面目な性格で、どんなことでも真正面から受け止めてしまう子でした。誰にでも告白する「ナンパ男・功成」にも何か理由があるのだろうと、真面目に話を聞いてくれて…そんな彼女に「自分のことを理解しようとしてくれた!」と「好きだ!」と告白。つぶらは、「私で喜んでもらえたのが嬉しい…この気持ちを理解したいのでもっと教えてくださいっ!」とOK。ということで付き合うことになった二人はどうなるのか?

つぶらは、しっかりしすぎて、友達が少ない残念な少女。実は功成の妹が親友という子だったりします。功成も、その行動故、女性陣にひかれていますが、実はとてもいい人。そういう二人が、いろいろな問題を乗り越えながら、絆を深めていく姿が描かれています。
作者はアダルト系シナリオライターのようですが、この作品にはそういった要素はまったくなく、非常に爽やかなストーリーになっています。まわりのキャラクターの位置づけもなかなかうまく、無駄な登場人物がいません。主人公の背中を押している、幼なじみ(失敗したら、私とつきあってもいいんじゃないとアピールしているのに、まったくもって本気にされないかわいそうな幼なじみキャラ)。ブラコンというわけではないけど、主人公のことを大切にしている妹。それぞれが、主人公との関わりの中で生き生きと描かれています。

この方向性であれば、次回作も読んでみたいですねえ。

★★★☆
posted by あにあむ at 15:03| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫

2018年03月23日

陰キャになりたい陽乃森さん Step1


著者:岬鷺宮
出版社:電撃文庫
陰キャになりたい陽乃森さん Step1

主人公は鹿家野。陰キャを自認するブロガー。陰キャと陽キャは、決してお互い理解し合うことはなく、自治体レベルで隔離して生きていくべきというのが主張。
そんな鹿家野に、陽キャ中の陽キャ、陽乃森が接近してきます。さらに「わたしに陰キャを教えてよ」と言い出します。異文化激突青春ラブコメとのことです。

うーん、入ってこないですねえ。まずは、スクールカースト(そんな言い方があるんですね…)をたった二つに分けてしまっていることで、現実感がなくなっています。現在の学校はそうなんだ!といわれれば、それまでですが、人間ってそんな単純なものではないはず。いわゆる「中庸」という存在は必ずいるはずで、そもそも「わかり合えない」と言っている時点で、それはキャラではなく、単なるコミュ障。それ以外にも「陽キャは空気を読めること」を条件に上げているのに、完全に空気が読めていない発言を繰り返しています。そもそも人の性癖を大声で確認するってのは、どう考えても「空気がよめない」人の行動。陰陽以前に、人としてどうかというレベル。それも高校生ですからね。言っていいことと、悪いことの差くらいわかるはず。後半に出てくるBLの話は、まあそりゃ知らなかったら、聞いてしまうよなというレベルで、前半のものとは意味が違います。
とりあえず、前編通して陽乃森の言動がイラつくレベルですし、主人公も同じ。コメディな感じがまったくせず、結局はコミュニケーションの取り方をうまく学べなかった人間同士が、傷なめ合っているだけに見えてしまいます。
タグ:ラブコメ
posted by あにあむ at 15:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫