2018年02月08日

魔王の娘を嫁に田舎暮らしを始めたが、幸せになってはダメらしい。


著者:手島史詞
出版社:GA文庫
魔王の娘を嫁に田舎暮らしを始めたが、幸せになってはダメらしい。

魔王軍の騎士・カズキが主人公。彼は出自が人間であるにもかかわらず、魔王に寵愛を受け、育てられ魔剣にも選ばれた魔王軍四天王の一柱・紅蓮の騎士として、調和軍(人間)たちに恐れられている。勇者と戦い、引き分けに終わったカズキは、魔王にその報告を行う。魔王はその件について叱責することもなく、娘・アストリッドのコミュ障を治すため、二人で田舎暮らしをするよう指示を出す。アストリッドは、魔王の娘であるにもかかわらず、非常に優しく、また他人と話すことができない重度のコミュ障で引きこもり。カズキとは、兄妹のように育ったので、彼には気を許している(というよりは、異性として恋している)ため、新婚夫婦(偽)として、生活するにはちょうどいい人材だった。が、魔王は「間違いがあったら、殺す」と…アストリッドの無自覚な誘惑に耐えることができるのか!

最近「魔王の娘は優しい」ってのが、流行っているのでしょうか? さらに言うと、魔王が親馬鹿ってのも…最初は「そうか、魔王たちにも家族がいるんだしな」と納得していましたが、これだけ増えてくると、正直飽きてきますね。パターンとして「人間こそ醜悪」という設定も多いですし。ついでに魔王の娘が、主人公に恋心を抱き、主人公も…ってのも常道です。

この作品も、中盤くらいまでは、まさしく上記鉄板をなぞるストーリーになっています。姫は無自覚に誘惑して、間違いを犯す寸前まで行く…そこにストッパーが登場! という流れもほぼ一緒。ストッパーはアイテムだったり、この作品のように、他の登場人物だったり。
そのため、中盤までは正直面白くないです。カズキの心の声(人間を見下した考え)もうっとうしいですし、さらに勇者もうざい。リア充爆発しろ!ってな方向で…

ところが、中盤以降は勇者とカズキの関係性の変化や、アストリッドの変化もあり、魔王が実は深い考えのもと、カズキを人間社会に送り込んだことが明かされ、おもしろくなってきています。ここの設定も陳腐といえばそれまでなんでしょうが、突然各キャラが生き生きと動き出し、物語に深みが出てきています。ついでにコミカルなシーンもバランスがとれていて、楽しい。

前半の冗長な流れを耐えることができたら、面白い物語が待っています。途中で諦めずに、最後まで読んでみるべき作品です。2巻も発行されるそうです。さらに面白くなっていることが、期待できます。

★★★
posted by あにあむ at 14:59| Comment(0) | TrackBack(0) | GA文庫
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