2019年06月19日

この終末時計、戻せますか? 進めますか?


著者:朝日乃ケイ
出版社:GA文庫
この終末時計、戻せますか? 進めますか?

面倒事を避けるためならば、どんな努力も厭わないという矛盾した性格の常識人(ではないな。重度のシスコン)御終日暮が主人公。ある日突然、空から銀髪の美少女・戦波アテナが降ってきます。彼女曰く「あと5分で世界は滅びます! 」。彼女のおっぱいを触らないと、終末時計の針が進んで、世界が滅びる…新手の痴女か宗教の人か…
怪しさ爆発の登場をしたヒロインですが、実際に世界破滅の危機が回避されたことにより、日暮は少しだけ信じるようになります。そんな非日常が始まった時、今度は学校に中二病な冥附之ハデスが転校してきます。彼女も、アテナと同じようなことを言い出して…アテナは「破滅を防ぐ宣託」を、ハデスは「破滅する宣託」を受けることが出来るようです。どちらも、運命歯車値が非常に高い、日暮がキーマンになっています。

ハデスのキャラがいいですね。中二病でボッチ。でもそれが寂しいと感じる素の女の子な部分が時折現れるところが可愛い。単純にアテナ=光、ハデス=闇と対比させるよりも、面白いことになっています。アテナの受ける宣託が、「クラスの女子全員のパンツを盗む」とか、異性と混浴するといったものなのもライトな雰囲気になっています。

ストーリー展開もスピーディなので、読みやすい作品になっていますが、結構早いタイミングで、黒幕が分かってしまうのが残念。というか、アテナ・ハデス以外のキャラの扱いが雑。それぞれ「ウラ」がありそうなんですが、ほったらかしになっているような感じがあります。日暮の妹・ひよりは、人と接することが苦手な重度の引きこもりという設定ですが、弱いなあ。クラスメイトである鉈切舞姫は、某国から送り込まれたエージェントということですが、途中で設定が消えています。愛条カリスも、温和でふわふわした性格の新任先生ということですが、どうも中途半端。

「あと5分、あと5分で世界は滅びます――! 世界を滅ぼさないために――わたしとラブコメをしましょう! 」というキャッチフレーズ通りラブコメ主体にするのだったら、3人もうまく使って欲しかった。

★★☆
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2019年06月18日

無双で無敵の規格外魔法使い


著者:鏡銀鉢
出版社:MF文庫
無双で無敵の規格外魔法使い 女神の弟子は攻撃力ゼロでも最強ハーレム英雄ライフ

世界一の大魔法使い、そして英雄になり、あこがれの女神ティエラのお近づきになろうと心に誓った主人公・シェルム。実際、ずば抜けた魔法の才能を買われて、魔法界の頂点に立つ女神・ハルティスの弟子になります。これで魔法の腕で成り上がれると思ったシェルムですが
「うん、無理。だって君、状態異常魔法に才能全振りで攻撃魔法まったくつかえないじゃん」それでも諦められないシェルムは、ハルティスの超過激な修行をクリアすることで、状態異常魔法の「その先」にたどり着きます…って、以前「ファイアボール」に全振りしたという話があったなあ。

シェルムが状態異常魔法のみで、成り上がろうとするストーリー。しかしながら、状態異常魔法は、体調不良と見分けがつかない! そのため、一騎打ちで勝っても「相手体調不良による無効試合」にされたり、逆に「卑怯者」と罵られたり…なかなか憧れのティエラに認めてもらえないシェルム。でもその過程で、二人の美少女に気に入られ、気がついたハーレム状態。お師匠様であるハルティスも、ゴスロリ美幼女。一緒にお風呂に入り、身体を洗うという関係性。なんだかリア充な匂いしかしない主人公です。

シェルムが使う状態異常魔法は、パラライズなど一般的なものではなく、ぎっくり腰にしたり、ハゲ(毛根絶滅)にしたり、下痢にしたり、ロリ化したりとユニークかつ下品なものが多い。相手にとっては、悲惨なものばかりですが、下品な笑いが起こってしまうのも事実。もう少し上品でもよかったんじゃないかなあ。

特定スキルに全振りして、突き抜けるというのは、最近流行っているパターンです。どんどんエスカレートしていき「それは別スキルだろ」という状況になりがちな要素。この作品は、一巻で終了するのか、続くのかわかりませんが、続刊が出るのかわかりませんが、負のスパイラルに落ち込まないことを祈っています。

★★
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2019年06月14日

大国チートなら異世界征服も楽勝ですよ?(6)


著者:櫂末高彰
出版社:MF文庫
大国チートなら異世界征服も楽勝ですよ?(6)
全世界の嫁に応援されて史上初の皇帝に返り咲きます。

前巻で現地妻を訪ねて(違う)諸国外遊していた常信は、隙をつかれてグロリア帝国皇帝の座を奪われていました。物量というチートを失い、今度こそ絶対絶命かというと、嫁たちや関係各国の支持は厚く、彼女たちの応援を得て、一発逆転を目指します。

「大国である」その一点で、戦ってきた常信ですが、その後ろ盾が無くなったどうなるのか?というような話は、ほぼ無視です。いきなり仮想通貨を立ち上げ、課金アプリを立ち上げ…「信用」を武器に相変わらずの大国チートを続けています。彼らがどのように黒幕を追いやっていくのかを純粋に楽しめばいい物語…

現代ネット世界がそのまま流れ込んだ世界観になってきました。最初はアイドルでしたし、掲示板やAmazon今回は仮想通貨や課金アプリが登場しています。いずれも、非常にモデルが単純化されているので、現代社会には通用しないチートですが、まあ勧善懲悪ですっきりするからいいか。常信が、基本「自分は何も知らない」ということを認識していて、でも必要以上に卑下していないのが、気持ちいいですね。

最初から、エロコメ傾向はありましたが、今巻はその傾向が非常に強くなっています。嫁たちの尻と語らうとか、全裸でツイスターとか…指示を出すのに言葉ではなく、尻と語らう…両手足では足りないので、真ん中の足を使う…で嫁たちは、太ももを濡らす…もう、単なるエロ小説のようなシーンが一杯。最初は「従属魔法の効果で快感を得る」といった程度だったのが、もう直接触るのはごく自然…手が蜜まみれになるのもアリと、いろいろ怪しい状況になってきています。あまりこっち方面に特化すると、正直おもしろくなくなってしまうため(結局はラノベの限界にぶつかるし、ストーリーが薄くなる)そろそろ原点に戻って欲しいですね。

★★
posted by あにあむ at 13:16| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫

2019年06月06日

妹さえいればいい。(11)


著者:平坂読
出版社:ガガガ文庫
妹さえいればいい。(11)

千尋が妹だったことが判明し、小説がまったく書けなくなった伊月。土岐や京は、復活させるための方法を模索し、那由多は優しく見守りますが、結果は芳しくない状況。一方自分が女の子であることを隠さなくなった千尋にも、大きな変化が訪れます。それぞれに大きな悩みを抱えて、足掻き続ける伊月たち。

自分に本当の妹がいることがわかり、妹LOVEな小説が書けなくなってしまった伊月。方針転換してでも、小説家として生き残るために、妹モノではない作品を書こうとしても、うまくいかず、どんどん小説家としての自信をなくしていきます。そんな折り、GF文庫新人賞授賞式が開催され、伊月も参加するのですが、そこでの会話から、少しずつ「小説家・伊月」の何かが壊れていきます。今回は、シリーズ最悪の鬱展開。前半では、気分転換もかねて、那由多とお泊まり旅行に出かけ、イチャイチャしているのですが、それも軽く流されており、後半(特にラスト)に向け、どんどん鬱な展開になっていきます。

伊月の作品には、伊月自身の妄想が込められ、そこに小説家・伊月としてのテクニックで装飾されていた。それが、伊月自身に妹がいることがわかったことにより、うまくすりあわせが出来なくなってしまった。今までの執筆パターンが崩れてしまったために、起こった悲劇ですね。独身であることをウリに、エッセイを書いていた作家が、結婚をしたことにより、エッセイのキレがなくなることはよくあること。小説家でも、表に出ていないだけで、環境が変わったため、筆を折った人も多いのでしょう。伊月の悩みも理解できるところはあるのですが、少し悩みの持っていく方法が違うような…

次巻もこんな感じで続くのかなあ。だとすると少し重いな。

★★
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2019年06月04日

てのひら開拓村で異世界建国記(5)


著者:星崎崑
出版社:MF文庫
てのひら開拓村で異世界建国記(5) 〜増えてく嫁たちとのんびり無人島ライフ〜

ルキアを救出するために神殿に乗り込んだカイたち。しかし、そこにはルキアではなく守護聖人ファーレーでした。彼を島に連れ帰り、ビーエから聞き出した情報をもとに、カイは神殿と交渉する決心をします。そんな中、島の大樹に魔力異常が発生!どうやら神殿が大樹に封印した魔女を解放しようとしている模様。復活した魔女は、ルキアの生命を使って倒す予定らしい。ルキアを守るため、そして島民の生命を守るため、カイは開拓村の機能を屈指して、神殿のトップである教皇と対峙します。果たして、どちらの思惑が勝つのか…

今回は前回に引き続き、ルキア奪回がメインストーリーとなります。神殿と対峙するといっても、直接的な戦闘があるわけではなく、知恵比べ的な流れですが、前巻以上にシリアス度が上がっています。ビーエの処遇についてもですし、島のこれからについても、カイの悩みは深くなっていきます。それに比例して、のんびりライフが減っており、唯一の息抜き場所だった開拓村の登場シーンも激減しています。今巻で建国記的なエピソードが終了し、次巻からは「のんびり」が戻ってくるように後書きにありましたが、ビーエや魔女など、不穏分子が増加していることも事実。カイののんびりライフは、復活するのでしょうか?さらにカイが選ぶヒロインは誰なのかに、スポットがあたる時は来るのでしょうか?

戦士くんたちが存在しているため、どうしてもシリアスが馴染みません。そういった意味で、初期ののんびりスローライフ+ラブコメという本筋に早く戻って欲しいですね。

★★☆
posted by あにあむ at 13:54| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫

ゴスロリ卓球(2)


著者:蒼山サグ
出版社:電撃文庫
ゴスロリ卓球(2)

なんだかよくわからない、闇卓球という世界。今回はさらに、ヒロイン斉木羽麗の父のあとを追って、莫大な借金を背負い堕ちることとなった奈落の強制卓球訓練施設が舞台となります。奈落に堕ちてみたら、すでに父は去った後でした。修と羽麗は、先に堕とされていた横川梓と協力して、脱出を試みます。しかしながら、修と別れて生活をする羽麗はさらにポンコツぶりが加速していきます。

闇卓球だけでも、よくわからん世界なのに、さらに奈落という場所が舞台になっています。ここでも、卓球の強さがすべてとなっており、少女はゴスロリ服を着ているというマニアな世界です。奈落がどこにあるかは、現時点では謎とされており、脱出条件もわからない状況です。奈落で生活する人には、タブレット端末が支給され、それを用いて生活や訓練の情報を入手しています。また仮想通貨が支給され、その通貨で食事・卓球用具・生活用具などを購入する仕組み。つまり仮想通貨がゼロになれば、The Endということ。設定された課題をこなせば、通貨を増やすことは出来ますが、微々たるものなので、闇卓球ルールで増やすのが一番。しかし通貨をあまり持っていないビギナーは、うまみがなく対戦相手も見つけにくい。またそういった人間を狙うヤツも存在しており、他人が信じられない世界になっています。

修はいきなり狙われますが、それを助けたのは梓。彼女と協力することで、脱出条件を探すことになります。ところが、修と別に生活(男女で寮が違う)することになった羽麗は、いつの間にか梓と修が仲良くなったと思い込み、さらにややこしい状態になっていきます。果たして3人はこの世界を抜け出せるのでしょうか?

って、もうなにがなんだか。そもそも卓球である必然性がわかりません。確かに卓球は、卓球台があればプレー出来る…ということでしょうが、温泉宿の卓球台ではなく、公式戦だとそれなりにスペースもいるし、別に卓球にこだわらなくても…という気もします。

ロウきゅーぶの時もそうでしたが、バスケ以上に卓球シーンは、盛り上がらない。今回も後半は卓球シーンが続きますが、よーわからんというのが本音でした。またヒロインの魅力が少ないもの残念。やはりこの作者さんは、低年齢ヒロインがいないと面白くないですね。さすがに今回は「闇世界」ということで、高校生設定になったのでしょうが、無理矢理精神年齢だけ幼くしようとした表現があり、さらに現実離れしてしまっています。うーむ続きどうしようかなあ。

★☆
posted by あにあむ at 13:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫