2018年04月06日

底辺剣士は神獣<むすめ>と暮らす(4)


著者:番棚葵
出版社:MF文庫
底辺剣士は神獣<むすめ>と暮らす(4) 家族で考える神獣たちの未来

娘たちを手元におくための試練に必要だった目標額を達成し、晴れて正式な親子関係になったアードたち。いつも以上に甘えてくるようになった娘たちに対し、自分たちが将来どうやって生きていくのか考えて欲しいと告げます。「いつまでもあると思うな。親と金」じゃないですが、これから先成長していくのであろう(神獣だけによくわからない)娘たちに、自分たちの将来を描かせようという親心です。
ただ娘たちにとっては、まだ難しい問題だったようで、子どもたちの間で流行っている小説の登場人物から「探偵になる」という結論を導きだします。まあ子どものころの「将来の夢」ってそんなものですよね。で、普通は夢に終わるのですが、そこは神獣。「グラッサム探偵団」を立ち上げ活動を始めると、もともと人気者になっていた娘たちの元へ、次々と依頼が舞い込んできます。アードが思い描いていた展開と異なるものでしたが、果たしてどうなっていくのでしょうか?

今回で、シリーズ終了とのことです。なので、娘たちの将来や、アード自身の将来について、一定の方向性が決定されていきます。でもアードの恋(というか、リウナのですね)はどうなるのか? あまり詳しく触れられていないのが残念ですね。もう少しリウナも幸せになってくれればよかったのですが。

探偵団としての活躍は、依頼も展開もお約束なものが多いです。前半はまだ少年探偵団の真似事的活躍をする娘たちですが、後半は別にいなくてもよかったのかなあというシーンが続いております。まあアードが突出した実力なんで、仕方がないのかもしれませんね。でももう少し活躍を描いてもらいたかったなあ。

後半尻すぼみになっているのは、大人の事情が働いた結果の完結だからでしょうか? いままでの展開に比べると、物足りないですね。なんとなくですが、3巻で第一部完。さあ第二部が始まるよ、というところで「大人の事情により…」となったような気がします。伏線の回収も雑でしたしね。特にピコが再登場した意味がよくわからない。結局なんだったんだろう?

★☆
posted by あにあむ at 16:22| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫

2018年04月05日

突然ですが、お兄ちゃんと結婚しますっ!(3)


著者:塀流通留
出版社:MF文庫
突然ですが、お兄ちゃんと結婚しますっ!(3) わかった、とりあえずみそ汁を作ってくれ。

実妹、義妹だけでなく、似妹、外妹種、異妹など妹がゲシュタルト崩壊しているような作品です。実妹・凛音、義妹・空、似妹・青葉の3人に告白され、。一年間彼女たちに性的な意味で落とされなければ、永遠の妹ハーレムを約束するという「兄妹和親条約」を締結している慧が主人公。どんどん膨らんでいく妹ハーレム。夢のハーレムを構築するため、頑張っている慧ですが、ビーチバレーや肝試しなどあらゆるシチュエーションで誘惑してくる妹's。すでに慧の理性は限界状態のようで「さっきからわたしのこと、意識してるでしょ?」「そ、そんなことねーし!」と、即答できなくなってきています。果たして?

なんでしょうね。どんどん話が変な方向にずれていっています。もともとまともではなかったのですが、さらにおかしな方向に進んでおり、無駄にシリアスな設定も追加されてしまいました。そもそもが「永遠の妹ハーレムを築く」という頭おかしいだろ!という目標に向かって邁進する小説なんですから、シリアス成分は不要なんですけどね。というか、どんなシリアスもってきても、どうせギャグに上塗りされてしまうんだから…

妹からの誘惑レベルが、常識的な範囲に堕ちてきたような気がします。いろいろありすぎて、今の関係性に慣れてきてしまったのかも。もしかすると、この「慣れ」を打破するための、今回の展開だったのかもしれませんね。ただ少なくとも今回はうまくいったとは思えない状況です。もう一度以前の絶妙なバランスに戻って欲しいですね。そして、さらに想像もできない、新しい「妹」を参加させてもらいたいです。突然変異妹、絶滅危惧妹、量産型妹、赤い妹等など…なんか混じってますね。

今回も、サブタイトルの意味がよくわからなかった…

★★☆
posted by あにあむ at 09:41| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫

2018年04月02日

14歳とイラストレーター(4)


著者:むらさきゆきや
出版社:MF文庫
14歳とイラストレーター(4)

悠斗が姉の京橋彩華と競っていた頃、小倉まりぃの新作イラストレーターとして、ネットで人気の絵師「白砂」が抜擢されます。所属する絵師クラスタの仲間に祝福されても「べつに商業が初めてってわけじゃないし?ふつーでしょ」と余裕を見せていたのですが、何度もボツにされ困惑します。なぜボツになるのかがわからず、袋小路に迷い込んでしまっているのですが、仲間にそのことを打ち明けることができません。白砂はどうするのか?
前回は、すでにプロになっている姉弟対決が描かれました。どちらもプロとして実績があるので、イラストに込める想いといったものが語られていましたが、今回は「絵のうまい素人」と「プロのイラストレーター」の違いが、ある意味冷酷に描かれています。白砂は、ネット世界では名の知れた絵師。そのプライドがあったのですが、プロの世界はテクニックだけでは語れない「何が」があるようで、その「何か」がつかめず四苦八苦しています。そこで、まりぃの別シリーズのイラストを描いている悠斗を訪ねてきます。悠斗は白砂にアドバイスすることになりますが、聞いておきながら最初は心を開こうとしない白砂。しかしそこはラノベ主人公属性のある悠斗。大切なことを彼女に教え、ついでに落としてしまったような気もします。

すべてを捨ててでも、その世界で生きていく決意があるか? 非常に重い決断が必要な事項です。すべての事象が「二択の世界」になっているとは思いません。Yes/No以外の回答があることも多々。でも「どちらも」という回答は、難しいんですよね。今回白砂は絵師クラスタの仲間と「仕事」を天秤にかけることになりました。本当の友人というのは、相手の状況を理解して、相手を高めることによって自分も成長していくもの。それができない人は友人ではない…言葉にしたら簡単ですけど、現実ではなかなかねえ。

もう一つ、イラストレーターとしての悠斗の心得も描かれました。それは「作品を好きになること」 これは本当にそう思います。「ビジネス」として描かれたイラストは、うわべだけなぞっているだけで、印象に残りません。その作品・人物を好き(場合によっては嫌い)という気持ちが入っていると、文章に溶け込んでくれます。さらに商用の場合は、見た人が楽しい(悲しい)という気持ちを想起させる「なにか」が必要なんでしょうね。
少し真面目な話が続きましたが、しっかりラブコメしてますし、楽しい作品であることは間違いありません。しかし悠斗と乃々香の関係は、恋人というより長年寄り添った夫婦のようになってきましたね。乃々香の両親も登場させて欲しいな。あともう一組。ナスさんとハラミさん。いや、なんかもうこの組み合わせでいいんじゃない? そのほうがナスさん、幸せになれるような気がする。

★★★★
posted by あにあむ at 16:03| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫