2019年06月06日

妹さえいればいい。(11)


著者:平坂読
出版社:ガガガ文庫
妹さえいればいい。(11)

千尋が妹だったことが判明し、小説がまったく書けなくなった伊月。土岐や京は、復活させるための方法を模索し、那由多は優しく見守りますが、結果は芳しくない状況。一方自分が女の子であることを隠さなくなった千尋にも、大きな変化が訪れます。それぞれに大きな悩みを抱えて、足掻き続ける伊月たち。

自分に本当の妹がいることがわかり、妹LOVEな小説が書けなくなってしまった伊月。方針転換してでも、小説家として生き残るために、妹モノではない作品を書こうとしても、うまくいかず、どんどん小説家としての自信をなくしていきます。そんな折り、GF文庫新人賞授賞式が開催され、伊月も参加するのですが、そこでの会話から、少しずつ「小説家・伊月」の何かが壊れていきます。今回は、シリーズ最悪の鬱展開。前半では、気分転換もかねて、那由多とお泊まり旅行に出かけ、イチャイチャしているのですが、それも軽く流されており、後半(特にラスト)に向け、どんどん鬱な展開になっていきます。

伊月の作品には、伊月自身の妄想が込められ、そこに小説家・伊月としてのテクニックで装飾されていた。それが、伊月自身に妹がいることがわかったことにより、うまくすりあわせが出来なくなってしまった。今までの執筆パターンが崩れてしまったために、起こった悲劇ですね。独身であることをウリに、エッセイを書いていた作家が、結婚をしたことにより、エッセイのキレがなくなることはよくあること。小説家でも、表に出ていないだけで、環境が変わったため、筆を折った人も多いのでしょう。伊月の悩みも理解できるところはあるのですが、少し悩みの持っていく方法が違うような…

次巻もこんな感じで続くのかなあ。だとすると少し重いな。

★★
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2019年06月04日

てのひら開拓村で異世界建国記(5)


著者:星崎崑
出版社:MF文庫
てのひら開拓村で異世界建国記(5) 〜増えてく嫁たちとのんびり無人島ライフ〜

ルキアを救出するために神殿に乗り込んだカイたち。しかし、そこにはルキアではなく守護聖人ファーレーでした。彼を島に連れ帰り、ビーエから聞き出した情報をもとに、カイは神殿と交渉する決心をします。そんな中、島の大樹に魔力異常が発生!どうやら神殿が大樹に封印した魔女を解放しようとしている模様。復活した魔女は、ルキアの生命を使って倒す予定らしい。ルキアを守るため、そして島民の生命を守るため、カイは開拓村の機能を屈指して、神殿のトップである教皇と対峙します。果たして、どちらの思惑が勝つのか…

今回は前回に引き続き、ルキア奪回がメインストーリーとなります。神殿と対峙するといっても、直接的な戦闘があるわけではなく、知恵比べ的な流れですが、前巻以上にシリアス度が上がっています。ビーエの処遇についてもですし、島のこれからについても、カイの悩みは深くなっていきます。それに比例して、のんびりライフが減っており、唯一の息抜き場所だった開拓村の登場シーンも激減しています。今巻で建国記的なエピソードが終了し、次巻からは「のんびり」が戻ってくるように後書きにありましたが、ビーエや魔女など、不穏分子が増加していることも事実。カイののんびりライフは、復活するのでしょうか?さらにカイが選ぶヒロインは誰なのかに、スポットがあたる時は来るのでしょうか?

戦士くんたちが存在しているため、どうしてもシリアスが馴染みません。そういった意味で、初期ののんびりスローライフ+ラブコメという本筋に早く戻って欲しいですね。

★★☆
posted by あにあむ at 13:54| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫

ゴスロリ卓球(2)


著者:蒼山サグ
出版社:電撃文庫
ゴスロリ卓球(2)

なんだかよくわからない、闇卓球という世界。今回はさらに、ヒロイン斉木羽麗の父のあとを追って、莫大な借金を背負い堕ちることとなった奈落の強制卓球訓練施設が舞台となります。奈落に堕ちてみたら、すでに父は去った後でした。修と羽麗は、先に堕とされていた横川梓と協力して、脱出を試みます。しかしながら、修と別れて生活をする羽麗はさらにポンコツぶりが加速していきます。

闇卓球だけでも、よくわからん世界なのに、さらに奈落という場所が舞台になっています。ここでも、卓球の強さがすべてとなっており、少女はゴスロリ服を着ているというマニアな世界です。奈落がどこにあるかは、現時点では謎とされており、脱出条件もわからない状況です。奈落で生活する人には、タブレット端末が支給され、それを用いて生活や訓練の情報を入手しています。また仮想通貨が支給され、その通貨で食事・卓球用具・生活用具などを購入する仕組み。つまり仮想通貨がゼロになれば、The Endということ。設定された課題をこなせば、通貨を増やすことは出来ますが、微々たるものなので、闇卓球ルールで増やすのが一番。しかし通貨をあまり持っていないビギナーは、うまみがなく対戦相手も見つけにくい。またそういった人間を狙うヤツも存在しており、他人が信じられない世界になっています。

修はいきなり狙われますが、それを助けたのは梓。彼女と協力することで、脱出条件を探すことになります。ところが、修と別に生活(男女で寮が違う)することになった羽麗は、いつの間にか梓と修が仲良くなったと思い込み、さらにややこしい状態になっていきます。果たして3人はこの世界を抜け出せるのでしょうか?

って、もうなにがなんだか。そもそも卓球である必然性がわかりません。確かに卓球は、卓球台があればプレー出来る…ということでしょうが、温泉宿の卓球台ではなく、公式戦だとそれなりにスペースもいるし、別に卓球にこだわらなくても…という気もします。

ロウきゅーぶの時もそうでしたが、バスケ以上に卓球シーンは、盛り上がらない。今回も後半は卓球シーンが続きますが、よーわからんというのが本音でした。またヒロインの魅力が少ないもの残念。やはりこの作者さんは、低年齢ヒロインがいないと面白くないですね。さすがに今回は「闇世界」ということで、高校生設定になったのでしょうが、無理矢理精神年齢だけ幼くしようとした表現があり、さらに現実離れしてしまっています。うーむ続きどうしようかなあ。

★☆
posted by あにあむ at 13:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫