2017年12月05日

異世界ギルド飯


著者:白石新
出版社:GA文庫
異世界ギルド飯 〜暗黒邪龍とカツカレー〜

主人公は、異世界にある冒険者ギルドの地下にある食堂の主人。この食堂は、一つの冒険者ギルドだけでなく、その世界の冒険者ギルドの地下に日替わりでつながる扉を持っています。そこで供される料理は、主に日本の食材と料理。でも主人は日本から転生した存在ではなく、その世界に生まれた異世界人。ただその食堂には、現代日本に通じる扉があり、それを通って日本(どうやら東京)で仕入れをしているという設定になっています。そのため、その世界では非常に高価なガラスコップや氷といったものが準備できるという環境にあります。でも供される料理は、カツカレー、生姜焼き定食、焼き肉といった現代日本の定食屋で食べられる身近なものばかり。

そんな食堂に集う常連も、変わった人ばかり、で魔王の娘、魔術師、若き英雄など。誰もが食堂内では平等で、たとえ皇帝であっても、満席だと断られてしまう食堂となっています。

連作短編形式になっており、それぞれの短編で第一人称で語る人物が異なるので、最初は戸惑いました。そもそも食堂の設定がよくわからないものですからね。主人公に日本人の血が流れているのは間違いない。でも貨幣単位がよくわからない。現代日本で仕入れができるということは、貨幣が同じなんだろうか? 「異世界Cマート」では、そのあたりを無理矢理解決していますが、この世界でも似たようなものなのかな?他にも店主が、どのようにして「現代日本」の料理技術を身につけたのか?が不思議ですね。

最初のエピソードで、魔王の娘が現れ、その子がヒロイン的立場となっています。最近流行の魔王の娘タイプで、素直で優しい性格。態度だけはでかいけど…年齢は不詳ですが、見た目は10歳前後の美少女と狙っています(なにを?)

前半は、食堂内で起こる出来事が会話中心で描かれ、料理をスパイスにした「日常もの」といった感じでまったり進みます。ところが後半は、いきなり「料理大会」や「武術大会」といったものが出てきて、話がぶれてしまっています。料理大会のほうですが、いろいろと突っ込みどころが多い展開になっています。特に化学調味料のくだり…化学調味料がチート級の万能調味料と捉えられていますが、もともとそのようなものを口にしたことがない(自然食しか食べていない)人には、逆効果になるような。実際化学調味料は、舌がしびれますからねえ(私の場合) それを「おいしい!」というのは、どうなのか? まあ日本食を「おいしい!」と絶賛している世界ですから、似たような味覚を持っているのかな? たとえ日本であっても、地域によって味付けの好みは違うはずなのですが、そういったことを無視してしまっているのも残念。いや、日常ものであれば別にいいんです。料理対決とかやってしまうとね。

もう少し様子みてみないと、どっちに転ぶかわからないですね。

★★
タグ:★★
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2017年11月30日

俺、「城」を育てる


著者:富哉とみあ
出版社:ファミ通文庫
俺、「城」を育てる 〜可愛いあの子は無敵の要塞になりたいようです〜

なろう小説です。というか、もうなろう小説避けていたら、読むラノベほとんどなくなってしまう。きちんとしたお話も増えていますしね。

主人公はD級冒険者のトーマ。森で魔物に襲われ、瀕死で倒れているところを、謎の幼女・イェタに助けられます。彼女に言われるまま、彼女が住んでいるという廃城に案内されるのですが、実はその城の精霊だったというお話。イェタに魔物(の死体)を捧げるとポイントが貯まり(魔物の種類や損壊具合で変動する模様)、そのポイントを使って城を改修したり、新しい設備を配置したりできるシステムになっています。SimCity的というか、TRPG的というか、まあ斬新なようで、よくある仕組みではあります。イェタは、お城をパワーアップするのが望み。トーマはイェタの期待に応えられるのか?

いろいろすっ飛ばされた部分があるのが残念ですね。一つは、なぜトーマを選んだのか?森にはいろんな冒険者が入っているようなのに、さほど強くないトーマを選んだ理由が書かれていません。なにか理由があったほうが二人の絆にもなるような…もう一つは後半のポイントインフレ。前半は10pt稼ぐのにも苦労しているのに、後半は数千Ptがあっさり。まあ協力者が非常に多いので、人海戦術といえばそれまでですが、それだけ魔物がいるんだったら、普段からもっとエンカウントしていたのでは? という気がします。最後に「なぜトーマはギルドマスターに特別扱いされているのか?」という説明が弱いです。うーむ。

これらを黙認できれば、ストーリーとして面白いのは事実。イェタが健気で明るいのが、物語全体の雰囲気を明るくしていますね。「やったーっ!お城また強くなったー!」と可愛い子が言うようだったら、頑張ってしまうのが性というものでしょう。

★★★
タグ:異能 ★★★
posted by あにあむ at 10:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ファミ通文庫

2017年11月29日

最強の種族が人間だった件(4)


著者:柑橘ゆすら
出版社:ダッシュエックス文庫
最強の種族が人間だった件(4) エルフ嫁と始める新婚ライフ

ついに最終巻。今回はサブタイトルがすべてを物語っていますね。
アーテルフィアでは人間が最強の種族であり、その老廃物や体液が最高の増強剤となる世界。そんな世界に転生した葉司は、エルフのリアたちとのハーレム生活を送りながら、敵と戦っています。今回も当初はリアたちと世界旅行に出かけたりと悠々自適の生活だったのですが、敵の魔族グレイスの計略(というか、あまりにもお粗末なものでしたが)により、かつてすべての人族を滅ぼした古代兵器・ラグナロクを復活させてしまいます。グレイスとラグナロクにより、王都も陥落。リアたちと助けに向かいますが、ラグナロクは人間である以上勝つことができないと言われ…

一度退けた魔族・グレイスがラスボスとして現れます。というか、葉司が情けなかったりすのですが。今回、敵の能力により、葉司の過去(前世)がリアたちに知られてしまいます。それにより、「葉司は人間というだけで、実は情けないやつ」ということがバレてしまうのですが、葉司のまわりの女の子たちは「そんなこと最初からわかっていた。でも内面が気に入っている」と、さらにリアは無条件に葉司を崇拝しているようで「一種狂っている状態」だそう。つまりきっかけは知らないけど、葉司という人間がモテていたということでした。リア充滅びろ。

最終巻ということもあり、作者はかなり飛ばしています。特にエロ方面に…もともと「人間の体液は増強剤であり、媚薬である」という設定がありましたし、女の子たちは昇天しまくっていましたが、一線を越えたかどうかの描写はありませんでした。それが今回は、もうはっきりと。女の子たちが頑張って(どうやって?)耐性をつけたことにより、最後までヤレるようになったようです。ということで、エロ成分がかなり濃くなっています。その分戦闘シーンはあっさりしているかなあ。ただ王道なので、安心して読めます。

もう少し続いてくれるとよかったんですけどね。少々残念です。

★★★
posted by あにあむ at 10:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ダッシュエックス文庫