2009年03月11日

迷い猫オーバーラン!(2) 拾わせてあげてもいいわよ?


著者:松智洋
出版社:スーパーダッシュ文庫
迷い猫オーバーラン!2 拾わせてあげてもいいわよ?

シリーズ2巻目。1巻目の感想で「続刊が出ることを前提にしているのかな?」と書きましたが、まさしくその続刊。って世間じゃもう3巻も出ているのね...最近読むスピードが遅くなってしまって...
前回言っていたように2巻まで読むと、千世や男性サブキャラ2名の存在感が出てきました。特に今回の主役となる千世に存在感が出てきていますね。タイトルとサブタイトルの意味が分かるようになってきました。ついでになぜ表紙が千世なのか? という点も理解出来てきました。なるほどこうやって最初から複数巻続けるつもりの小説だったんですね。それを1巻だけで判断しようとしたから、キャラが立っていなかったんだ。って連載のような進め方ですね。

あまり売れていない洋菓子店「ストレイキャッツ」を舞台にした青春ストーリーとなっていますが、今回は千世を中心として話が進んでいきます。千世にセレブお嬢様である竹馬園夏帆が入れ知恵することで、千世の思惑とは全く逆の方向に話が進んでしまいます。どうもこの夏帆お嬢様、千世にする入れ知恵は「お金があれば、なんでも解決する」というスタンスにたったもののわりに、最後のほうでの巧に対する態度はもう少し現実を知ってそう。少し不思議なキャラです。
乙女ねえさんは、相変わらず「謎の人助け」で不在だし、文乃はツンデレの域を超えた「わがまま」爆裂だし...ストーリー運びに大きなほころびがないので、最後まで楽しく読むことが出来ました。
巧を中心として、集まってくる人々。今のところ「本当の悪人」はおらず、それが読後感を軽いものにしています。そこに、お約束のスク水もあり、イラストもストーリーとマッチしており、良質のライトノベルとなっています。巻数が進むにつれ、深みも出てきており、3巻が楽しみになってきました。

★★★☆
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2009年03月04日

がく×ぶる


著者:本田透
出版社:スーパーダッシュ文庫
がく×ぶる

最初に言います。失敗でした。ストーリーも、イラストも...女性恐怖症の主人公と男性不感症(そんなのあるんかなあ?)のヒロインの物語なんですが、設定がいい加減すぎて、そこで終わってしまいました。登場人物の名前は、重要です。特に現代日本が舞台になっている小説では...この作品は、適当に付けたのか? と思うような当て字ばかり。主人公の家族もバラバラの名前で「家族」という感じがしない。ヒロインもそうなんですが...
イラストは、単体で見るといいんですが、小説の設定を見た後だと「それは違うよ」という体格なんだよなあ。イラストとストーリーが一致していないんです。ライトノベルではストーリーとイラストがお互いに影響を受けて、展開していくことがありますが、この作品は別個のものになっています。

ちなみに「がく×ぶる」は、ガクガクブルブルと学ラン・ブルマがかけられているんでしょう。そういや、今の若い世代にとっては、学ランもブルマも「伝説の」存在なんですね。私的にはごく普通の存在ですが...(しかし紺色以外のブルマって見たことないけど、東京のほうでは赤色系が普通だったんでしょうか?)

ストーリー的には、正統派ラブコメ。主人公が見た目はアレだけど、実は超人的な能力を有しているだとか、実の姉がアレだとか、まあお約束通りに進みます。それはいいんですが、女性恐怖症が家族にまで及ぶ(但し双子の妹は除く)ってのはやり過ぎでしょう。そこまで酷いと、そもそも日常生活が出来ないと思うんだけど。

女性恐怖症の克服方法...これもちょっとやり過ぎでしょう。学ランはともかく(最近では、学ランもコスプレの一種なのかな?)体操服で買い物ってのは、小学生ならともかく、別の意味でおかしいでしょう。羞恥プレイというか、困った人というか...まあそうしないと、あまりにも「ありきたり」になるからという設定なんでしょうが、かなり強引ですね。

一応お約束的なエンディングがあります。が、続けようと思えば続けられる終わり方。これ続刊出るのかなあ? せっかくの設定を生かし切れていないというか、妙なところで手抜き感があるというか... 期待していいんだろうか?

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posted by あにあむ at 12:26| Comment(0) | TrackBack(0) | ダッシュエックス文庫

2009年01月06日

迷い猫オーバーラン! 拾ってなんていってないんだからね!!


著者:松智洋
出版社:集英社スーパーダッシュ文庫
迷い猫オーバーラン! 拾ってなんていってないんだからね!!

主人公である都築巧を中心として起こる様々な青春模様を描いた作品。というと普通の小説みたいですが、そこはそれライトノベル系レーベルが発行する作品だけあって、一筋縄ではいかない設定や、登場人物たちが繰り広げる騒動と言い換えたほうが正しい認識でしょう。
基本的には「日常」を描いた作品なので、暗躍する秘密結社だとか、巨大ロボット、超能力を屈指して悪と戦う主人公は出てきません。ちょっとデフォルメされて「そんな奴いるか!」といいたくなる登場人物はいますが、特殊な能力を持った人物はいません。また日常を描いていることもあり、登場人物も少なめ。レギュラークラスとしては、主人公の姉でつぶれかけの洋菓子店のパティシエール(腕は微妙)である都築乙女、巧の幼なじみの芹沢文乃、乙女に拾われた霧谷希、ヲタク少年 菊池家康、柔術家の子孫 幸谷大吾郎。それに「なぜおまえだけ?」といいたくなる設定(学園理事長の孫娘で、自家用ヘリまで自由に使えるわがまま娘)の梅ノ森千世のみ。彼らが「家族」「友人」という繋がりの中で、過ごす姿を描いています。

軽いタッチで描かれているため、読後感は悪くありません。でも主人公と希以外のキャラが消化出来ておらず、もどかしさを覚えます。
まずは、巧の姉である乙女。人助けが趣味で、なぜか世界紛争まで止めようとする(そのため度々家を空ける)というよく分からない設定が生かされておらず、ただ単に「家をよく空ける責任感のないオーナー」にしか見えません。
次にヒロインのはずの文乃。「ツンデレ」キャラにしたかったのでしょうが、単なるへそ曲がりにしか見えない。巧に対する「想い」もよく見えない。
千世は、さらに存在価値がよく分からない。「学園理事長の孫でわがまま、でも巧が気になる」という設定だと思われますが、狂言回しにもなれず「別にいなくてもよかったのでは?」という程度の存在です(ツンデレのようですが、これも文乃とかぶってしまう)
男性陣も存在感がない。特に大吾郎は「不要」キャラだったような...

全体的にキャラの描き込みが甘いので、こういった印象を受けるのでしょう。もしかしたら続刊が出ることを前提にしているのかな? 今後徐々にキャラ立てしていくつもりとか...そうだとしても、1巻ではもう少しキャラ立てしておかないと、続刊の読者がついてこないんじゃないかなあ。週刊連載ならいいけど、まがりなりにも文庫なんだし、あまり印象薄いと続刊が出る頃には忘れてしまっているかも...

※ってすでに続刊出ていますね(^^;

★★
posted by あにあむ at 16:01| Comment(0) | TrackBack(1) | ダッシュエックス文庫