2018年08月20日

おいなりさんは恋をする。


著者:相原慶
出版社:講談社ラノベ文庫
おいなりさんは恋をする。

講談社ラノベ文庫新人賞《優秀賞》受賞作品とのこと。
普通の高校生(ってなんだって気もしますが)である神上愛のもとに突然現れた、黄金色の髪の少女。彼女は、愛が幼い頃に助けた子狐が人間の姿をとったものらしい。このあたりは、日本昔話でよくあるパターンですね。古典中の古典。王道ど真ん中な話です。昔話では、悲しい結末になることが多いのですが、さて?

この少女の名前は「いなり」おいなりさんの使いだからいなり…安直です。愛も子狐にもう一度会いたい一心で、毎朝お稲荷さんにおいなりをお供えしていたという変わり者。そのおいなりが最近、きれいになくなっている日が多くなったので、もしやと思っていたところにいなりが現れたことになります。いなりは、もともと神使なので、人間界の常識がまだ理解できていません。勉強のほうも小学生入学レベルで停まっている模様。もともと裸(そりゃ狐だから)で生活していたから服もあまり好きでない。普段は尻尾とけもみみを隠しているが、結構疲れる。と王道設定が続いています。知識がないだけに、純情でまっすぐないなりなんですが…

愛は、ブラコンを拗らせた姉の陰謀(独り占めしたい)により、おいなりさん(男の股間にあるほう)を握ってくれたことのある女性以外と話をすると、おいなりさんに激痛が走るという呪いをかけられます。その呪いを解くキーは二つ。一つはいなりを元の世界に帰すこと、もう一つは9人の女性においなりさんを握ってもらうこと。すでに2人(姉といなり)枠はうまっているので、あと7人ですね。

エロコメっぽい導入だったので、そういったシーンを多くして、7人に握ってもらうという展開だと思っていたのですが、後半はさらなる王道(人間と人外では「寿命」が違う)というテーマでした。

それなりに面白いのですが、いくつか残念な部分が。一つは、いなりちゃんの言動。常識がまだあまりないということなのに、なぜか愛の「おいなりさん」という言葉が前半に多い。そういう知識ないという描写なのに、なぜそこに? 二つ目は、姉の存在。ブラコンを拗らせているのはいいのですが、その超人的能力はどこから? さらになぜブラコンになったのか?も描写されていない。三つ目は、エロなのか、シリアスなのかラブコメなのか?が曖昧なこと。特にエロは、明確な意図がないと崩壊することが多い要素です。実際この作品も崩壊気味。

次巻も発行されるのであれば、もう少し方向性を明確にしてもらいたいですね。

★★
posted by あにあむ at 11:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 講談社ラノベ文庫
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