2018年11月05日

フリーライフ 異世界何でも屋奮闘記(4)


著者:気がつけば毛玉
出版社:スニーカー文庫
フリーライフ 異世界何でも屋奮闘記(4)

ある日、何でも屋“フリーライフ”の店主、貴大を訪ねてきた幼なじみの倉本蓮次。二人は、3年半前の「あの日」の出来事を懐かしく語り始めます。親友3人で組んだパーティ「“フリーライフ”が、異世界に飛ばされ、どのような冒険をし、笑い、そして離別したのか…元の世界に戻ったはずの蓮次が現れた目的は?

今巻は、なんでも屋“フリーライフ”が開店する前のお話ということで、外伝的なものになっています。それはいいのですが、前巻で危惧したように、かなりシリアスな展開が含まれています。貴大の性格も現在とは大きく異なるもので、いままでの異世界スローライフの雰囲気はまったくありません。最近のラノベの欠点は、本編シリーズと同じ並びで、突然外伝が挟まれること。同じような雰囲気の外伝であれば、まだいいのですが、今回のように雰囲気が大きく変わる=根幹にかかわる部分が変わる=のは避けて欲しいですね。
この作品の良さは「働きたがらない」貴大のスローライフを描くものだったはずです。だから「異世界スローライフ」と銘打たれていると思うのですが、今回はその対局の展開になっています。独立した作品として読めば、十分面白いのですが、それまでの流れをぶった切るような展開は、今後読む気力を奪ってしまうものです。今巻のヒキからすると、次巻もまだシリアスシーンが続くようですし、どことなく悲劇の匂いを感じます。そうなると、スローライフを純粋に楽しめなくなってしまいます。

過去はともかく未来は明るい(と思わせる)状況でないと、日常系は辛いです。どうか、もとのまったりした世界観に戻りますように。

★☆
posted by あにあむ at 15:00| Comment(0) | TrackBack(0) | スニーカー文庫

俺が好きなのは妹だけど妹じゃない(6)


著者:恵比須清司
出版社:ファンタジア文庫
俺が好きなのは妹だけど妹じゃない(6)

新作ラブコメの読者人気投票を行うという企画が勃発。永遠野誓の得意分野で闘うのは、ストーカー少女。いままでラブコメを書いたことがない彼女は、永遠野誓のファンとして、また祐に好意を抱く異性として、一位を取りに行きます。
一方本当の永遠野誓である、妹・涼花はなぜか「永遠野誓の新作小説は、『妹属性』禁止です!」と言いだし、勝つために妹ネタを封印することに。さらに、まさかの家出を敢行! どうなるのか?

ということで、今巻ではラブコメ対決となっています。いつも妹ネタの勉強ということで、祐といろんなイチャラブをする涼花ですが、今回は妹属性を封印し「恋人」として祐に接する取材を行います。夜に祐に電話して「夜に男の人と電話するのってドキドキします」とか、祐を家出先=学生寮に招き「女の子の部屋に来て、ぱパンツを見るのはうれしいことですか?」という「どー答えろっちゅうねん」という質問をしたり…自宅でバレンタインデートを行ったり…一応和解しているということもあり、涼花の祐へのイチャラブが増量しています。もっとも、その分まわりの祐へのアタックも増量しており、まさにラブコメな騒動が続いているのですが…

ラノベ主人公は、鈍いということになっていますが、涼花の行動に対する祐の反応は鈍いを通り越していますね。いくら「妹だから」と思い込もうとしているとしても、さらに恋愛経験が乏しい(ない)としても、異常です。少し疲れてきました。

また、「祐がラノベ作家デビューする」というこのシリーズの目的が迷子になったままです。アニメ化されたから、わざと迷子にしているのではないと思いますが、どうするんだろう? どんどん永遠野誓が偉大になっているので、真実を明かすことが難しい状況になってきていますね。現実的な落としどころとしては「永遠野誓は、祐と涼花の兄妹によるユニット」というものになるのでしょうかね。

★★☆
posted by あにあむ at 14:41| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジア文庫

2018年10月26日

こいつらの正体が女だと俺だけが知っている


著者:猫又ぬこ
出版社:講談社ラノベ文庫
こいつらの正体が女だと俺だけが知っている

主人公は、子供の頃ヒーローに憧れていた普通の少年。小さい頃、自分を助けてくれた真琴と忍は憧れの男の子。そんな二人とは、手紙のやりとりだけは続いているが、7年会えていなかった。元々お嬢様学校だった学園が、男子も募集することがわかり、かつ二人がその学園にいるということで、主人公もその学園を受験します。しかし、受験当日に困っているおばあさんを助けたため、受験に遅刻して高校浪人に。
そんなある日、父親から「学園に途中入学できることになった」と告げられ、二人に会えると喜んで入学を決定。運転と道案内が得意なメイドさんが迎えにきて、連れて行かれた学生寮。そこで二人と相部屋で生活することに。たぶん男臭く育っているであろう二人とむさ苦しくも楽しい日々が始まると思ったら…二人とも女の子だった!それも美少女。でも真琴と忍は相手が男と信じ込んでいる…女の子であることがバレないようにと主人公に頼み込みます。さてどうなる…

いろいろと突っ込みどころのある設定になっています。小学生以来直接会っていない主人公が、性別を知らなかったのはともなく、同じ部屋で生活している二人が、どうやって性別をごまかしていたのか? 着替えや風呂でバレなかったのか? 謎です。まあ学園自体が「異性を全く知らないお嬢様しかいない」ということなので、世間離れしていますけどね。本文にも出ていますが、父親や兄弟はいなかったのか? と…

真琴も忍も「男らしさ」を曲解しており、非常に妙な方向に頑張っています。中身は女の子なので、主人公に対する好意はMAX。ついでに若干腐っている趣味もあるようで…

この作品は「なぜ?」と考えたら負けですね。単純に真琴・忍とのラブコメを楽しむべきです。設定の異常さは無視しましょう。それが出来れば、なかなか楽しい作品です。

★★★
posted by あにあむ at 17:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 講談社ラノベ文庫