2017年04月11日

編集さんとJK作家の正しいつきあい方


著者:あさのハジメ
出版社:ファンタジア文庫
編集さんとJK作家の正しいつきあい方

ファンタジア文庫だけど、MF文庫っぽい。
主人公は、高校生ラノベ編集者・冴原吹雪。青春よりもバイト優先の社畜予備軍というか、すでに社畜そのもの。彼の下宿先「なつめ荘」は変人作家の巣窟で、禁断の兄妹愛に憧れるブラコン(兼ストーカー)の百合鴎凜、関西系ドイツ人のミッシェル・メッサーシュミットが住んでいました。そこへ冴原吹雪は私のご主人様です。いっぱいご奉仕します」と作中ヒロインになりきってデレまくりの執筆スタイルをとる竜園寺美沙が仲間入りします。もっとも、吹雪の「編集脳」はさらにイカれており、「きみの水着エプロン姿は可愛い。だけど担当としてはこのシーンを修正したい。猫耳を付けてもう1回だ」…同棲ラブコメ…なのかな?

吹雪はバイトながら、女子高生新人作家・竜園寺美沙の担当につきました。彼女は、ラノベを読んだこともない状態で「初めて」書いた原稿で新人賞をとった異才の持ち主。ただその執筆スタイルは、ヒロインになりきりデレまくること。ちなみにミッシェルは、ストレスをためて、それを爆発させながら虎キチとなって書き殴ること。凜のスタイルは、従兄である吹雪の膝の上で、ブラコンエロコメを。ってまともな人はいないのか? そーいや、最近裸で執筆するJS作家って作品もあったなあ。(って同じ作者さんじゃないか)
まあそういう意味では、よくあるお話になっています。業界ものではなく、ラブコメに軸足を置いているので、読むのが楽しいですね。業界モノは、どうしてもアラが出てきてしまうからなあ。本作の特徴は、吹雪が「鈍感」というよりも、社畜に振り切っていること。恥ずかしさよりも「作品のおもしろさ」を優先して、結果としてヒロインの想いに気がつけないという点。

前半は、軽いノリのラブコメ。中盤で少々シリアスになるのですが、結局はラブコメに戻ってきています。というかシリアスシーン必要だったのだろうか? 吹雪が「なぜ自らの感情を出さないようになったのか?」について明かされないまま、コメディに戻ってしまったのが、もどかしいですね。2巻以降への伏線になっているのかな?

ヒロインは、同級生・幼馴染み・妹(従妹)とそろっているのに、今のところ「かわいらしさ」不足で、盛り上がっていません。「ドイツ語が話せないドイツ人」を関西弁にしたのが失敗のような…関西人からすると「あんな奴いねえって」というレベルなもので…従妹も中途半端ですね。なぜ吹雪が好きなのかが見えてこないし、中途半端。さらに編集者も中途半端だし…全員、振り切れていないので盛り上がりにかけるんですね。次巻以降ヒロインがかわいくなれば、おもしろいのですが。

★★
posted by あにあむ at 13:49| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジア文庫

2017年04月07日

底辺剣士は神獣<むすめ>と暮らす 家族で挑む迷宮攻略


著者:番棚葵
出版社:MF文庫
底辺剣士は神獣<むすめ>と暮らす 家族で挑む迷宮攻略

迷宮都市に暮らす少年剣士・アードは、自身に宿る“悪運”の祝福により碌な冒険が出来ずにいた。ある日、罠にかかり飛ばされた先で3人の少女を拾う。彼女たちは古代文明に造られた“神獣”で―刷り込みによつて父親認定されてしまった!幼なじみのリウナを加え、家族となったアードたち。だが、昼は子育てとバイトに追われ、迷宮攻略に使えるのは、寝る前たったの2時間だけ!?フェニ(フェニックス:外見14歳)の戦闘能力は高いし、ユニ(ユニコーン:外見11歳)は、とんでもないアイテムを作り出すし、ナー(ナーガ:外見9歳)は、予知能力があるしと娘チートにより、攻略を進めていきます。アードは、娘たちを守ることができるのか!

最初は刷り込みによって、アードを「父親」と認識する3人娘ですが、次第にアードの優しさに対して「異性」として好意を持つようになっていきます。なので、もともとアードに好意を持っているリウナを「恋敵」と認定。ロリ娘たちとリウナによる、アード争奪戦も繰り広げられます。しかしながら、アードはご多分に漏れず鈍感で、リウナは妹、3人娘は娘としてしか見ておらず、恋愛対象になっていません。まあお約束の展開ですな。とはいえ、リウナは同い年ということもあり、若干気があるのかな? と思わせるシーンも。これからどうなっていくのでしょう。

戦闘シーンは、前半は3人娘によるチート爆裂です。これってずるいよな。といいたくなるレベル。でも、自分が倒したわけではないので、レベルは上がらないという世界観になっているようです。経験点とスキルポイントが別というのは、どこかのゲームでそういうのがあったような… レベルアップは、ギルドでないとできないようです。ということは、ダンジョンに潜ると、戻ってくるまでレベルアップできないということですね。結構つらいだろうな。

作品は、3人娘たちが、アードに惚れていく過程や、それに伴いリウナに嫉妬していく過程がうまく描かれています。よいラブコメですね。
★★★★
posted by あにあむ at 17:18| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫

2017年04月06日

ソード・ワールド2.0リプレイ 竜伯爵は没落しました!


著者:秋田みやび/グループSNE
出版社:ドラゴンブック
ソード・ワールド2.0リプレイ 竜伯爵は没落しました!

久しぶりのTRPGリプレイ。最近以前の勢いがなくなってきて残念です。

秋田GMによる蛮族領「紫闇の国ディルフラム」を舞台としたキャンペーンです。蛮族が治める地であり、人間は家畜・奴隷扱い。その中のドレイク伯爵家ヴァルテックでは、奴隷にも、快適な環境を与え、その分生産性を上げるという考え。その跡取り息子・ロランは、まだ頼りないけど、有能な人族奴隷たちが助けているという領地。この考えは珍しく、他領地では、人族は「労働力になるけど、基本食料」という考え。
そんなヴァルテック家では、平和と繁栄が保たれていたのですが、突然領主が死亡。ロランが当主ということに。これは近隣領の策略なのか?

「強いものこそ正義!」なディルフラム。領主夫妻の庇護によって、平和にゆったりとロランを育ていたのに、突然当主代行として領地を治めなければならないことに。当然近隣領から侵攻を受けます。というか、そもそもこの当主交代そのものが、近隣領の策略であることは、ほぼ確実。ロランだけだと、どうしようもなかったでしょうが、ヴァルテック家の人族奴隷たちによって、彼は立派な当主へと成長していくはず。そう、このシナリオは、ロランの成長物語になるはずだったんですが…どうしてそうなった? な展開になっています。まあTRPGには、ありがちな展開ですし、ロランのPCがとった行動も理解できるものなんですが…たぶんキャンペーン前半で、こんなことになって、いったいどうするんでしょうね? まあ秋田GMなので、仕方がないか。

前半は、ロランを中心として、ストーリーもさくさく進み、久しぶりにいいリプレイになりそうでした。ところが、後半のある事件を境にして、閉塞感が強くなり、なんとなく最近のSNE色が強くなってしまっています。もともとSNEは、シナリオ(GMの思惑)をあまり表に出さず、PCの自由度が高いリプレイだったのが、シナリオ重視のあまり、PCの行動を束縛してしまい、閉塞感が生まれることが多くなっています。まあ昔のように「剣と魔法の世界」という単純なものでなくなっているので、いろいろ仕方がないのでしょうが…
「ぞんざいず」のような名作が生まれてくることを期待しています。

★★
posted by あにあむ at 11:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ドラゴンブック