2018年04月12日

君のみそ汁の為なら、僕は億だって稼げるかもしれない


著者:えいちだ
出版社:電撃文庫
君のみそ汁の為なら、僕は億だって稼げるかもしれない

主人公は貧乏学生の翔。翔が通う金成学園では株式制度が導入され、生徒たちが自分で部費などを稼いでいる。「ホープ」は、学園内で流通する通貨であり、金額に相当する願いを叶えるという不思議な力がある。経済小説とファンタジーを足したような小説です。

翔が大好きな夢路さん・お味噌汁屋さんを経営に【16歳の誕生日を迎えたら結婚する】という願いが1億ホープでかけれらていることを知る。ホープでかけられた願いは、同額のホープで打ち消すことができる。タイムリミットまでの半年で、翔はなけなしの学費100万ホープを元手に、1億ホープを稼ぐことができるのか!

「君の味噌汁が飲みたい!」
というのが、全体のベースにあり、ラブコメとしてなかなか楽しい作りになっています。夢路さんの、微妙にズレた感性(半分分かっていて照れ隠しなのかと思ったら、どうもそれだけではなかった模様)とか、翔の一直線なところ。そしてそんな翔にかける友人の暑苦しさ。いいねえ。お金が絡んでいるので、純真ではないけれど、結局は夢路さんを巡る恋のさや当てってのもいいですね。友人の熟女趣味も突き抜けているし

ラノベの経済小説にしては、比較的経済活動に矛盾が少ないほうです(あくまでも少ないですけども) まあそこは、翔や登場人物の熱量で気にならないレベルにできるのですが、いかんせんツメが甘いところが多いんです。残念ながら、まだこれからの作者さんなのかなあ。翔への違和感が拭えないんです。これだけの経済知識を持っており、かつそれを実行するだけの行動力があるのに、なぜ食うに困るほどの貧乏に甘んじていたのか…財布を落としからとか理由付けがあったような気がするが、どうにも弱すぎる。またホープで願いが叶うという設定は、ファンタジーな要素を入れたかったんだろうけど、結局「金がある奴が正義」となってしまい、他の設定が意味なくなっている。だってたった1億ホープで、好きな人と結婚できるんでしょ、金があったら努力しなくなるよ。そりゃ。あと、学校の規模がよくわからん。いったい学生は何人いるんだ? チェーン店が150店舗とか、かなりの大都市(東京クラスか)だぞ。じゃあ、教師や職員はどれだけ? 工場労働者や農家は学生? そもそも授業はどうしているの? ホープの金銭対価も人が決めているようだけど、だとしたら忖度だらけになるのでは?もう設定穴だらけ。説明部分とストーリー部分の比率がおかしい。経済書じゃないんだから、もっとストーリー中心にしようよ。

確かに極貧の主人公のほうが、盛り上がるのは事実。でも、そうするんだったら、主人公が極貧である理由をかなりひねらないと違和感が残ったままになります。さらに茫洋とした主人公が、いきなり活躍するのは、違和感を通り越して嫌悪感すら覚えます。

いろいろこれからって感じでしたね。

★★
posted by あにあむ at 09:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫
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