2019年06月06日

妹さえいればいい。(11)


著者:平坂読
出版社:ガガガ文庫
妹さえいればいい。(11)

千尋が妹だったことが判明し、小説がまったく書けなくなった伊月。土岐や京は、復活させるための方法を模索し、那由多は優しく見守りますが、結果は芳しくない状況。一方自分が女の子であることを隠さなくなった千尋にも、大きな変化が訪れます。それぞれに大きな悩みを抱えて、足掻き続ける伊月たち。

自分に本当の妹がいることがわかり、妹LOVEな小説が書けなくなってしまった伊月。方針転換してでも、小説家として生き残るために、妹モノではない作品を書こうとしても、うまくいかず、どんどん小説家としての自信をなくしていきます。そんな折り、GF文庫新人賞授賞式が開催され、伊月も参加するのですが、そこでの会話から、少しずつ「小説家・伊月」の何かが壊れていきます。今回は、シリーズ最悪の鬱展開。前半では、気分転換もかねて、那由多とお泊まり旅行に出かけ、イチャイチャしているのですが、それも軽く流されており、後半(特にラスト)に向け、どんどん鬱な展開になっていきます。

伊月の作品には、伊月自身の妄想が込められ、そこに小説家・伊月としてのテクニックで装飾されていた。それが、伊月自身に妹がいることがわかったことにより、うまくすりあわせが出来なくなってしまった。今までの執筆パターンが崩れてしまったために、起こった悲劇ですね。独身であることをウリに、エッセイを書いていた作家が、結婚をしたことにより、エッセイのキレがなくなることはよくあること。小説家でも、表に出ていないだけで、環境が変わったため、筆を折った人も多いのでしょう。伊月の悩みも理解できるところはあるのですが、少し悩みの持っていく方法が違うような…

次巻もこんな感じで続くのかなあ。だとすると少し重いな。

★★
posted by あにあむ at 11:27| Comment(0) | TrackBack(0) | ガガガ文庫