2017年05月15日

キラプリおじさんと幼女先輩


著者:岩沢藍
出版社:電撃文庫
キラプリおじさんと幼女先輩

主人公は高校生・黒崎翔吾。女児向けアイドルアーケードゲーム「キラプリ」に情熱を注いでいます。当然友人は少ないと思われますが、それなりのコミュニケーション能力はあるようです。彼が住んでいるのは、田舎町(山口県下関市近辺と思われ)で、街のゲームセンターには、キラプリが1台しか設置されていません。しかし、それ故少しのめり込むとトップランカーになれるということで…ある日、突如現れた小学生・新島千鶴によって、あっさり奪われてしまい…「俺の庭を荒らしやがって」「なにか文句ある?」 と、小学生と同レベルで張り合う翔吾。昔なら近所のお兄ちゃんとの交流ですんだことが、最近は大変なご時世。それでも翔吾は、1台しかない筐体のプレイ権をかけて、千鶴と対立を続けるうちに、連帯感のようなものも出てきて… そんな二人に最大の試練が…クリスマス限定アイテムをとるためには、おともだちとの二人プレイが必須。素直になれない二人に襲いかかる現実。さてどうなるのか?

ということで、おおきなおともだちとちいさなおともだちの交流を描いた作品になっています。翔吾が女児向けアーケードゲームにのめり込むオタクとして描かれるであれば、案外スムーズに物語が進んだと思われます。しかし翔吾も千鶴も、いろいろあった過去のせいで、とんがっているため、衝突が続いています。当初ゲームセンターでは、翔吾の友人もいなかったこともあり、千鶴は翔吾を自分と同じ「寂しい人」と思い込み、そこに親近感を抱くようになったようです。ところが幼馴染みが翔吾をクラスのパーティに強引に連れ出したことから、翔吾にさえ裏切られたと思い込むようになります。

ゲームが主体になっていますが、実は年齢を超えた淡い恋心というのが裏にあり、それが物語に深みを与えています。ただストーリー内の書き方では、幼馴染みが身勝手に見えてしまうのが残念。翔吾のことを思うというより「世間常識と離れた人が許せない」だけというふうに見えてしまいます。それがなかったら、年齢差ラブコメにもできそうなんですけどねえ。

★★
タグ:★★
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2017年05月02日

俺色に染めるぼっちエリートのしつけ方


著者:あまさきみりと
出版社:スニーカー文庫
俺色に染めるぼっちエリートのしつけ方

第21回スニーカー大賞〈特別賞〉受賞作。学年一のイケメン紳士と思われている・東雲甲が主人公。彼には裏の顔があった…
物語冒頭で、太陽のような笑顔で家庭的かつ優しい美少女・七海さんと付き合うようになる甲。二人の仲は、まわりもうらやむようなさわやかなもの。でも付き合いだして一週間ほどでコウは本性を現す。部屋で七海を目隠しして拘束。そこで「光速」で動くハンドテクニックで、性的いじめを敢行。恥ずかしがりながらも堕ちていく女の子を見て悦ぶという、いわば変態さん。でも、不思議と被害者の女の子はコウのことを嫌いにならず、彼が正しい恋愛ができるよう見守ってくれるという不思議。イケメンはなにしても許されるか!といいたいところです。

ある夜、エロゲ好きの小学生(?)レナトと出会います。ひきこもりの彼女の夢は、コスプレで夏コミ参加。なぜか、彼女の兄(コウの同級生)から頼まれ、彼女と同棲してひもりから抜け出させることに。コウが行ったトレーニングは「SADS(紳士&サディスト)」 レナトからも信頼され、彼女は少しずつ引きこもりを脱していきます。でもそんな彼女を妬む集団も現れ… コウは彼女を助けることができるのか?

というイチャラブハーレム的レブコメです。コウの技は、女の子を拘束していたぶること。まあ別名「犯罪」ですね。でも、そこに「愛」があるのか、なぜか女の子に嫌われない不思議な男。でも犯罪者です。さらにロリです。たぶん…レナトを小学生と認識しているにもかかわらず、SADSを発動しているし、幼馴染み(もと許嫁)にも小学生の頃から性的イタズラしているようですし。つまり小学生の頃から、女の子を(性的に)虐めて、女の子が堕ちていく姿を楽しんでいた訳ですね。とんでもないヤツです。

でも、なんか憎めないヤツではあるんですよね。性的嗜好は別にすると、誠実なヤツなんだと思います。イラストも相まって、やわらかい雰囲気が全体を覆っている作品になっています。登場するキャラが、みな意思をもって行動しているのもいいですね。

★★★☆
posted by あにあむ at 09:54| Comment(0) | TrackBack(0) | スニーカー文庫

2017年04月28日

佐伯さんと、ひとつ屋根の下 I'll have Sherbet! (1)


著者:九曜
出版社:ファミ通文庫
佐伯さんと、ひとつ屋根の下 I'll have Sherbet! (1)

主人公・弓月恭嗣は、高校2年生から一人暮らしを始める予定でした。通学に2時間かかるということで、学校近くに引越。その引越の当日、予定の部屋についたらなんと不動産屋の手違いで、二重契約になっていた…もう一人はひとつ年下の佐伯貴理華という女の子。完全に不動産屋の手違いなので、なんとかしてもらう(新しい物件が見つかるまでの、ホテル滞在費を持ってもらうなど)のが普通だが、二人(主に佐伯さん)が出した結論は「一緒に暮らす」というもの。佐伯さんは海外経験があるということで、いわゆる「ルームシェア」をしようということなんですが、初対面の異性とその場で決めてしまうのは、どうなんだろう? なにか裏があるようですが…
同居生活が始まると、やたらと距離を縮めてきたがる彼女と、それに抵抗する主人公。お約束で学校も同じで…「常に冷静な弓月くんと、とびきりの美少女なのにちょっとHな佐伯さんが繰り広げる同棲&学園ラブ・コメディ」とのこと。

とりあえず、導入部で引いてしまいました。初対面の異性とあっさり同居をする神経がよくわかりません。さらに掃除洗濯炊事などの役割分担(大半が佐伯さん)を決めるなど、それは「同棲」といいますな状態。提案する佐伯さんも変ですが、それを受け入れる恭嗣も変。さらに恭嗣がずっと敬語で話しているのも違和感ありまくり。確かに、他人との距離感をつかみにくい時は敬語で話すほうが楽というのはわかるのですが、自分の妹や親友にまで敬語とか、なにか悪い冗談にしかみえません。

なんかそれぞれの絆がすごく絵空事に見えて、虚無感を感じてしまうのです。そのため全くコメディとして楽しめませんでした。まるで書き割りの世界で、佐伯さんだけが実像のような、ある意味悪夢をみているような感じさえ受けます。

読解力が落ちたのかなあ。主人公が冷静とは、とても思えない。冷帯というか、一部の感情を欠落させてしまった「狂気」を感じてしまいます。佐伯さんが女の子らしく、主人公に好意を寄せていくほど、主人公(やそのまわりの登場人物)の狂気を感じ取ってしまって… うん、もう2巻はいいや。
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posted by あにあむ at 10:39| Comment(0) | TrackBack(0) | ファミ通文庫