2018年06月06日

勇者だけど歌唱スキルがゼロなせいで修羅場続きになっている


著者:須崎正太郎
出版社:スニーカー文庫
勇者だけど歌唱スキルがゼロなせいで修羅場続きになっている

主人公・勇者アランは、剣も魔法もレベルMAX。しかし歌唱力(カラオケでのね)がないのが唯一の欠点。…普通なら別にどうってことない欠点なのですが、この世界(というかこの国)では、空唱(カラオケ)が大ブーム。学生時代に、音痴なことや、空唱のノリについていけないことから、同級生から馬鹿にされ、それがトラウマに。どの職業に就いても、空唱から逃れられない(歓迎会・慰安会・忘年会などなど)ので、唯一空唱に行かなくてもよさそうな勇者になったという経歴の持ち主。っていうか、空唱で適当にうまくなるほうが、勇者になるよりよっぽど簡単なんですけど、そこに触れてしまうと、この物語は終了してしまいます。念願の勇者になり、空唱から逃れられるはずだったアランですが、誰か(たいてい美少女)を助けると、お嬢様、魔法少女、女騎士がこぞって、アランの「はじめて」を奪いにくる修羅場に毎日になってしまい…気がついたら、受難のハーレムライフが始まっていた。

ってことで、カラオケがメインとなるファンタジーです。アランが美少女を助けると、空唱に誘われるというパターンが続き、ハーレムが構築されていきます。うん、まったく理解できないです。そもそも空唱が嫌だったら、はっきり言えばいいだけで、結局下心があるから、のこのこついて行っているだけですやん。守備範囲もかなり広いようで、ロリから年上まで、なんでもこいな下心。

ゲスな主人公だと思わせる前半。ところが中盤からは…もっとゲスになっていきました。空唱が嫌いなのは、個人の自由。でもアランは、勇者という立場を利用して、空唱を世の中から抹殺しようとします。そのために、元同級生を殺害したり、魔王と手を組んだり、歴史の改編を試みたりと、悪行三昧。すでに勇者ではなく、単なる極悪人に成り果てています。こんな主人公にどうやって感情移入しろというのだ?

空唱嫌いは、私もそうなので共感できます。でも、そこからの思考がまったくもってついて行けない。結局自己中なだけでした。空唱シーンも、テンプレで、歌われている歌詞も面白みがまったくない…もう少し考えるか、描写をすっ飛ばしたほうが、スピード感を確保できたんじゃないかな。

★☆
タグ:ラブコメ
posted by あにあむ at 11:17| Comment(0) | TrackBack(0) | スニーカー文庫

2018年06月01日

※妹を攻略するのも大切なお仕事です。


著者:弥生志郎
出版社:MF文庫
※妹を攻略するのも大切なお仕事です。

既視感があると思ったら、「※妹を可愛がるのも大切なお仕事です。」の2巻として発刊されているのですね。前巻は、超ブラコン・シスコン兄妹が主人公でした。今回は、絶望的に仲の悪い兄妹が主人公です。兄は、前回のヒロイン・唯々羽の担当を取り合い負けた賀内亮二。彼の昔の夢は「作家になること」その夢が破れ、今は編集者をしているのですが、筆を折ったことが原因で、実妹・涼風から徹底的に嫌われています。同じ部屋にいるのも嫌! という嫌い方ですが、なんというかテンプレなツンデレの匂いしかしません。前巻もそうでしたが、ヒロインの心情の描き方が浅すぎるんですよね。そのため、先が読めてしまいます。

アニメ化までした人気作品のイラストレーターが病気で降板してしまい、後任の絵師を探す亮二。でもなかなかいい人が見つからず、手持ちの札=親交のあるイラストレーターは、スケジュールが合わず…そんなある日、大人気のエロゲのイラストに一目惚れし、その原画師に仕事の依頼をします…ところが、打合せ場所に現れたのは、妹の涼風。未成年でありながらエロゲの原画師をしていたのです、仲が悪い兄妹は、ラノベを作り上げることができるのでしょうか?

前巻のイチャラブ兄妹は、正直理解の範疇を超えていました。今回のツンツン妹もたいがいですが、なんとか理解できるギリギリで踏ん張っています。二人の不仲の原因が、分かってからは、さらに違和感は少なくなります。現実の兄妹もこんなものなのかなあと。ただ涼風のキャラの掘り下げが浅いため、感情移入できるレベルには達していませんね。エロゲメーカーのディレクターである穂花さんも、立ち位置が曖昧で残念。明らかに亮二を意識しているのですが、亮二が気づかないのはお約束として、穂花も決定的な動きはありません。もしかしたら、2巻の登場人物のまま、続刊考えられているんでしょうかね?そこで穂花・涼風・亮二のラブコメを展開される予定なのかな?なんとなく今のままでは、キャラがもったいないですね。

★★☆
posted by あにあむ at 14:59| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫

2018年05月29日

女神の勇者を倒すゲスな方法(4)


著者:笹木さくま
出版社:ファミ通文庫
女神の勇者を倒すゲスな方法(4) 「お気の毒ですが変人は増えてしまいました」

あらゆる手段をつかって、女神教との一時停戦をもぎとった真一たち。次は、不死身の勇者を生み出す女神そのものを倒すための旅に出ていました。そこで彼らは、かつて女神直々に破壊するよう命じた「エルフの墓所」の存在を知ります。しかしながらエルフたちは、人間を忌み嫌い、不死身の勇者ですら一蹴する魔力の持ち主。最初は、できるだけ友好的に接しようとする真一たちですが、暴言を吐きまくるエルフに、セレスがブチギレ! 勇者ですら勝てないエルフに、真一たちはどのように立ち向かうのか?なんだか、すでにリノちゃんが魔王の娘だという事実を忘れてしまっていますね。

あらすじだけを見ると、かなり激しいバトルというイメージもありますが、そこはリノちゃんがいるパーティ。なんとなくほんわかとした雰囲気も漂うシーンの連続となっています。まあ軍師が真一である以上、血で血を洗うという展開は難しいんですけどね。今回登場するエルフは、かなり口が悪いです。彼女たちを倒そうとしている勇者ご一行様がアレだから仕方がないのでしょうが、それにしても口が悪い。でもその中から、とある性癖に気がついた真一は、やはりゲスなんでしょうね。普通気がつかないよな。

今回ラストのほうは、かなり緊迫した展開になっています。今までのシリーズとは大きく雰囲気が変わってきています。真一自身に関することでも、つらい展開が待っています。果たしてこの後、どの方向に進むのでしょうか? できればバトルシーン満載ってな方向は勘弁して欲しいな。

少々苦言。イラストとのかい離が発生しています。もともとリノちゃんの年齢とイラスト年齢に差があった(イラストのほうが成長している)のですが、今巻は文章のほうでの設定年齢がよくわからなくなってきています。言動からすると10歳までという感じですが、イラストはもう少し上の感じに。文章内でも少し上の表現もあったりして、うーむ。

★★★
posted by あにあむ at 16:01| Comment(0) | TrackBack(0) | ファミ通文庫