2019年05月22日

乃木坂明日夏の秘密(3)


著者:五十嵐雄策
出版社:電撃文庫
乃木坂明日夏の秘密(3)

学園一のアイドルにして、超お嬢様な明日夏と過ごす夏休みもあとわずかとなってきました。明日夏の希望で「夏のフラグ」回収のため、夏祭り・海と様々なイベントをこなしていく二人。二学期が始まると、合唱コンクールに実力テストと、学校イベントが続きます。そんな怒濤の日々、明日夏の家出という超特大の爆弾が破裂します…乃木坂家のメンバーが次々登場し、前シリーズ登場人物が勢揃いしています。

ますます春香シリーズと、ストーリーが似てきましたね。前シリーズでは、もう少し経ってから、Vs父親があったと思いますが、今回はかなり早めに登場しています。前シリーズを踏襲するために仕方がなかったのでしょうが、父親が前シリーズと変わりすぎているのが、残念ですね。ここまで性格を変えるのであれば、もう少しその背景を説明して欲しかったです。特に、春香を始めとする、他の乃木坂家のメンバーが恐ろしいほど変化していないため、あまりにも異端になってしまっています。

春香は、完璧美少女でしたが、ドジッ娘でした。明日夏は、完璧に見せている美少女で、ドジッ娘要素はあまりありません。まあ、現状の明日夏スペックで、ドジッ娘要素をいれると、ちょっとあざとすぎるかもしれないですね。

前シリーズ同様、主人公の周りには、美少女が集まっています。幼なじみ枠もしっかりいますし、妹枠も。「いざという時はすごい」という主人公特性も持っており、両親の姿が見えてこないのも同様。前回と異なるのは、二人がお互いの気持ちを確かめるタイミングが早かったということですかね。これから先は、幼なじみ枠や、明日夏の姉・未来が絡んでくるでしょうか? あまりややこしい人間関係を作らないで欲しいな。前シリーズの美夏たちのようなヒロインが出ないことを祈ります。

前回も書きましたが、この作品は深く考えてはダメです。お約束を楽しむ気持ちがないと、面白くないです。

★★★☆
posted by あにあむ at 17:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫

放課後は、異世界喫茶でコーヒーを(5)


著者:風見鶏
出版社:ファンタジア文庫
放課後は、異世界喫茶でコーヒーを(5)

歌姫が去った迷宮街は、以前の静かさを取り戻します。街の喧騒から逃れるため、深夜営業していたユウの店も、もとの営業時間に戻っています。いつもの日常が戻ってきた喫茶店。お客さんも従来通り。ユウは、季節のメニューを考えたりと、ゆったりとした空気が流れています。そんな中、歌姫ティセからユウ宛ての手紙が届きますが、ユウはこの世界の文字の読み書きが出来ない。「本人が返事を書くべきだ」という周りの声に押され、ユウはアイナに異世界文字を教えてもらうことになります。そんな日常の中、チェス勝負を持ちかけられたり、治療魔術師になるための勉強で忙しいリナリアとの距離が気になったり…異世界で日常を手に入れつつあるユウの物語。

ここしばらく深夜営業に切り替えたことにより、当初の常連さんの出番が減っていました。唯一リナリアだけは、ユウとの距離を詰めていましたが、彼女は勉強のため、喫茶店に顔を出すことも出来なくなっています。その代わりといってはなんですが、今回はアイナがメインヒロイン的存在になっています。ティセの手紙を読み、返事を出すために、アイナ先生に文字を習うユウ。この世界では、貴族以外(一般庶民)は、読み書きが出来ないのが当然で、その勉強をしたこともない人が大半。ユウは、元世界では高校生だったため、外国語を学ぶ感覚で、異世界文字を吸収していきます。

平和な生活が続くかと思われた時、アイナにお見合い話が出てきます。貴族である彼女にとって、お見合い=結婚ということになりますが、この話が出てきたウラには、いろいろあるようで…この世界にも大切な人が出来、いろんな人間関係の中で、居場所を見つけていると思っていたユウですが、この一件により「本当に自分はここにいていいんだろうか?」と悩むようになります。リナリアは自分の夢を実現するために、遠くへ行ってしまうし、アイナも結婚すれば、会うことも出来なくなる。ティセも歌姫として、大きくなっていく。いっぽうユウは、本来この世界の住人ではない…

忘れていましたが、ユウは高校生だったんですね。そりゃ悩み大きいよな。異世界転生ストーリーで、いつも疑問に思っていた「元世界に戻りたくないのか」という葛藤や、青春時代の葛藤が描かれており、甘酸っぱい思いで読んでおります。

★★★
posted by あにあむ at 16:55| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジア文庫

2019年05月15日

何故か学校一の美少女が休み時間の度に、ぼっちの俺に話しかけてくるんだが?


著者:出井愛
出版社:MF文庫
何故か学校一の美少女が休み時間の度に、ぼっちの俺に話しかけてくるんだが?

Web小説。タイトルが長い=出来が悪い という公式に当てはまりそうな作品です。
ラノベ好きをこじらせた「ぼっち」の安藤くんが主役。あるとき「学校一の美少女」である朝倉さんから声をかけられ、気がついたら二人の交流が始まっていたというストーリーになります。そこに、二人の仲を取り持つ(というのかな?)存在として、委員長や安藤くんの妹が登場しています。それぞれのキャラは、悪くないと思います。はっきりした存在感があり、生き生きと行動しています。

ぼっちだった、安藤くんがいろいろ残念なのは当然として、朝倉さんも、残念美少女であることが、いちゃいちゃ感を増しているもの事実です。「私、(ラノベが)好きなの」とラノベを抜いてしまい、別の意味になってしまったりだとか、「私、安藤くんが大好きなの!」と叫んでみたりだとか、なにこの可愛い生き物状態になっています。妹も、実はブラコン(兄とのお出かけを喜んでいる)だけど、兄と朝倉さんが仲良くなることを、応援しているという真っ当な性格。委員長も、共通の知人ということで、二人の仲を取り持とうとして、空回りしているなど、魅力度大な存在です。

この小説のウリは「地の文がない」ということみたいです。要は「会話劇」を展開しようとしているんですね。この一点が、この作品の評価の分かれ目になると思います。会話劇自体は、さほど珍しいものではなく、古来文学作品でも存在していますし、ラノベでも結構多いと思われます。過去の作品に比べて、この小説は「読みづらい」と感じてしまうところがありますね。「地の文がない」といいながら、会話だけでストーリー展開をすることが出来なかったのか、登場人物の「心の声」を多様しています。それが結局は「地の文」と同じ役割になっており、視点がコロコロ変わるため、わかりにくいものになっています。本来会話劇であれば、登場人物が実際に声に出す=会話のみで、進むのですが、この作品は、モノローグの部分が多く、ストーリーが停滞しています。元がWeb小説ということですから、各章は短い。その特性を生かして、各章終わり(もしくははじめ)に、キャラクターのモノローグを入れれば、もう少しすっきりしたのではないでしょうか?

あまりモノローグが多いと、いちゃらぶの甘々な雰囲気が崩れてしまいます。全体として、甘々ラブコメだったので、少し残念ですね。

★★
posted by あにあむ at 14:54| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジア文庫

恋愛至上都市の双騎士(2)


著者:篠宮夕
出版社:ファンタジア文庫
恋愛至上都市の双騎士(2)

かつて魔王を倒し、世界を救ったことのある、勇也と藍葉。今度は未来に復活する魔王討伐のために、未来の世界へ転生しています。この世界は「恋愛感情」が強さに変わるという謎設定な世界であり、二人はイチャラブしながら魔王を倒しました。そんな二人が次に挑むことになった任務は「いちゃいちゃ競技で世界最強カップルを決める「恋愛祭」への出場…一見平和に見える任務だったのですが、そこには祭を狙うテロリスト「カップル殺し」に警戒をすることになります。さらに、勇也に熱烈アプローチをする黒髪美少女が登場し、パートナー交代の危機が生じます。藍葉も、「せ、先輩。私のバニーコス、どうですか?」となりふり構わない攻めに転じ、果たして二人の仲は?そして世界は?

ふざけた設定のラブコメ第二弾です。前回魔王を倒したはずですが、世界の危機は続いていたというのが今回のメインエピソード。勇也と藍葉の「恋愛磁場」はなかなか強くならず、ランクも上がらないままになっています。そこへ、ライバルが登場し、ラブコメの様相が強くなるのですが。恋愛祭も、ふざけた内容となっており、登場するカップルも、幼女しか愛せないロリ野郎やら、百合など変態しか出てきておりません。普通の恋愛じゃ、ダメなんだろうか…

カップル殺しは「リア充爆発しろ!」なギャグ的存在かと思いきや、後半のキーパーソンになっています。というか、前巻同様、前半部と後半部でノリが大きく違います。前半は、ラブコメ中心ギャグパートですが、後半はシリアスな戦闘パート。ただ今回も「主役この二人でなくても成立するのでは?」という疑念は拭いきれませんでした。ある意味一番普通のカップルである主人公たちなんですが、それ故「誰でもいいんじゃない?」という感が強くなってしまいます。恋愛磁場の発生条件もよくわからないものになっていますし…(ドキドキが強いと、数値が高くなるようですが、それだとカップル歴が長くなると不利ですよね)

設定がうまく生かし切れていないような気もします。もう少し勇也の気持ちを前面に出して、サブエピソードを減らしたほうが面白くなりそう。

★★☆
posted by あにあむ at 14:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジア文庫