2017年02月07日

迷宮料理人ナギの冒険


著者:ゆうきりん
出版社:電撃文庫
迷宮料理人ナギの冒険 〜地下30階から生還するためのレシピ〜

「やってられるか!こんな毎日…!」
冒険者になりたいけれど、剣や魔法の才能はない料理人の息子・ナギ。実家の食堂の手伝いの日々に絶望した彼は、親に黙って旅に出ようとします。ところが、その瞬間突如として足元に開いた巨大な穴へと滑落。目覚めたのは、謎の地下大迷宮。街全体がダンジョンに崩れ落ちるという未曾有の事態に巻き込まれてしまったのです。一緒に落ちた父が若い時から大切にしていた移動炊具車(屋台)には、炎の精霊・エンヒが宿っており、彼の父親が、昔魔王を封印した英雄の一人だったと告げるのですが、彼はそれを受け入れることができず… とにもかくにも、迷宮から脱出しなくてはならないと、エンヒの記憶と勘に頼って歩きだした彼は、崩落を生き残った戦闘神官少女・リヴと出会います。彼女は「く、殺せ…」系な割には、スライディング土下座もするという、少々残念な性格。しかも崩落の際にメイスとめがねを落としており、あまり役に立ちそうもない。それでも冒険者であることは確かなので、一緒に出口を探すことになります。その後もなぜかヤギのような仮面をかぶった上半身裸の屈強な男・ヤァギなどに出会い、少しずつ真実に近づいていきます。

剣も魔法も使えないナギですが、彼には父からたたき込まれた料理の腕がありました。しかも「食べられるもの」が光って見えるという「メキキ」能力を持っており、移動炊具車で、エンヒの炎を用いて調理すると、おいしいだけでなく付加機能も得られるという、料理の魔法を持っていました。そういや和製RPGでは、料理に付加能力があることが多いですね。

どうやらナギの父親は、日本からの転生者だったようで、エンヒが覚えているレシピは、基本和食です。醤油などの調味料によって、魔法能力が付加されるという設定になっています。まあそれはいいんですが、異世界ということを強調したいがためか、和食→ワ・ショック、治部煮→ジブーニ、鍬焼き→クーワ焼き、ブルーベリー→ブルベリ、ヤギ→ヤァギなどと表記されています。でも、パンはパンだし、小麦粉もそのまま。全体に統一感がないです。中途半端に文字を弄るのなら、やらないほうが…よくある「語尾変形」と同じく、そこでリズムが途切れてしまうのが残念です。まあその言葉を知らない人が聞くと、変形してしまうことは多々ありますけどね。でもこの作品の場合、そこまでこだわっているという感じもうけないので、余計浮いているんだと思います。まったく知らない料理のはずなのに、エンヒのいい加減なレシピでおいしい料理ができているくらいですから。

せっかく料理人という設定なんだから、もう少し料理シーンを重視してもらったほうが、ありがたみが出たと思います。いろいろ残念でした。

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posted by あにあむ at 15:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫
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