2015年02月16日

俺の妹を世界一の魔砲神姫にする方法


著者:進藤尚典
出版社:富士見ファンタジア文庫
俺の妹を世界一の魔砲神姫にする方法

第27回ファンタジア大賞「銀賞」受賞作とのこと。
魔法が「魔砲」として、銃に封印され、その力が各国で暗躍する世界が舞台。主人公は、国家最強の魔砲使い・麗美武洋。最愛の妹・奈緒美を想いながら、犯罪者と戦う日々。

武洋は、最強の魔砲使いといいながら、重度のシスコン。奈緒美のためという理由で、魔砲を監視用に利用するわ、奈緒美が仲良くなった同級生の男の子の家に乱入するなどやりたい放題。武洋がシスコンになった理由は、両親がいないから(子供の頃に亡くなったから)というよくあるパターンなんですが…… 一生守り続けたいという武洋と、寵愛されるだけでなく「兄に勝るもの」が欲しいと願う妹。わかり合うようで、わかり合えない二人の関係が、世界を巻き込んだ騒動になっていきます。

奈緒美から魔砲使いになりたいとねだられ、ダメ元だけど形だけでもとレクチャーしたら(武洋は、兄として妹に「お兄ちゃんはスゴイ」と思われたかっただけ)なぜか、一般人には使えないはずの魔砲を習得してしまう。その理由は中二病をこじらせたクラスメイトの入れ知恵が原因だった…自分のおかげでないことに強く嫉妬した武洋は、さらに暴走していきます。

まあ、非常にうっとしい主人公ですね。妹を溺愛するのはいいんですが、それは「自らの所有物」と捉えてのもの。ここまで束縛された状態で、素直に育った妹はすごいです。すべてを受け入れて、さらに兄を慕うという純真さ。

そうそう幼なじみがいるのですが、例によって不遇な扱いになっています。もしかしてこの作品に出てくる女性は、みな「魔法少女」に憧れているのでしょうか?

武洋と奈緒美の関係性の変化を楽しむという点では、面白い作品になっています。束縛することを「愛」と思っていた武洋が、本当の意味での「家族愛」というものを理解していく過程は面白い。ただ残念なのは、敵の存在ですね。どうやら過去に奈緒美と因縁があったようで、それが今回の騒動の要因の一つになっているようですが、動機として弱すぎるんですよね。さらに武洋が「世界一の魔砲使い」という設定だったわりに(実際、前半は圧倒的な強さを見せていた)後半あっさり負けてしまったことや、武洋たちも気がつかなかった奈緒美の魔砲使いとしての才能を、なぜ敵が知っていたのか? といった点など、気になるところが散見されます。そのため「続きが読みたい」という気持ちが湧かないのも事実です。

★★☆
posted by あにあむ at 12:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジア文庫
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