
著者:明日崎幸
出版社:一迅社文庫
彼女が捕手になった理由
主人公は、中学野球チーム「白倉柏シニア」に所属する左利きのショート・本摩敬一。このチームは、守備範囲は広いけど弱肩のセンター、豪打だけどリードが出来ない捕手などちぐはぐで万年二回戦どまり。そんなチームに突然、元名門チームのキャッチャー・梶原沙月が入部してきます。しかも全権監督として…
タイトル通り、ヒロインはキャッチャーです。で、ラブコメもあるものの基本スポ根ものとなっています。異界や異能は出てきません。ラッキースケベもありません。純粋に野球やってます。ちぐはぐであるため、弱かったチームを沙月が大胆なコンバートによって変えていくというのがストーリーのすべてになっています。その中で、ヒロインと主人公が異性としても少し距離を詰めていくという物語。決勝は100ページほどが割かれています。まあ一試合が異常に長くなるのは、過去の野球漫画を見ればよく分かるのですが、ラノベでこれは……
熱血していて、ヒロインも女の子らしさが描かれており、悪くないんですよ。でももう一ひねりあって欲しかったなあ。万年二回戦どまりということですが、あれだけの豪打があれば、相手粉砕できたのではないかなあ。他のナインも、それなりにバッティングよかったようですし。確かに左利きのショートは、不利ですが、後半描かれるほどの能力がある選手でかつ中学生レベルならば、もう少しなんとかなったような気もします。
全員が男だとむさ苦しくなるということで、ヒロインが登場したのかも知れませんが、こちらも生かし切れていないなあ。もう少しなぜ女の子を登場させる必要があったのかを、理解できるエピソードが欲しかった。
悪くないだけに残念でした。
★★☆
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