2015年04月22日

マンガの神様


著者:蘇之一行
出版社:電撃文庫
マンガの神様

主人公は、自称天才男子高校生漫画家・左右田伊織。ある日学校の廊下で、美少女・譲葉とぶつかります。縞ぱんを見せて倒れた彼女は、実は憧れの人気漫画家。マンガのようなトラブルを巻き起こす「マンガの神様」に憑かれているといいます。確かにマンガみたいな美少女だし、彼女と出会ってから人生初のスランプに陥るし、転校生が初恋の女の子だし…… でもそんなこと認めない!

というマンガを主題にしたお話になっています。第21回電撃小説大賞「銀賞」受賞作品ということですが、正直出来は悪いですね。マンガの創作論を主人公たちに熱く語らせていますが、それがおかしい点が多いのはおいておくとして、自作にはまったく生かされていない。読者の目がまったく意識されていない自己中心な作品になっているんですよね。このあたりは、まだ実力不足なのか?

さらに、作品内作品になるマンガの説明ができておらず「面白い作品」というのが、伝わってきません。登場人物の台詞で、内容を想像させる手法があると思うのですが、それが出来ていないんですね。だからなにがなんだか。特に妹のリアクションが変。あまりにも極端すぎて「本当は面白くないのでは?」と思ってしまいます。

確かに「短編は描けるけど、連載はだめ」という漫画家もいると思います。でも妹があれだけの反応をするような漫画を描ける人なら、連載だってそれなりのものを描けるはず。逆にいえば、まったく連載が出来ない作家なら、短編もかけない。さらにいうと、連載の場合、少々説明不足があっても、フォローできるけど、短編はそれが出来ないから、短編のほうが難しい場合もあるんですけどねえ。

結局、作者の「独りよがり」な創作論に終始しており、キャラが独り立ちしていないんです。「マンガの神様」という非現実的な存在が機械的に作り出した「お約束」を淡々と演じているだけ。だから、主人公がらっきーすけべを享受した時も、機械的にお約束をこなしているだけにしか見えません。

まあ一番の問題は、主人公がうぜえということでしょうね。自分で自分を「天才」という人間にろくな奴はいません。

タグ: マンガ神
posted by あにあむ at 13:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫
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