2009年01月06日

迷い猫オーバーラン! 拾ってなんていってないんだからね!!


著者:松智洋
出版社:集英社スーパーダッシュ文庫
迷い猫オーバーラン! 拾ってなんていってないんだからね!!

主人公である都築巧を中心として起こる様々な青春模様を描いた作品。というと普通の小説みたいですが、そこはそれライトノベル系レーベルが発行する作品だけあって、一筋縄ではいかない設定や、登場人物たちが繰り広げる騒動と言い換えたほうが正しい認識でしょう。
基本的には「日常」を描いた作品なので、暗躍する秘密結社だとか、巨大ロボット、超能力を屈指して悪と戦う主人公は出てきません。ちょっとデフォルメされて「そんな奴いるか!」といいたくなる登場人物はいますが、特殊な能力を持った人物はいません。また日常を描いていることもあり、登場人物も少なめ。レギュラークラスとしては、主人公の姉でつぶれかけの洋菓子店のパティシエール(腕は微妙)である都築乙女、巧の幼なじみの芹沢文乃、乙女に拾われた霧谷希、ヲタク少年 菊池家康、柔術家の子孫 幸谷大吾郎。それに「なぜおまえだけ?」といいたくなる設定(学園理事長の孫娘で、自家用ヘリまで自由に使えるわがまま娘)の梅ノ森千世のみ。彼らが「家族」「友人」という繋がりの中で、過ごす姿を描いています。

軽いタッチで描かれているため、読後感は悪くありません。でも主人公と希以外のキャラが消化出来ておらず、もどかしさを覚えます。
まずは、巧の姉である乙女。人助けが趣味で、なぜか世界紛争まで止めようとする(そのため度々家を空ける)というよく分からない設定が生かされておらず、ただ単に「家をよく空ける責任感のないオーナー」にしか見えません。
次にヒロインのはずの文乃。「ツンデレ」キャラにしたかったのでしょうが、単なるへそ曲がりにしか見えない。巧に対する「想い」もよく見えない。
千世は、さらに存在価値がよく分からない。「学園理事長の孫でわがまま、でも巧が気になる」という設定だと思われますが、狂言回しにもなれず「別にいなくてもよかったのでは?」という程度の存在です(ツンデレのようですが、これも文乃とかぶってしまう)
男性陣も存在感がない。特に大吾郎は「不要」キャラだったような...

全体的にキャラの描き込みが甘いので、こういった印象を受けるのでしょう。もしかしたら続刊が出ることを前提にしているのかな? 今後徐々にキャラ立てしていくつもりとか...そうだとしても、1巻ではもう少しキャラ立てしておかないと、続刊の読者がついてこないんじゃないかなあ。週刊連載ならいいけど、まがりなりにも文庫なんだし、あまり印象薄いと続刊が出る頃には忘れてしまっているかも...

※ってすでに続刊出ていますね(^^;

★★
posted by あにあむ at 16:01| Comment(0) | TrackBack(1) | ダッシュエックス文庫
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