2017年05月29日

天使の3P!x9


著者:蒼山サグ
出版社:電撃文庫
天使の3P!x9

春休みになり、ライブハウスで短期アルバイトを始めることにした響。お小遣い稼ぎよりも、潤たちのバンド活動に役立つアイデアを学ぶため。そこで、オーディションの審査員を経験したりして、ノウハウを身に付けていき…

今回一番のインパクト(悪い意味)は、冒頭の
「いくわよ。第一回『実妹検定』、スタートっ!」
…くるみは、どんどん変な方向に進んでいることは理解していましたが、もう完全に壊れてしまっていますね。ここまでいくと、もう普通には戻れそうにありません。うーむ。

それはさておき、響は「演奏がうまいだけでは、客を集められない」という事実に気がつき、リアン・ド・ファミユの新たな「色」を模索するようになります。例によって、作者さんの「ヴィジュアル系好き」が色濃く出ているので、すべてに同意できたわけではないですが、ほぼ同認識をもてる内容でした。特に「チューニングができていないバンドはダメ」には大賛成。特にアコギだけのユニットでチューニングずれていたら、どれだけメロディがよくても聞いていられないですからねえ。

バンドだけで話は進まないのも、このシリーズの特徴。今回は貴龍たちの生まれ故郷で行われる神事がメインイベントになっています。そこで貴龍(小梅)がいろいろ画策するのですが、他の小学生ずたちによって妨害され…

「私でよければいつでも使って下さいっ」(五島潤)
「こら、希美を差し置いて何してるのよ」(紅葉谷希美)
「はむ……天使の事情は、複雑なのです」(金城そら)
「あと少しでひびきが私だけのモノに…」(尾城小梅)
「貴龍様、さすがに厚かましい気が……」(相ヶ江柚葉)
「また別の女にちょっかいだしたわね!」(貫井くるみ)

このセリフの中で、小梅と柚葉のみが、正しい意味で使っています。それ以外は、いろいろとわかっていないです(希美はわかっているような気もしますが)
さらに今回も桜花のターンがあります。カップルとしては、この二人が一番しっくりくるんですよね。一番初心な反応だし。最近大人な対応をしている桜花ですが、とある状況では、幼女のようになってしまいます。まあ相手が響だからだろうなと、むずかゆくなりそうなシーンの連続です。

ラブコメの行方はどうなるのでしょうね。シリーズ最初のほうでは、ロウきゅーぶのように、潤がメインヒロインで、幼馴染みは引き立て役かな? と思っていたのですが、ここ数巻は、桜花のおいこみがすごいです。響も「異性」という意味で「好き」という感情を持っているのは、いまのところ桜花だけのような気もしますし…

バンドのほうは、リアン・ド・ファミユの今後の展開に少し明かりが見えたところ。ただその「色」は長持ちしないよ、という心配もあります…

★★★☆
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2017年05月15日

キラプリおじさんと幼女先輩


著者:岩沢藍
出版社:電撃文庫
キラプリおじさんと幼女先輩

主人公は高校生・黒崎翔吾。女児向けアイドルアーケードゲーム「キラプリ」に情熱を注いでいます。当然友人は少ないと思われますが、それなりのコミュニケーション能力はあるようです。彼が住んでいるのは、田舎町(山口県下関市近辺と思われ)で、街のゲームセンターには、キラプリが1台しか設置されていません。しかし、それ故少しのめり込むとトップランカーになれるということで…ある日、突如現れた小学生・新島千鶴によって、あっさり奪われてしまい…「俺の庭を荒らしやがって」「なにか文句ある?」 と、小学生と同レベルで張り合う翔吾。昔なら近所のお兄ちゃんとの交流ですんだことが、最近は大変なご時世。それでも翔吾は、1台しかない筐体のプレイ権をかけて、千鶴と対立を続けるうちに、連帯感のようなものも出てきて… そんな二人に最大の試練が…クリスマス限定アイテムをとるためには、おともだちとの二人プレイが必須。素直になれない二人に襲いかかる現実。さてどうなるのか?

ということで、おおきなおともだちとちいさなおともだちの交流を描いた作品になっています。翔吾が女児向けアーケードゲームにのめり込むオタクとして描かれるであれば、案外スムーズに物語が進んだと思われます。しかし翔吾も千鶴も、いろいろあった過去のせいで、とんがっているため、衝突が続いています。当初ゲームセンターでは、翔吾の友人もいなかったこともあり、千鶴は翔吾を自分と同じ「寂しい人」と思い込み、そこに親近感を抱くようになったようです。ところが幼馴染みが翔吾をクラスのパーティに強引に連れ出したことから、翔吾にさえ裏切られたと思い込むようになります。

ゲームが主体になっていますが、実は年齢を超えた淡い恋心というのが裏にあり、それが物語に深みを与えています。ただストーリー内の書き方では、幼馴染みが身勝手に見えてしまうのが残念。翔吾のことを思うというより「世間常識と離れた人が許せない」だけというふうに見えてしまいます。それがなかったら、年齢差ラブコメにもできそうなんですけどねえ。

★★
タグ:★★
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2017年04月25日

縫い上げ! 脱がして? 着せかえる!!


著者:うわみくるま
出版社:電撃文庫
縫い上げ! 脱がして? 着せかえる!! 彼女が高校デビューに失敗して引きこもりと化したので、俺が青春をコーディネートすることに。

またまた無茶苦茶長いタイトル。というか、もうタイトル読むだけですべてがわかってしまうレベルでした。
主人公・小野友永は、裁縫が得意で、女の子の服を縫い上げ、今来ている服を脱がして、着せ替えるのが大好きな高校生。ずっと妹・みちるを着せ替え人形としていたのだが、中学卒業を機に、みちるから「お兄ちゃん卒業宣言」をされてしまい、それがかなわなくなってしまったところから、物語がスタート。まあみちるも変で、家では今まで通り、かつお風呂は絶対一緒に入ると…もう価値観が… でもこの妹、このあとほとんど出番ないんですよね。最初のシーン、意味ないような。

友永は変質者でして、深夜のコンビニで出会った金髪ロリ幼女を羽交い締めにしてお持ち帰り。まあたまたま幼馴染みの凛堂鳴ということがわかりますが、これってもう犯罪ですよね。さらに彼女が来ていた、ボロボロのスウェットが気に入らず、みちるの服を使って着せ替え。それも目の前で、着替えさせ、服が汚いから下着も汚れているのでは? と顔をくっつけてガン見。さらには尻の臭いを嗅ぐなど、もうどこに出しても逮捕される人物です。そんな犯罪者にもかかわらず、学校では裁縫研究部に所属しており、一橋勇璃、犬ヶ咲こずえから好意を寄せられている模様。そこに鳴も含めた3人のハーレム状態。なんで犯罪者がそんないい目に合うんだ!

ストーリーは、高校デビューを失敗(金髪に染めて、クォーター設定をしようとして、暴発)し、ヒッキーになっていた鳴の青春を服を通してコーディネートしようというもの。最初から鳴の友永に対する好意はMax状態なので、ほぼいいなりで話が進んでいきます。そのため、問題はほぼ起こらず、着せ替えが延々続くことになります。

洋裁のスペシャリストが服によって、更生させるというストーリーですが、コミックでは普通にある設定で、目新しいものではありません。残念なのは、イラストがイメージの阻害要因になってしまったこと。3人のヒロイン+妹は、いろいろなタイプの美少女のようですが、そのあたりがイラストからはわかりませんでした。さらに学校を舞台とするのではなく、小野家が舞台になっている割に、両親の姿が見えない(鳴の両親も)のが違和感満載です。うーむ。会話劇は面白いので、もう少し会話ではない部分がしっかりしていたらよかったと思う作品です。

★☆
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2017年03月13日

ヴァルハラの晩ご飯(4)


著者:三鏡一敏
出版社:電撃文庫
ヴァルハラの晩ご飯(4) 〜イノシシとイノシシモドキの包み焼き〜

いきなりセイとロキの対決シーンからスタートします。他の作者さんであった「その巻のクライマックスシーンを巻頭で示してから、本編に入る」という手法かと思いましたが、そうではありませんでした。フェンリルを縛る強力な紐・グレイプニルを外すために「竜の心臓」が必要であり、セイが竜に変身して、闘ったということです。完璧な変身ができること+生き返ることができるというセイならではの解決方法ですね。でも倒された竜には、心臓がなく…セイは、ヒントを求めて黒き剣聖ヴィズガと話をしますが、手がかりなし。邪竜ファフニールを倒した竜殺しのシグルズを訪ねて、死者の国へ。死者の国の女王はロキの娘。どうやら中二病のようで…なんとかシグルズにヘルの館まで来てもらいますが、彼は残念な頭の人で聞き出すのが大変。なんとか聞き出したのは魔剣・リジルを使ったということ。ロキは魔剣を探しにいき、セイは一人でミッドガルドへ。しかしながら、虹の橋・ビフレストの門番・ヘイムダルに通せんぼをされているところに、4女ヴァウルトラウテが現れ、二人で下界に降りることに。夕方には、ヴァルキューレ姉妹とも合流できますが、瘴気がセイを蝕み…

と一読すると、まじめなストーリーのようですが、そこはヴァルハラ。ヴァルトライテから「ブラジャーに変身して欲しい」と頼み込まれたセイ。ブラジャーを詳しく知らないため、まずはヴァルキューレ姉妹の誰かにブラジャーを見せてもらうことに…誰もが恥ずかしがって断るのですが(当然だ)、なぜか「戦乙女ブラジャー当て大会」という流れに…箱に自分のブラジャーを入れ、それをセイがひいて、誰のものか当てるという…最初の趣旨はどこにいってしまったの? という展開になっています。で、ブリュンヒルデが自爆して…まあいつものノリです。

とはいえ、今回ラストではかなり大きな出来事が発生します。今までのお気楽な生活がすべて夢・幻となってしまうような事実。それでも彼らは彼らしく前を向いて頑張っていくようです。このまま方向性を変えないで欲しいですね。

★★★☆
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2017年02月20日

《ハローワーク・ギルド》へようこそ!


著者:小林三六九
出版社:電撃文庫
《ハローワーク・ギルド》へようこそ!

主人公は、とある事情で<ハローワーク・ギルド>の事務員となったキール。この世界では、魔族との戦争が終結してしばし経っており、基本平和。目下の課題は「お仕事」。この世界の職業は、15歳までに「職才」が決定し(神からのお告げ)基本的にその職才に従って仕事を選ぶようです。RPGでいうところのスキルのようなものですかね。「基本的」ということで、職才と異なる職業に就く人もいれば、職才を15歳までに告げられない人もいる。後者だと、就職が難しいとのこと。厳しい世界ですねえ。そんな人たちの転職相談の場が<ハローワーク・ギルド> キールの最初のお客様は騎士をやめたい女騎士でした。騎士の職才持ちで、騎士としては能力が高いのですが、それ以外はまったく才能なし。キールが紹介するメイドさんやウェイトレスは、持って一日。下手すると半日以内に首になってしまう。本人はやる気もあり、人も悪くないけど仕事ぶりが…あまりにも首になり続けるので「とりあえず臨時雇い=アルバイトから」ということで、気がつけばギルドに居着いていたり。それ以外にもスランプに苦しむ錬金術師の少女。歌手になりたかったシスターなど。なぜかお客様は女の子ばかり。なのでラブコメ要素もばっちり。

てっきりRPG世界で、転職を司るギルドの物語と思っていたのですが、職才という設定以外は、人生相談所ですね。どれも本人にとっては、人生がかかった悩みなのですが、端から見ていると、どことなくのんびりしたものばかり。基本いい人が多いので、読んでいて楽しいですね。この手の作品は、ネタが続く限りどこまでも続けられると思うのですが、この作品は、ラストで伏線を一気に回収してしまっているので、続刊は難しそうです。

★★★☆
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勇者のセガレ


著者:和ヶ原聡司
出版社:電撃文庫
勇者のセガレ

主人公は、所沢市の一般的家庭・剣崎家の長男康雄。両親と妹の4人暮らしという平凡な一家だった。ところが、金髪美少女ディアネイズ・クローネことディアナが、異世界から剣崎家のリビングにやってきたことで、平穏な日常は崩れ去ります。当初は、自分自身にゲームのような展開が降りかかると思った康雄ですが、
「私は救世の勇者、ヒデオ・ケンザキ召喚の使者としてやってきました」
召喚対象は父親で、しかも若い頃異世界を救った勇者でした。どう見ても普通の中年のおっさんが「勇者」だったと信じられず、ディアナは「勇者の息子」である康雄に憧れのまなざしを向けてきて、妹は白い目で睨んでくるし…異世界の平和以前に家庭の平和が大ピンチに陥って…

あらすじだけ読むと、コメディのようですが、実際はかなり重苦しい作品になっています。最大の理由は、主人公・康雄の態度。父親が「勇者」で、しかも異世界へ新たな闘いに赴く…当然死んでしまうかもしれない…それを「息子」として心配して反対しているのであれば、理解できたと思います。でも彼の反対の仕方は、どう見ても自己中心的。ディアナへの対応も、単純に自分のイラつきをぶつけているだけのようで…さらに妹の主人公に対する態度も冷たすぎ。正直「この家庭、もとから壊れていたんじゃないか」という感じしか受けません。たぶん、作者は本当は、お互いを思いやっている兄妹だとか、家族愛というのを描きたかったのでしょうが、大失敗していますね。特に前半は読むに値しないくらい崩壊していました。後半になると、康雄が少しずつまともになってきて、妹の態度もわかりやすくなり、ディアナにとって守るべきもの、康雄にとって守るべきものが明確になり、おもしろくなってきます。戦闘シーンにもギャグが入るようになり、コメディとしても一気に盛り上がっていきます。ただ今度は登場人物をうまく使えていない。康雄の中学時代の友人(?)も、ラブコメ枠に入ってきそうで、その手前でウロウロ。もったいないですね。

続編があるのかもしれませんが、ちょっともういいかな。別作品に期待といった感じですね。

★☆
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2017年02月07日

迷宮料理人ナギの冒険


著者:ゆうきりん
出版社:電撃文庫
迷宮料理人ナギの冒険 〜地下30階から生還するためのレシピ〜

「やってられるか!こんな毎日…!」
冒険者になりたいけれど、剣や魔法の才能はない料理人の息子・ナギ。実家の食堂の手伝いの日々に絶望した彼は、親に黙って旅に出ようとします。ところが、その瞬間突如として足元に開いた巨大な穴へと滑落。目覚めたのは、謎の地下大迷宮。街全体がダンジョンに崩れ落ちるという未曾有の事態に巻き込まれてしまったのです。一緒に落ちた父が若い時から大切にしていた移動炊具車(屋台)には、炎の精霊・エンヒが宿っており、彼の父親が、昔魔王を封印した英雄の一人だったと告げるのですが、彼はそれを受け入れることができず… とにもかくにも、迷宮から脱出しなくてはならないと、エンヒの記憶と勘に頼って歩きだした彼は、崩落を生き残った戦闘神官少女・リヴと出会います。彼女は「く、殺せ…」系な割には、スライディング土下座もするという、少々残念な性格。しかも崩落の際にメイスとめがねを落としており、あまり役に立ちそうもない。それでも冒険者であることは確かなので、一緒に出口を探すことになります。その後もなぜかヤギのような仮面をかぶった上半身裸の屈強な男・ヤァギなどに出会い、少しずつ真実に近づいていきます。

剣も魔法も使えないナギですが、彼には父からたたき込まれた料理の腕がありました。しかも「食べられるもの」が光って見えるという「メキキ」能力を持っており、移動炊具車で、エンヒの炎を用いて調理すると、おいしいだけでなく付加機能も得られるという、料理の魔法を持っていました。そういや和製RPGでは、料理に付加能力があることが多いですね。

どうやらナギの父親は、日本からの転生者だったようで、エンヒが覚えているレシピは、基本和食です。醤油などの調味料によって、魔法能力が付加されるという設定になっています。まあそれはいいんですが、異世界ということを強調したいがためか、和食→ワ・ショック、治部煮→ジブーニ、鍬焼き→クーワ焼き、ブルーベリー→ブルベリ、ヤギ→ヤァギなどと表記されています。でも、パンはパンだし、小麦粉もそのまま。全体に統一感がないです。中途半端に文字を弄るのなら、やらないほうが…よくある「語尾変形」と同じく、そこでリズムが途切れてしまうのが残念です。まあその言葉を知らない人が聞くと、変形してしまうことは多々ありますけどね。でもこの作品の場合、そこまでこだわっているという感じもうけないので、余計浮いているんだと思います。まったく知らない料理のはずなのに、エンヒのいい加減なレシピでおいしい料理ができているくらいですから。

せっかく料理人という設定なんだから、もう少し料理シーンを重視してもらったほうが、ありがたみが出たと思います。いろいろ残念でした。

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2017年02月03日

だれがエルフのお嫁さま?


著者:上月司
出版社:電撃文庫
だれがエルフのお嫁さま?

主人公は、百年ぶりに生まれた男エルフ・クルト。男エルフは数が少ないというだけでなく、その子供はとびきり優秀になるという珍しい存在。そのため、子供目的で結婚を望む女性がたくさん現れて… なんだかんだで、貧乳を気にしているエルフのティア、スタイルがよく可愛いけど常識が欠落している食人種のゼア、年齢にコンプレックスをもつ元皇族で魔法使いのイツミと一年限定の共同生活を送ることになり…

あらすじでは面白そうだったのですが、何度か途中で読むのをあきらめそうになる作品でした。そういえば、この作者さんの作品って過去にも同じような思いをした記憶がありますね。

一般的なファンタジー世界とは異質の世界になっています。クルトはエルフ(母)と父(人間)の間に生まれたいわゆるハーフエルフなのですが、この世界では、生まれてきた時にどちらかの種族になるようです。ということは人間の血はどこにいくのでしょう? またエルフも変わっていて、誕生時は性別が分化していない状態で、いわゆる思春期(作品内では第二次性徴)を迎えた時に、性差が分化。男性に分化したエルフは、その後数年〜十年かけて、男性機能を備えていく(つまり、ナニが生えてくる)という設定になっています。なので、分化したてのクルトには、外性器がなく当然子供も無理です。じゃあなぜ「共同生活」ということになるのですが、「異性から性的刺激を受けると、成熟が早くなる」という設定があるからとなっています。うーん、回りくどいなあ。このあたりで読むの嫌になりかけました。

ヒロインズに魅力がないのも、辛いですねえ。ティアは感情が読みにくい(表情があまりない)という設定なので、第三者的に見ても面白くない。ゼアは単なるビッチにしか見えない。イツミはひねくれ年増にしか…本当は「いい人たち」なんだよといいたいのはわかるのだが、描写される内容から読み取ることができない。感情が一方通行なんですよね。いろんな種族がいて、いろんな考え方があるということを強調しようとして失敗しているような…ベテラン作者さんなので、こういう作風なんでしょうね。地雷というほどではなかったですが、もう作者ごといいかな。

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2017年01月10日

手のひらの恋と世界の王の娘たち


著者:岩田洋季
出版社:電撃文庫
手のひらの恋と世界の王の娘たち

花x華の作者さんですね。
舞台は、八つの平行世界の王の娘たちが通う「八重ノ学園」。主人公はこの学園に通うことになった第二世界の少年・美哉。彼の役目は、王の娘である羊子をサポートし、彼女を統合世界の王にすること…だったはずなのに、「わたしは美哉のことが、す、……好きなんだ!」と突然告白され、なぜか彼女と同棲することに。
この学園では、王の娘たちが、平和的に代理戦争を行い、平行世界の領域を決めるという闘いが行われています。そんため、王の娘は一つだけ「危険物」として武器の持ち込みが許可されているのですが、なんと羊子が申請したのは「美哉」。本来身分的な問題から、この学園に入学するのが難しい美哉を物として申請することで、持ち込んだのです。なんかも可愛いですね。でも自分の恋心を世界の領域より優先することは。許されるんだろうか?

またまわりの王の娘(といっても、数名しか出てきませんが)も、超絶お節介な少女ばかり。「H&M会(羊子さんと美哉くんのための会)」を立ち上げ、恋に恋する羊子を煽り、暴走させ、美哉がその悪ノリに翻弄されるという……いや、どの王の娘も美少女そろいである意味ハーレムなんですが、なんせ羊子の想いを知って、悪ノリしているメンバーたち。美哉はおもちゃとして、地獄の日々を送ることになります。しかも、羊子が美哉への恋心が絡まり、実力がまったく発揮できない状況。羊子の父=王からは「高校生として節度あるおつきあいを」と念を押され、当然「世界の覇権をとる手伝い」も指示されているので、そちらも冷や汗もの。

羊子が恋に関して、あまりにも初心であり、H&M会メンバーも、本当の意味での恋を知らないようで、少女漫画的かつ女子会的に悪ノリしています。応援するというよりも、右往左往する二人(主に美哉)を見て、楽しもうという意図が見え見え。まあ、美哉が羊子をまったく気にしていなければ、なにやっても羊子の空回りだったでしょうし、面白さは半減していたでしょうしね。まあ美少女に直球な好意を向けられ、しかもそれは気になる異性。でも手を出すととんでもないことになりそう。生殺し状態の美哉は、いつまで耐えることができるのでしょうね?

花x華同様、ラブコメの中にシリアスな闘いが混じっております。それが、影を落としているので、単純なラブコメにならないのが、この作者さんの特徴なのでしょうか? 甘々なラブコメで蕩けたいという方には、少し不向きかも。シリアスをおしるこに添えられた塩昆布として楽しみましょう。

★★★
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2017年01月06日

気づけば鎧になって異世界ライフ


著者:猪野志士
出版社:電撃文庫
気づけば鎧になって異世界ライフ

主人公・アスヤが気がつくと、見知らぬ世界にいて、身体が動かない、頭や腕はおろか、指やまぶたさえピクリともしない。しかも記憶がない! 困惑していたら近くから女の子の声がしたので、声を振り絞って話しかけてみると、驚かれる。なぜ? 彼女が差し出した手鏡を見ると、鎧姿の俺が映っていたが、バイザーを開くと中身がない…鎧に転移してしまった少年の物語。

あらすじを読むと、かなりコメディ色の強い作品に思えますが、実際は案外シリアスなお話となっています。主人公であるアスヤ、ヒロインのエルセリッタ、フィリオの生い立ちがかなりハードで、ボス敵がアレだったもので、コメディ色がシリアスで塗りつぶされそうになっています。この設定だったら、もう少しコメディに行ったほうがよかったんじゃないかなあ。エルが鎧=アスヤを着ることで、アスヤはエルの身体の凹凸を感じるとか、目がないはずなのに、見えてしまうとか。さらにとある条件で人間に戻れることがわかったものの、戻った瞬間は素っ裸。でも興奮すると鎧に戻ってしまう。そのため、中盤で人間に戻ったアスヤが風呂屋に行った際、ロリ美少女・フィリオに気に入られ「こどもつくろ」と言われた時も、興奮から危うく途中で鎧にもどりかけ…と完全にギャグマンガな設定が続くので、登場人物のハードな出自や、ガチペドなボス敵とかいらなかった気がします。まあ、そうすると薄っぺらい作品になってしまっていたかもしれないけど。

伏線はばらまかれているので、うまく回収してもらえたら、面白いシリーズになりそうです。

★★★
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2016年12月13日

モテなさすぎた俺は、とうとう人形に手を出した


著者:手水鉢直樹
出版社:電撃文庫
モテなさすぎた俺は、とうとう人形に手を出した

てっきりドールな意味の人牛緒だと思ったら、ゴーレムでした。まあモテなくて、リカちゃん人形手に持ったらホラーになってしまうわな。
主人公は泥ケ崎洋。土属性の能力がある調和学院高校の1年生。高校デビューして「モテたい」という願望があったが、もてない属性No1の土属性かつ死霊術士ということで、モテるどころか、虐げられる日々。どうも土属性って、こういうネタに使われることが多いですねえ。使い方によっては、かなり重要な属性だと思うのですが…
モテなさをこじらせた洋は、下心満載で「俺の嫁」となる美少女ゴーレムを錬成します。ところが、そのゴーレムはツンクールで記憶を失っていて…どう見てもマスターよりも偉そう。
「マスターたる俺が名付けてやる……俺乃嫁子だ」「却下。お前の名前は? どろがさきひろし……長い。生意気よ。略してドロシーね」とゴーレムに名付けられてしまう主従逆転状態。「嫁」という言葉が飛び交うドタバタ学園魔術コメディ。

ゴーレムを錬成して「俺の嫁」というのは、よくあるパターンですね。で、たいてい主従逆転しています。というか、そうでなければコメディとして成り立たないのですが…もっともこの美少女ゴーレム。ゴーレムというよりも、普通の少女としての思考を持っているので、対ゴーレムではなく普通のラブコメになっています。もう一ひねり欲しかったなあ。モテなさすぎて「人形」に手をだすというコメディがすっ飛んでいます。洋の彼女に対する態度も普通の女の子に対するものですし。単に「俺の嫁」と連呼しているだけだもんな。せっかく合法ロリ(というか、セルフロリ)な魔術協会長など濃いサブキャラがいるのだから、もっとひっかきまわせそうなのに。もっともこのおっさん、絶対ダメなことをしていたようなので、ギャグになりにくいというのはありますが。そんな犯罪者が記憶を持ったまま、幼女になると…いや想像するのやめましょう。このあたりも少々もったいないなあ。コメディとして使うのだったら、リアル犯罪な過去をだしちゃいけない。その時点で、いろいろ展開ができなくなるから。

ドタバタコメディに、リアルを持ち込み、重しをしてしまった感がありますね。もう少し考えましょう。

★★
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2016年12月12日

魔王なあの娘と村人A(11)


著者:ゆうきりん
出版社:電撃文庫
魔王なあの娘と村人A(11)〜魔王さまと俺たちのグラデュエーション

前巻から間が空きましたが、これが最終刊。勇者・光ヶ丘翼から、魔王・竜ヶ峯桜子が「魔王」の個性を剥奪されるという情報がもたらされます。修学旅行のあたりから、おかしかった竜ヶ峯。果たしてこの話は本当なのか? そして村人A・佐東は竜ヶ峯を救うことができるのか?

修学旅行先で西の魔王と闘い、傷ついた佐東。想像以上にその傷はひどく退院まで時間がかかりました。そんな中、翼から噂を聞き、学校で確かめようとしますが、竜ヶ峯は修学旅行以来まったく学校に来ておらず、さらに修学旅行が途中で打ち切りになったことなどから、うまく行きかけていた個性者と一般学生の間も元に戻っており、一般学生は個性者を忌み嫌うようになっていました。個性者たちから竜ヶ峯の個性剥奪の話を聞くも、なにもできない単なる「村人」である自分を呪う佐東。そんな彼をみて、翼がそのままでいいのか?と嗾けます。表向きは「魔王がしっかりしないと、勇者としての個性が発揮できないから」という理由ですが、そこには佐東に対する想いが込められていて…敵に塩を贈るというか、佐東を想う心は本当だったんですね。

そんなこんなで竜ヶ峯の家を訪問する佐東。そこで竜ヶ峯本人からも噂が事実であることを告げられます。原因は「魔王としての個性を発揮していないから」「人類滅亡の方法を考えようとしても、他のことを考えてしまう」って、もう原因バレバレじゃないですか!その病は「医者でも治せない」ものですね。

竜ヶ峯、村人A、翼のラブコメとしてのエンディグは、まあそうなるだろうなと納得のできるものでした。ただ個性者と村人の関係改善という部分は結局なにも解決しないまま終わってしまったのは残念ですね。

★★★
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2016年12月08日

幸せ二世帯同居計画


著者:五十嵐雄策
出版社:電撃文庫
幸せ二世帯同居計画 〜妖精さんのお話〜

主人公は、瀬尾兄妹。幼い頃に両親を亡くし、親戚の家をたらい回しにされ、そのどこにも自分たちの居所がなく、兄妹だけで生活をしようとアパートに移ったとたん、そのアパートが全財産とともに火事で燃えてしまい、公園でサバイバル生活を送っていました。さすがに小学生の女の子=妹をこのまま公園で寝泊まりさせるわけにはいかないと、近所に発見した空き家にこっそり移住することに。ところが空き家と思っていたその家には同級生の女の子・成瀬莉緒が一人で生活しており…ばれそうになった時、彼女が発したのは
「まさか……まさか、“妖精さん”!?」
という言葉。そしてなぜか彼女から妖精さんと勘違いされた二人は、彼女から隠れたまま奇妙な同居生活を始めることになります。そのうち彼女の悩みを知って…

妖精さんと女の子の「家族」としての絆を育てる暖かい物語です。妖精さんと莉緒の深夜のお茶会。なんだかほっこりしますね。いや、絵面的には女子高生と壁一枚隔てて、違法侵入者がいるわけですが。そこには殺伐としたものはなく、優しい空気が流れています。高校生が一人で住んでいる時点で気づくのですが、莉緒も恵まれた家庭とはいえない環境で育ってきました。そのため人間不信に陥っていたんですよね。でも育ててくれたおばあちゃんには心を開いており、そのおばあちゃんが聞かせれてくれた妖精さんの物語が心に残っており、深夜のお茶会が唯一心を開ける場所になったんでしょうね。この奇妙な同居生活には、さらにもう一名中学生・佐藤向日葵も加わり、瀬尾兄と3人の女の子(高校生・中学生・小学生)というハーレムのような家族ができあがり…。

五十嵐さんの作品なので、主人公はハイスペックです。小さい子にも懐かれます。いままでの作品(電撃文庫)に比べると、登場人物が背負っているものが重いのですが、暗さはなく、そこにはただ暖かい風だけが吹いています。ラストへ向かうエピソードでは、何度涙腺が緩くなったか…いつもの「ほんわか」ではなく「暖かい」気持ちになれる良作品でした。
「“妖精さん”はいつでもお前の味方なんだよ!」

★★★★
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2016年11月25日

天使の3P!x8


著者:蒼山サグ
出版社:電撃文庫
天使の3P!x8

前巻が短編集だったので、本編は久しぶりですね。
今回は冬のイベントが続々登場します。まずは初詣、そしてバレンタインさらには雪山スキー旅行。当然温泉付き。いつもに比べると、桜花が活躍していたような。響をめぐるラブコメは、普通に考えると桜花の圧勝のはずなんですが、残念なところがあるので、他の小学生ずにも可能性は残ったままです。

まずは初詣。ラブコメでの定番といえば晴れ着の裾がとか、みんなとはぐれて二人きりというものですが、この作品は予想の斜め上を行っております。和服の時には下着をつけないという話を信じ込んで、まあそういうことです。で、それを言い出したのが桜花ということで、彼女をかばうために響が言った一言が小学生ずにとんだハキチガエを起こさせ、大変なことが発生します。

次にバレンタイン。こちらも桜花が残念なことになっており、ヘタレな性格と響の鈍さのせいで、響との関係にヒビが…小学生ずによってなんとか修復してもらいますが、最後まで桜花はヘタれたままでした。

雪山スキー旅行は、万馬券をあてた桜花のバイト先のパン屋のおじさんからのプレゼント。初めて新幹線に乗る響は、小学生ず以上に張り切り、潤は初体験となるスキーに恐怖心を持って旅行を楽しみます。温泉旅館ということで、当然なシーンもあり、男湯に間違って入る潤。さらに桜花まで… 結構響って、らっきーすけべ多いですよね。

本筋の音楽では、リアンドファミユの集客力が落ちてきており、もう一段階上を目指そうと響がいろいろ考えております。このあたりは、いまいち理解しにくいなあ。まあ作者さんの趣味(ビジュアル系バンド好き)が色濃く出ているから仕方ないのでしょうが。

スポーツと異なり、勝敗がはっきりしない音楽の世界。どこへ向かっていくのでしょう。
★★★☆
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2016年11月11日

ヴァルハラの晩ご飯(3)


著者:三鏡一敏
出版社:電撃文庫
ヴァルハラの晩ご飯(3) 〜金冠鳥と仔鹿のグリル〜

エインヘリヤルたちによるヴァルハラの動乱も落ち着いて、平和な日々が戻ってきました。しかしながら、その動乱によってエインヘリヤルたちには通称「ラタトゥイユの刑」が課せられ、肉が一切禁止。そのためセイの「晩ご飯」になるという仕事がなくなってしまいます。一時的なものとはいえ、暇になったセイはヴァルキリー姉妹を頼り、代わりの仕事を探します。そんな時、セイの前に強敵が現れ…それはヴァルハラ大農園を管理する鹿のイクス。セイのことを「お師匠様」と慕ってくれるのはいいけど、それ以上に別のあこがれが…思わずおしりを気にするセイ。ラノベでは珍しいBLな展開になるのか?
いや、彼が強敵なのはセイのおしりの危機という訳ではなく、食材として。セイに弟子入りしたことにより、彼も晩ご飯になるのですが、それを食べたオーディン様が「ンまぁ〜い」と大絶賛。そのため、セイは晩ご飯を首になってしまいます…存在意義がなくなる。それ以上にブリュンヒルデに会えなくなる…あせるセイは、またもやヴァルキリー姉妹に相談して…

ということで、今回はヴァルキリー姉妹に助けられる(?)セイという構図になっています。いままであまり描かれなかった姉妹も登場しており、セイの愛玩動物としての立ち位置が明確に描かれおります。といいながら、ブリュンヒルデやロスヴァイセはそれ以上の感情を持っているようですけどね。特にブリュンヒルデのデレが激しい。イノシシと長女エンドで決定したようなものです。
今回、ヴァルキューレとフレイヤがセイを手助けしていますが、実はヴァルキューレって暇なのでしょうか? なんだかんだいいながら、姉妹全員がセイの手伝いをしているよなあ。神話のイメージだと、もっと凜々しく世界を飛び回っている感じなんですけどね。

セイの食材復帰作戦は、一度大失敗します。それはセイがいろいろ鍛えてため。今までは、肉と脂肪が黄金律で混じっていたのに、脂肪が少なくなってまずくなってしまった…って確かに食材として見た時は、脂肪を大切にしますよね。うーん、難しい。

でも、セイっていったい何者なんでしょうか? ただの煤けイノシシじゃないですよね。「晩ご飯になる」というすごい仕事があるとはいえ、普通ヴァルキリー姉妹やフレイヤを使い倒すことなんてできないもの。不思議な存在です。実はかなり大物なのかな?

今回は、あまり重い話はなく(セイにとっては、死活問題だったのでしょうが)ヴァルキューレ姉妹とのほんわかした話が続きました。しかし次巻からは暗雲が垂れ込めてきそうです。ヴァルキューレ姉妹とのほんわかラブコメが続くことを期待していますが、それだけではダメなようですね。

★★★☆
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2016年10月18日

ヴァルハラの晩ご飯(2)


著者:三鏡一敏
出版社:電撃文庫
ヴァルハラの晩ご飯(2) 〜オオカミとベルセルクの野菜煮込み〜

主人公は日々ヴァルハラキッチンで「食材」になっているイノシシのセイ。彼は、日没とともに蘇生するという能力を持っているため、毎日食材にされる日々を過ごしています。冷静に考えると、毎日死ぬ恐怖があるのだからひどい話ですね。便利なのは、どれだけ身体が不調(外科的にも内科的にも)でも、生き返るとフレッシュな状態に戻っているということ。
前回世界樹を倒壊の危機から救ったことで、主神オーディンより英雄認定されたけど、待遇はまったく変わっていません。戦乙女9姉妹との距離が近くなった(気がする)ことが唯一のメリット。そんなある日、9女ロスヴァイセが、巨大なオオカミに変身する神技に失敗(理性を失って暴走してしまう)。そのショックで引きこもってしまいます。彼女に笑顔を取り戻すため、セイは一吠えで島一つを吹き飛ばすという魔狼・フェンリルに会いに行きます。彼は、ロスヴァイセの心を救うことができるのか?

今回もセイの活躍が描かれております。本来恐ろしい存在であるはずのフェンリルにも平気で話しかけるし、実はセイって神様より偉い存在なのではないかとの疑問も浮かんできます。まあ単純に、抜けているだけなのかもしれませんが。前回料理長に指摘されたセイにとっての地獄(食材にならずに死んでしまったら、英雄たちの食材がなくなってしまうので、日没で生き返ると同時に食材にされてしまう。そして、生き返るのは次の日の日没…食材にされるために生き返ることの繰り返し)を抜け出す機材・冷凍庫が登場します。これによって、セイの死体を保存しておくことで、その日はその肉を利用。生き返ったセイは一日生きることができるというもの。ってこれもつらいなあ。

さて本筋ですが、ロスヴァイセの件だけでも大変なのに、英雄たちに不穏が動きが出てきます。神々に認められた英雄とはいえ、いやそれ故、神々との間に上下関係が生じており、いろいろ鬱憤がたまるようです。人間ってやつは…ということですね。

この作品、セイの軽いノリがあるため、非常に読みやすくなっています。しかもどうやら戦乙女たち(特にブリュンヒルデとロスヴァイセ)は、セイを異性として見ているようでして、そのあたりのラブコメも楽しいことに。ラグナログに向かって、いろいろきな臭いことが起こっていますが、軽いノリは悪くありません。前巻同様「生命」という重いテーマを扱っていますが、ぞんざいに扱わず、かつ重くならない絶妙のバランスで描いているので良作です。もっと読みたくなる作品ですね。

★★★★☆
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2016年09月27日

彼女はとても溶けやすい


著者:丸山英人
出版社:電撃文庫
彼女はとても溶けやすい

主人公は、久田深弥。生まれつき存在感が希薄で、家族にすらその存在を忘れ去られるという不幸な高校生。自動ドアのセンサにすら感知されることなく、椅子に座っていても椅子ごと動かされるという地味さ。一方ヒロインは、美少女で存在感抜群な、重栖かなた。彼女は、すぐにカッとなり、正体をなくしてしまう。他人に関わるのが嫌で、いつも親友・沖島文と一緒にいる。もうそれは百合と思われるほど。たとえ同じクラスにいても、接点がない二人を結んだのは、偶然彼女の秘密を知ってしまったから。そこから物語が動き出します。

「み、みら、見られ、見! 嘘、嘘よね!? ねえ!!」
かなたは、人より融点が低いらしく、体温が上昇すると極端に柔らかくなるという体質です。比喩という訳ではなく、本当に溶けてしまうようですね。深く考えたら負けですが、ありえないですね。一方深弥は、地味で存在感が希薄なため、そんな彼女の秘密を見てしまった時も、その体質に驚くより
「僕の名前を覚えてくれてた・・・・・・」
と感動しております。こちらも大概ですね。

かなたの危機を救ってきた文は、そんな深弥に対し、かなたの体質改善に協力して欲しいと持ちかけます。親が食事を作り忘れることは日常茶飯事。さっきまで一緒にいた友人に忘れ去られる、誕生日、退院した母親が病院に忘れていくなどなど悲惨な経験をしてきた深弥は、彼の名前を覚えていてくれたかなたの頼みを断ることはできませんでした。

まずは文の提案により、かなたと深弥はデートをすることに。その待ち合わせで、人混みの中から深弥を見つけてくれたかなた。今まで認識してもらえなかった彼にとって、彼女の存在感はどんどん大きくなり、それが好意に変わっていくのは当然の推移ですね。

その後も3人(時には二人)で体質改善を目指し、途中なんども危機を迎えながらも、深弥の頑張りによって回避していき、さらに二人の中は近くなって。そのままハッピーエンドかと思いきや、深弥にもどうしようもないピンチが訪れ、二人の関係性に大きな変化が訪れます。

後半のラブコメパートは、結構面白かったです。しかしかなたが「溶ける」という設定が生かし切れていないですね。そのためラストが中途半端になっています。駆け足すぎて、それまでの伏線がなくなっています。それが残念な作品ですね。

★★
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2016年09月02日

迫害不屈の聖剣錬師(2)


著者:天羽伊吹清
出版社:電撃文庫
迫害不屈の聖剣錬師(2)

鬼道に落ちた敵を捕縛する活動を行っていたジュダスは、勢い余ってスランプに悩む天才少女・アシュリーが聖錬中の部屋に飛び込んでしまい、彼女のあられもない姿を見ることになります。アシュリーは、7歳頃に聖錬ができるようになった天才。ところが1年ほど前から聖錬に失敗するようになります。それまでが天才少女としてもてはやされていた分、他人からいじめの対象になっています。
アシュリーも当然聖錬中は性的快感を得るわけで、ジュダスに見られたのはそういう姿。しかもほぼ全裸(ショーツのみ) 彼女がジュダスに対して告げた代償は「八紘聖戦」のデュオ部門のパートナーになること。ジュダスは、出自からデュオでの参加はあきらめていたので、即了承します。まあこれが、トワたちにとって驚異となるのですが、当然ジュダスは気がついておりません。

デュオでの練習を始めるジュダスとアシュリーですが、アシュリーは体格にも恵まれず(12歳だし)持久力もない。さらに剣技も極めていないということで、どうしてもジュダスの足手まといにしかなりません。それを苦にするアシュリー。せめて聖錬ができればという悩みを打ち明けます。ジュダスは、そんな彼女に対して、アシュリーが聖錬できなくなった原因を告げます。それは、彼女が初潮を迎えたから…ジュダスの母親はジュダスを身ごもったことにより、聖錬できなくなった。それと同様、子供から大人へ身体が作り替えられることにより、聖錬できなくなったということです。で、ジュダスは、彼女の聖門に直接手を突っ込み、そのゆがみを直すという大技を使います。聖錬は性的快感を得る…なのでこの行為も性的快感が強いようで、アシュリーにとっては、初めての経験だったようです。ジュダスは代償として腕に大やけどを負うのですが、それがアシュリーにとって、さらに「頑張らねば」という気持ちにさせます。
そんな中、偶然街でそれと知らず「禁忌の聖錬術「鬼道」に触れてしまい…鬼道を用いるとマキナ化してしまう。ジュダスはどうするのか…

前巻では、エロコメ部分が強調されていて作品ですが、今回は哀しいエピソードが描かれています。それがストーリーに幅を持たせてくれており、単なるエロコメから一歩進んだストーリーを楽しむことができました。

★★★☆
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2016年07月20日

出番ですよ!カグヤさま(3)

商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。お買い物される際には、必ず商品ページの情報を確認いただきますようお願いいたします。また商品ページが削除された場合は、「最新の情報が表示できませんでした」と表示されます。
著者:逢空万太
出版社:GA文庫
出番ですよ!カグヤさま(3)

結太の誘拐から発展したカグヤとサクヤの姉妹喧嘩がようやく終了した矢先、統社桃花が刀を持って現れます。お互いに、なんとか状況をごまかそうとしますが、カグヤがあっさり「自分は月の女王」と告げます。すると、突然桃花がカグヤに襲いかかって…桃花と一族と先代かぐや姫とは、浅からぬ因縁があるようで…ひん曲がった竹取物語第三弾。

月にはロクな生物ないないのか? といいたくなる竹取物語。結太の数少ない異性の友人であるすべ子は、一般人ではありませんでした。真面目なのか不真面目なのかよくわからないのですが、一族の「悲願」を心に秘めて行動していたようです。ということで、普通の人がいなくなってきましたねえ。と思っていたら、今回で最終巻とのこと。いろいろ広げた風呂敷は、畳みきれていないのが残念ですね。とはいえ、今の流れで続けるのも難しいというのも事実。これ以上、月の民の敵をを作っても仕方がないですからね。

ただ、カグヤの「善行値」という設定はどこに行ってしまったんでしょうか? カグヤが、善行を積もうとしていなかった点に目をつぶるとしても、今回は完全に,無視されたままになっています。もっと重要な設定だと思っていたんですが、あまり意味がなかったようですね。

カグヤがどんどんアホの子になってきて、読むのが辛くなっていたので、ちょうどよかったのかな。

★★☆
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2016年06月06日

くじらな彼女に俺の青春がぶち壊されそうになっています


著者:銀南
出版社:電撃文庫
くじらな彼女に俺の青春がぶち壊されそうになっています

「先輩はくじらぶかです。だから、マッコウクジラ団に入ってください」と海洋生物研究部へ共生入部させられた海斗が主人公。この謎の言葉を言ったメメがメインヒロインになるのかな? サブヒロインとして、四方屋と潤芽。そして主人公の親友として、ととでストーリーが成り立っています。一応公式あらすじもあるんですが、読んでもなんのことやらさっぱりわかりません。のでとりあえず無視という方向にしました。タイトルからも、ストーリーがさっぱりわかりませんね。それが残念です。出だしの「マッコウクジラ団」という組織や、イラストの雰囲気から「ハルヒ」っぽいものを感じました。内容は異なるようですね(ハルヒ読んでいないのでよくわからない)

ストーリーのベースになっているのは『古事記』です。そちらの神話に一部海外小説を組み入れた世界観になっています。まあ、あまりにも有名な神話をベースにしているので、かなり早い段階で、結末が読めてしまったのは残念でした。もう少し比喩を使うなどして、わかりずらくしてもよかったのではないでしょうか?

若干ラブコメ要素もあるのですが、基本バトルものになってしまっています。ヒロイン数からしたら、ラブコメ要素があったほうが面白くなったのでは? バトルではない解決方法があったほうが、より日本神話の世界らしくなったような気がします。

文章は非常にこなれていて、読みやすい作品でした。あとは「この作品ならでは」というものが出てきたら、よかったなあ。

★★★
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2016年05月18日

天使の3P!x7


著者:蒼山サグ
出版社:電撃文庫
天使の3P!x7

だから、短編集は連番に入れないでと…いや短編集が嫌いな訳ではなく、むしろ好きなんですが、本編と巻数を同じにするのはやめてほしい。そうでなくとも記憶が曖昧なのに…
ということで、今回は短編集です。で、この手の作品のお約束として、本編よりもお色気がUpしています。というか、響さんや。全編でOutでしょう。もう申し開きできませんよ。
・ライブを盛り上げるため、ユナさんの店でリトルウィングの少女たちがコスプレ
 いや、最初はステージアートの話だったはずなのですが、どこからかおかしくなってきて、ついにはとある人の、隠された性癖が目覚めかけたし…

・ストレッチ
 練習の合間に行う、普通のストレッチのはずがなぜ? 「わ…にゃ、もっと響さんとしたいです」 さらには桜花もミイラ取りがミイラになり…確かに「奥まで挿れるぞ」とかねえ…

・桜花とパン屋でバイト
 普通にバイトするはずがなぜ? ってかパン屋のオーナーさん、いい趣味してるわ。着ぐるみ内で「だいしゅきホールド」だと…なんか、そんな18禁マンガが登場しそうだな、おい。

・もふもふ&ぱふぱふ
 ……人間、こんな簡単に壊れるんですね。確かにもふもふには、逆らいがたいものがありますけどね。くるみは、狙ってやってるのか? もふもふ依存+妹依存 そりゃ人生終わっているな。裸見られるの嫌なんだ、今更と思ったが「こんなところで」ということで、場所の問題でした。なんか納得。

・貫井家の大掃除と母娘対決
 年末大掃除。なにごともなく終わるわけもなく。お風呂掃除を裸で行おうとしたくるみ。確かに挿絵状態が裸とすると危険すぎますね。さらにここから斜め上の展開が…くるみのぱんつ断捨離! その判定係が響。白色は「いろいろ見る必要があるから」難易度が高い…っていろいろってなんだ! いろいろって! 書けないこと多すぎだろ。
で、なぜか断捨離を妹の部屋のベッド上で行っているところを、帰宅した父親に見られ、その後母親に見られ…普通なら家族会議になりそうなところ、母親の斜め上の言動「自分のぱんつ断捨離もやって!」「響の前では、いつまでも一人の女としていたい」…えーと。それにくるみも対抗し…結局料理(カレー対決)へ発展…
うーん、こんな両親や妹がいて、なぜ響は引きこもりだったんだろう…というか、無茶苦茶対人能力高いよね(対象がロリという話もあるが)

うん、すべてで響はOutでした。

★★★★
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2016年05月17日

SE-Xふぁいる シーズン2 斎条東高校「超常現象☆探求部」の秘密


五十嵐雄策
著者:五十嵐 雄策
出版社:電撃文庫
SE-Xふぁいる シーズン2 斎条東高校「超常現象☆探求部」の秘密

主人公・護田映一朗は、青春イベント一杯の生活を夢見て高校へ入学したはずなのに、超常現象を解明する謎の部活に追われています。とはいえ、部長の白羽根さんをはじめ、超常現象☆探求部に集まるのは、美少女そろい。しかも全員が護田に好意を抱いているようで、これってどう考えてもリア充だよね。爆発しろ!

今回は、さらにリア充なイベントが盛りだくさん。まずは、夏休みに伊豆の旅館で座敷童子探し。旅館の部屋は部員全員同じ。ということで、女子ばかりの中に護田一人が一緒に寝るという…美少女たちのほっこり風呂上がりを堪能したりして。夏休みといえば、花火・祭り・浴衣!ということで、こちらも美少女たちに囲まれ夜店を堪能。さらに鈴緒(しかもかぶりものなしVer)と二人きりにしっとり花火を楽しみ… 最後は鈴緒のおうち訪問。もうね、これはまっすぐいくしかないんじゃないかな?鈴緒も
「モルダくん……こ、これからわたしと……お、お付き合いしてくれませんか……っ……?」
と言っていることだし。って違うか。

非常に可愛いけど、かぶり物によって別人格になる鈴緒。今回は宇宙人絡みの謎ではないということで、ぬらりひょんのぬーちゃんが登場しています。って、日本妖怪のボスさんではないですか? そのぬーちゃんが、顔を赤らめて(どうやって?)もじもじする姿…シュールだ。なぜ鈴緒がこうなったのか? 鈴緒の過去も少しだけ明らかになって…

今回もSE-Xふぁいるは発動しました。なんか屋外が多いですね。作者の趣味なのかな(げふんげふん)
★★★★
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ヴァルハラの晩ご飯 〜イノシシとドラゴンの串料理〜


著者:三鏡一敏
出版社:電撃文庫
ヴァルハラの晩ご飯 〜イノシシとドラゴンの串料理〜

神の国の台所「ヴァルハラキッチン」で働くイノシシ・セイ(本名は、セーフリームニル)は、主神オーディン直々の指名によってスタッフになった。料理するのではなく「料理される側」として…

北欧神話をベースとしたストーリーとなっています。闘いの中で散った勇者たちが、ヴァルキューレ(戦乙女)の導きによって集う場所=ヴァルハラ。じゃあ来たるべき闘いに備える勇者たちの「空腹」は、どのようにして満たされているのか? そんなニッチな所に視点をおいたことがこの作品の特徴。ありきたりな北欧神話を面白いものに替えています。

さらにセイの特殊能力「一日一回生き返る」を利用した「毎日死んでご飯になれ」という命令。これも、それだけだとまさしく「ブラック企業」。でもセイの独特の性格のおかげで、ギャグにしつつ、かつ「生命」も十分に大切に描かれています。さらにイノシシ一匹だと量が知れているのでは? という疑問には「料理したらその日のうちは、食材が減らない鍋」を登場させることで解決。ギャグのようでいて、抜け目有りません。

このセイくん。ほんといい性格しています。もちろん毎日死ぬというとんでもない恐怖と戦っているのですが、それ以上にヴァルキューレ9姉妹たち(特にブリュンヒルデ)への対応が、欲望剥き出しで面白い。どうもブリュンヒルデたちも、セイのことを「食材」ではなく「異性」としてみている部分もあるようで…可愛い女性がイノシシ(ウリボウ)を撫でる。「ああ動物好きなのね」で済むシーンも、セイの独白によって妖しいシーンになっていたり…どうも神界では、種族の違いというのは些細なもののようです。ま、そうでないとイノシシが人間の姿をした戦乙女に欲情しないですね。

会話の軽妙さをベースにしたストーリー。今回登場していないヴァルキューレや神様もたくさんいます。彼ら(彼女ら)と、どのような会話劇が進んでいくのか非常に楽しみですね。

★★★★
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2016年04月04日

エルフ嫁と始める異世界領主生活 ―俺の住む島に異世界が来ちゃったんだが―


著者:鷲宮だいじん
出版社:電撃文庫
エルフ嫁と始める異世界領主生活 ―俺の住む島に異世界が来ちゃったんだが―

主人公は、東京都の南の果てにある離島に住む高校生。そんな離島に異世界の一部が半島まるごとやってきて、領主の娘さんであるエルフ美少女が俺の嫁になった…という異世界召喚(じゃないか)ファンタジーです。

異世界に召喚されるのではなく、異世界が現世にやってきたというのは、少しだけ珍しいのかな? 普通このような場合、ファンタジーな展開になっていくのですが、無理矢理現代日本の政治問題を入れ込もうとしたため、面白さ半減という感じになっています。異世界の姫様のエルフ耳を触った(敏感な性感帯らしい)ことが、プロポーズになるっていうのは、異世界ものでよくあるパターンですね。まあそこは、主人公の幼なじみを交えたラブコメと考えれば面白くなる要素なんで問題ないのですが、その後の展開が……

異世界がやってきたことは、中央政府に伝わっており、交流に制限がかけられます。その理由が「異世界」は国なのかどうか? 日本国でないとすると、領土侵犯ということになり、いろいろややこしくなるという日和見理論。

さらに、異世界サイドで問題=食料危機や飲み水危機が発生していても、異世界が外国であれば、関連法案が必要となるという理由で、なにも動きをとらず…って、確かにそうかもしれないけど、さすがに「目の前」に困っている人がいたら助けるってのが、人道的対応で、それは今までもしてきているはずだけどなあ。たぶん、作者な人が「政権批判をすれば売れるかな」という甘い考えを持っているからだろうな。

その他そんな緊迫した状況下に、政府が派遣したのは、大学生(官僚見習い)。これもおかしいよな。大臣級が動くと問題になるから、ってのは分かるけど、それならば課長級程度を派遣しないと、判断が出来ないし意味がないことになってしまう。政治系知識が中途半端になっているのが残念。

ただ主人公・姫様・幼なじみのラブコメは非常に面白い。その部分をもっと強化してもらえたら楽しかっただろうな。別に政治出さなくても、日常系ファンタジーは成立するはずなので、そういった作品を期待しています。

★☆
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2016年03月18日

SE-Xふぁいる


著者:五十嵐 雄策
出版社:電撃文庫
SE-Xふぁいる ようこそ、斎条東高校「超常現象☆探求部」へ!

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少女の好奇心がエッチを呼ぶとき、少年は鼻血を解き放つ! 禁断のラブダクション・コメディ、登場! 「も、護田(モルダ)くん……疲れてるの?」
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タイトルからすると、エロコメ? でも作者は五十嵐さんだしなあ。そりゃ、どの作品でもエロマウントポジションなどの微エロはあったけど…

主人公は、護田映一郎。高校デビューの目標は、七色に光り輝く青春イベントで、真っ白な青春アルバムを埋め尽くすこと。中学時代は、自らの体質のせいで青春と全く無縁だったから。とはいえ、そこは五十嵐作品の主人公。引きこもりという訳ではなく、対人スキルもかなり高い人物となっています。そんな、映一郎に接近してきたのは、宇宙人のかぶり物をしたクラスメイトの白羽根鈴緒。かぶり物をしているときは、「時にモルダくん。──私と第四種接近遭遇をしてみる気はないかな?」と強気なのに、かぶり物を取ると、臆病な子犬のようになる少女。彼女が求めるのは超常現象…でも、彼女の体質(?)のため、超常現象を探しに行くと、百発百中でエロシーンに出くわしてしまう…それがSE-Xファイル=鈴緒・エロ・Xファイル! 名付け親は、鈴緒の親友である元気少女・浅葱。うん、言い得て妙ですね。

なんせ、体験入部ということで初めて一緒に探した超常現象で出会ったのは
「あ、ああん……気持ちいい……イく……イっちゃう……先生、異次元にイっちゃう……!」
……いいんだろうかというシーン。ここで鈴緒は真っ赤になってオーバーヒート。映一郎はというと鼻血……その後も後輩中学生からの依頼時もひとりエッチ(テレフォンS○X)をしているシーンを目撃したり、もうなんていうか。そのたびに映一郎は鼻血を出すのですが、実はこれ興奮して出たのではなく、超常現象に反応してという設定が…そうこの作品は、たんなるエロコメでもなく、ラブコメでもなく、オカルトものだったようです。

映一郎のMシステム(超常現象で鼻血)や、鈴緒のSE-Xファイルの本当の意味などなど、謎が多い作品になっています。今までの作品(城姫除く)は、現実的な世界(お嬢様が現実的はさておき)の日常でしたが、今回はそこにオカルトが入ってきています。まあ、極端にグロテスクな描写はありませんし、ホラーにはなっていませんので、そういったものがお嫌いでも大丈夫と思われます。

ただ、今までの作品に比べ、直接的なエロシーンが多いので(主人公たちは、相変わらず純情ですが)それがどうかなあ? ちとやりすぎかな? という気がしないでもないです。とあるシーンでの「ケンタウロス」も、それだけでやめておいたらよかったような…その前の描写があまりにも直截すぎて… ヒロインがほんわかしているだけに、そこだけ妙に浮いているんですよね。

主人公が、中学生ずを含めて、少女たちに懐かれるのはいつものこと。メインヒロインがふわふわしているのもいつものこと。このあたりは安心の「五十嵐クオリティ」です。メインヒロインは「わふぅ」と鳴くし、白い布は出てくるし。うん、アレなシーンを除けば、楽しい作品です。アレなシーンは、もう少し減らして欲しいな。

★★★★
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2016年03月09日

俺氏、異世界学園で『女子トイレの神』になる。


著者:周防ツカサ
出版社:電撃文庫
俺氏、異世界学園で『女子トイレの神』になる。

主人公は、世良隼也。総理大臣の三男ということ。舞台は、異世界と繋がる扉が多数あり、異世界人との交流が現実ものものとなった現代。とはいえ、まだ一般人にとって、異世界人との交流は難しいもので、そのためのサンプルとして異世界人学校が創立され、そこに転校させられることになります。隼也は「自分が兄弟たちのような能力がないから、父親にレールを外された」と思っていますが、当の父親はどうもそうは考えていないようで…

元々友達作りが苦手な隼也は、多様な異世界人に馴染めるはずもなく、ぼっちまっしぐらな学校生活を送ります。そんなある日いつものように男子トイレ(個室)にこもっていたところ、なぜか学級委員長(有翼種の美少女)アイリスの声が頭に響き、気がついたらアイリスのいる個室へ召喚されてしまいます。アイリスの召喚魔法の失敗が原因だったのですが、なぜかそれ以降呼ばれると個室に召喚されるという、謎な体質になってしまいます。しかも「女子トイレの神様」という噂が立つようになり、保身もあり(女子トイレにいるところを見られたら、人生が詰んでしまう)クラスメイトたちの相談に乗ることに。もちろんこの行為は、さらに深みにはまっていく一因になり…スマホのボイスチェンジャー(自作アプリ)を用いて、中性的な雰囲気を出し、神様=隼也だということを隠しているのですが、隣の個室でスマホに話していたら、地声も聞こえてしまうんではないでしょうか?

女子トイレの神様になった隼也は、クラスメイトたちの悩み(もっともてたいとか、デートがうまくいくようにとか、思春期にありがちな内容)を解決していく中で、少しずつクラスに溶け込んでいきます。政治家の息子ということで、先生に当てられた時に誤答しただけで「失言!」とからかわれるのが嫌で自分で殻を作っていた隼也。しかし異世界人たちの飾らない心に触れていく中で、少しずつ自分を出すようになり、それが周りにも好印象を与えるようになっていきます。

この作品が面白いのは、クラスメイトたちのキャラが面白いということでしょうね。委員長・アイリスは完全無欠美少女に見えるけど、妄想暴走型のダメ娘だったとか、オークのユリアンは「もてたい!」と思っているけど、日本でのオークのイメージ(一部の人たち向け)を聞いて落ち込むなど、それぞれの種族の特徴がでています。

表面上は、平和な悩み解決が続いていくのですが、根幹にはシリアスな部分も有しています。それが物語を引き締めていて、読み進める原動力になっています。この先「どうなるんだろう」と楽しみで…

★★★★
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2016年02月09日

クローズドセブン(上)


著者:麻宮楓
出版社:電撃文庫
クローズドセブン(上)

目が覚めると、とあるゲームのクローズドベータテストに強制的に参加させられていた…最近流行の(現実世界ではないが)バーチャルワールドに入り込むタイプのゲームです。ベータテストには、主人公を含め7人が集められており、主人公以外は全員女性というのもお約束。主人公は、名前も過去の記憶もない状況。そんな中、モニターに映りゲーム開幕を宣言したのは自分の顔。そのため、他の少女たちに「黒幕」扱いされならが、なし崩しにゲームがスタートします。
「デスゲーム」と煽りにありますが、実際はゲーム内でのダメージが服に行き、全裸になり、かつ参加者全員にその姿が確認(視認)された時点で強制失格となるというルール。全然デスゲームでありません。さらに服はゲーム中でアイテムとして入手できる場合もあるため、全裸即失格でもない。なんかぬるいですね。

主人公が唯一の男性であることや、このルール(しかもすべて映像で記録されている)のために、ほかの少女たちから白い目で見られることになりますが、少しずつ信頼を勝ち取っていくというスタイルになっています。その割にラブコメ展開にならないのは「お約束になりたくない」お約束か。

ゲームの目的が謎なことや、少女たちの生い立ちもわからないため、惹きつける要素はあるのですが、どうもゲーム内容が浅いため、面白くない。導入部・中間部とストーリー的にも崩壊しかけている部分があり、読みづらい。謎が残ったままなので、続きが読みたい気もするけど、このレベルだと少々辛いかなあ。

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2016年02月03日

機動執事 ―とある軍事ロボットの再就職―


著者:松山剛
出版社:電撃文庫
機動執事 ―とある軍事ロボットの再就職―

ロボットが、執事やメイドとして使われている世界が舞台。リーゼロッテお嬢様にお仕えするロボット執事は、元軍事ロボット。かつての上官からの最期の命令を最優先して、彼女を護っている。しかしながら、リーゼロッテは反戦主義で、軍事ロボットの撤廃運動を行っており… そんなお嬢様の様子が最近おかしくなってきて、主に顔周辺の体温上昇・心拍増加が認められ、食パンをくわえて屋敷の角で待機するなどの奇行が目立ち始めた…お嬢様の恋心の行方はいかに…

幼い頃から身近にいる存在である執事ロボット。容姿端麗な彼(?)に恋心を抱いてしまったお嬢様のすべり具合が前半のお楽しみです。お嬢様学校のご学友の曲がった恋愛知識(主に少女漫画から吸収)を元にした、アドバイスにより、さらにリーゼの行動はおかしな方向へ突き進んでいきます。相手が普通の人間だったら、さすがにリーゼの奇行の原因がわかったでしょうし、たとえわからなくともなんらかのアクションをとっていたはず。ところが、このロボット・べるは元軍事用ということもあり、EPA(感情理解プログラム)が欠落しています。そのため、リーゼの行動が理解出来なくとも、身体への危機がないことを理由にして、そのまま放置してしまいます。うーむ。

後半は、軍用ロボットであるベルを好きになってしまった(そしてベルが軍用ロボットであることを知らない)リーゼの哀しみが描かれます。前半のお気楽さに比べて、いきなりシリアスになっている後半とのギャップがどうもね。

今回の件で、ベルのEPAレベルが上ったのでしょうか? そうでなければ、リーゼがあまりにもかわいそうですね。

★★★
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2016年02月02日

迫害不屈の聖剣錬師


著者:天羽伊吹清
出版社:電撃文庫
迫害不屈の聖剣錬師

主人公は、落ちこぼれの聖錬師・ジュダス。聖錬学校へ編入初日に優等生・イルダーネが聖錬中の火事場に乱入してしまいます。武具を「挿入」しているのを見られ激昂する彼女と、編入取消をかけて、決闘することになってしまったジュダス。ナイフもまともに聖錬出来ない無能の聖錬師である彼は、圧倒的な剣技と多彩な魔法を習得した最強の戦士でもありました…

ということで、自らの身体にある炉を使って武具を聖錬する世界のお話です。で、ヒロインの炉は、お約束なあたりにあって、それを使うためには裸にならなくてはならず、さらに「物を生み出すのには快感が伴う」ということで、性的快感が得られるようで、そんな姿を男であるジュダスに見られたのだから怒って当然ですね。この炉の位置は人によって異なるようですが、股にある人もいるようです。うーむ。

主人公ジュダスは、とある理由で嫌われ者です。特に彼の性格が悪いといった理由ではなく、本人がどうしようもないレベルで世界から嫌われているという主人公。本人はそのことをすべて受け入れており、それ故彼をよく知ると、魅力的な存在になります。なので、イルダーネも彼に好意を抱くようにになっていきます。さらに王女・リムリアや東国の皇子・トワとともに、人類の敵であるマキナに戦いを挑んでいくことになります。リムリアは王女というには性格がぶっ飛んでおり、イルダーネの胸は揉むは、やりたい放題。トワは滅びた国の皇子となっていますが、この滅びた国は明らかに「日本」を示唆しており、そう考えるとトワという名前は…というか、最初から隠すつもりなかっただろ! という人物ですけどね。

今回は、ジュダスが嫌われている理由。仲間たちとの出会いと恋のさや当て。蜘蛛マキナとの戦いといったふうに、物語の導入編となっています。戦いを通じて、それぞれの秘密を知り、絆を深めていく4人。という王道な流れですね。各キャラがしっかりしており、面白くなりそうではあります。

★★★☆
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2016年01月18日

マンガの神様(3)


著者:蘇之一行
出版社:電撃文庫
マンガの神様(3)

今回は、楪葉に焦点が当てられます。伊織たちと交流していく中で「マンガの神様」を恐れる内向的な部分が、少しずつ溶けていってきていたのですが、国民的アイドルがマンガを描くようになり、ライバル誌の編集長から挑戦状をたたきつけられたことがきっかけで、まさかのスランプに…

国民的アイドル・夜桜は、自作品が掲載された雑誌のグラビア表紙や、イベント参加抽選券により売上を伸ばそうと画策します。それに対して、楪葉陣営は「作品の出来」で十分に勝負できると強気に出ていきます。ところが、夜桜と楪葉は、幼なじみであり、過去にいろいろあった模様。そういったことが原因で、自信を失っていき、ついには「漫画が描けなくなりました」と完全スランプに陥ります。それを伊織は、どのように復活させていくのでしょうか?

この作品で一番成長しているのは、伊織ですね。最初は自信家ではあるものの、いろいろと残念なところがあった彼が、プロとしてどんどん成長しています。ただ、恋愛に関しては、まったく成長出来ていないようではありますが…もっとも、邪念がない分、女性にはもてるようで、いろいろフラグが立ちまくっているのですけどね。

1巻は、蘊蓄が多く、正直面白くなかったこの作品。ストーリー重視に変わってきて、面白くなってきました。今回も、夜桜陣営の手法を完全否定せずに、戦っています。なので、面白さが増しています。
でも、よく考えたら、今回の対決。現在だから通用するんですね。往年のジャンプ・サンデー・マガジン全盛期の発行部数だと、アイドルの漫画が掲載された程度で、売上を逆転させることは出来なかったのではないでしょうか?

★★★
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2015年12月07日

天使の3P!x6


著者:蒼山サグ
出版社:電撃文庫
天使の3P!x6

前巻で応募したキッズロックフェス。その結果が届くが、なんとリアン・ド・ファミユもDragon≒Nutsも落選。フェスに登場する子供達の演奏と自分たちの差を認識し、落ち込む小学生たち。特にリアンのほうは、目標を見失い迷走を始めます。そんな彼女たちを見て、響は「厳しさが足りなかったのでは?」と頑張らそうとしますが、それが逆効果に。音楽そのものへの疑問を抱かせるようになってしまいます。

一方、Dragon≒Nutsのほうは、自らガールズバンドに前座としての殴り込み営業をかけ、自らのテクニック不足を補おうとしていきます。その中でタランチュラホークというバンドと出会い、しごかれていく中で、バンドの方向性を見いだしていきます。

対照的な状態になってきた2つのバンド。響はどのように接していけばいいのか、迷い出しますが、桜花の助言によりリアンの進むべき道を見つけ…

人によって「やる気スイッチ」の場所は違い、モチベーションになるものも違うというのが今回のテーマですね。でも「うまくなりたい。昨日の自分より少しでもうまく演奏したい」というのは、すべてのことに共通するモチベーション。ただ「やる気」を出すための方法が人によって違うだけ。それに気づけるかどうかが、バンドを続けていけるかどうかの分かれ道なんでしょうね。

今回も順調にロリへの道を進み続けている響。映画館でのアレは、本当誰かに見られたら、完全にアウトだったでしょうね。さらに「ドキドキしました」と告白するあたり、すでに重症なのかも知れない。さらに学校では「小学生といえば、響」と認識されているという「もうあきらめて下さい」という状態。でも高校生と小学生。あと10年もしたら年齢差関係なくなるよ。ドンマイ。

今回もヤンデレぶりを遺憾なく発揮している妹・くるみ。またもや怪文書を作成しています。しかもお説教はお風呂の中でという、もうね。確かに響の周りにいる少女で、手を出した場合、社会的に抹殺される可能性が一番高いのは、くるみなんですよね。桜花なら問題なし。小学生ずであれば、時が解決してくれる場合がある…でもくるみは… ただ現状一緒にお風呂に入れるなど、一歩リードしているのも事実…響に未来はあるのでしょうか?

今回、折り返し点とのこと。どうなっていくのでしょうね。思わせぶりな登場人物もいましたし、いろいろありそうです。

★★★★
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2015年11月25日

もう中二病でもいいもんっ!


著者:翡翠ヒスイ
出版社:電撃文庫
もう中二病でもいいもんっ!

「ぐっ、か、体が熱い!? こ、これはついに奴の封印が!?」
「ふふ……無理もないわ。私の瘴気に当てられて人が狂うのは仕方ないことよ」
「因果律の歪みを確認。異常事態。この男は危険。排除を要請する」
という中二病全開な物語。タイトルから想像したストーリーは、日常生活の中で、中二病を発症し、開き直っていくというものでしたが、日常生活ではなく、本当に戦う異能バトルでした…

主人公は、星美津奈瑠。中二病なんて…と思う元気な少女(リアル中二) でも彼女の手には異能が宿っていて… その異能のせいで、零式機関という秘密組織に参加することになります。そこには、中二病な異能者たちが集い、人々の妄想が生み出す「妄現体」と戦っていました。そこで重度の中二病ではあるものの、人はいい二人の仲間と出会い、どこか抜けた教官と共に青春を過ごしていきます。
異能バトルが中心になりますが、全体に明るい雰囲気。主人公が少々年齢に比して幼いような気がしますが、それくらいのほうが成長する余地があるのかもしれませんね。

この作品を面白くしているのは、奈瑠の左手。奈瑠の会話に絶妙のタイミングで割り込んできます。その台詞は【】で括られているのですが、その内容がなんというか…触れてはいけない乙女の秘密だったり、真っ黒な本音だったり…

中二病な台詞が少々つらいのですが、登場人物それぞれにバックボーンがあり、決して単なる妄想でないところがいいですね。

★★★☆
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2015年11月09日

彼女は遺伝子組み換え系


著者:嵯峨伊緒
出版社:電撃文庫
彼女は遺伝子組み換え系

主人公は、普通の高校生・命川景。日常的にテロの脅威にさらされる新東京都で、彼はテロリストの少女に自宅を占拠されてしまいます。少女はムーンチャイルドと呼ばれる人間兵器の生き残り…彼女たちムーンチャイルドは、遺伝子組み替えにより人間兵器に仕立てられた存在。景の父親もその研究者であったため、ムーンチャイルドに対して思うところがあり…
ということで、ここだけ読むと凄惨なお話になりそうですが、少女は美少女。イラストを信じるなら、金髪ロリ美少女。しかも「死んでください。この屑」 まあ最恐のツンデレ美少女ということで、そういうお話になっております。異能バトルとラブコメがバランスよく配置されている作品です。主人公も「普通の高校生」などではなく、ストーリーの根幹に関わる過去を持っているなど、話の奥行きもあります。でもストーリー展開が速すぎてついて行けないところが多々。さらにいうと「死ね死ね」言い過ぎな登場人物が、雰囲気を悪くしていますね。口の悪さもって、彼女たちの陰湿な過去を表現しようとしているのかも知れませんが、あまり成功していないようです。

これは、最近の作者さんの特徴なのかも知れませんが、視点の変更が激しいですね。舞台や文学作品(という言い方がいいかは別にして)など、全編を通して一つの視点という芸術にあまり触れず、TVやゲーム視点だからなのかなあ。複数の登場人物の視点から物語を描くことは、悪くないのですが、細切れにされてしまっており「今どうなっているのか?」がわかりにくくなっています。このあたりは、好みもあるので、強く言えないのですが、もったいないなと。

★★
タグ:異能 ★★
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2015年11月05日

魔王なあの娘と村人A(10)〜Go West! 魔王さまさま!!


著者:ゆうきりん
出版社:電撃文庫
魔王なあの娘と村人A(10)〜Go West! 魔王さまさま!!

今回は、修学旅行が舞台。それも個性者と一緒に…行き先は『TUP』――テイル・ユニバース・パーク。名前のごとく個性者が個性を発揮することが出来るテーマパーク。(本来は、一般人にテイル・。ユニバースを体験してもらうための施設だったようですが、いつの間にか個性者向けになってしまったようで)そのため個性者は浮き足だっており、不安しか残らない…そんな中、魔王・竜ヶ峯桜子だけがおとなしいのが余計不安を煽る… ということで、普通ならいろいろ楽しいイベントのありそうな修学旅行が舞台となっております。

現実に当てはめても仕方ないですが、修学旅行の行き先は京都のようですね。でTUPはUSJに相当するようです。往路のリニアでは佐東がどこに座るかで一悶着あったり、実はリア充な佐東くんです。でも、友人は一足先に大人の階段を上ったようで、しかもお相手も同級生ということで、穏やかではない様子。佐東がもてるのは、個性者ばかりなので、恋愛に発展させるのは難しそう。って、魔王・桜子は攻めれば、陥落しそうなんですけどね。
そんなラブコメとは別に、個性者どうしの諍いとして、西の魔王・春日一汰が登場します。その彼が桜子に目をつけて、全面対決に巻き込まれます。一般人巻き込んだらだめだったのでは? というか、佐東はすでに村人Aという「個性者」なのではないか? と思えるようになってきました。だから、個性者に認識されやすいのではないでしょうか?

結構長く続いている本シリーズ。次巻がラストとなるようです。このシリーズのメインテーマがいまだ理解できていないのですが、最終巻ではどのように決着がつけられるのでしょう? 案外、佐東が個性者として認められ、桜子とゴールインするとか…

★★☆
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2015年10月26日

聖剣士VSブラック企業


著者:弘前龍
出版社:電撃文庫
聖剣士VSブラック企業 〜ラノベ作家、社畜エルフを救う!?〜

内輪ネタ作品ですね。現代日本をエルフの国「ヤーパン」に置きかえ、ファンタジー色を持たせて、ブラック企業を断罪していくというお話。主人公は、表向きは人気ラノベ作家、裏では聖剣を用いて、ブラック企業を断罪する聖剣士。いくつかのブラック業界がネタになっています。

最初は、高級羽毛布団の訪問販売会社。そこで働いているエルフがヒロインになっています。そこでは、成績が上げられないと、朝礼で上司よりお仕置き(魔法によって殺される)が、ふらふらになって帰社すると(23時頃)翌日までに資料を作成しておけという上司からの伝言が……ま、現実にもありそうで、なさそうな企業が舞台です。で、主人公が社長を断罪(剣でぶった切る)という流れ。以降ラノベ編集部での新人賞下読み、牛丼ならぬミノ丼チェーンでのワンオペ、トラック業界などが舞台となり、主人公がぶった切っていくというパターン化された流れになっています。確かにどこも典型的なブラック企業ということになっていますが、どうも一方的な見方をしているような気もします。

現実世界ではなく、ヤーパンを舞台としているのは、関係者への配慮もあるのでしょうが、殺す→生き返る→心だけが浄化されるという流れを正当化するという目的のほうが強そうです。

パターン化されてしまっていること。ブラック企業だらけという世界観が成り立たないのでは? という疑問が残ること。ラノベ編集部の事例だけ上司の描写が長いこと。いろいろ考えていくと、出来のよくない「内輪ネタ」ですね。続きがあるのかも知れませんが、もういいや。

タグ:
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2015年10月21日

たとえばラブとカミサマーデイズ。


著者:ハセガワケイスケ
出版社:電撃文庫
たとえばラブとカミサマーデイズ。

主人公は、2人。視点がランダムに2人の間をいったりきたりするので、非常に読むづらい作品です。十年前に突然いなくなった幼なじみ・統原小春子。そのコハルコがある日突然「神様」になって帰ってきた。そんな突拍子もない話です。
主人公のうち、一人はコハルコにくっついて回っていた少年。もう一人はコハルコの妹となっています。本来であれば、当然二人も幼なじみなのですが、なぜかその時代の記憶が曖昧な少年のせいで、関係性は薄かったようです。

で、カミサマとして現れたコハルコとともに、世界を壊すという話なんですが、もうなにがいいたいのかさっぱり分かりません。さらにネットで話題になったようですが「いう」を「ゆう」と表記しているのもすごく気になります。

ごめんなさい。感想かけないや。こういうの「ポップ」っていうのかな? とりあえず私にはまったく理解できませんでした。

ちなみに、公式あらすじ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
カノジョは、『神さま』になって帰ってきた。
初恋をしてた、あの時の姿のままで。

キミとオレのワールドエンド。
これはつまりそういう話だ。
十年前、流れ星と共に消えたカノジョは、オレの前に『神さま』になって帰ってきた。どんな願いも叶えてくれる、とびっきりの美少女として。オレの退屈で怠惰なスクールライフが、神さま少女・統原小春子の手でポップに彩られていく。早すぎる夏の初雪、映研での想い出づくり、二人きりの天体観測――。
そして再びの『流れ星』。そこでオレは、カノジョの『真実』に気づく。キミとオレのワールドエンド。これはつまり、そういう話だ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

どういう話か理解できないでしょ?

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2015年09月24日

ロウきゅーぶ!(15)


著者:蒼山サグ
出版社:電撃文庫
ロウきゅーぶ!(15)

ついに「ロウきゅーぶ!」も最終巻となりました。長かったなあ。初めは「スポ根もの」を隠れ蓑にしていましたが、少しずつ作者の性癖(なのか?)が暴露されていったシリーズ。「うどんは小学生に限る」など、どうしようもない台詞も出てきて…

今回季節は2月。卒業まで間がない時期にとある出会い(うどん屋さんだ)がきっかけで、全国大会出場チームと合同合宿を行うために、香川県を訪れる慧心女バス6年生と昴(に引率者である美星)。葵は5年生チームのコーチのため不参加。この時点で葵が可愛そうになることが決定。

往路の空港から、昴は「おまわりさん、この人…」と言いたくなる状況。飛行機に乗ったら、初体験で不安いっぱいの智花に抱きつかれ、偶然とは言え昴の手は智花のスカートの中の付け根あたりに… アテンダントに見られたら「人生終了」ですな。

香川県のチームには、2トップがいて、この二人が小学生とは思えないくらいおませ。しかも昴を気に入ったようで(イラスト結局なかったんですが、かなりイケメンなんでしょうね)女バスメンバーは気が気でない。
「トモ、あの二人、気をつけた方が…」
「もう不安でヘンになっちゃいそうで」
「おー。おにーちゃんは、あげられぬ」
などなど……

今回、最初の試合でツートップ灯と佑奈の二人にファウル誘発戦法で萎縮させられ、その情けなさに灯と佑奈はバスケに打ち込めないようで…でも昴には興味があるということで「勝ったほうが昴とデートする」という条件で再試合が決定。
昴は、どのようにしたら彼女たちに勝てるか思考の迷宮に入り込みます。そんな時、相手監督から「気分転換にうどんを打ってみたら?」と言われ、それが「相手監督からの助言」と受取り、思考がさらに暴走。うどん打ちに打ち込むのではなく、なぜかひなたに踏まれてみたり…それも腰や肩ではなく顔を…さらに素足で…タイツを履いていたひなたは、タイツを脱ぐときにお約束通りぱんつも脱いでしまっており…そのシーンを美星に目撃され、お仕置きなど…

通常運転の昴はおいといて、後半は再戦シーンが続きます。小学生の試合とは思えない、スクープショットとダンクの応酬など。でもラストはロウきゅーぶらしく、あの娘が決めます。

智花たち(ついでに葵)の昴に対する好意は、小学生らしいもの。少しずつ「憧れのお兄さん」から別の「なにか」に変わりつつあるものでした。(なんとなくひなたは、分かってやっているような気がしないでもないですけどね)一方灯と佑奈は肉食系。薬局に買い物(何買ったんだろう?)とかなり危ない(主に昴の貞操が)娘でしたね。

ラストは、2月14日のお話。例によって葵がかわいそうです。なぜか宅配便で届いた葵からのチョコ。葵からチョコをもらえなかったことを若干気にしていた昴だったので、ここまでは葵の作戦勝ち(どうも作戦ではなかったようですが)だったのですが、伝票に「○義理チョコ」と書いてから、○を塗りつぶしたのは残念。一応昴も「不義理チョコ」と正解しているのですが、そこから追求してもらえなかった…まあ昴にそれを求めるのは無理だな…「不義理」=「本命」と脳内変換するのは……

今は、高校生と小学生ということで、表だって付き合うのが難しい昴と智花。でも数年経ったら問題にならない年齢差。このままだと葵は当て馬で終わってしまいそうですね。頑張れ同級生。

★★★★☆
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2015年09月15日

女勇者が俺のクラスでぼっちになってる


著者:門倉敬介
出版社:富士見ファンタジア文庫
女勇者が俺のクラスでぼっちになってる

主人公は、下上勇気。別世界から転生してきて5年。元世界では「村人」だった。現代からファンタジー世界へ転生するのではなく、ファンタジー世界から現世へ転生するというパターンですね。ヒロインはリーン。彼女も転生してきたのですが、クラスでの自己紹介時に『私は勇者リーン!魔王を追ってこの世界にやって来たの!(クスクス)奴らの情報を…(うわー、何あれコスプレ?)」弁当は「やくそう」趣味は「探索」』とやって、入学早々クラスから浮きまくり…というあらすじになっているのですが、本当に浮いていたんだろうか? そういう描写はまったくなく、どちらかというとクラスに受け入れられていたような気がする。現世に馴染めないリーンは、同じ世界出身の勇気に「現代の攻略法を伝授して」と泣きつかれます。しかしながら、勇気も対人スキル(特に異性)はたいしたことがないようで、アニメやゲームを使って対人スキルをつけようとします。さらには、魔術師や錬金術師、さらには女騎士まで現れ、転生組で「現世に馴染む」ことを目的にした部活動を始めるというストーリーです。当然勇気以外は美少女で、しっかりハーレムしています。

いろいろ設定が生かし切れていないところがどうも…「クラスでぼっち」というのも違うようだし、元世界でのジョブ設定も生かし切れていないですね。「なぜ転生してきたのか?」「なぜこの高校に集まってきているのか?」といった部分に納得できる理由がないため、ご都合主義な作品になってしまっています。

でもリーンたちヒロインズはしっかり描かれていますし、異世界転生という部分を抜いてしまえば、面白いラブコメになっています。ヒロインズが自分の気持ちに素直になっていけば、さらに面白くなりそうです。この部分を中心に話が進んでもいいんじゃないかなあ。

今回は導入部分で、このあと話が展開していくというのを期待してみましょう。

★★
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2015年09月03日

魔界貴族のなつやすみ


著者:哀川譲
出版社:電撃文庫
魔界貴族のなつやすみ

「朝からゲームして、虫を採ったり、釣りをしたり。ただ、ひたすら夏休みです。」
主人公は、魔界貴族のアンセム。アンセムは、悪魔のわりに、価値観が人間とほぼ同じという不思議な人物。魔王からの手紙で休暇をもらい、唯一の領民であるフェンネルと共に日本の田舎に遊びに来て、バス停でフェンネルと言い争いをしている時、偶然花梨という少女と出会います。花梨はかわいいけれど彼氏いない歴=年齢で、夏休みも特に予定がないという少女。そんな彼女は、人に言えない子供の頃の秘密があり……基本的に面倒見のいい花梨の計らいによって、花梨家に滞在することになり、そこで知り合った小学生'sとめいっぱい夏休みを楽しみます。

ということで、悪魔が田舎のバカンスを楽しみ、かつ恋をするという物語です。地主神やカッパ、烏天狗といった妖怪たちも登場する「非現実」な物語のはずなんですが、アンセムたち人外の行動が、あまりにも人間くさく、田舎のごく日常を描いているかのように錯覚してしまいます。アンセムは2200歳ということですが、見た目は大学生くらい。ムダに魔力を使って、遊び倒す姿はすがすがしいですね。

花梨との恋の行方も、古き良き時代の恋愛といった感じで微笑ましいものです。もっとも、花梨とアンセムは大きく寿命が違うため、これから大変なことも多いでしょうけどね。でも二人だったら乗り越えていきそう。

読後感が爽やかな物語でした。

★★★★
タグ:ラブコメ
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2015年09月02日

魔界に召喚れて家庭教師!?(3)


著者:鷲宮だいじん
出版社:電撃文庫
魔界に召喚れて家庭教師!?(3) 〜お姫様と、ゴールイン!!〜

魔界の破産という危機を乗り越えたユージンたち。人間界で法皇陛下が即位するということで、魔界代表でお祝いに人間界へ乗り込みます。ところが、謎の策略にハメられ、亡国の危機に襲われることになってしまいます。というか、危機が多い世界ですねえ。

策略を回避する手段は、国家の威信をかけた大運動会…平和なのか、争いが絶えないのか…当然のように、魔界代表選手は、お姫様たち。なぜかブルマを穿いて運動会開催。ってこの世界の知識はどうなっているんでしょうね? さらに、ユージンも強制的に参加させられることになり、勇者・ザ・ブートキャンプで強化。即席勇者になることは出来るのか?

運動会の種目は、リレーや借り物競走、さらには水泳メドレーリレーといったものですが、そこは魔界と人間界の代理戦争。妨害に関するルールが無茶苦茶甘くなっています。というか、すでに元競技ルールが存在する意味がない状況になっています。このあたり、少々やり過ぎですね。ルール無用になっているので、運動会という設定をした意味がなくなっています。もう少し、ルールを厳しくしておかないと、盛り上がれません。

今回、最終巻となっています。ラストに無理矢理後日譚的なエピソードをぶちこんで、終わらせているという形。どうもこのような終わり方はすっきりしないですね。残念でした。
★★☆
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2015年08月19日

マンガの神様(2)


著者:蘇之一行
出版社:電撃文庫
マンガの神様(2)

左右田伊織は、西の天才高校生漫画家・高良翔太郎とのマンガ対決を編集長より持ちかけられます。指定ジャンルは「恋愛マンガ」 翔太郎は恋愛マンガが得意らしく、楪葉もその実力を認める存在とのこと。それでも負ける訳にはいかない伊織がとった行動とは?

今回も伊織の妹・日芽がいい味だしています。翔太郎がWeb連載している恋愛マンガの虜になり、まるで廃人のようになったり…中学一年とは思えないおバカ加減がいいですね。後書きによると、次回以降きちんとフォローされるそうなので、楽しみではあります。

今回恋愛マンガを書くために伊織がとった方法は、まずデートをすること。今までデートどころか、異性を誘ったことがないため、とりあえず日芽を誘おうとしますが、上記のように廃人になっており、挫折。ってか妹誘ってもデートにならんだろ。次に幼なじみを誘おうとしますが、言い出せずに挫折。最後に楪葉をデートに誘うことに成功。初々しいデートを実行するのですが、そこは「マンガの神様」に憑かれている楪葉。いろいろハプニングが起こります。

さらに、編集長の紹介で、ベテラン少女漫画家・糸屑ほたるのアシスタントも経験します。彼女は、独特の制作方法をとっており、アシスタントの仕事は、彼女の「妄想」を高めること。なので、翔太郎とツイスターをさせられたり、いろいろ怪しい関係に…そんな彼女が伊織に告げた方法は「恋愛をしないこと」でした。「できない」のではなく「しない」 異性と触れあわないことにより、異性を想う気持ちを高め、それを妄想に昇華させる。それを作品に転化させると…今まで、リアリティを重視してきた伊織でしたが、その意見に納得出来る部分があり、楪葉たちを避けるようになります。もちろん、その行動により楪葉たちは、大きく傷つくことになり、マンガに捧げることにより大切な友人をなくしそうになります。悩む伊織に、ほたるは「何のためにマンガを書いているのか?」と問いかけます。

前巻では「読者の目」をまったく意識していない作品になっていましたが、今回は大きく方向転換されていました。創作論も語られますが、それよりも「いかに楽しませたいのか」が主眼になっており、ラブコメとしての完成度が大幅に上がってきています。

主人公が挫折を経験することで、大きく成長してきたようです。今後が楽しみな作品になってきました。

★★★
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いでおろーぐ!(2)


著者:椎田十三
出版社:電撃文庫
いでおろーぐ!(2)

ラブコメにシフトし損ねていました。ということで、さらに面白さが欠落していますね。このシリーズは、ここでさようならです。

前回バレンタイン粉砕闘争に敗北した、反恋愛主義青年同盟部。活動拠点も取り上げられてしまいます。そのため一計を案じて、休眠状態にある風紀委員会を乗っ取り、その活動のためと称して、フラワーアレンジメント部の部室を取り返します。そこを使い、まずは「恋愛」を認め、応援する風紀委員を演じ、さらにそれを否定する反恋愛主義青年同盟部としてのビラを作成する。マッチポンプな活動を始めます。それなりにうまく行っているように見えますが、結局はというお話。

領家と高砂は、まわりには完全にカップルとして見られているようで、生徒会長も二人はそういう関係と完全誤解。部室の鍵を厳重なものに替え、さらに防音仕様に改築します。まあ完全に「そういうこと」に使うという前提ですね。

前巻同様、謎の幼女が登場し、若干露出が増えておりますが、いまだよくわからない存在のまま。無理矢理活動家のプロバカンダ的文言を入れたり、ラブコメといったりきたりさせたりするため、結果として「よくわからない」作品に成り下がっています。もう少し面白い方向へ舵取りされるかと期待して2巻読みましたが、もうついて行けません。次巻を購入することはないでしょう。

タグ: 地雷
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2015年07月16日

魔界に召喚れて家庭教師!?(2)


著者:鷲宮だいじん
出版社:電撃文庫
魔界に召喚れて家庭教師!?(2) 〜姫様、幕が上がります〜

前回、魔界王女様の人間界でのデビュタントを成功させた、家庭教師・ユージン。今度は、危機に陥った魔界の財政を救え!というお話。

人間界との争いに敗れ、借金まみれの魔界。起死回生の切り札として提案された「観光立国」作戦。魔界の存亡をかけたおもてなしを成功へ導くため、魔界の姫様と家庭教師が頑張る第二巻。

すでに家庭教師という設定が、どうでもよくなっていますね。元々外交を専門としていたユージンとはいえ、魔界全体の財政危機を救うのは大変。魔界のほうが優れているものを見つけようとするものの、なかなか見つからない。そんな中「観光」ならばお客を呼べるのではないかと判断。準備を始めます。しかし、魔界って人材不足なんですかねえ。国家の大事業になるはずの企画。それを立てるのは、魔王やお姫様たち。普通こういったプランって、官僚たちが立てるはずですよね。しかし魔界では、王室自らがプランをたて、それを実行するのも王室。すでに国家というより、個人経営の会社のようでもあります。

魔界と人間界の文化の差もあり、どのようにおもてなしをすればいいか試行錯誤している頃、人間界の王様が、デビュタントの時のお礼を兼ねて、魔界を訪問することに。スケジュールがさらにタイトになり、慌てるユージン。人間界と迎合することを嫌う一派が、暗殺計画を立てているという情報を入手し、さらに混乱が大きくなります。

今回は、魔界で国賓を守りながら、おもてなしをするというのがメインエピソード。前回同様、サフィールがメインヒロインですが、他のお姫様もそれぞれに活躍の場が与えられています。さらに勇者様も、再び登場します。

ラブコメパートは、サフィールがいろいろやらかしてくれます。他のお姫様も表だって足を引っ張ることがなくなったので、面白くなりましたね。少しずつ面白くなっていくのかなあ。

★★☆
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2015年07月01日

魔界に召喚れて家庭教師!?


著者:鷲宮だいじん
出版社:電撃文庫
魔界に召喚れて家庭教師!? 〜派遣先は魔王宮〜

なんか以前に読んだ記憶があるんだけど、ブログに記録がなかったので初読だったのかなあ?
それはさておき、主人公はユージン。人間界で、勇者が設立した孤児院で育てられた勇者のお気に入り。そんな彼がいきなり魔界に召喚されます。そこで待っていたのは、魔王の娘さんの家庭教師という仕事。勇者から押しつけられたお仕事でした。魔王の娘は、6人娘で、みんな美少女(美幼女)なんですが…家庭教師の目的は、魔界の存亡をかけ、第三王女・サフィールを人間界の舞踏会で、デビュタントに成功させること。それもわずか二週間で! ところが魔界と人間界ではマナーに関する考え方が全く違う(東洋と西洋の違いのようなもの) さらに、お姫様たちはサフィールが蜘蛛娘。それ以外も吸血鬼だとかドラゴンだとか、人間の常識とは離れた存在。そのため、さらに混乱が発生します。

前半は、デビュタントへ向けた特訓がメインとなっており、古い映画「マイフェアレディ」のような展開です。そこに、サフィールをメインヒロインとした、ラブコメが挟まり、面白い展開になっています。ただ姉妹の足の引っ張り方が少々陰湿なのが残念かな?

後半は、人間界と魔界の確執を描いた陰謀が中心。ある意味テンプレな展開で盛り上がりに欠けているような気がします。特に、6姉妹全員を登場させようとするあまり、ストーリー展開が強引になっており、スピード感を殺してしまっています。

いっそ後半のデビュタントシーンをなくして、そこに至るドタバタを中心にしたほうが、おもしろかったかも。

★★
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2015年06月25日

いでおろーぐ!


著者:椎田十三
出版社:電撃文庫
いでおろーぐ!

主人公は、非リアの高校生・高砂。雪のクリスマスイブ、カップルだらけの渋谷で「恋愛を放棄せよ!すべての恋愛感情は幻想である!」と演説していた少女と出会います。普通なら「変なやつ」で終わるのですが、この少女が同じクラスの領家薫だということが判明。さらに、その思想に共鳴を受けることに……昼休みにきゃっきゃうふふと遊ぶリア充に屋上から「リア充爆発しろ!」と叫ぶことに。それを見ていた領家から「同志」として「反恋愛主義青年同盟部」に誘われることになります。ところが、彼女の活動家としての姿と、可愛い女の子であるという二面性に、どんどん惹かれていきます。活動のほうは、仲間も増えて「バレンタイン粉砕闘争」の工作を着々と進めていきます。

ということで、非リア充の生活を描くと偽装したリア充たちの物語になっています。領家の思想は、世界を破滅に招くものだと主張する「謎の幼女」も登場しますが、1巻の中では、ほんとんど目立った活動はしていません、次回以降に重要な役が回ってくるのかな?
同盟の活動は、革マル派などの活動をベースとしているようで、そういった用語も出てきます。しかしながら、高砂はかなり早い段階で、領家を「異性」として意識しており、活動の下見という名目でデートに誘い出しますし、領家も恥じらいながらデートに応じるという状態。なんだか「反恋愛」ということをダシにした、恋愛のようです。

次巻以降は、もう少しラブコメに軸をおいた作品に生まれ変わってくれると面白くなりそうです。

★★
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2015年05月19日

このラブリードールは俺の妹ですか?


著者:芦屋六月
出版社:電撃文庫
このラブリードールは俺の妹ですか?

ラブリードールとは、南極一号のことです。
っていうと、ストーリーがそのような方向に進むのかと思われそうですが、実際は映画制作が主体となったラブコメです。

主人公は、日々魅力的に成長していく妹への劣情が抑えきれなくなってきた引きこもりの恋木杳一郎。両親が離婚し、兄と二人暮らしを始めた杳一郎ですが、兄がどこかへ出て行ったきり。そのうち、妹のみさらが遊びに来るようになり、気がつけば…ってやつです。ちなみにみさらは、美少女のようですがぼっちのゲーム好き。っていうか、兄さんがほっておけないのでしょうね。なんせ
『このまま兄さんが態度を改めないのなら、私、リア充になっちゃいますよ? うぇ〜いとか言いながら毎日カラオケやボウリングに行って、その様子をネットのSNSにアップしちゃいますよ? 【イイネ!】いっぱいもらっちゃいますよ? いいんですか? 兄さんは耐えられるんですか!?』
という脅しをするくらいですから…

ある日杳一郎が、兄と間違われ、映画制作会社に拉致されます。兄が逃げ出してしまったため、連れ戻そうとしたようなんですが、代表者で監督である乙黒に脚本の才能を見いだされ、気がつけば乙黒組で映画制作を手伝うことに。その結果として、みさらと遊ぶ時間が減り、上の脅しをされるのですが…

脚本は、杳一郎の「妄想日記」がベース。妹に対して現実では出来ないことを書き綴ったノート。さすがにそのまま映画化すると、いろいろ終わってしまうため、それ以上に面白いことを考えろと指示され、なぜかラブリードールと暮らす男を主人公にすることに…

仮本でラブリードールの名前を「ミサラ」にしていたのが、そのまま本になってしまったり、人形師に作ってもらったラブリードールがみさらそっくりだったり…

乙黒組のメンバーもハゲのおかま、ネットアイドル、合法ロリ、二次元しか愛せないカメラマンなど、くせ者そろい。そこに、お嬢様ヒロインも登場し、ラブコメが繰り広げられます。

映画をテーマとしたラノベは「花x華」などがありますが、それに比べると映画制作のノウハウは、あまり出てきません。それよりもラブコメのほうが面白い作品ですね。

かなり出オチ感の強い作品なので、続編は期待できそうにありません。でも、このメンバーの別の物語を見てみたい気もしますね。

★★★★
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2015年04月22日

マンガの神様


著者:蘇之一行
出版社:電撃文庫
マンガの神様

主人公は、自称天才男子高校生漫画家・左右田伊織。ある日学校の廊下で、美少女・譲葉とぶつかります。縞ぱんを見せて倒れた彼女は、実は憧れの人気漫画家。マンガのようなトラブルを巻き起こす「マンガの神様」に憑かれているといいます。確かにマンガみたいな美少女だし、彼女と出会ってから人生初のスランプに陥るし、転校生が初恋の女の子だし…… でもそんなこと認めない!

というマンガを主題にしたお話になっています。第21回電撃小説大賞「銀賞」受賞作品ということですが、正直出来は悪いですね。マンガの創作論を主人公たちに熱く語らせていますが、それがおかしい点が多いのはおいておくとして、自作にはまったく生かされていない。読者の目がまったく意識されていない自己中心な作品になっているんですよね。このあたりは、まだ実力不足なのか?

さらに、作品内作品になるマンガの説明ができておらず「面白い作品」というのが、伝わってきません。登場人物の台詞で、内容を想像させる手法があると思うのですが、それが出来ていないんですね。だからなにがなんだか。特に妹のリアクションが変。あまりにも極端すぎて「本当は面白くないのでは?」と思ってしまいます。

確かに「短編は描けるけど、連載はだめ」という漫画家もいると思います。でも妹があれだけの反応をするような漫画を描ける人なら、連載だってそれなりのものを描けるはず。逆にいえば、まったく連載が出来ない作家なら、短編もかけない。さらにいうと、連載の場合、少々説明不足があっても、フォローできるけど、短編はそれが出来ないから、短編のほうが難しい場合もあるんですけどねえ。

結局、作者の「独りよがり」な創作論に終始しており、キャラが独り立ちしていないんです。「マンガの神様」という非現実的な存在が機械的に作り出した「お約束」を淡々と演じているだけ。だから、主人公がらっきーすけべを享受した時も、機械的にお約束をこなしているだけにしか見えません。

まあ一番の問題は、主人公がうぜえということでしょうね。自分で自分を「天才」という人間にろくな奴はいません。

タグ: マンガ神
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2015年04月17日

続・我が家のダンジョン 学校のダンジョン


著者:天羽伊吹清
出版社:電撃文庫
続・我が家のダンジョン 学校のダンジョン

名前の通り「我が家のダンジョン」の2巻。前回は、主人公の兄妹以外の人間が登場しませんでしたが、今回は学校が舞台ということで、登場人物が増加しています。

今回は、学校が謎のゴーレムと化してしまい、大混乱に陥ります。それを日暮坂兄妹だけでなく、慧慈が昔一緒に冒険した仲間たちや、冒険者嫌いの美少女・湖城杏梨子、さらにはモンスター娘たちも巻き込んで、解決していくというのがストーリー。

慧慈が残念イケ面であることは変わりありませんが、前回のように所構わず「脱ぐ」というシーンがなくなっています。まあ男の脱衣シーンなんて、誰も得しないし、いいんですけどね。その分、女性キャラがよく脱がされております。同級生や風紀委員長などが、敵モンスターの攻撃によって「服だけ」溶かされたり、触手にこんなところや、あんなところをまさぐられ、昇天されています。ってこの頃、こういうシーンが多いですね。ちなみに、男子生徒も同じ目に遭っております。

相変わらず、得藻の突っ込みは激しいですし、すぐにぱんつ見せていますし、どたばたしています。そういったノリが、この作品のいいところなんですが、少々能力のインフレが起こりだしています。これが進むと、バトルシーンが面白くなくなるので、今のままで、ドタバタコメディしていて欲しいですね。

★★☆
タグ:異能 ★★☆
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天使の3P!x5


著者:蒼山サグ
出版社:電撃文庫
天使の3P!x5

前巻、つい漏らしてしまった本音
「あたしにもまだチャンスあるかな・・・・・・」
その言葉以降、ギクシャクしてしまった響と桜花。経験値の少ない響(と桜花)は、解決方法が見いだせないまま、悪い方向へ進んで行きます。そんな中、学園祭のクラス展示の担当(他にいなかった)を引き受けてしまう響。さらに、キッズバンドのコンテスト参加、学園祭での演劇部の音楽と、桜花に対する喪失感からか、どんどん仕事を増やしていきます。本当は、そんな響を助けたいのに、素直になれない桜花。そんな関係を希美は、敏感に感じ取っており…・・

ということで、今回は響と桜花のおこちゃまなラブロマンスとなっています。小学生ずの中で、希美だけは二人の間に流れる空気から「何があったか」を敏感に察知したようで、「二人でデートに行く」という以前の約束を持ち出し、響を連れ出します。桜花がなぜ響を避けるのか? を明確に指摘する希美。それでも自分に自信の持てない響に対して、希美は、後ろから抱きつき「少なくとも1人以上は特別に想ってる人がいる」ということを、響に伝えます。自分もおこちゃまなんだ。でなければ、好きな人を応援できるはずがないと、自らの想いも把握した上で、オトナな対応。一番精神年齢高いのかもしれませんね。

作者さんが好きなアーティスト色が出すぎているため、ちょっと残念なところもありますが…(いや、特定アーティストを神格化しすぎているため、普通のことまで「すごい!」とされているもので)

次回は、バンドバトルがメインになるようですね。どんどんヤンデレになりつつある妹も含めて、小学生ずの中で、響はどのように成長していくのでしょう?

★★★★
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2015年04月13日

城姫クエスト(2) 僕と銀杏の心の旅


著者:五十嵐雄策
出版社:電撃文庫
城姫クエスト(2) 僕と銀杏の心の旅

タイトルからは、なんか音楽が聞こえてきそうですが…
今回も、新しい城姫が加わっております。なんか城姫が追加される過程が、どんどん短くなってきているんですけどね。

今回は、水着回と修学旅行。水着回では、黒姫化した城姫に襲われ、あっさり勝利。その過程で、名古屋城・清洲城も「癒やしの開城」をして、秋宗の持ち城がどんどん増加しています。
修学旅行会でも、新たな城姫が登場していますし(こちらは開城していないな)熊本城の過去(というか未来)とも出会っています。

今回も、史実を考えると、腹がたつシーンは、一杯あります。パラレルワールドという逃げで、時間軸を無茶苦茶にしているので、余計そう思うのでしょうね。でも、そういった見方をすてて、ラブコメとして楽しむと面白いかも。

ハーレム展開のようで、メインヒロインが確定しているので、サブヒロインたちの見せ場をどのように作るのか? それによって今後の展開が決まりそうですね。

★★☆
posted by あにあむ at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫