2018年11月20日

ゴスロリ卓球


著者:蒼山サグ
出版社:電撃文庫
ゴスロリ卓球

闇卓球が舞台…ってなんじゃそりゃ? ゴスロリ服を纏った少女たちが主役の闇のマネーゲーム。それが闇卓球…もっとわからなくなった。要は、卓球の勝敗にバカラ賭博のような金額を賭けるという、賭博ですね。主人公・坂井修の幼なじみ・斎木羽麗は卓球部のエースだったが、ある日失踪してしまいます。父親の抱える8000万もの借金を返済するため、闇卓球の選手として戦うためです。それを知った修は、羽麗を借金地獄から救うため、共に生命を賭けたギャンブルに挑んでいきます。

今までの作品(前作除く)と大きく毛色が変わった作品になっています。一応「少女+α」という構成は同じですが、まず年齢が高くなっています。いや主人公は高校生なので、従来作品と同じですが、今回は小学生は登場していません。今までは日常が描かれており(一部誇張などはありますが)想像ができる世界での物語でしたが、今回は闇社会が舞台となっています。

うーむ、今までの作品のような楽しさがまったくありませんねえ。ヒロインも魅力ないし、闇卓球という設定も中途半端すぎます。いろいろ御託並べていますが、結局は「博打」という点で目新しさがありません。大昔からこの手の賭博は存在しており、搾取する側とされる側の悲哀も、いろんな作品で描かれてきています。

この作品が弱いのは、闇世界の描き方が中途半端なこと。現在日本で、ここまであからさまな賭博を実施するのであれば、もっとセキュリティは厳しいでしょう。そういった部分が気になって、物語に没入できませんでした。ヒロインの言動も、らしさがなかったですね。このシリーズはパスかなあ。
★★☆
posted by あにあむ at 15:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫

異世界支配のスキルテイカー(9)


著者:柑橘ゆすら
出版社:講談社ラノベ文庫
異世界支配のスキルテイカー(9)

前巻から引き続き、シルフィアの故郷が舞台。そこで戦争を止めるため、奔走する悠斗。スキルをKeyに、黒幕となる人物を導き出した悠斗は、すべての決着をつけるために、決戦の舞台となる地下聖堂に足を踏み入れる…

今回はバトルシーンが大幅増量されています。謎の異世界人との決戦というエピソードのクライマックスがあるからなんですが、いままで軽いエロコメディの姿はあまり留めていません。というか、別作品のようなノリになってしまっています。黒幕との闘いも、強さのインフレが酷く、現実離れしたもの(もともとそうだという話もありますが)になっており、あまり楽しむことが出来ませんでした。

このシリーズは、悠斗が特殊スキルを用いて、ハーレムを構築していく流れになっていたのに、今回はヒロインがあまり活躍していない。スピカたちを地元においてきたが故、余計にコメディ感がなくなってしまっています。いろいろとネタ切れ状態なんでしょうか。
次回からは、また悠斗の地元に舞台が戻るようです。そうすると、ヒロインたちの活躍の場が広がり、ラブコメも楽しめるようになるかもしれませんね。

★★
posted by あにあむ at 14:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 講談社ラノベ文庫

2018年11月19日

妹が泣いてるんで帰ります。


著者:田尾典丈
出版社:MF文庫
妹が泣いてるんで帰ります。 〜兄がデスマーチに巻き込まれた時、妹が取るべき10の対策〜

主人公は、10組の兄妹。兄は全員、ゲーム関連会社勤務のクリエーターたち。大型SRPGの開発に携わっているメンバーが、能力のないディレクターの思いつきに振り回され、修羅場に堕ちていく姿と、そこから妹の力で抜け出す姿を描いた10編の短編集となっています。
最初は、ゲーム開発会社のディレクター兄妹のお話。順調に進んでいた大型SRPGの開発。発売直前になり、クライアントの気まぐれで音ゲーのミニゲーム追加をしなければならないことに…当然スケジュールはボロボロになります。「今更ミニゲーム追加だと!?人を修羅場に堕とす気か!!」と吠えてみるものの、受託開発側の悲哀で、どうしようもない…そのせいで、10人の兄(全員シスコン)は、愛する妹とふれあう時間もとれなくなってしまいます。

すべての短編が修羅場に追い込まれた(自爆型もありますが)兄たちが、愛する妹とふれあう時間をなくし、憔悴していき、最終的には妹が泣くことに。「お兄ちゃん…何時ぐらいに、帰れそう…?お仕事…頑張ってね…ぅっ」 最愛の妹の涙にお兄ちゃんたは「妹が泣いてるんで帰ります!」とすべてを投げ出して帰宅するというパターンが、全編に踏襲されています。まあ様式美ですね。

妹の性格や年齢もバラバラですし、兄たちの仕事内容や性格もバラバラ。そういった意味ではバラエティに富んでいると言えなくもないのですが、やはり「妹が泣いてるんで帰ります!」のパターンが10個続くと飽きてしまいますねえ。現実世界でも、気まぐれな「偉い人」はいますが、複数会社をまたがるようなプロジェクトだと、もう少し契約も厳しいのが現実じゃないかなあ。当初仕様から大きく変更する際のコストも負担してもらえないような契約は、そもそも最初から間違っているような…

サブタイトルの「兄がデスマーチに巻き込まれた時、妹が取るべき10の対策」からは、妹の策略を想起させられて、あまり作品にそぐわないですね。また、デスマーチとなっていますが、このプロジェクトはデスマーチ歩んでないですよ。工数(人月)を投入しても、破滅へ歩き続けるのがデスマーチプロジェクトと考えれば、このプロジェクトは「想定外」が発生しているだけで、結局手持ち工数で解決してますしね。さらに「妹が…」でそのタスクのキーパーソンが数時間〜1日休んでも、プロジェクト動いているし。開発会社のディレクターの腕(能力を冷静に見る目)があったからとも言えますが、この程度ならデスマーチプロジェクトと言えないのでは?

作者名で購入しましたが、ちと微妙でした。

★★
タグ:★★
posted by あにあむ at 11:14| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫