2018年11月12日

異世界JK町おこし


著者:くさかべかさく
出版社:電撃文庫
異世界JK町おこし 〜このことについて、魔族に依頼してよろしいか伺います〜

名所も名産もなく、冒険者たちがただ通り過ぎていくだけの「二番目の街」タフタ。役所に勤めるハルは、街の財政難に頭を抱えていた。そんなある日、異世界から来たというJK勇者のナツが役所に迷い込みます。ナツのレベルは1。超ザコ勇者のナツの思いつきで、魔王を観光資源としてタフタへ誘致するという案を提出すると、なぜか採用されます。さらに魔王城で彼らの前に現れた魔王は、ナツの友人JKフユだった。

異世界に転生させられた、ナツと愉快な仲間たちによる、常識なにそれおいしいの? という物語になっています。いや、もうあまりの酷さに正直何度読むのやめようと思ったか? 現在のJKという種族が本当にこの物語の通りとは思えないですが、あまりにもバカなので、疲れてしまいます。結局最初から最後まで世間知らずなJKが、適当に好き勝手するだけのストーリーでした。たぶん作者は「柔軟な発想で、世界は変わる」と言いたかったのでしょうが、そういったことはまったく届きませんでした。結局は公務員をバカにしただけの作品なのかなあ…

もう少しナツたちがまともだったら、街おこしやラブコメもいい具合に展開したのでしょうが、ヒロインがひどすぎたため、広がりがなくなってしまいました。

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2018年09月20日

最高の二次元嫁とつきあう方法


著者:芦屋六月
出版社:電撃文庫
最高の二次元嫁とつきあう方法

二次元が好きと言いつつリアルに彼女がいたり、「○○は俺の嫁!」と言いながらシーズンごとに嫁が替わるような奴らとは違う。俺は…俺は本気で、二次元キャラ“胡桃すぴか”を愛してる。という変態が主人公・舞坂八雲。
ある日、八雲の前にすぴかが現れます。八雲の姉が科学を応用して、二次元キャラを三次元に呼び寄せたのです。目的は、二次元キャラのテーマパーク(要は二次元キャラが檻に閉じ込められ、それを鑑賞する動物園)の構築。二次元世界の住人とはいえ、彼女には感情があり、意志もある。姉の野望から彼女を守るために、二人の逃避行は始まる。

二次元キャラが三次元に現れたら? というお話ですね。この手の話は珍しいものではなく、古くは「キャラふる♪(葛西伸哉さん)」とか「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!(田尾典丈さん)」とかがあります。まあ「キャラふる♪」は微妙に違うかもしれないけど。
この作品のいいところは、すぴかがしっかりした自我を持っていること。二次元キャラだから、好き勝手にクンカクンカハァハァさせてくれるとか、妄想内のように自由にエッチなことも出来るといったキャラではなく、普通の女の子として描かれているので、物語に厚みが出ています。八雲と初めて出会った時の反応は、当然。有名人であれば「自分は知らないけど、相手は自分のことを知っている」というシチュエーションはよくあるでしょうが、普通は戸惑い、恐怖を覚えますよね。そこから、八雲との関係を築いていくという流れになっており、違和感があまりありません(ちょっとご都合主義ですが、それはラノベですから)

サブヒロインたちも、すぴかの声優、すぴかの原作者、主人公の姉妹と最小限に抑えられており、それぞれのヒロインたちとすぴかや八雲との関係性が掘り下げられており、ムダがありません。

若干中だるみがありますが、後半は一気に読み進めたくなる展開でした。エンディングもその先をいろいろ想像できるものでした。

★★★★
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2018年09月07日

マモノな少女に囲まれたけど、果たして俺は「おいしい」のだろうか。 


著者:三鏡一敏
出版社:電撃文庫
マモノな少女に囲まれたけど、果たして俺は「おいしい」のだろうか。 

主人公は、王子・ルシエル。人族の王子で、聖王をつぐはずの第一王子。ところが、聖王になるための剣技もダメで、光の精霊の加護も得られず「無才の王子」と呼ばれています。ルシエルには、妹がいるのですが、小さい頃に魔物から守るために身を投げ出してくれた兄を偏愛しています。もっともそのベクトルはおかしく、ルシエルを丸腰で魔王城に送り込み「お兄様なら、きっと無双して帰ってき てくださいますわ!」といいだす始末…

魔王城で魔王と対面したルシエルは、なぜか魔王とバーで酒を酌み交わすことに…さらに、妹姫のあまりの行為に同情されてしまい、魔王城から逃がしてもらえることに…まあ魔王は「強くなってから、戦いたい」と放牧するような感じですが。しかしそこは魔物の巣窟。魔王が逃がしても、魔物はそうでない。そこで身軽になり(ぱんいちになり)必死で逃げるルシエル。気がついたら、人化したよい魔物たちがひっそりと暮らす村に迷い込んでいました。そこでケルベロス少女・コルルに助けられたルシエル。1ヶ月ほどで人族の世界へ帰れるということで、しばらくこの村にやっかいになることに。そこでドラゴン少女・ファニルら美少女たちと親睦を深め、ある意味「おいしい」生活をおくることに。ところが彼ら魔族にとって「人族の王族の肉は何も寄りもおいしい」らしく…

ヴァルハラに続いて、魔物が人間形態をとっているお話。さらに食事が重要なテーマとなっているところも同じです。さらに魔王が面白い性格なのもなんとなく…

ストーリーは非常に単純なもので、あまり盛り上がりはありません。なので、ストーリーを追うだけだと、評価はかなり低くなる作品ですね。登場人物による会話を楽しむというスタイルがこの作品にはあっているようです。コルルのおとぼけ感、ファニルのにまにましたくなるツンデレ感を感じながら、ルシエルとの会話を楽しむ。

欠点は、会話劇を楽しむ作品としては、長すぎる点。各章もボリュームがある割にストーリーは進まないので、途中で飽きてしまうこともあります。もう少しボリュームを抑え気味にしてもらえると、もっと楽しめそうです。

★★★
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2018年05月23日

乃木坂明日夏の秘密


著者:五十嵐雄策
出版社:電撃文庫
乃木坂明日夏の秘密

帰ってきた「乃木坂春香の秘密」です。
今回も当然、主人公目線で描かれております。そうでなきゃ、このシリーズじゃないですしね。ヒロインは、春香の娘・明日夏。容姿端麗で成績優秀な学園一のアイドル。そして、アニメ・マンガ研究会の部員として、アキバ系知識にも精通していることになっている彼女。ところが、そこには秘密があって…

春香は「アキバ系」ということを隠しており、それを主人公が偶然知ったことにより、物語が動きましたが、今回は「アキバ系でない」ことを隠しており、それを主人公が偶然に知ることにより物語が始まる…ここ数年でのアキバ系の扱いの差ですね。ただ秘密を知るパターンは前回をほぼ踏襲。白いぱんつが見えてしまうのも同じ流れ。今回はなかったのですが、続刊があればマウントポジションも登場するんでしょうね。その後も明日夏の秘密が少しずつ暴露されていくという流れなんですが、しっくりこない部分があるのも事実でした。それは明日夏の姉・未来の存在。実の両親がピアノ演奏会とビジネスで、ほとんど家にいないので、美夏が母親代わり(おかーさん)しているのは違和感ありません。ただ未来がどうしているのか? の説明がないんですよね。両親について世界を飛び回っているのか、どこか海外の学校に行っているのか? なので最初「秘密」を勘ぐりすぎて「明日夏は春香の未来の子供で、現代にタイムスリップしてしまった」とか「未来は実は存在していなかった」など変な方向に考えてしまい、純粋なラブコメに戻ってこれなくなりそうでした。

前シリーズのキャラも登場しています。ほとんど変わっていない人もいれば、えー!そっち方向に変わったのかよ! という人もいたりして、前シリーズファンにとっては、楽しい作品です。よくわからない例えも健在ですし「おにーさん」「ぷりてぃ美夏ちゃん」も復活。

最近電撃文庫での著作がなくなり、残念だったのですが、久しぶりに「これぞ五十嵐雄策」という作品を読むことができました。是非続刊を出して欲しいですね。

★★★☆
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2018年05月08日

誰でもなれる!ラノベ主人公


著者:真代屋秀晃
出版社:電撃文庫
誰でもなれる!ラノベ主人公 〜オマエそれ大阪でも同じこと言えんの?〜

やれやれ系ラノベ主人公に憧れ「異能バトルが起きたらなあ」と夢想する平凡な高校生・恭介が主人公。平たくいうと中二病ですね。
彼が大阪の高校に転校してきて、日本橋で出会ったのは、ダメ親の借金を返済して魔術結社からの足抜けを願う魔術師の少女。ポンバシのワルキューレの異名を持つデスコア系地下アイドル、異世界転生者を自称するポンコツ美女、家出中の病弱薄幸な幼女。さらには、ヤクザと本物の悪魔…まわりはまさしく「異能バトル」が展開されているのですが、恭介は実は超現実主義者…そのため、目にした超常現象ですら「なかった」と認識するほど。その能力は他者にも影響する。そんなよくわからない存在の恭介が、日本橋で入手したレア同人誌が原因で異能バトルが勃発することになります。

一言でいうと「読みづらい」作品です。各章で一人称目線が変わっているのですが、そのため非常に分かりづらい。たぶん、リアル異能バトルVs超現実主義・恭介という対比がしたかったのだと思うのですが、妙に気持ち悪いです。さらに、恭介が天才的なマジック能力を持っているという設定があるため、どこからがリアルで、どこからが恭介の夢想か分からなくなっています。それが狙いだったのかもしれませんが、結果的にはメインストーリーがブレブレになっています。魅力的な登場人物が多いので、もったいないなあというのが本音ですね。

舞台を日本橋にした目的も達成できていないようです。たぶん魔術結社があるのは、五階百貨店のあたりだと思いますが、怪しさが全然出ていないし、串カツは日本橋ではなく、新世界だし、いろいろと…

次はもういいかな。

★☆
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2018年04月12日

君のみそ汁の為なら、僕は億だって稼げるかもしれない


著者:えいちだ
出版社:電撃文庫
君のみそ汁の為なら、僕は億だって稼げるかもしれない

主人公は貧乏学生の翔。翔が通う金成学園では株式制度が導入され、生徒たちが自分で部費などを稼いでいる。「ホープ」は、学園内で流通する通貨であり、金額に相当する願いを叶えるという不思議な力がある。経済小説とファンタジーを足したような小説です。

翔が大好きな夢路さん・お味噌汁屋さんを経営に【16歳の誕生日を迎えたら結婚する】という願いが1億ホープでかけれらていることを知る。ホープでかけられた願いは、同額のホープで打ち消すことができる。タイムリミットまでの半年で、翔はなけなしの学費100万ホープを元手に、1億ホープを稼ぐことができるのか!

「君の味噌汁が飲みたい!」
というのが、全体のベースにあり、ラブコメとしてなかなか楽しい作りになっています。夢路さんの、微妙にズレた感性(半分分かっていて照れ隠しなのかと思ったら、どうもそれだけではなかった模様)とか、翔の一直線なところ。そしてそんな翔にかける友人の暑苦しさ。いいねえ。お金が絡んでいるので、純真ではないけれど、結局は夢路さんを巡る恋のさや当てってのもいいですね。友人の熟女趣味も突き抜けているし

ラノベの経済小説にしては、比較的経済活動に矛盾が少ないほうです(あくまでも少ないですけども) まあそこは、翔や登場人物の熱量で気にならないレベルにできるのですが、いかんせんツメが甘いところが多いんです。残念ながら、まだこれからの作者さんなのかなあ。翔への違和感が拭えないんです。これだけの経済知識を持っており、かつそれを実行するだけの行動力があるのに、なぜ食うに困るほどの貧乏に甘んじていたのか…財布を落としからとか理由付けがあったような気がするが、どうにも弱すぎる。またホープで願いが叶うという設定は、ファンタジーな要素を入れたかったんだろうけど、結局「金がある奴が正義」となってしまい、他の設定が意味なくなっている。だってたった1億ホープで、好きな人と結婚できるんでしょ、金があったら努力しなくなるよ。そりゃ。あと、学校の規模がよくわからん。いったい学生は何人いるんだ? チェーン店が150店舗とか、かなりの大都市(東京クラスか)だぞ。じゃあ、教師や職員はどれだけ? 工場労働者や農家は学生? そもそも授業はどうしているの? ホープの金銭対価も人が決めているようだけど、だとしたら忖度だらけになるのでは?もう設定穴だらけ。説明部分とストーリー部分の比率がおかしい。経済書じゃないんだから、もっとストーリー中心にしようよ。

確かに極貧の主人公のほうが、盛り上がるのは事実。でも、そうするんだったら、主人公が極貧である理由をかなりひねらないと違和感が残ったままになります。さらに茫洋とした主人公が、いきなり活躍するのは、違和感を通り越して嫌悪感すら覚えます。

いろいろこれからって感じでしたね。

★★
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2018年03月23日

陰キャになりたい陽乃森さん Step1


著者:岬鷺宮
出版社:電撃文庫
陰キャになりたい陽乃森さん Step1

主人公は鹿家野。陰キャを自認するブロガー。陰キャと陽キャは、決してお互い理解し合うことはなく、自治体レベルで隔離して生きていくべきというのが主張。
そんな鹿家野に、陽キャ中の陽キャ、陽乃森が接近してきます。さらに「わたしに陰キャを教えてよ」と言い出します。異文化激突青春ラブコメとのことです。

うーん、入ってこないですねえ。まずは、スクールカースト(そんな言い方があるんですね…)をたった二つに分けてしまっていることで、現実感がなくなっています。現在の学校はそうなんだ!といわれれば、それまでですが、人間ってそんな単純なものではないはず。いわゆる「中庸」という存在は必ずいるはずで、そもそも「わかり合えない」と言っている時点で、それはキャラではなく、単なるコミュ障。それ以外にも「陽キャは空気を読めること」を条件に上げているのに、完全に空気が読めていない発言を繰り返しています。そもそも人の性癖を大声で確認するってのは、どう考えても「空気がよめない」人の行動。陰陽以前に、人としてどうかというレベル。それも高校生ですからね。言っていいことと、悪いことの差くらいわかるはず。後半に出てくるBLの話は、まあそりゃ知らなかったら、聞いてしまうよなというレベルで、前半のものとは意味が違います。
とりあえず、前編通して陽乃森の言動がイラつくレベルですし、主人公も同じ。コメディな感じがまったくせず、結局はコミュニケーションの取り方をうまく学べなかった人間同士が、傷なめ合っているだけに見えてしまいます。
タグ:ラブコメ
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天使の3P!x11


著者:蒼山サグ
出版社:電撃文庫
天使の3P!x11

ついに最終巻となりました。
キッズロックフェスで予選を通過するため、潤たちは霧夢たちと組み、六人体制のバンドで挑むことに決めたのだけど
「絶交!完全に絶交よ〜〜〜!」
と別れ別れになってしまいます。3Pバンドと打ち込み中心バンドが一緒になったため「音が厚く」なるメリットはあったものの、音がかぶってしまうというデメリットが…お互いが一歩引けば、どうってことなかったのですが、ちょっとした主張の食い違いから、大きなトラブルに発展してしまいました。
そんなバンドメンバーを再び一つにするため、響が一人で頑張ります。元々本当に二度と会いたくないと考えている訳でないメンバーたち。掛け違えたボタンを直すことができたら、より強固なものになるはず。まずは身近な妹のくるみの意見から確認していく響。もう一度「どこに問題があるのか?」を考えることで、トラブルを乗り切っていきます。

後半は、キッズロックフェス本番が描かれています。その場でもいろんな問題が発生し、それを成長した響が解決していきます。っていうか、響の台詞は、端から聞いていたら完全に口説いている(というよりプロポーズ)としか思えないですね。最強のたらしだった響。それが全体の印象になってしまいました。

そうそう、今回もくるみは、響とお風呂に入っています。でも、少し変わってきたようで、身体の中心を手で隠すようになったそう。少しずつ成長しているんですね。正常な方向に成長しだしたくるみ。果たして、響はこれから先、どうなるのでしょう…

今回で一応のピリオドが打たれることになりました。少し残念な気もしますが、少しずつ作者の音楽嗜好の押しつけが出てきていたので、いいタイミングだったのかもしれませんね。

★★★
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2018年03月14日

魔法少女のスカウトマン


著者:天羽伊吹清
出版社:電撃文庫
魔法少女のスカウトマン

主人公は、黒羊のマスコット−ではなく、凄腕の魔法少女スカウトマン・ジェイジェイ。人の心を喰らう怪物「ソウルイーター」と魔法少女が戦っている世界。ところが近年のアニメや小説による風評被害により、魔法少女業界は深刻な人材不足に陥っています。
そのため、一度は引退していた「凄腕」のスカウトマン・ジェイジェイに再び声がかかります。適正を持った乙女を探し出し、誤解を解いて契約を交わせるか! 魔法少女スカウトマンを描いたラブコメ。

魔法少女が魔法を使う源泉は、魔法少女の恥じらう心。ソウルイーターは、人の羞恥心が好物だけど、限界以上に喰らわせれば倒すことができる。そのため、魔法少女は、恥ずかしい思いをする必要がある…これは、決して魔法少女に知られてはいけない秘密となっています。今回登場する魔法少女も、武器を出すためにスカートを太ももあたりまでまくり上げなければならない少女、分身できるけど分身が素っ裸な少女、ブルマをはかされた少女などなど。そう恥ずかしいのベクトルは「エロ」方向に振り切られています。そのため、パンチラといった優しいものではなく、乙女の秘密モロだしというシーンが続出しています。魔法と関係のないところで、大人への階段上ってしまった少女もいますし、ラブコメというよりエロコメですね。

ジェイジェイは、マスコットのような姿をしていますが、少女のことを一番に考えている非常に有能なエージェントです。その優しさ故、魔法少女と一線を越えてしまい、さらに子どもまで作ってしまった…そのため、一時期前線から外されていたのですが、緊急事態なため、戻ってきています。他のエージェントは、ネコ型だけど角があるという設定。この角は、物語後半で、とある魔法少女の大切な部分に挿入されてしまいます(単なる事故)羊の角も、少女が大人の階段上がる(要は絶頂する)道具となっていましたし、そういう趣味がある作者さんなのかな?

魔法少女をスカウトしていくことの繰り返しになると思っていたのですが、単純なスカウト話は案外少なくて、すでに魔法少女となった少女たちとの話が多くなっています。アフターサービスですね。

★★☆
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2018年03月02日

うちの聖女さまは腹黒すぎだろ。


著者:上野遊
出版社:電撃文庫
うちの聖女さまは腹黒すぎだろ。

タイトル以外は面白い作品です。
主人公は、落ちこぼれ騎士志望のカイ。いろんな国に仕官要望を出すものの、ことごとく「お祈り」されてしまう日々を過ごしていました。そんな中、辺境にある国・ブラウファルト聖王国から「採用したい」と連絡があります。カイが知るブラウファルトは、代々清らかなる聖女が治める静閑な国。「聖女様の騎士になれる!」と舞い上がるカイ。そこに待ち受けていたのは、見た目は天使な聖女・フローラ姫。なんとすでに騎士団はなく、彼は姫様付きの財務担当官僚として雇われることに。フローラが命じたのは「自分のお小遣いを稼げ」というもの。確かに、この命令だけを見ると「ブラック」ではありますが…

まずはタイトルへの文句。「腹黒」ってのは、表面はともかく、裏でなにを考えているのか分からない人であって、フローラのような人のことをいう言葉ではないです。実際、カイには、最初から高圧的に出ていますし、後半になって明かされるフローラの本心は、もう純白そのもの。なのでタイトルを信じていると「どこでフローラが裏切るんだ?」と疑心暗鬼になってしまいます。が、そんなことはまったくありません。素直になれないだけの、純真なお姫様です。

まあそうでなければ、いくら象徴的存在としても、国民から慕われることないですよね。決して裕福ではない(有り体にいえば貧乏)な国なんですから普通なら、為政者はもっと糾弾されそうなもの。少なくとも、政治の現場では…そこでも慕われているようですし、腹黒なところは全くないですね。

姫様ラブなメイドのリーリエも、この手の小説にしては、まともですね。口絵の紹介だと、もっと壊れた人かと思いましたが、至極まとも。姫様が好きなのは間違いないですが、特にカイに対して、なにかするわけでもない。わかりやすく嫉妬するだけ。こちらは、もう少し、暴れさせたほうが面白くなったような気もします。

ストーリーとしては、最初は義務感(強制力)で仕事をしていたカイが、いろんな要因で生命の危機に陥り、姫様の素直になれないところを見抜けず、爆発。それをリーリエがうまく取り持ち、そこからは本気で姫様のために頑張るというものです。カイが騎士道を見つける過程が描かれたラブコメですね。テンポも悪くないので、読みやすいです。本当タイトルさえ、まともだったら、もっと楽しめたのに…

重ねていいます。タイトルにだまされてはいけません。純粋にラブコメとカイたちの成長を楽しめばいい作品です。

★★☆
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2018年02月23日

お前(ら)ホントに異世界好きだよな


著者:エドワード スミス
出版社:電撃文庫
お前(ら)ホントに異世界好きだよな 〜彼の幼馴染は自称メインヒロイン〜

主人公・匡一郎は、異世界なんてフィクションだと言い切っていた。しかし幼なじみの亜希奈は、アニメやラノベが大好きで、異世界ラブ! ところが、現実主義者である匡一郎が、世界神会議から依頼され、神々の代行者として、異世界の平和を守ることに…
異世界の魅力が詰まったドタバタ・ファンタジーというジャンルだそうです。

匡一カと亜希奈は、同一日時に同一病院で生まれ、家も向かい合わせという絵で描いたような幼なじみ。匡一カのメインヒロインを自称しているくらい、匡一カラブなわけですが、二人の間には、言葉を越えた信頼関係があるようです。いい関係ですねえ。

匡一カを異世界に呼ぶ出したのは、ミカリアという女神。見た目は美少女な女神ですが、その内面はポンコツ。本来の召喚タイミングを誤ったため、異世界召喚者が見るはずのない、世界(異世界同士をつなぐロビーのような存在)に滞在させてしまったり、匡一カだけしか召喚しない予定が、一緒に亜希奈まで召喚してしまうなど、ポンコツ度合いはかなりのものです。

匡一カが世界神会議から依頼されたのは、元の世界に戻らず、居座っている現世界人を連れ戻すエージェント。本当は依頼を受けるつもりはなかったけど、あまりにも亜希奈が喜んでいるので、条件付きでOKします。それは「一度だけ、正当な対価が必要」というもの。労働条件も含め、契約書を作り上げる匡一カ。それが世界神にも受け入れられ、エージェントとしての仕事を始めます。ミカリアはポンコツで役に立たないのですが、匡一カと亜希奈は、それぞれの足りないところを、お互い埋め合い、また支え合いながら、亜希奈が跳ね回り、解決していきます。どうやら匡一カの過去には、現実主義者にならざるおえなかった事情もあるようですが、それを亜希奈はくみ取り、過剰な干渉もせず、それを含めて匡一カとみているところがいいですね。依存ではなく、見事な共存。二人でいることにより、どちらかが我慢するという考えがない相棒同士。

世界神も、偏った考えではなく、フラットにいろんな意見を取り入れ、かつ判断が速く、意思決定機関としては最高の存在ですね。こんな神様たちに、見守れているのであれば、世界もよくなっていくだろうなあ。ミカリアのポンコツ度が少々気になりますが、そこは調和神。なんだかんだで、つじつま合わせしています。

★★★☆
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2018年02月06日

うさみみ少女はオレの嫁!


著者:間宮夏生
出版社:電撃文庫
うさみみ少女はオレの嫁!

彼女いない歴=年齢な浦島麟太が主人公。こいつらだけは仲間と思っていた、ゲーム仲間から次々に彼女ができたと告白され、思わず逃げ出し、橋の欄干にもたれたらもげて堕ちてしまった…。やたら長い走馬灯を経験し、なぜかUFOにはねられ、気がついたら月面に。目の前には、うさみみの生えた美少女がいて、しかも月の民のお姫様で、さらに結婚を迫られ…と夢のような展開…お姫様・輝夜が提案してきたのは、実際には政略結婚させられそうだから、ニセ夫婦になって欲しいというものでした。偽装結婚から始まるラブストーリー。二人の不純異星交友はどうなるのか?

ベタです。ベタベタなラブコメです。でもそれがいい!下手に小細工がないぶん、ムズムズさが直接響きます。輝夜が、すこしズレてはいるものの、純情まっすぐなところがいいですね。目先の政略結婚が嫌ということで、麟太とニセ夫婦になるものの、時々恥じらうところなんかもう。地球にお持ち帰りしたいくらいです。麟太も、死んだ魚ような目をして、髪がボサボサながら、お人好しというか行動が男前で好感が持てます。この作品は、エロ要素がないことも成功していますね。最近安易なエロコメが多くなっていますが、これにはそのようなシーンがない。だからラブコメの王道ど真ん中という感じなんです。ギャグはすべっているところも多々ありましたが、とりあえず「勢い」で押し切ったというところですね。

ヒロインの名前がカグヤだからか、主人公の性格がそうさせたのか、別作者の別作品を彷彿とさせるシーンがあったのが残念。ヒロインの行動も、月の姫という設定も、似ているんで仕方がないか。昔話をテーマにしている作品は多いですからね。この作品の特徴は、かぐや姫と浦島太郎が合体していることでしょうか? 竜宮城=月の宮殿 ってことは、太郎が助けた亀は「ガメラ」だったんですね(;¬_¬) 当時は宇宙という概念がなかったから、海の底となって伝わったのでは? と太郎が推測していますが、じゃあ「タイやヒラメの舞い踊り」はどこいった? ってどうでもいいですけど。

ラストまで、ラブコメ王道なので、安心して読めます。途中から鬱展開ってこともありません。スタートダッシュのままゴールインしています。もう少し続きが読みたくなる、そんな作品でした。

★★★★☆
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2017年12月08日

天使の3P!x10


著者:蒼山サグ
出版社:電撃文庫
天使の3P!x10

このシリーズもついに10巻に突入ですね。バンドものって、いろいろ難しいと思うんだけど、いまのところギリギリのバランス感覚で成り立っているような感じです。前シリーズと異なり、メインヒロインがはっきり決まっていないのが、この作品の長所だったのですが、最近短所になりつつあるような。

今回は、バンドでありがちな「メンバー間の衝突」がテーマになっています。東京中野で活動している小学生ガールズバンドからお誘いを受け、ライブハウスで対バンすることなるのですが、その練習中に事件が発生します。対バン相手も3Pながら、ドラム・ベース・Key(Vo)という構成。(Sense of Wonderと同じ構成だ) 練習の初っぱなに洋楽カバーをコラボしたところ、化学反応が起こり、すごい演奏に。そこまではよかったのですが、その後のジャムが悪かったようで…リヤン・ド・ファミユのメンバーは、攻めのフレージング。相手のバンドのドラムとベースは「いかにKeyを引き立てるか」を主眼に置いた演奏をしていました。ところが、実質リーダーのKeyが、あまりにもリヤン・ド・ファミユの演奏を褒めるため、仲間割れしてしまいます。自分たちの思いが伝わらないことに疲れたのですね。果たして初のライブハウスでのライブはうまくいくのでしょうか?

あるレベルに到達したが故に起こる衝突が描かれています。下手くそな間は、和気藹々とできるのですが、一定レベルに到達すると、いろいろな衝突が起こるのは、どの世界でも一緒。またその衝突は未熟さの証明というのも同じ。プロミュージシャンであれば、音楽性の違いは、いくらでも吸収することができるそうです。人間的に合わないというのは、つらいそうですが…確かに一流ミュージシャンって、いろんなジャンルの曲を演奏していますものね。そのときによってボーカルをたてたり、自分が前に出たりと調整をできるがプロ。そういった意味で、今回は未熟さが招いた衝突とも言えるでしょう。

響は、裏方に特化していくことを決めた模様です。これから先、どのように育っていくのでしょうね。

★★★☆
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2017年10月18日

ヴァルハラの晩ご飯(5)


著者:三鏡一敏
出版社:電撃文庫
ヴァルハラの晩ご飯(5) 〜ドラゴンと神殺しの主菜〜

前巻でブリュンヒルデ明らかになったセイの秘密。それは、見るものの所有欲をかきたて、最終的に手にしたものを死に至らしめるという呪いの指輪「アンドヴァラナウト」でした。ロキとブリュンヒルデに協力してもらい、呪いを押さえることに成功しているけれど、根本的な解決になっていないので、3人で手がかりを捜索中。そんな中、フレイヤのライブが開催されることになり…死んでも日暮れとともに生き返るイノシシ・セイの物語も最終巻(だと思う)。

今回のセイは、脳天気なだけでなく、自分の存在価値について悩みを抱えています。周りが幸せになってほしいのに、自分がいることで周りが不幸になる。ならいっそ自分なんていないほうがいいのではないか? 一度はヴァルハラを去る決意をするセイでしたが、やはりロキたち、特にブリュンヒルデが恋しくて…

テーマは重いです。戦乙女姉妹がセイのことを意識していたのは、セイそのものの魅力ではなく、呪いによるものではないのか? って彼女たちはそれでも悩まずに前を向いているんですけどね。基本前向きなキャラクターが多いので、救いがない暗さというのはありません。どこまでいってもセイはセイ。自分ができる範囲で頑張っていくのが一番という流れです。後半はかなり驚かされる展開になっていますけどね。

★★★
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2017年09月12日

異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術(8)


著者:むらさきゆきや
出版社:講談社ラノベ文庫
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術(8)

シェラと結婚し、エルフ王となったディアヴロ。結婚式の後は初夜…ということで、その手の経験がまったくないディアヴロはおろおろするのですが、シェラのほうもその手の知識は似たようなものだったようで、あっさり寝てしまいます。同じ部屋で寝ることもできなかったディアヴロは、客間に戻りますが、そこで…そんなこんなのあと、ファルトラ市に戻ります。今のままでは大魔王モディナラームに勝てないと考えたディアヴロは、レベルアップのため剣聖を頼ることします。
「剣聖よ、この俺に剣術を指南するがよい!」
「そ、そんな居丈高に言われたの、初めて……です」
打倒大魔王のため、剣の道を極められるか?

今までは、圧倒的な力の差で敵を粉砕してきたディアヴロですが、大魔王モディナラームには、勝てないということで、レベルアップを図ることになります。ゲーム世界では、レベルアップしたら、数値として表示されていたのですが、それがない世界。彼は、レベルアップすることができるのか? ということで、久しぶりにゲームを始めた頃のワクワク感を感じるディアヴロでした。

魔術師としての能力はトップクラスで、魔王ロールプレイも様になっているのですが、女性の扱いについては、からきしダメなようで、ダークエルフの経験豊富なお姉様方には、経験がないことを見抜かれております。とはいえ、普通の童貞よりもかなり経験豊富なはずなんですけどねえ。今回もいろいろされていましたし、女性のそういった状況も経験しているんですけどねえ。それをみて興奮するとかじゃなく、意味も分からない…いくらコミュ障だったとはいえどうかと思う状況になってきました。今回は、クルムを行水させ、洗ってやっているのですが、こういう世界の尻尾や角つき種族らしく、クルムも角や尻尾は性的快感があるようです。で、そこまででやめていれば、ギリセーフなのですが、クルムから尻尾の付け根(というか股)も洗えといわれ、そこがどういう場所かわかりながら(大切な場所だからきれいにしないとと考えていますからね)布で何度も擦るというのはアウトでしょう。実際クルムはお漏らしするくらい感じていたようですし…クルムは魔王とはいえ、見た目は幼女。これはアウトでしょう。

それはさておき、今回はディアヴロ修行編。剣聖に教えを請うことができるのか? そもそもレベルアップすることができるのか? たぶん、魔王ロールでなく頼んだほうがうまくいきそうと思うのは私だけではないでしょう。剣聖の館(というか小屋)で出された料理などを見ていると、ディアヴロ以外にも現実世界(日本)から召還された人物がいたようですね。それとも元ゲームの影響なのでしょうか? このあたりもこれから明らかになっていくのかな?

★★★☆
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2017年08月23日

レンタルJK犬見さん。


著者:三河ごーすと
出版社:電撃文庫
レンタルJK犬見さん。

レンタルビデオ見せTSURUYAで働く柴崎涼介が主人公。彼は中学時代に、隣の席だった女の子が自分の話をニコニコ聞いてくれるので、てっきり「脈あり」と告白したら、玉砕した…涼介は大好きな映画の話を熱く語っていたのだが、相手はまったく興味がなかったと…それがトラウマになっているので、恋愛対象は「がっつり映画が趣味な人」
ある日、新人バイトの犬見美咲・超絶美少女から「お仕事の相談なんですけど、わたしと付き合ってください!」と告白されます。なぜ? 驚く涼介ですが「映画オンチ」だからという理由で断ります。それでも美咲は「柴崎さんが映画好きしか愛せないというなら、映画を好きになってみせます!だから、一人前の店員になれるように、わたしを調教してください!」と、迫ってきます。映画オンチということ以外に、嫌いになる要素が少なそうな彼女の病的なアプローチを躱すことができるのか?

ストーリーは、よくあるものです。平凡な男の子(でも、なにかしら恋愛にトラウマを持っている)に、どう見ても不釣り合いだろうという美少女が告白するという…まあすぐにひっついてしまったら、小説になりませんけどね。でも端からみていると「もう付き合ってしまえよ!」と蹴りを入れたくなるウザさではあります。

舞台は、レンタルビデオ店。作者自身の経験も入っているようで、業務内容が細かく描写されています。それがこの作品の最大の欠点になっているんですよね。別に描写なくても、ストーリーは成立していますし、逆にストーリーを停滞させている部分のほうが大きいです。商業誌なんだから、もう少し内輪ネタ減らして欲しかったですね。

肝心のラブコメですが、こちらはなんていうか背中がむずむずするいい出来です。美咲のアプローチが若干病的ですが、それでも常識的な羞恥心はしっかり持っているようで、好感が持てます。一方的に押している時は強いけど、「かわいい」などと言われると、照れ照れになるところもいいですね。

美咲が映画オンチになった理由は、最後まで理解できませんでした。というか、涼介と一緒に映画(DVD)を見ている時の美咲の反応の意味が分からない…読者サービスシーンにしたかったのかなあ?犬見さんがかわいいので、すべて許せる気がする作品でした。

★★★☆
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2017年08月19日

剣と魔法と裁判所


著者:蘇之一行
出版社:電撃文庫
剣と魔法と裁判所

剣と魔法のファンタジー世界のガイナース王国。ダンジョンでは最強を誇る剣士も賢者も、街ではただの人。王国を統べるのは法律…弁護士が最強のジョブという世界。そんな国で「無敗」と名高いキール。彼に弁護してもらえれば、黒も白くなると言われており、その手法は、脅迫・ねつ造なんでもありの悪徳弁護士。それでも、裁判に「勝つ」ためには、一番頼りになる存在で…ある日、殺人の嫌疑をかけられた恩師を救いたいという、心優しい魔法使い美少女・アイリが、キールに弁護を依頼する。彼が出した条件は「300万」という法外な報酬。アイリは、その報酬を飲み、自らが弁護士の助手として働き、返却すると契約する。果たして二人の闘いは?

ファンタジー世界を舞台としていますが、舞台となるのは、ダンジョンではなく、法廷。倒すべき敵もモンスターではなく、訴訟相手とファンタジー世界である必然性は? と疑問に思うほどです。そこで扱われる訴訟は、満員ダンジョン(あまりにも人が多すぎて、身動きがとれない)での痴漢疑惑、武器商の脱税疑惑等々。現代社会でもよく見る訴訟が中心となっています。法律も似ているようですね。

ただ違うのは、この世界の裁判は即日結審が中心のようで、どうやら上訴という概念もないようです(描かれていないだけかも)そのためか、弁護士の弁論で、有罪無罪が決まるようです。

キールのやり口は、依頼人が「勝つ」ことのみを目的とした弁護(とは言わないな)で、その手段は選びません。最初に描かれる痴漢事件は、最初からえん罪のようでしたが、武器商脱税事件は、明らかに被告人がクロ。それを「武器には税金がかかるが、趣味嗜好品には、かからない」という法律の穴をついて、販売しているのは武器ではなく「SM道具」だというへりくつで勝訴します。それだけなら「口が達者な」弁護士ですが、キールはまず、アイリを使ってSM嗜好の人に対し実演。剣などで切りつけ、それを即座に魔法使いが癒やす…アイリの力では致命傷は与えられないので、安全(どこが?)という訳。もともとSM嗜好があった判事はもとより、アイリの扇情的な姿をみて「SMも悪くない」と思わせます。そこに、今度は孤児院の子供達から「おじさんはいい人!」という大声を上げさせる…そのために、武器商に孤児院へ多額の寄付をさせておく…その上で「もし武器として、重税を課していたら、寄付はできただろうか? その場合、その税金を給料としてもらっている公務員は、孤児院を助けられただろうか?」と迫ります。

キールの弁論で勝ててしまうのは、裁判官がアホじゃないか?と思うところが多いです。現代社会を舞台にすると、上記のような「新たな証拠」は裏付け調査されてから、結審するので、ファンタジー世界を舞台にしたのかなと思います。

やはり、裁判所を舞台にするのは難しいのでしょうね。いっそ「現代裁判とは全く違う」といことで、もっとファンタジー色の強い裁判シーンにしたほうが、ボロが出なかったような気がします。さらにキールの性格描写が…アイリ視線でいえば、キールは金の亡者で、自分中心な極悪人としか見えないと思います。それを他の登場人物が「過去にいろいろあったから」「根は優しい」とフォローする形ですが、唐突すぎていい人に見えない…

裁判で勝つためだったら「何でも利用する」という冷酷さをウリにしたいのか、それとも「本当は優しい」というギャップをウリにしたいのか? この巻からは見えてきませんでした。アイリもなにがしたいのか、はっきりしておらず、全体にどちらへ向かおうとしているのかがわかりずらい作品ですね。

★☆
タグ:★☆
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2017年08月04日

あの、一緒に戦争しませんか?


著者:高村透
出版社:電撃文庫
あの、一緒に戦争しませんか?

戦争の悲惨さを伝えていくため、戦争学という学問にして、戦争部という部活動で「戦争ごっこ」を行う世界が舞台。ヒロインは、全国高等学校戦争学大会に参加している。埼玉政府首相の三田村涼花。

まあ一言で言えば、流行の戦争ごっこ+女子高生というありきたりの内容。たぶん著者は現代社会のいろんな闇を、物語に反映させたいのでしょうが、どうみても失敗していますね。平和になり、戦争を体験した人がどんどん高齢化していく日本。そこで、戦争を安全な形(サバゲーの大型版)で疑似体験することで、戦争をしてはいけない理由を考えていくということなんでしょうが、いろんなところで理論が破綻しています。

まあ無理矢理登場人物を女子高生にしているところで、底が知れてしまいますけどね。登場人物も、どこかで見たことあるような人ばかり。平和を守るために、戦争という言葉自体を抹消しようという狂気を描いた「白い服の男(星新一著)」がありますが、そのような狂気もありませんし、ギャグにもなっていません。

地雷でした。
タグ:地雷
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2017年05月29日

天使の3P!x9


著者:蒼山サグ
出版社:電撃文庫
天使の3P!x9

春休みになり、ライブハウスで短期アルバイトを始めることにした響。お小遣い稼ぎよりも、潤たちのバンド活動に役立つアイデアを学ぶため。そこで、オーディションの審査員を経験したりして、ノウハウを身に付けていき…

今回一番のインパクト(悪い意味)は、冒頭の
「いくわよ。第一回『実妹検定』、スタートっ!」
…くるみは、どんどん変な方向に進んでいることは理解していましたが、もう完全に壊れてしまっていますね。ここまでいくと、もう普通には戻れそうにありません。うーむ。

それはさておき、響は「演奏がうまいだけでは、客を集められない」という事実に気がつき、リアン・ド・ファミユの新たな「色」を模索するようになります。例によって、作者さんの「ヴィジュアル系好き」が色濃く出ているので、すべてに同意できたわけではないですが、ほぼ同認識をもてる内容でした。特に「チューニングができていないバンドはダメ」には大賛成。特にアコギだけのユニットでチューニングずれていたら、どれだけメロディがよくても聞いていられないですからねえ。

バンドだけで話は進まないのも、このシリーズの特徴。今回は貴龍たちの生まれ故郷で行われる神事がメインイベントになっています。そこで貴龍(小梅)がいろいろ画策するのですが、他の小学生ずたちによって妨害され…

「私でよければいつでも使って下さいっ」(五島潤)
「こら、希美を差し置いて何してるのよ」(紅葉谷希美)
「はむ……天使の事情は、複雑なのです」(金城そら)
「あと少しでひびきが私だけのモノに…」(尾城小梅)
「貴龍様、さすがに厚かましい気が……」(相ヶ江柚葉)
「また別の女にちょっかいだしたわね!」(貫井くるみ)

このセリフの中で、小梅と柚葉のみが、正しい意味で使っています。それ以外は、いろいろとわかっていないです(希美はわかっているような気もしますが)
さらに今回も桜花のターンがあります。カップルとしては、この二人が一番しっくりくるんですよね。一番初心な反応だし。最近大人な対応をしている桜花ですが、とある状況では、幼女のようになってしまいます。まあ相手が響だからだろうなと、むずかゆくなりそうなシーンの連続です。

ラブコメの行方はどうなるのでしょうね。シリーズ最初のほうでは、ロウきゅーぶのように、潤がメインヒロインで、幼馴染みは引き立て役かな? と思っていたのですが、ここ数巻は、桜花のおいこみがすごいです。響も「異性」という意味で「好き」という感情を持っているのは、いまのところ桜花だけのような気もしますし…

バンドのほうは、リアン・ド・ファミユの今後の展開に少し明かりが見えたところ。ただその「色」は長持ちしないよ、という心配もあります…

★★★☆
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2017年05月15日

キラプリおじさんと幼女先輩


著者:岩沢藍
出版社:電撃文庫
キラプリおじさんと幼女先輩

主人公は高校生・黒崎翔吾。女児向けアイドルアーケードゲーム「キラプリ」に情熱を注いでいます。当然友人は少ないと思われますが、それなりのコミュニケーション能力はあるようです。彼が住んでいるのは、田舎町(山口県下関市近辺と思われ)で、街のゲームセンターには、キラプリが1台しか設置されていません。しかし、それ故少しのめり込むとトップランカーになれるということで…ある日、突如現れた小学生・新島千鶴によって、あっさり奪われてしまい…「俺の庭を荒らしやがって」「なにか文句ある?」 と、小学生と同レベルで張り合う翔吾。昔なら近所のお兄ちゃんとの交流ですんだことが、最近は大変なご時世。それでも翔吾は、1台しかない筐体のプレイ権をかけて、千鶴と対立を続けるうちに、連帯感のようなものも出てきて… そんな二人に最大の試練が…クリスマス限定アイテムをとるためには、おともだちとの二人プレイが必須。素直になれない二人に襲いかかる現実。さてどうなるのか?

ということで、おおきなおともだちとちいさなおともだちの交流を描いた作品になっています。翔吾が女児向けアーケードゲームにのめり込むオタクとして描かれるであれば、案外スムーズに物語が進んだと思われます。しかし翔吾も千鶴も、いろいろあった過去のせいで、とんがっているため、衝突が続いています。当初ゲームセンターでは、翔吾の友人もいなかったこともあり、千鶴は翔吾を自分と同じ「寂しい人」と思い込み、そこに親近感を抱くようになったようです。ところが幼馴染みが翔吾をクラスのパーティに強引に連れ出したことから、翔吾にさえ裏切られたと思い込むようになります。

ゲームが主体になっていますが、実は年齢を超えた淡い恋心というのが裏にあり、それが物語に深みを与えています。ただストーリー内の書き方では、幼馴染みが身勝手に見えてしまうのが残念。翔吾のことを思うというより「世間常識と離れた人が許せない」だけというふうに見えてしまいます。それがなかったら、年齢差ラブコメにもできそうなんですけどねえ。

★★
タグ:★★
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2017年04月25日

縫い上げ! 脱がして? 着せかえる!!


著者:うわみくるま
出版社:電撃文庫
縫い上げ! 脱がして? 着せかえる!! 彼女が高校デビューに失敗して引きこもりと化したので、俺が青春をコーディネートすることに。

またまた無茶苦茶長いタイトル。というか、もうタイトル読むだけですべてがわかってしまうレベルでした。
主人公・小野友永は、裁縫が得意で、女の子の服を縫い上げ、今来ている服を脱がして、着せ替えるのが大好きな高校生。ずっと妹・みちるを着せ替え人形としていたのだが、中学卒業を機に、みちるから「お兄ちゃん卒業宣言」をされてしまい、それがかなわなくなってしまったところから、物語がスタート。まあみちるも変で、家では今まで通り、かつお風呂は絶対一緒に入ると…もう価値観が… でもこの妹、このあとほとんど出番ないんですよね。最初のシーン、意味ないような。

友永は変質者でして、深夜のコンビニで出会った金髪ロリ幼女を羽交い締めにしてお持ち帰り。まあたまたま幼馴染みの凛堂鳴ということがわかりますが、これってもう犯罪ですよね。さらに彼女が来ていた、ボロボロのスウェットが気に入らず、みちるの服を使って着せ替え。それも目の前で、着替えさせ、服が汚いから下着も汚れているのでは? と顔をくっつけてガン見。さらには尻の臭いを嗅ぐなど、もうどこに出しても逮捕される人物です。そんな犯罪者にもかかわらず、学校では裁縫研究部に所属しており、一橋勇璃、犬ヶ咲こずえから好意を寄せられている模様。そこに鳴も含めた3人のハーレム状態。なんで犯罪者がそんないい目に合うんだ!

ストーリーは、高校デビューを失敗(金髪に染めて、クォーター設定をしようとして、暴発)し、ヒッキーになっていた鳴の青春を服を通してコーディネートしようというもの。最初から鳴の友永に対する好意はMax状態なので、ほぼいいなりで話が進んでいきます。そのため、問題はほぼ起こらず、着せ替えが延々続くことになります。

洋裁のスペシャリストが服によって、更生させるというストーリーですが、コミックでは普通にある設定で、目新しいものではありません。残念なのは、イラストがイメージの阻害要因になってしまったこと。3人のヒロイン+妹は、いろいろなタイプの美少女のようですが、そのあたりがイラストからはわかりませんでした。さらに学校を舞台とするのではなく、小野家が舞台になっている割に、両親の姿が見えない(鳴の両親も)のが違和感満載です。うーむ。会話劇は面白いので、もう少し会話ではない部分がしっかりしていたらよかったと思う作品です。

★☆
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2017年03月13日

ヴァルハラの晩ご飯(4)


著者:三鏡一敏
出版社:電撃文庫
ヴァルハラの晩ご飯(4) 〜イノシシとイノシシモドキの包み焼き〜

いきなりセイとロキの対決シーンからスタートします。他の作者さんであった「その巻のクライマックスシーンを巻頭で示してから、本編に入る」という手法かと思いましたが、そうではありませんでした。フェンリルを縛る強力な紐・グレイプニルを外すために「竜の心臓」が必要であり、セイが竜に変身して、闘ったということです。完璧な変身ができること+生き返ることができるというセイならではの解決方法ですね。でも倒された竜には、心臓がなく…セイは、ヒントを求めて黒き剣聖ヴィズガと話をしますが、手がかりなし。邪竜ファフニールを倒した竜殺しのシグルズを訪ねて、死者の国へ。死者の国の女王はロキの娘。どうやら中二病のようで…なんとかシグルズにヘルの館まで来てもらいますが、彼は残念な頭の人で聞き出すのが大変。なんとか聞き出したのは魔剣・リジルを使ったということ。ロキは魔剣を探しにいき、セイは一人でミッドガルドへ。しかしながら、虹の橋・ビフレストの門番・ヘイムダルに通せんぼをされているところに、4女ヴァウルトラウテが現れ、二人で下界に降りることに。夕方には、ヴァルキューレ姉妹とも合流できますが、瘴気がセイを蝕み…

と一読すると、まじめなストーリーのようですが、そこはヴァルハラ。ヴァルトライテから「ブラジャーに変身して欲しい」と頼み込まれたセイ。ブラジャーを詳しく知らないため、まずはヴァルキューレ姉妹の誰かにブラジャーを見せてもらうことに…誰もが恥ずかしがって断るのですが(当然だ)、なぜか「戦乙女ブラジャー当て大会」という流れに…箱に自分のブラジャーを入れ、それをセイがひいて、誰のものか当てるという…最初の趣旨はどこにいってしまったの? という展開になっています。で、ブリュンヒルデが自爆して…まあいつものノリです。

とはいえ、今回ラストではかなり大きな出来事が発生します。今までのお気楽な生活がすべて夢・幻となってしまうような事実。それでも彼らは彼らしく前を向いて頑張っていくようです。このまま方向性を変えないで欲しいですね。

★★★☆
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2017年02月20日

《ハローワーク・ギルド》へようこそ!


著者:小林三六九
出版社:電撃文庫
《ハローワーク・ギルド》へようこそ!

主人公は、とある事情で<ハローワーク・ギルド>の事務員となったキール。この世界では、魔族との戦争が終結してしばし経っており、基本平和。目下の課題は「お仕事」。この世界の職業は、15歳までに「職才」が決定し(神からのお告げ)基本的にその職才に従って仕事を選ぶようです。RPGでいうところのスキルのようなものですかね。「基本的」ということで、職才と異なる職業に就く人もいれば、職才を15歳までに告げられない人もいる。後者だと、就職が難しいとのこと。厳しい世界ですねえ。そんな人たちの転職相談の場が<ハローワーク・ギルド> キールの最初のお客様は騎士をやめたい女騎士でした。騎士の職才持ちで、騎士としては能力が高いのですが、それ以外はまったく才能なし。キールが紹介するメイドさんやウェイトレスは、持って一日。下手すると半日以内に首になってしまう。本人はやる気もあり、人も悪くないけど仕事ぶりが…あまりにも首になり続けるので「とりあえず臨時雇い=アルバイトから」ということで、気がつけばギルドに居着いていたり。それ以外にもスランプに苦しむ錬金術師の少女。歌手になりたかったシスターなど。なぜかお客様は女の子ばかり。なのでラブコメ要素もばっちり。

てっきりRPG世界で、転職を司るギルドの物語と思っていたのですが、職才という設定以外は、人生相談所ですね。どれも本人にとっては、人生がかかった悩みなのですが、端から見ていると、どことなくのんびりしたものばかり。基本いい人が多いので、読んでいて楽しいですね。この手の作品は、ネタが続く限りどこまでも続けられると思うのですが、この作品は、ラストで伏線を一気に回収してしまっているので、続刊は難しそうです。

★★★☆
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勇者のセガレ


著者:和ヶ原聡司
出版社:電撃文庫
勇者のセガレ

主人公は、所沢市の一般的家庭・剣崎家の長男康雄。両親と妹の4人暮らしという平凡な一家だった。ところが、金髪美少女ディアネイズ・クローネことディアナが、異世界から剣崎家のリビングにやってきたことで、平穏な日常は崩れ去ります。当初は、自分自身にゲームのような展開が降りかかると思った康雄ですが、
「私は救世の勇者、ヒデオ・ケンザキ召喚の使者としてやってきました」
召喚対象は父親で、しかも若い頃異世界を救った勇者でした。どう見ても普通の中年のおっさんが「勇者」だったと信じられず、ディアナは「勇者の息子」である康雄に憧れのまなざしを向けてきて、妹は白い目で睨んでくるし…異世界の平和以前に家庭の平和が大ピンチに陥って…

あらすじだけ読むと、コメディのようですが、実際はかなり重苦しい作品になっています。最大の理由は、主人公・康雄の態度。父親が「勇者」で、しかも異世界へ新たな闘いに赴く…当然死んでしまうかもしれない…それを「息子」として心配して反対しているのであれば、理解できたと思います。でも彼の反対の仕方は、どう見ても自己中心的。ディアナへの対応も、単純に自分のイラつきをぶつけているだけのようで…さらに妹の主人公に対する態度も冷たすぎ。正直「この家庭、もとから壊れていたんじゃないか」という感じしか受けません。たぶん、作者は本当は、お互いを思いやっている兄妹だとか、家族愛というのを描きたかったのでしょうが、大失敗していますね。特に前半は読むに値しないくらい崩壊していました。後半になると、康雄が少しずつまともになってきて、妹の態度もわかりやすくなり、ディアナにとって守るべきもの、康雄にとって守るべきものが明確になり、おもしろくなってきます。戦闘シーンにもギャグが入るようになり、コメディとしても一気に盛り上がっていきます。ただ今度は登場人物をうまく使えていない。康雄の中学時代の友人(?)も、ラブコメ枠に入ってきそうで、その手前でウロウロ。もったいないですね。

続編があるのかもしれませんが、ちょっともういいかな。別作品に期待といった感じですね。

★☆
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2017年02月07日

迷宮料理人ナギの冒険


著者:ゆうきりん
出版社:電撃文庫
迷宮料理人ナギの冒険 〜地下30階から生還するためのレシピ〜

「やってられるか!こんな毎日…!」
冒険者になりたいけれど、剣や魔法の才能はない料理人の息子・ナギ。実家の食堂の手伝いの日々に絶望した彼は、親に黙って旅に出ようとします。ところが、その瞬間突如として足元に開いた巨大な穴へと滑落。目覚めたのは、謎の地下大迷宮。街全体がダンジョンに崩れ落ちるという未曾有の事態に巻き込まれてしまったのです。一緒に落ちた父が若い時から大切にしていた移動炊具車(屋台)には、炎の精霊・エンヒが宿っており、彼の父親が、昔魔王を封印した英雄の一人だったと告げるのですが、彼はそれを受け入れることができず… とにもかくにも、迷宮から脱出しなくてはならないと、エンヒの記憶と勘に頼って歩きだした彼は、崩落を生き残った戦闘神官少女・リヴと出会います。彼女は「く、殺せ…」系な割には、スライディング土下座もするという、少々残念な性格。しかも崩落の際にメイスとめがねを落としており、あまり役に立ちそうもない。それでも冒険者であることは確かなので、一緒に出口を探すことになります。その後もなぜかヤギのような仮面をかぶった上半身裸の屈強な男・ヤァギなどに出会い、少しずつ真実に近づいていきます。

剣も魔法も使えないナギですが、彼には父からたたき込まれた料理の腕がありました。しかも「食べられるもの」が光って見えるという「メキキ」能力を持っており、移動炊具車で、エンヒの炎を用いて調理すると、おいしいだけでなく付加機能も得られるという、料理の魔法を持っていました。そういや和製RPGでは、料理に付加能力があることが多いですね。

どうやらナギの父親は、日本からの転生者だったようで、エンヒが覚えているレシピは、基本和食です。醤油などの調味料によって、魔法能力が付加されるという設定になっています。まあそれはいいんですが、異世界ということを強調したいがためか、和食→ワ・ショック、治部煮→ジブーニ、鍬焼き→クーワ焼き、ブルーベリー→ブルベリ、ヤギ→ヤァギなどと表記されています。でも、パンはパンだし、小麦粉もそのまま。全体に統一感がないです。中途半端に文字を弄るのなら、やらないほうが…よくある「語尾変形」と同じく、そこでリズムが途切れてしまうのが残念です。まあその言葉を知らない人が聞くと、変形してしまうことは多々ありますけどね。でもこの作品の場合、そこまでこだわっているという感じもうけないので、余計浮いているんだと思います。まったく知らない料理のはずなのに、エンヒのいい加減なレシピでおいしい料理ができているくらいですから。

せっかく料理人という設定なんだから、もう少し料理シーンを重視してもらったほうが、ありがたみが出たと思います。いろいろ残念でした。

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2017年02月03日

だれがエルフのお嫁さま?


著者:上月司
出版社:電撃文庫
だれがエルフのお嫁さま?

主人公は、百年ぶりに生まれた男エルフ・クルト。男エルフは数が少ないというだけでなく、その子供はとびきり優秀になるという珍しい存在。そのため、子供目的で結婚を望む女性がたくさん現れて… なんだかんだで、貧乳を気にしているエルフのティア、スタイルがよく可愛いけど常識が欠落している食人種のゼア、年齢にコンプレックスをもつ元皇族で魔法使いのイツミと一年限定の共同生活を送ることになり…

あらすじでは面白そうだったのですが、何度か途中で読むのをあきらめそうになる作品でした。そういえば、この作者さんの作品って過去にも同じような思いをした記憶がありますね。

一般的なファンタジー世界とは異質の世界になっています。クルトはエルフ(母)と父(人間)の間に生まれたいわゆるハーフエルフなのですが、この世界では、生まれてきた時にどちらかの種族になるようです。ということは人間の血はどこにいくのでしょう? またエルフも変わっていて、誕生時は性別が分化していない状態で、いわゆる思春期(作品内では第二次性徴)を迎えた時に、性差が分化。男性に分化したエルフは、その後数年〜十年かけて、男性機能を備えていく(つまり、ナニが生えてくる)という設定になっています。なので、分化したてのクルトには、外性器がなく当然子供も無理です。じゃあなぜ「共同生活」ということになるのですが、「異性から性的刺激を受けると、成熟が早くなる」という設定があるからとなっています。うーん、回りくどいなあ。このあたりで読むの嫌になりかけました。

ヒロインズに魅力がないのも、辛いですねえ。ティアは感情が読みにくい(表情があまりない)という設定なので、第三者的に見ても面白くない。ゼアは単なるビッチにしか見えない。イツミはひねくれ年増にしか…本当は「いい人たち」なんだよといいたいのはわかるのだが、描写される内容から読み取ることができない。感情が一方通行なんですよね。いろんな種族がいて、いろんな考え方があるということを強調しようとして失敗しているような…ベテラン作者さんなので、こういう作風なんでしょうね。地雷というほどではなかったですが、もう作者ごといいかな。

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2017年01月10日

手のひらの恋と世界の王の娘たち


著者:岩田洋季
出版社:電撃文庫
手のひらの恋と世界の王の娘たち

花x華の作者さんですね。
舞台は、八つの平行世界の王の娘たちが通う「八重ノ学園」。主人公はこの学園に通うことになった第二世界の少年・美哉。彼の役目は、王の娘である羊子をサポートし、彼女を統合世界の王にすること…だったはずなのに、「わたしは美哉のことが、す、……好きなんだ!」と突然告白され、なぜか彼女と同棲することに。
この学園では、王の娘たちが、平和的に代理戦争を行い、平行世界の領域を決めるという闘いが行われています。そんため、王の娘は一つだけ「危険物」として武器の持ち込みが許可されているのですが、なんと羊子が申請したのは「美哉」。本来身分的な問題から、この学園に入学するのが難しい美哉を物として申請することで、持ち込んだのです。なんかも可愛いですね。でも自分の恋心を世界の領域より優先することは。許されるんだろうか?

またまわりの王の娘(といっても、数名しか出てきませんが)も、超絶お節介な少女ばかり。「H&M会(羊子さんと美哉くんのための会)」を立ち上げ、恋に恋する羊子を煽り、暴走させ、美哉がその悪ノリに翻弄されるという……いや、どの王の娘も美少女そろいである意味ハーレムなんですが、なんせ羊子の想いを知って、悪ノリしているメンバーたち。美哉はおもちゃとして、地獄の日々を送ることになります。しかも、羊子が美哉への恋心が絡まり、実力がまったく発揮できない状況。羊子の父=王からは「高校生として節度あるおつきあいを」と念を押され、当然「世界の覇権をとる手伝い」も指示されているので、そちらも冷や汗もの。

羊子が恋に関して、あまりにも初心であり、H&M会メンバーも、本当の意味での恋を知らないようで、少女漫画的かつ女子会的に悪ノリしています。応援するというよりも、右往左往する二人(主に美哉)を見て、楽しもうという意図が見え見え。まあ、美哉が羊子をまったく気にしていなければ、なにやっても羊子の空回りだったでしょうし、面白さは半減していたでしょうしね。まあ美少女に直球な好意を向けられ、しかもそれは気になる異性。でも手を出すととんでもないことになりそう。生殺し状態の美哉は、いつまで耐えることができるのでしょうね?

花x華同様、ラブコメの中にシリアスな闘いが混じっております。それが、影を落としているので、単純なラブコメにならないのが、この作者さんの特徴なのでしょうか? 甘々なラブコメで蕩けたいという方には、少し不向きかも。シリアスをおしるこに添えられた塩昆布として楽しみましょう。

★★★
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2017年01月06日

気づけば鎧になって異世界ライフ


著者:猪野志士
出版社:電撃文庫
気づけば鎧になって異世界ライフ

主人公・アスヤが気がつくと、見知らぬ世界にいて、身体が動かない、頭や腕はおろか、指やまぶたさえピクリともしない。しかも記憶がない! 困惑していたら近くから女の子の声がしたので、声を振り絞って話しかけてみると、驚かれる。なぜ? 彼女が差し出した手鏡を見ると、鎧姿の俺が映っていたが、バイザーを開くと中身がない…鎧に転移してしまった少年の物語。

あらすじを読むと、かなりコメディ色の強い作品に思えますが、実際は案外シリアスなお話となっています。主人公であるアスヤ、ヒロインのエルセリッタ、フィリオの生い立ちがかなりハードで、ボス敵がアレだったもので、コメディ色がシリアスで塗りつぶされそうになっています。この設定だったら、もう少しコメディに行ったほうがよかったんじゃないかなあ。エルが鎧=アスヤを着ることで、アスヤはエルの身体の凹凸を感じるとか、目がないはずなのに、見えてしまうとか。さらにとある条件で人間に戻れることがわかったものの、戻った瞬間は素っ裸。でも興奮すると鎧に戻ってしまう。そのため、中盤で人間に戻ったアスヤが風呂屋に行った際、ロリ美少女・フィリオに気に入られ「こどもつくろ」と言われた時も、興奮から危うく途中で鎧にもどりかけ…と完全にギャグマンガな設定が続くので、登場人物のハードな出自や、ガチペドなボス敵とかいらなかった気がします。まあ、そうすると薄っぺらい作品になってしまっていたかもしれないけど。

伏線はばらまかれているので、うまく回収してもらえたら、面白いシリーズになりそうです。

★★★
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2016年12月13日

モテなさすぎた俺は、とうとう人形に手を出した


著者:手水鉢直樹
出版社:電撃文庫
モテなさすぎた俺は、とうとう人形に手を出した

てっきりドールな意味の人牛緒だと思ったら、ゴーレムでした。まあモテなくて、リカちゃん人形手に持ったらホラーになってしまうわな。
主人公は泥ケ崎洋。土属性の能力がある調和学院高校の1年生。高校デビューして「モテたい」という願望があったが、もてない属性No1の土属性かつ死霊術士ということで、モテるどころか、虐げられる日々。どうも土属性って、こういうネタに使われることが多いですねえ。使い方によっては、かなり重要な属性だと思うのですが…
モテなさをこじらせた洋は、下心満載で「俺の嫁」となる美少女ゴーレムを錬成します。ところが、そのゴーレムはツンクールで記憶を失っていて…どう見てもマスターよりも偉そう。
「マスターたる俺が名付けてやる……俺乃嫁子だ」「却下。お前の名前は? どろがさきひろし……長い。生意気よ。略してドロシーね」とゴーレムに名付けられてしまう主従逆転状態。「嫁」という言葉が飛び交うドタバタ学園魔術コメディ。

ゴーレムを錬成して「俺の嫁」というのは、よくあるパターンですね。で、たいてい主従逆転しています。というか、そうでなければコメディとして成り立たないのですが…もっともこの美少女ゴーレム。ゴーレムというよりも、普通の少女としての思考を持っているので、対ゴーレムではなく普通のラブコメになっています。もう一ひねり欲しかったなあ。モテなさすぎて「人形」に手をだすというコメディがすっ飛んでいます。洋の彼女に対する態度も普通の女の子に対するものですし。単に「俺の嫁」と連呼しているだけだもんな。せっかく合法ロリ(というか、セルフロリ)な魔術協会長など濃いサブキャラがいるのだから、もっとひっかきまわせそうなのに。もっともこのおっさん、絶対ダメなことをしていたようなので、ギャグになりにくいというのはありますが。そんな犯罪者が記憶を持ったまま、幼女になると…いや想像するのやめましょう。このあたりも少々もったいないなあ。コメディとして使うのだったら、リアル犯罪な過去をだしちゃいけない。その時点で、いろいろ展開ができなくなるから。

ドタバタコメディに、リアルを持ち込み、重しをしてしまった感がありますね。もう少し考えましょう。

★★
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2016年12月12日

魔王なあの娘と村人A(11)


著者:ゆうきりん
出版社:電撃文庫
魔王なあの娘と村人A(11)〜魔王さまと俺たちのグラデュエーション

前巻から間が空きましたが、これが最終刊。勇者・光ヶ丘翼から、魔王・竜ヶ峯桜子が「魔王」の個性を剥奪されるという情報がもたらされます。修学旅行のあたりから、おかしかった竜ヶ峯。果たしてこの話は本当なのか? そして村人A・佐東は竜ヶ峯を救うことができるのか?

修学旅行先で西の魔王と闘い、傷ついた佐東。想像以上にその傷はひどく退院まで時間がかかりました。そんな中、翼から噂を聞き、学校で確かめようとしますが、竜ヶ峯は修学旅行以来まったく学校に来ておらず、さらに修学旅行が途中で打ち切りになったことなどから、うまく行きかけていた個性者と一般学生の間も元に戻っており、一般学生は個性者を忌み嫌うようになっていました。個性者たちから竜ヶ峯の個性剥奪の話を聞くも、なにもできない単なる「村人」である自分を呪う佐東。そんな彼をみて、翼がそのままでいいのか?と嗾けます。表向きは「魔王がしっかりしないと、勇者としての個性が発揮できないから」という理由ですが、そこには佐東に対する想いが込められていて…敵に塩を贈るというか、佐東を想う心は本当だったんですね。

そんなこんなで竜ヶ峯の家を訪問する佐東。そこで竜ヶ峯本人からも噂が事実であることを告げられます。原因は「魔王としての個性を発揮していないから」「人類滅亡の方法を考えようとしても、他のことを考えてしまう」って、もう原因バレバレじゃないですか!その病は「医者でも治せない」ものですね。

竜ヶ峯、村人A、翼のラブコメとしてのエンディグは、まあそうなるだろうなと納得のできるものでした。ただ個性者と村人の関係改善という部分は結局なにも解決しないまま終わってしまったのは残念ですね。

★★★
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2016年12月08日

幸せ二世帯同居計画


著者:五十嵐雄策
出版社:電撃文庫
幸せ二世帯同居計画 〜妖精さんのお話〜

主人公は、瀬尾兄妹。幼い頃に両親を亡くし、親戚の家をたらい回しにされ、そのどこにも自分たちの居所がなく、兄妹だけで生活をしようとアパートに移ったとたん、そのアパートが全財産とともに火事で燃えてしまい、公園でサバイバル生活を送っていました。さすがに小学生の女の子=妹をこのまま公園で寝泊まりさせるわけにはいかないと、近所に発見した空き家にこっそり移住することに。ところが空き家と思っていたその家には同級生の女の子・成瀬莉緒が一人で生活しており…ばれそうになった時、彼女が発したのは
「まさか……まさか、“妖精さん”!?」
という言葉。そしてなぜか彼女から妖精さんと勘違いされた二人は、彼女から隠れたまま奇妙な同居生活を始めることになります。そのうち彼女の悩みを知って…

妖精さんと女の子の「家族」としての絆を育てる暖かい物語です。妖精さんと莉緒の深夜のお茶会。なんだかほっこりしますね。いや、絵面的には女子高生と壁一枚隔てて、違法侵入者がいるわけですが。そこには殺伐としたものはなく、優しい空気が流れています。高校生が一人で住んでいる時点で気づくのですが、莉緒も恵まれた家庭とはいえない環境で育ってきました。そのため人間不信に陥っていたんですよね。でも育ててくれたおばあちゃんには心を開いており、そのおばあちゃんが聞かせれてくれた妖精さんの物語が心に残っており、深夜のお茶会が唯一心を開ける場所になったんでしょうね。この奇妙な同居生活には、さらにもう一名中学生・佐藤向日葵も加わり、瀬尾兄と3人の女の子(高校生・中学生・小学生)というハーレムのような家族ができあがり…。

五十嵐さんの作品なので、主人公はハイスペックです。小さい子にも懐かれます。いままでの作品(電撃文庫)に比べると、登場人物が背負っているものが重いのですが、暗さはなく、そこにはただ暖かい風だけが吹いています。ラストへ向かうエピソードでは、何度涙腺が緩くなったか…いつもの「ほんわか」ではなく「暖かい」気持ちになれる良作品でした。
「“妖精さん”はいつでもお前の味方なんだよ!」

★★★★
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2016年11月25日

天使の3P!x8


著者:蒼山サグ
出版社:電撃文庫
天使の3P!x8

前巻が短編集だったので、本編は久しぶりですね。
今回は冬のイベントが続々登場します。まずは初詣、そしてバレンタインさらには雪山スキー旅行。当然温泉付き。いつもに比べると、桜花が活躍していたような。響をめぐるラブコメは、普通に考えると桜花の圧勝のはずなんですが、残念なところがあるので、他の小学生ずにも可能性は残ったままです。

まずは初詣。ラブコメでの定番といえば晴れ着の裾がとか、みんなとはぐれて二人きりというものですが、この作品は予想の斜め上を行っております。和服の時には下着をつけないという話を信じ込んで、まあそういうことです。で、それを言い出したのが桜花ということで、彼女をかばうために響が言った一言が小学生ずにとんだハキチガエを起こさせ、大変なことが発生します。

次にバレンタイン。こちらも桜花が残念なことになっており、ヘタレな性格と響の鈍さのせいで、響との関係にヒビが…小学生ずによってなんとか修復してもらいますが、最後まで桜花はヘタれたままでした。

雪山スキー旅行は、万馬券をあてた桜花のバイト先のパン屋のおじさんからのプレゼント。初めて新幹線に乗る響は、小学生ず以上に張り切り、潤は初体験となるスキーに恐怖心を持って旅行を楽しみます。温泉旅館ということで、当然なシーンもあり、男湯に間違って入る潤。さらに桜花まで… 結構響って、らっきーすけべ多いですよね。

本筋の音楽では、リアンドファミユの集客力が落ちてきており、もう一段階上を目指そうと響がいろいろ考えております。このあたりは、いまいち理解しにくいなあ。まあ作者さんの趣味(ビジュアル系バンド好き)が色濃く出ているから仕方ないのでしょうが。

スポーツと異なり、勝敗がはっきりしない音楽の世界。どこへ向かっていくのでしょう。
★★★☆
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2016年11月11日

ヴァルハラの晩ご飯(3)


著者:三鏡一敏
出版社:電撃文庫
ヴァルハラの晩ご飯(3) 〜金冠鳥と仔鹿のグリル〜

エインヘリヤルたちによるヴァルハラの動乱も落ち着いて、平和な日々が戻ってきました。しかしながら、その動乱によってエインヘリヤルたちには通称「ラタトゥイユの刑」が課せられ、肉が一切禁止。そのためセイの「晩ご飯」になるという仕事がなくなってしまいます。一時的なものとはいえ、暇になったセイはヴァルキリー姉妹を頼り、代わりの仕事を探します。そんな時、セイの前に強敵が現れ…それはヴァルハラ大農園を管理する鹿のイクス。セイのことを「お師匠様」と慕ってくれるのはいいけど、それ以上に別のあこがれが…思わずおしりを気にするセイ。ラノベでは珍しいBLな展開になるのか?
いや、彼が強敵なのはセイのおしりの危機という訳ではなく、食材として。セイに弟子入りしたことにより、彼も晩ご飯になるのですが、それを食べたオーディン様が「ンまぁ〜い」と大絶賛。そのため、セイは晩ご飯を首になってしまいます…存在意義がなくなる。それ以上にブリュンヒルデに会えなくなる…あせるセイは、またもやヴァルキリー姉妹に相談して…

ということで、今回はヴァルキリー姉妹に助けられる(?)セイという構図になっています。いままであまり描かれなかった姉妹も登場しており、セイの愛玩動物としての立ち位置が明確に描かれおります。といいながら、ブリュンヒルデやロスヴァイセはそれ以上の感情を持っているようですけどね。特にブリュンヒルデのデレが激しい。イノシシと長女エンドで決定したようなものです。
今回、ヴァルキューレとフレイヤがセイを手助けしていますが、実はヴァルキューレって暇なのでしょうか? なんだかんだいいながら、姉妹全員がセイの手伝いをしているよなあ。神話のイメージだと、もっと凜々しく世界を飛び回っている感じなんですけどね。

セイの食材復帰作戦は、一度大失敗します。それはセイがいろいろ鍛えてため。今までは、肉と脂肪が黄金律で混じっていたのに、脂肪が少なくなってまずくなってしまった…って確かに食材として見た時は、脂肪を大切にしますよね。うーん、難しい。

でも、セイっていったい何者なんでしょうか? ただの煤けイノシシじゃないですよね。「晩ご飯になる」というすごい仕事があるとはいえ、普通ヴァルキリー姉妹やフレイヤを使い倒すことなんてできないもの。不思議な存在です。実はかなり大物なのかな?

今回は、あまり重い話はなく(セイにとっては、死活問題だったのでしょうが)ヴァルキューレ姉妹とのほんわかした話が続きました。しかし次巻からは暗雲が垂れ込めてきそうです。ヴァルキューレ姉妹とのほんわかラブコメが続くことを期待していますが、それだけではダメなようですね。

★★★☆
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2016年10月18日

ヴァルハラの晩ご飯(2)


著者:三鏡一敏
出版社:電撃文庫
ヴァルハラの晩ご飯(2) 〜オオカミとベルセルクの野菜煮込み〜

主人公は日々ヴァルハラキッチンで「食材」になっているイノシシのセイ。彼は、日没とともに蘇生するという能力を持っているため、毎日食材にされる日々を過ごしています。冷静に考えると、毎日死ぬ恐怖があるのだからひどい話ですね。便利なのは、どれだけ身体が不調(外科的にも内科的にも)でも、生き返るとフレッシュな状態に戻っているということ。
前回世界樹を倒壊の危機から救ったことで、主神オーディンより英雄認定されたけど、待遇はまったく変わっていません。戦乙女9姉妹との距離が近くなった(気がする)ことが唯一のメリット。そんなある日、9女ロスヴァイセが、巨大なオオカミに変身する神技に失敗(理性を失って暴走してしまう)。そのショックで引きこもってしまいます。彼女に笑顔を取り戻すため、セイは一吠えで島一つを吹き飛ばすという魔狼・フェンリルに会いに行きます。彼は、ロスヴァイセの心を救うことができるのか?

今回もセイの活躍が描かれております。本来恐ろしい存在であるはずのフェンリルにも平気で話しかけるし、実はセイって神様より偉い存在なのではないかとの疑問も浮かんできます。まあ単純に、抜けているだけなのかもしれませんが。前回料理長に指摘されたセイにとっての地獄(食材にならずに死んでしまったら、英雄たちの食材がなくなってしまうので、日没で生き返ると同時に食材にされてしまう。そして、生き返るのは次の日の日没…食材にされるために生き返ることの繰り返し)を抜け出す機材・冷凍庫が登場します。これによって、セイの死体を保存しておくことで、その日はその肉を利用。生き返ったセイは一日生きることができるというもの。ってこれもつらいなあ。

さて本筋ですが、ロスヴァイセの件だけでも大変なのに、英雄たちに不穏が動きが出てきます。神々に認められた英雄とはいえ、いやそれ故、神々との間に上下関係が生じており、いろいろ鬱憤がたまるようです。人間ってやつは…ということですね。

この作品、セイの軽いノリがあるため、非常に読みやすくなっています。しかもどうやら戦乙女たち(特にブリュンヒルデとロスヴァイセ)は、セイを異性として見ているようでして、そのあたりのラブコメも楽しいことに。ラグナログに向かって、いろいろきな臭いことが起こっていますが、軽いノリは悪くありません。前巻同様「生命」という重いテーマを扱っていますが、ぞんざいに扱わず、かつ重くならない絶妙のバランスで描いているので良作です。もっと読みたくなる作品ですね。

★★★★☆
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2016年09月27日

彼女はとても溶けやすい


著者:丸山英人
出版社:電撃文庫
彼女はとても溶けやすい

主人公は、久田深弥。生まれつき存在感が希薄で、家族にすらその存在を忘れ去られるという不幸な高校生。自動ドアのセンサにすら感知されることなく、椅子に座っていても椅子ごと動かされるという地味さ。一方ヒロインは、美少女で存在感抜群な、重栖かなた。彼女は、すぐにカッとなり、正体をなくしてしまう。他人に関わるのが嫌で、いつも親友・沖島文と一緒にいる。もうそれは百合と思われるほど。たとえ同じクラスにいても、接点がない二人を結んだのは、偶然彼女の秘密を知ってしまったから。そこから物語が動き出します。

「み、みら、見られ、見! 嘘、嘘よね!? ねえ!!」
かなたは、人より融点が低いらしく、体温が上昇すると極端に柔らかくなるという体質です。比喩という訳ではなく、本当に溶けてしまうようですね。深く考えたら負けですが、ありえないですね。一方深弥は、地味で存在感が希薄なため、そんな彼女の秘密を見てしまった時も、その体質に驚くより
「僕の名前を覚えてくれてた・・・・・・」
と感動しております。こちらも大概ですね。

かなたの危機を救ってきた文は、そんな深弥に対し、かなたの体質改善に協力して欲しいと持ちかけます。親が食事を作り忘れることは日常茶飯事。さっきまで一緒にいた友人に忘れ去られる、誕生日、退院した母親が病院に忘れていくなどなど悲惨な経験をしてきた深弥は、彼の名前を覚えていてくれたかなたの頼みを断ることはできませんでした。

まずは文の提案により、かなたと深弥はデートをすることに。その待ち合わせで、人混みの中から深弥を見つけてくれたかなた。今まで認識してもらえなかった彼にとって、彼女の存在感はどんどん大きくなり、それが好意に変わっていくのは当然の推移ですね。

その後も3人(時には二人)で体質改善を目指し、途中なんども危機を迎えながらも、深弥の頑張りによって回避していき、さらに二人の中は近くなって。そのままハッピーエンドかと思いきや、深弥にもどうしようもないピンチが訪れ、二人の関係性に大きな変化が訪れます。

後半のラブコメパートは、結構面白かったです。しかしかなたが「溶ける」という設定が生かし切れていないですね。そのためラストが中途半端になっています。駆け足すぎて、それまでの伏線がなくなっています。それが残念な作品ですね。

★★
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2016年09月02日

迫害不屈の聖剣錬師(2)


著者:天羽伊吹清
出版社:電撃文庫
迫害不屈の聖剣錬師(2)

鬼道に落ちた敵を捕縛する活動を行っていたジュダスは、勢い余ってスランプに悩む天才少女・アシュリーが聖錬中の部屋に飛び込んでしまい、彼女のあられもない姿を見ることになります。アシュリーは、7歳頃に聖錬ができるようになった天才。ところが1年ほど前から聖錬に失敗するようになります。それまでが天才少女としてもてはやされていた分、他人からいじめの対象になっています。
アシュリーも当然聖錬中は性的快感を得るわけで、ジュダスに見られたのはそういう姿。しかもほぼ全裸(ショーツのみ) 彼女がジュダスに対して告げた代償は「八紘聖戦」のデュオ部門のパートナーになること。ジュダスは、出自からデュオでの参加はあきらめていたので、即了承します。まあこれが、トワたちにとって驚異となるのですが、当然ジュダスは気がついておりません。

デュオでの練習を始めるジュダスとアシュリーですが、アシュリーは体格にも恵まれず(12歳だし)持久力もない。さらに剣技も極めていないということで、どうしてもジュダスの足手まといにしかなりません。それを苦にするアシュリー。せめて聖錬ができればという悩みを打ち明けます。ジュダスは、そんな彼女に対して、アシュリーが聖錬できなくなった原因を告げます。それは、彼女が初潮を迎えたから…ジュダスの母親はジュダスを身ごもったことにより、聖錬できなくなった。それと同様、子供から大人へ身体が作り替えられることにより、聖錬できなくなったということです。で、ジュダスは、彼女の聖門に直接手を突っ込み、そのゆがみを直すという大技を使います。聖錬は性的快感を得る…なのでこの行為も性的快感が強いようで、アシュリーにとっては、初めての経験だったようです。ジュダスは代償として腕に大やけどを負うのですが、それがアシュリーにとって、さらに「頑張らねば」という気持ちにさせます。
そんな中、偶然街でそれと知らず「禁忌の聖錬術「鬼道」に触れてしまい…鬼道を用いるとマキナ化してしまう。ジュダスはどうするのか…

前巻では、エロコメ部分が強調されていて作品ですが、今回は哀しいエピソードが描かれています。それがストーリーに幅を持たせてくれており、単なるエロコメから一歩進んだストーリーを楽しむことができました。

★★★☆
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2016年07月20日

出番ですよ!カグヤさま(3)

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著者:逢空万太
出版社:GA文庫
出番ですよ!カグヤさま(3)

結太の誘拐から発展したカグヤとサクヤの姉妹喧嘩がようやく終了した矢先、統社桃花が刀を持って現れます。お互いに、なんとか状況をごまかそうとしますが、カグヤがあっさり「自分は月の女王」と告げます。すると、突然桃花がカグヤに襲いかかって…桃花と一族と先代かぐや姫とは、浅からぬ因縁があるようで…ひん曲がった竹取物語第三弾。

月にはロクな生物ないないのか? といいたくなる竹取物語。結太の数少ない異性の友人であるすべ子は、一般人ではありませんでした。真面目なのか不真面目なのかよくわからないのですが、一族の「悲願」を心に秘めて行動していたようです。ということで、普通の人がいなくなってきましたねえ。と思っていたら、今回で最終巻とのこと。いろいろ広げた風呂敷は、畳みきれていないのが残念ですね。とはいえ、今の流れで続けるのも難しいというのも事実。これ以上、月の民の敵をを作っても仕方がないですからね。

ただ、カグヤの「善行値」という設定はどこに行ってしまったんでしょうか? カグヤが、善行を積もうとしていなかった点に目をつぶるとしても、今回は完全に,無視されたままになっています。もっと重要な設定だと思っていたんですが、あまり意味がなかったようですね。

カグヤがどんどんアホの子になってきて、読むのが辛くなっていたので、ちょうどよかったのかな。

★★☆
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2016年06月06日

くじらな彼女に俺の青春がぶち壊されそうになっています


著者:銀南
出版社:電撃文庫
くじらな彼女に俺の青春がぶち壊されそうになっています

「先輩はくじらぶかです。だから、マッコウクジラ団に入ってください」と海洋生物研究部へ共生入部させられた海斗が主人公。この謎の言葉を言ったメメがメインヒロインになるのかな? サブヒロインとして、四方屋と潤芽。そして主人公の親友として、ととでストーリーが成り立っています。一応公式あらすじもあるんですが、読んでもなんのことやらさっぱりわかりません。のでとりあえず無視という方向にしました。タイトルからも、ストーリーがさっぱりわかりませんね。それが残念です。出だしの「マッコウクジラ団」という組織や、イラストの雰囲気から「ハルヒ」っぽいものを感じました。内容は異なるようですね(ハルヒ読んでいないのでよくわからない)

ストーリーのベースになっているのは『古事記』です。そちらの神話に一部海外小説を組み入れた世界観になっています。まあ、あまりにも有名な神話をベースにしているので、かなり早い段階で、結末が読めてしまったのは残念でした。もう少し比喩を使うなどして、わかりずらくしてもよかったのではないでしょうか?

若干ラブコメ要素もあるのですが、基本バトルものになってしまっています。ヒロイン数からしたら、ラブコメ要素があったほうが面白くなったのでは? バトルではない解決方法があったほうが、より日本神話の世界らしくなったような気がします。

文章は非常にこなれていて、読みやすい作品でした。あとは「この作品ならでは」というものが出てきたら、よかったなあ。

★★★
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2016年05月18日

天使の3P!x7


著者:蒼山サグ
出版社:電撃文庫
天使の3P!x7

だから、短編集は連番に入れないでと…いや短編集が嫌いな訳ではなく、むしろ好きなんですが、本編と巻数を同じにするのはやめてほしい。そうでなくとも記憶が曖昧なのに…
ということで、今回は短編集です。で、この手の作品のお約束として、本編よりもお色気がUpしています。というか、響さんや。全編でOutでしょう。もう申し開きできませんよ。
・ライブを盛り上げるため、ユナさんの店でリトルウィングの少女たちがコスプレ
 いや、最初はステージアートの話だったはずなのですが、どこからかおかしくなってきて、ついにはとある人の、隠された性癖が目覚めかけたし…

・ストレッチ
 練習の合間に行う、普通のストレッチのはずがなぜ? 「わ…にゃ、もっと響さんとしたいです」 さらには桜花もミイラ取りがミイラになり…確かに「奥まで挿れるぞ」とかねえ…

・桜花とパン屋でバイト
 普通にバイトするはずがなぜ? ってかパン屋のオーナーさん、いい趣味してるわ。着ぐるみ内で「だいしゅきホールド」だと…なんか、そんな18禁マンガが登場しそうだな、おい。

・もふもふ&ぱふぱふ
 ……人間、こんな簡単に壊れるんですね。確かにもふもふには、逆らいがたいものがありますけどね。くるみは、狙ってやってるのか? もふもふ依存+妹依存 そりゃ人生終わっているな。裸見られるの嫌なんだ、今更と思ったが「こんなところで」ということで、場所の問題でした。なんか納得。

・貫井家の大掃除と母娘対決
 年末大掃除。なにごともなく終わるわけもなく。お風呂掃除を裸で行おうとしたくるみ。確かに挿絵状態が裸とすると危険すぎますね。さらにここから斜め上の展開が…くるみのぱんつ断捨離! その判定係が響。白色は「いろいろ見る必要があるから」難易度が高い…っていろいろってなんだ! いろいろって! 書けないこと多すぎだろ。
で、なぜか断捨離を妹の部屋のベッド上で行っているところを、帰宅した父親に見られ、その後母親に見られ…普通なら家族会議になりそうなところ、母親の斜め上の言動「自分のぱんつ断捨離もやって!」「響の前では、いつまでも一人の女としていたい」…えーと。それにくるみも対抗し…結局料理(カレー対決)へ発展…
うーん、こんな両親や妹がいて、なぜ響は引きこもりだったんだろう…というか、無茶苦茶対人能力高いよね(対象がロリという話もあるが)

うん、すべてで響はOutでした。

★★★★
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2016年05月17日

SE-Xふぁいる シーズン2 斎条東高校「超常現象☆探求部」の秘密


五十嵐雄策
著者:五十嵐 雄策
出版社:電撃文庫
SE-Xふぁいる シーズン2 斎条東高校「超常現象☆探求部」の秘密

主人公・護田映一朗は、青春イベント一杯の生活を夢見て高校へ入学したはずなのに、超常現象を解明する謎の部活に追われています。とはいえ、部長の白羽根さんをはじめ、超常現象☆探求部に集まるのは、美少女そろい。しかも全員が護田に好意を抱いているようで、これってどう考えてもリア充だよね。爆発しろ!

今回は、さらにリア充なイベントが盛りだくさん。まずは、夏休みに伊豆の旅館で座敷童子探し。旅館の部屋は部員全員同じ。ということで、女子ばかりの中に護田一人が一緒に寝るという…美少女たちのほっこり風呂上がりを堪能したりして。夏休みといえば、花火・祭り・浴衣!ということで、こちらも美少女たちに囲まれ夜店を堪能。さらに鈴緒(しかもかぶりものなしVer)と二人きりにしっとり花火を楽しみ… 最後は鈴緒のおうち訪問。もうね、これはまっすぐいくしかないんじゃないかな?鈴緒も
「モルダくん……こ、これからわたしと……お、お付き合いしてくれませんか……っ……?」
と言っていることだし。って違うか。

非常に可愛いけど、かぶり物によって別人格になる鈴緒。今回は宇宙人絡みの謎ではないということで、ぬらりひょんのぬーちゃんが登場しています。って、日本妖怪のボスさんではないですか? そのぬーちゃんが、顔を赤らめて(どうやって?)もじもじする姿…シュールだ。なぜ鈴緒がこうなったのか? 鈴緒の過去も少しだけ明らかになって…

今回もSE-Xふぁいるは発動しました。なんか屋外が多いですね。作者の趣味なのかな(げふんげふん)
★★★★
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ヴァルハラの晩ご飯 〜イノシシとドラゴンの串料理〜


著者:三鏡一敏
出版社:電撃文庫
ヴァルハラの晩ご飯 〜イノシシとドラゴンの串料理〜

神の国の台所「ヴァルハラキッチン」で働くイノシシ・セイ(本名は、セーフリームニル)は、主神オーディン直々の指名によってスタッフになった。料理するのではなく「料理される側」として…

北欧神話をベースとしたストーリーとなっています。闘いの中で散った勇者たちが、ヴァルキューレ(戦乙女)の導きによって集う場所=ヴァルハラ。じゃあ来たるべき闘いに備える勇者たちの「空腹」は、どのようにして満たされているのか? そんなニッチな所に視点をおいたことがこの作品の特徴。ありきたりな北欧神話を面白いものに替えています。

さらにセイの特殊能力「一日一回生き返る」を利用した「毎日死んでご飯になれ」という命令。これも、それだけだとまさしく「ブラック企業」。でもセイの独特の性格のおかげで、ギャグにしつつ、かつ「生命」も十分に大切に描かれています。さらにイノシシ一匹だと量が知れているのでは? という疑問には「料理したらその日のうちは、食材が減らない鍋」を登場させることで解決。ギャグのようでいて、抜け目有りません。

このセイくん。ほんといい性格しています。もちろん毎日死ぬというとんでもない恐怖と戦っているのですが、それ以上にヴァルキューレ9姉妹たち(特にブリュンヒルデ)への対応が、欲望剥き出しで面白い。どうもブリュンヒルデたちも、セイのことを「食材」ではなく「異性」としてみている部分もあるようで…可愛い女性がイノシシ(ウリボウ)を撫でる。「ああ動物好きなのね」で済むシーンも、セイの独白によって妖しいシーンになっていたり…どうも神界では、種族の違いというのは些細なもののようです。ま、そうでないとイノシシが人間の姿をした戦乙女に欲情しないですね。

会話の軽妙さをベースにしたストーリー。今回登場していないヴァルキューレや神様もたくさんいます。彼ら(彼女ら)と、どのような会話劇が進んでいくのか非常に楽しみですね。

★★★★
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2016年04月04日

エルフ嫁と始める異世界領主生活 ―俺の住む島に異世界が来ちゃったんだが―


著者:鷲宮だいじん
出版社:電撃文庫
エルフ嫁と始める異世界領主生活 ―俺の住む島に異世界が来ちゃったんだが―

主人公は、東京都の南の果てにある離島に住む高校生。そんな離島に異世界の一部が半島まるごとやってきて、領主の娘さんであるエルフ美少女が俺の嫁になった…という異世界召喚(じゃないか)ファンタジーです。

異世界に召喚されるのではなく、異世界が現世にやってきたというのは、少しだけ珍しいのかな? 普通このような場合、ファンタジーな展開になっていくのですが、無理矢理現代日本の政治問題を入れ込もうとしたため、面白さ半減という感じになっています。異世界の姫様のエルフ耳を触った(敏感な性感帯らしい)ことが、プロポーズになるっていうのは、異世界ものでよくあるパターンですね。まあそこは、主人公の幼なじみを交えたラブコメと考えれば面白くなる要素なんで問題ないのですが、その後の展開が……

異世界がやってきたことは、中央政府に伝わっており、交流に制限がかけられます。その理由が「異世界」は国なのかどうか? 日本国でないとすると、領土侵犯ということになり、いろいろややこしくなるという日和見理論。

さらに、異世界サイドで問題=食料危機や飲み水危機が発生していても、異世界が外国であれば、関連法案が必要となるという理由で、なにも動きをとらず…って、確かにそうかもしれないけど、さすがに「目の前」に困っている人がいたら助けるってのが、人道的対応で、それは今までもしてきているはずだけどなあ。たぶん、作者な人が「政権批判をすれば売れるかな」という甘い考えを持っているからだろうな。

その他そんな緊迫した状況下に、政府が派遣したのは、大学生(官僚見習い)。これもおかしいよな。大臣級が動くと問題になるから、ってのは分かるけど、それならば課長級程度を派遣しないと、判断が出来ないし意味がないことになってしまう。政治系知識が中途半端になっているのが残念。

ただ主人公・姫様・幼なじみのラブコメは非常に面白い。その部分をもっと強化してもらえたら楽しかっただろうな。別に政治出さなくても、日常系ファンタジーは成立するはずなので、そういった作品を期待しています。

★☆
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2016年03月18日

SE-Xふぁいる


著者:五十嵐 雄策
出版社:電撃文庫
SE-Xふぁいる ようこそ、斎条東高校「超常現象☆探求部」へ!

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少女の好奇心がエッチを呼ぶとき、少年は鼻血を解き放つ! 禁断のラブダクション・コメディ、登場! 「も、護田(モルダ)くん……疲れてるの?」
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タイトルからすると、エロコメ? でも作者は五十嵐さんだしなあ。そりゃ、どの作品でもエロマウントポジションなどの微エロはあったけど…

主人公は、護田映一郎。高校デビューの目標は、七色に光り輝く青春イベントで、真っ白な青春アルバムを埋め尽くすこと。中学時代は、自らの体質のせいで青春と全く無縁だったから。とはいえ、そこは五十嵐作品の主人公。引きこもりという訳ではなく、対人スキルもかなり高い人物となっています。そんな、映一郎に接近してきたのは、宇宙人のかぶり物をしたクラスメイトの白羽根鈴緒。かぶり物をしているときは、「時にモルダくん。──私と第四種接近遭遇をしてみる気はないかな?」と強気なのに、かぶり物を取ると、臆病な子犬のようになる少女。彼女が求めるのは超常現象…でも、彼女の体質(?)のため、超常現象を探しに行くと、百発百中でエロシーンに出くわしてしまう…それがSE-Xファイル=鈴緒・エロ・Xファイル! 名付け親は、鈴緒の親友である元気少女・浅葱。うん、言い得て妙ですね。

なんせ、体験入部ということで初めて一緒に探した超常現象で出会ったのは
「あ、ああん……気持ちいい……イく……イっちゃう……先生、異次元にイっちゃう……!」
……いいんだろうかというシーン。ここで鈴緒は真っ赤になってオーバーヒート。映一郎はというと鼻血……その後も後輩中学生からの依頼時もひとりエッチ(テレフォンS○X)をしているシーンを目撃したり、もうなんていうか。そのたびに映一郎は鼻血を出すのですが、実はこれ興奮して出たのではなく、超常現象に反応してという設定が…そうこの作品は、たんなるエロコメでもなく、ラブコメでもなく、オカルトものだったようです。

映一郎のMシステム(超常現象で鼻血)や、鈴緒のSE-Xファイルの本当の意味などなど、謎が多い作品になっています。今までの作品(城姫除く)は、現実的な世界(お嬢様が現実的はさておき)の日常でしたが、今回はそこにオカルトが入ってきています。まあ、極端にグロテスクな描写はありませんし、ホラーにはなっていませんので、そういったものがお嫌いでも大丈夫と思われます。

ただ、今までの作品に比べ、直接的なエロシーンが多いので(主人公たちは、相変わらず純情ですが)それがどうかなあ? ちとやりすぎかな? という気がしないでもないです。とあるシーンでの「ケンタウロス」も、それだけでやめておいたらよかったような…その前の描写があまりにも直截すぎて… ヒロインがほんわかしているだけに、そこだけ妙に浮いているんですよね。

主人公が、中学生ずを含めて、少女たちに懐かれるのはいつものこと。メインヒロインがふわふわしているのもいつものこと。このあたりは安心の「五十嵐クオリティ」です。メインヒロインは「わふぅ」と鳴くし、白い布は出てくるし。うん、アレなシーンを除けば、楽しい作品です。アレなシーンは、もう少し減らして欲しいな。

★★★★
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2016年03月09日

俺氏、異世界学園で『女子トイレの神』になる。


著者:周防ツカサ
出版社:電撃文庫
俺氏、異世界学園で『女子トイレの神』になる。

主人公は、世良隼也。総理大臣の三男ということ。舞台は、異世界と繋がる扉が多数あり、異世界人との交流が現実ものものとなった現代。とはいえ、まだ一般人にとって、異世界人との交流は難しいもので、そのためのサンプルとして異世界人学校が創立され、そこに転校させられることになります。隼也は「自分が兄弟たちのような能力がないから、父親にレールを外された」と思っていますが、当の父親はどうもそうは考えていないようで…

元々友達作りが苦手な隼也は、多様な異世界人に馴染めるはずもなく、ぼっちまっしぐらな学校生活を送ります。そんなある日いつものように男子トイレ(個室)にこもっていたところ、なぜか学級委員長(有翼種の美少女)アイリスの声が頭に響き、気がついたらアイリスのいる個室へ召喚されてしまいます。アイリスの召喚魔法の失敗が原因だったのですが、なぜかそれ以降呼ばれると個室に召喚されるという、謎な体質になってしまいます。しかも「女子トイレの神様」という噂が立つようになり、保身もあり(女子トイレにいるところを見られたら、人生が詰んでしまう)クラスメイトたちの相談に乗ることに。もちろんこの行為は、さらに深みにはまっていく一因になり…スマホのボイスチェンジャー(自作アプリ)を用いて、中性的な雰囲気を出し、神様=隼也だということを隠しているのですが、隣の個室でスマホに話していたら、地声も聞こえてしまうんではないでしょうか?

女子トイレの神様になった隼也は、クラスメイトたちの悩み(もっともてたいとか、デートがうまくいくようにとか、思春期にありがちな内容)を解決していく中で、少しずつクラスに溶け込んでいきます。政治家の息子ということで、先生に当てられた時に誤答しただけで「失言!」とからかわれるのが嫌で自分で殻を作っていた隼也。しかし異世界人たちの飾らない心に触れていく中で、少しずつ自分を出すようになり、それが周りにも好印象を与えるようになっていきます。

この作品が面白いのは、クラスメイトたちのキャラが面白いということでしょうね。委員長・アイリスは完全無欠美少女に見えるけど、妄想暴走型のダメ娘だったとか、オークのユリアンは「もてたい!」と思っているけど、日本でのオークのイメージ(一部の人たち向け)を聞いて落ち込むなど、それぞれの種族の特徴がでています。

表面上は、平和な悩み解決が続いていくのですが、根幹にはシリアスな部分も有しています。それが物語を引き締めていて、読み進める原動力になっています。この先「どうなるんだろう」と楽しみで…

★★★★
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2016年02月09日

クローズドセブン(上)


著者:麻宮楓
出版社:電撃文庫
クローズドセブン(上)

目が覚めると、とあるゲームのクローズドベータテストに強制的に参加させられていた…最近流行の(現実世界ではないが)バーチャルワールドに入り込むタイプのゲームです。ベータテストには、主人公を含め7人が集められており、主人公以外は全員女性というのもお約束。主人公は、名前も過去の記憶もない状況。そんな中、モニターに映りゲーム開幕を宣言したのは自分の顔。そのため、他の少女たちに「黒幕」扱いされならが、なし崩しにゲームがスタートします。
「デスゲーム」と煽りにありますが、実際はゲーム内でのダメージが服に行き、全裸になり、かつ参加者全員にその姿が確認(視認)された時点で強制失格となるというルール。全然デスゲームでありません。さらに服はゲーム中でアイテムとして入手できる場合もあるため、全裸即失格でもない。なんかぬるいですね。

主人公が唯一の男性であることや、このルール(しかもすべて映像で記録されている)のために、ほかの少女たちから白い目で見られることになりますが、少しずつ信頼を勝ち取っていくというスタイルになっています。その割にラブコメ展開にならないのは「お約束になりたくない」お約束か。

ゲームの目的が謎なことや、少女たちの生い立ちもわからないため、惹きつける要素はあるのですが、どうもゲーム内容が浅いため、面白くない。導入部・中間部とストーリー的にも崩壊しかけている部分があり、読みづらい。謎が残ったままなので、続きが読みたい気もするけど、このレベルだと少々辛いかなあ。

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2016年02月03日

機動執事 ―とある軍事ロボットの再就職―


著者:松山剛
出版社:電撃文庫
機動執事 ―とある軍事ロボットの再就職―

ロボットが、執事やメイドとして使われている世界が舞台。リーゼロッテお嬢様にお仕えするロボット執事は、元軍事ロボット。かつての上官からの最期の命令を最優先して、彼女を護っている。しかしながら、リーゼロッテは反戦主義で、軍事ロボットの撤廃運動を行っており… そんなお嬢様の様子が最近おかしくなってきて、主に顔周辺の体温上昇・心拍増加が認められ、食パンをくわえて屋敷の角で待機するなどの奇行が目立ち始めた…お嬢様の恋心の行方はいかに…

幼い頃から身近にいる存在である執事ロボット。容姿端麗な彼(?)に恋心を抱いてしまったお嬢様のすべり具合が前半のお楽しみです。お嬢様学校のご学友の曲がった恋愛知識(主に少女漫画から吸収)を元にした、アドバイスにより、さらにリーゼの行動はおかしな方向へ突き進んでいきます。相手が普通の人間だったら、さすがにリーゼの奇行の原因がわかったでしょうし、たとえわからなくともなんらかのアクションをとっていたはず。ところが、このロボット・べるは元軍事用ということもあり、EPA(感情理解プログラム)が欠落しています。そのため、リーゼの行動が理解出来なくとも、身体への危機がないことを理由にして、そのまま放置してしまいます。うーむ。

後半は、軍用ロボットであるベルを好きになってしまった(そしてベルが軍用ロボットであることを知らない)リーゼの哀しみが描かれます。前半のお気楽さに比べて、いきなりシリアスになっている後半とのギャップがどうもね。

今回の件で、ベルのEPAレベルが上ったのでしょうか? そうでなければ、リーゼがあまりにもかわいそうですね。

★★★
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2016年02月02日

迫害不屈の聖剣錬師


著者:天羽伊吹清
出版社:電撃文庫
迫害不屈の聖剣錬師

主人公は、落ちこぼれの聖錬師・ジュダス。聖錬学校へ編入初日に優等生・イルダーネが聖錬中の火事場に乱入してしまいます。武具を「挿入」しているのを見られ激昂する彼女と、編入取消をかけて、決闘することになってしまったジュダス。ナイフもまともに聖錬出来ない無能の聖錬師である彼は、圧倒的な剣技と多彩な魔法を習得した最強の戦士でもありました…

ということで、自らの身体にある炉を使って武具を聖錬する世界のお話です。で、ヒロインの炉は、お約束なあたりにあって、それを使うためには裸にならなくてはならず、さらに「物を生み出すのには快感が伴う」ということで、性的快感が得られるようで、そんな姿を男であるジュダスに見られたのだから怒って当然ですね。この炉の位置は人によって異なるようですが、股にある人もいるようです。うーむ。

主人公ジュダスは、とある理由で嫌われ者です。特に彼の性格が悪いといった理由ではなく、本人がどうしようもないレベルで世界から嫌われているという主人公。本人はそのことをすべて受け入れており、それ故彼をよく知ると、魅力的な存在になります。なので、イルダーネも彼に好意を抱くようにになっていきます。さらに王女・リムリアや東国の皇子・トワとともに、人類の敵であるマキナに戦いを挑んでいくことになります。リムリアは王女というには性格がぶっ飛んでおり、イルダーネの胸は揉むは、やりたい放題。トワは滅びた国の皇子となっていますが、この滅びた国は明らかに「日本」を示唆しており、そう考えるとトワという名前は…というか、最初から隠すつもりなかっただろ! という人物ですけどね。

今回は、ジュダスが嫌われている理由。仲間たちとの出会いと恋のさや当て。蜘蛛マキナとの戦いといったふうに、物語の導入編となっています。戦いを通じて、それぞれの秘密を知り、絆を深めていく4人。という王道な流れですね。各キャラがしっかりしており、面白くなりそうではあります。

★★★☆
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2016年01月18日

マンガの神様(3)


著者:蘇之一行
出版社:電撃文庫
マンガの神様(3)

今回は、楪葉に焦点が当てられます。伊織たちと交流していく中で「マンガの神様」を恐れる内向的な部分が、少しずつ溶けていってきていたのですが、国民的アイドルがマンガを描くようになり、ライバル誌の編集長から挑戦状をたたきつけられたことがきっかけで、まさかのスランプに…

国民的アイドル・夜桜は、自作品が掲載された雑誌のグラビア表紙や、イベント参加抽選券により売上を伸ばそうと画策します。それに対して、楪葉陣営は「作品の出来」で十分に勝負できると強気に出ていきます。ところが、夜桜と楪葉は、幼なじみであり、過去にいろいろあった模様。そういったことが原因で、自信を失っていき、ついには「漫画が描けなくなりました」と完全スランプに陥ります。それを伊織は、どのように復活させていくのでしょうか?

この作品で一番成長しているのは、伊織ですね。最初は自信家ではあるものの、いろいろと残念なところがあった彼が、プロとしてどんどん成長しています。ただ、恋愛に関しては、まったく成長出来ていないようではありますが…もっとも、邪念がない分、女性にはもてるようで、いろいろフラグが立ちまくっているのですけどね。

1巻は、蘊蓄が多く、正直面白くなかったこの作品。ストーリー重視に変わってきて、面白くなってきました。今回も、夜桜陣営の手法を完全否定せずに、戦っています。なので、面白さが増しています。
でも、よく考えたら、今回の対決。現在だから通用するんですね。往年のジャンプ・サンデー・マガジン全盛期の発行部数だと、アイドルの漫画が掲載された程度で、売上を逆転させることは出来なかったのではないでしょうか?

★★★
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2015年12月07日

天使の3P!x6


著者:蒼山サグ
出版社:電撃文庫
天使の3P!x6

前巻で応募したキッズロックフェス。その結果が届くが、なんとリアン・ド・ファミユもDragon≒Nutsも落選。フェスに登場する子供達の演奏と自分たちの差を認識し、落ち込む小学生たち。特にリアンのほうは、目標を見失い迷走を始めます。そんな彼女たちを見て、響は「厳しさが足りなかったのでは?」と頑張らそうとしますが、それが逆効果に。音楽そのものへの疑問を抱かせるようになってしまいます。

一方、Dragon≒Nutsのほうは、自らガールズバンドに前座としての殴り込み営業をかけ、自らのテクニック不足を補おうとしていきます。その中でタランチュラホークというバンドと出会い、しごかれていく中で、バンドの方向性を見いだしていきます。

対照的な状態になってきた2つのバンド。響はどのように接していけばいいのか、迷い出しますが、桜花の助言によりリアンの進むべき道を見つけ…

人によって「やる気スイッチ」の場所は違い、モチベーションになるものも違うというのが今回のテーマですね。でも「うまくなりたい。昨日の自分より少しでもうまく演奏したい」というのは、すべてのことに共通するモチベーション。ただ「やる気」を出すための方法が人によって違うだけ。それに気づけるかどうかが、バンドを続けていけるかどうかの分かれ道なんでしょうね。

今回も順調にロリへの道を進み続けている響。映画館でのアレは、本当誰かに見られたら、完全にアウトだったでしょうね。さらに「ドキドキしました」と告白するあたり、すでに重症なのかも知れない。さらに学校では「小学生といえば、響」と認識されているという「もうあきらめて下さい」という状態。でも高校生と小学生。あと10年もしたら年齢差関係なくなるよ。ドンマイ。

今回もヤンデレぶりを遺憾なく発揮している妹・くるみ。またもや怪文書を作成しています。しかもお説教はお風呂の中でという、もうね。確かに響の周りにいる少女で、手を出した場合、社会的に抹殺される可能性が一番高いのは、くるみなんですよね。桜花なら問題なし。小学生ずであれば、時が解決してくれる場合がある…でもくるみは… ただ現状一緒にお風呂に入れるなど、一歩リードしているのも事実…響に未来はあるのでしょうか?

今回、折り返し点とのこと。どうなっていくのでしょうね。思わせぶりな登場人物もいましたし、いろいろありそうです。

★★★★
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2015年11月25日

もう中二病でもいいもんっ!


著者:翡翠ヒスイ
出版社:電撃文庫
もう中二病でもいいもんっ!

「ぐっ、か、体が熱い!? こ、これはついに奴の封印が!?」
「ふふ……無理もないわ。私の瘴気に当てられて人が狂うのは仕方ないことよ」
「因果律の歪みを確認。異常事態。この男は危険。排除を要請する」
という中二病全開な物語。タイトルから想像したストーリーは、日常生活の中で、中二病を発症し、開き直っていくというものでしたが、日常生活ではなく、本当に戦う異能バトルでした…

主人公は、星美津奈瑠。中二病なんて…と思う元気な少女(リアル中二) でも彼女の手には異能が宿っていて… その異能のせいで、零式機関という秘密組織に参加することになります。そこには、中二病な異能者たちが集い、人々の妄想が生み出す「妄現体」と戦っていました。そこで重度の中二病ではあるものの、人はいい二人の仲間と出会い、どこか抜けた教官と共に青春を過ごしていきます。
異能バトルが中心になりますが、全体に明るい雰囲気。主人公が少々年齢に比して幼いような気がしますが、それくらいのほうが成長する余地があるのかもしれませんね。

この作品を面白くしているのは、奈瑠の左手。奈瑠の会話に絶妙のタイミングで割り込んできます。その台詞は【】で括られているのですが、その内容がなんというか…触れてはいけない乙女の秘密だったり、真っ黒な本音だったり…

中二病な台詞が少々つらいのですが、登場人物それぞれにバックボーンがあり、決して単なる妄想でないところがいいですね。

★★★☆
posted by あにあむ at 11:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫