2019年02月27日

乃木坂明日夏の秘密(2)


著者:五十嵐雄策
出版社:電撃文庫
乃木坂明日夏の秘密(2)

春香シリーズよりも、さらにスピーディに主人公Loveになった明日夏。前巻は、出会いから一気に夏コミまでストーリーが進み、春香シリーズにあった、ゆったりとした時間がなくなっていたのですが、今回は時間が少し戻り、夏休みのまったり生活が描かれています。前巻登場しなかった、エロマウントポジションも登場していますし、さらにアリスなど前シリーズの登場人物が復活しています。前巻で妙な勘ぐり(実はタイムスリップなど、SF要素が加わっているのでは?など…)を吹き飛ばすように、未来も登場しています。年齢的にもおかしくない設定になっており、安心してラブコメに没頭できる体制になってきました。

今回は、お買い物デート、キャンプ合宿(プチ遭難つき)、明日夏のおうちにお泊まり(5泊)と順調というか、一足飛びに明日夏と主人公の仲が近づいていっています。すでに、何度かいい雰囲気になり、あと少しでというシーンがあるのですが、そのたび静琉さんが登場して、未遂に終わっています。でも、前作カップルより早く進みそうですね。主人公が、自分の気持ちに気づいていますからねえ。前作もそうでしたが、主人公の家族がまったく見えてこないのも特徴ですね。5日間も外泊して、なにも言われないのだろうか(男とはいえ)など、私の世代の感覚からすると、不思議に思えるシーンもあります。まあ明日夏のほうは、プリティ美夏ちゃんが、親代わりだから、なんとなく理解できるんですけどね。

今回、春香たちと思わしき影が、いろんなところに現れています。ぼちぼち本編に登場してきそうですね。楽しみではあります。主人公ペアは順調に絆を深めていますが、所々で美夏さんの「後悔」が見え隠れしているのは、少し辛いですね。姉に遠慮する形で「おにーさん」を諦めた美夏さん。もう20年近くが経とうとしているのに、まだ引きずっているんだなと。明るく振る舞っている姿があるだけに、いろいろ考えてしまいます。

この作品は、ストーリーを深く考えず楽しむ方がよさそうです。様式美としてのラブコメをなにも考えずに楽しみましょう。

★★★☆
posted by あにあむ at 11:41| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫

魔王を倒した俺に待っていたのは、世話好きなヨメとのイチャイチャ錬金生活だった。


著者:かじいたかし
出版社:HJ文庫
魔王を倒した俺に待っていたのは、世話好きなヨメとのイチャイチャ錬金生活だった。

かつて魔王を倒した勇者イザヤは、魔王から受け継いでしまった膨大な魔力を隠して、一人暮らしていました。ある日森の中で、錬金術師の少女・ヨーメリア(ヨメ)を助けます。ヨメは、イザヤが持つ膨大な魔力に気づき、同居をせがまれることになります。
ヨメは、錬金術師として一流であるものの、魔力が少ないため、どうしても精製できるものに限界があります。イザヤは、魔力を分け与えられるため、その能力に目をつけたことになります。魔力を渡し唯一の方法はスキンシップ。それも接触範囲が広ければより融通できるなど、イチャイチャな流れになる設定がしっかり出来ています。(この手の設定だと、粘膜が一番効率がいいというエロコメが多いんですけどね)
「じゃ、手握るぞ」「あ、もう、イザヤさんっていつも突然なんですから」照れ臭く、恥ずかしく、でも嬉しい日々が始まり――。

元勇者と魔力の少ない錬金術師のイチャラブコメディとなっています。ヨメは、魔力が少ないことを除けば、その能力はトップクラスの錬金術師。それだけに、魔力を渇望しており、目の前に現れたイザヤを逃がす手はなかったのですが…元々「仕事上のパートーナー」として同居しているはずですが、いつの間にか異性として惹かれていくのは、当然の帰結ですね。なので、朝起きたら必ず魔力補填をする=イチャイチャすることを、習慣化しようと画策するなど、魔力補填が目的なのか、イチャイチャするのが目的なのか、途中から分からなくなってきます。二人の甘々生活だけでも、ラブコメとして成立しているのですが、後半はヨメのライバルが登場し、そちらもイザヤに興味を持つということで、さらにラブコメが面白くなっています。ヨメのかいがいしさと、イザヤの唐変木のようで、実はしっかり相手を見ているという姿で、最強イチャラブ小説になっています。

久しぶりに、転げ回る激甘ラブコメに出会いました。それも、エロには転げず、イチャイチャだけでこのクオリティ。続編が楽しみですね。

★★★★
posted by あにあむ at 10:07| Comment(0) | TrackBack(0) | HJ文庫

2019年02月20日

女神の勇者を倒すゲスな方法(5) 「そして日常へ……」


著者:笹木さくま
出版社:ファミ通文庫
女神の勇者を倒すゲスな方法(5) 「そして日常へ……」

ついに女神Vs.ゲス参謀の闘いが決着します。
魔王の機転により、女神の襲撃から逃れ魔界にたどり着いた真一たちは、反撃の糸口を探します。しかし古い文献をあたっても女神の存在は見当たらず、代わりに判明したのは太古より存在する赤竜の眠る場所でした。しかしアリアンの父であるはずの赤竜は、娘を前にしても眠るばかり…ゲス参謀の策はどこまで通じるのか?

アリアンの父親である赤竜が登場します。非常に強大な力を持った存在のはずですが、真一の手にかかると、情けないおっさん扱い。アリアンを前にしても、目覚めないのではなく、たぬき寝入りをしていると看破します。理由は、アリアンが生まれるようなことをしているにも関わらず、父親としてなにもしていないから…そんな事情にまで気がついた真一がとったのは、アリアンの首筋の鱗を舐めること…イメージ的には、父親の前でSEXを始めたようなものだそうで、さすがの赤竜もたぬき寝入りを諦めます。なんというか、かわいそうな父親ですね。その赤竜から、女神に関する情報を聞き出した一行は、女神との最終決戦に挑みます。

というのが、ストーリーの流れですが、赤竜から得られる情報が多すぎ、ダレてしまいます。もう少しテンポがいいとまだ読めますが、あまりにも平坦に情報が提示されるので、飽きてしまいます。後半は、真一のゲス参謀爆裂しており、非常に面白い流れになっていたので(本音が出すぎているような気もしますが)残念です。

相変わらずリノの年齢がよくわかりません。まあ今回は、アリアンがメインヒロインの座を占めており、リノが割り込む隙間がなかったのですが…

今回で、本編としては終了のようです。あと1巻(すでに発売されています)後日談などが公開されるとのこと。メインヒロイン争いにも決着をつけるそうなので、楽しみな反面、読者の想像に任せて欲しかったなという気持ちもあります。読了後の感想は、どうなるでしょうね。
posted by あにあむ at 15:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ファミ通文庫

青春敗者ぼっち野郎、金髪尻軽ギャルのお気に入りになる


著者:刑部大輔
出版社:スニーカー文庫
青春敗者ぼっち野郎、金髪尻軽ギャルのお気に入りになる

高2ぼっちの主人公・一条純。昼休みに教科書ばかり開いているうちに、成績だけは上がる一方。そんなある日、クラスの陽キャラ・美少女である、橘かれんが勉強を教えて欲しいといいだす「にしし、童貞、この問題おせーて?」彼女は「気に入った男は食う」と噂されるビッチ? オタク集団からもハブられている純とかれんが二人きりで勉強することに…気がついたら、放課後に一緒に帰ったり、デートしたり、クラスの陽キャラ集団からは「付き合っている」とまで言われはじめ…「いろんな噂流れてるらしいけど、あたしキミがいちばん仲良い男の子だよ?」「ふつーにカッコいいし」「そういうとこ、ちょー好き。好き過ぎ」「・・・・・・こんなの見られたら、ラブラブだって思われちゃうかもね」

積極的にアプローチしてくる橘かれんと、ぼっち気質な純によるラブコメです。内容的には、二人のイチャラブなんですが、なぜだろう素直に転げ回ることが出来ない内容でした。かれんがビッチという噂の割には、純情だったというのがありがちなんですが、そもそもなぜかれんがビッチといわれていたのか、よくわかりません。普通に積極的な女の子というだけのような気がします。(可愛いという自覚はある模様)またサブキャラたちの存在価値がよくわからない。特に引きこもりの妹。どうやらブラコンのようですが、物語を動かす影響力なし。他のクラスメイトたちもそう。もしかしたら、これから先なにか影響力を与えていくのかもしれませんが、2巻を読む気にはなれなかったなあ。

★☆
posted by あにあむ at 13:08| Comment(0) | TrackBack(0) | スニーカー文庫

2019年02月14日

私立幼なじみ学園 いちゃらぶ学科で恋愛チャレンジ!


著者:番棚葵
出版社:MF文庫
私立幼なじみ学園 いちゃらぶ学科で恋愛チャレンジ!

今から少しだけ未来な世界。少子化が進んだ日本で、思春期となる高校生に対して、積極的な恋愛を推奨する政策を取り入れていました。そんな中「幼なじみとの恋愛」を推奨する「私立幼なじみ学園」に主人公・武藤優真は3人の幼なじみとともに入学した…優真と幼なじみたちは「いちゃらぶ学科」という特殊な学科に所属することになって…

かなり頭悪い設定ですが、内容も頭悪いものになっています。というか、いろいろ分かっていないなあ…というのが本当。幼なじみの根拠がよくわかりません。普通幼なじみというと、小学校低学年までに出会った友人を指すことが多いと思うのですが、この作品の幼なじみのうち一人は中学校の3年間一緒にいた若林カナ。って、設定が高校生なんだから、それは幼なじみではなく、単なる同級生ではないか? あと二人は、幼稚園から小学校2年までの伊集院鷹華、小学校3年から6年までの御影あゆな…この二人はぎりぎり「幼なじみ」と言えるのかな? でも、なぜ仲良くなったのかなどの説明は一切なし。イチャラブといいながら、たいしたことはしておらず、ちょっと仲のいい友達といった関係性(一部ラッキースケベはあったけど) 冒頭シーンが一番ピーキーという典型的な出オチになっています。

特に後半からは「ミーツ会」という謎の存在が出てきて、余計にストーリーが混沌としています。boy meets girlがあったから、幼なじみという関係性ができあがるわけで、本来相反しない事象のはずなんですよね。特に中学で知り合ったカナを「幼なじみ」と捉えるのであれば、さらに差はなくなります。幼なじみ3人の関係性もよくわからない。途中でゲームのような指数も出てきますが、その設定も結局生かされていない。

ようするに、設定が薄っぺらいんですね。MF文庫だし、もう少しいちゃらぶストーリーだと思ったのですが残念でした。

★☆
posted by あにあむ at 13:08| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫

2019年02月12日

魔術学院を首席で卒業した俺が冒険者を始めるのはそんなにおかしいだろうか


著者:いかぽん
出版社:ファミ通文庫
魔術学院を首席で卒業した俺が冒険者を始めるのはそんなにおかしいだろうか

魔術学院を首席で卒業したウイリアムは、高給と安定のエリート街道が開かれていたのにそれを捨て、自由と可能性に満ちた冒険者の道を選びます。父親からも貶され、主席としての立場を捨ててまで冒険者を目指すウィリアム。社会ルールとして、冒険者はFランクから、コツコツと実績を積んでいかないとレベルが上がらない。そもそもFランクにくる依頼がほぼない。そのため、彼は冒険者たちとパーティを組むことで、クエストを受注する道を選びます。彼が選んだのは、盗賊・神官・侍の少女三人。ウィリアムの高い魔法能力と、頭脳的な戦い方で簡単にクエストをこなしていきます。

冒険者がランク下の職業と見なされている世界。というか、ファンタジー世界では、普通の設定ですね。冒険者は、なんらかの理由で職に就けなかった(つかなった)あらくれがなるもの…西部劇の荒野の荒くれ者というイメージが浸透しているんでしょうか。魔術学院を卒業したものは、普通宮廷魔術師などの高給安定の職業が待っています。特にウィリアムのように、主席だとなおさら。でも彼はそのうような生活を良しとせず、自ら未来を切り開いていく道を選択します。まあ、チートレベルな能力を持っているから出来ることなのでしょうが。偶然声をかけられた少女についていき、パーティを組むことになりますが、実は少女たちもそれぞれ、かなりの実力をもっています。まだ駆け出しでクエストもそれほどクリアしていないということですが、その割に実戦慣れしています。そこにウィリアムの頭脳と魔力が加われば、強力なパーティになることは間違いないですね。

パーティ仲間の少女たちと、幼なじみのボクッ娘王女によるラブコメも楽しめそうです。ウィリアムが冷静すぎて、少し鼻につきますが、他人を見下すタイプではないので、疲れずに読むことが出来ます。

★★★
posted by あにあむ at 13:39| Comment(0) | TrackBack(0) | ファミ通文庫

2019年02月04日

キマジメ大魔王の清く正しい学園生活


著者:佐藤了
出版社:ダッシュエックス文庫
キマジメ大魔王の清く正しい学園生活

主人公は、きっちり七三に分けられた髪にきらりと光る眼鏡な魔王・悠真。好きな言葉は「誠心誠意」、座右の銘は「一日一善」という、学園一真面目な生徒。彼と同じ日に転校(転入)してきたのは、血気盛んな勇者・リザ。初日に、悠真に決闘を挑んで返り討ちに遭い、周囲を顧みない言動にクラスで浮いた存在に。そんなリザに救いの手を差し伸べたのは、悠真…大魔王に同情された勇者の行く末は…

『世界の危機はめくるめく!』の作者ですね。なので、魔王や勇者が持っている能力は、どこか冗談みたいなものだと思っていたら、まさしくその通りでした。勇者のほうが、うっとしいのは、少し前の流行ですね。もともと勇者は、正義感を大上段に構えて行動するので、うっとしいのは事実だと思いますが、日本では某RPGで、勇者一行様は一般家庭のタンスを勝手に開けたりということを繰り返していたから、余計魔王のほうが「まとも」と思われるようになったんでしょうね。

それはともかく、一見一般人に見える悠真も、それまで魔王として育てられていたため、一部常識(というか感情)が欠如しています。それは「恋愛」に関するもの。普通なら、一番そういったことに興味を持つ年代のはずなのに、まったく無反応。クラスメイトの下着姿を見ても、特に驚かない。「女の子の裸に興味があるか」と聞かれたら、どちらかというと、その健康度やなどが気になるだけの模様。一方勇者は、知識として「恋愛」は持っているものの「ピンチの時に颯爽と助けてくれる王子様」を理想とする、夢見がちな少女のまま。でも、彼女の理想をつきつめていくと、魔王がドンピシャの人だったりして…最初は反発していたリザですが、悠真の勇気と優しさに少しずつ心を開いていきます。そこに立ちはだかるのは、唐変木悠真…だけでなくクラスメイト2名。中立的立場のサクラと合わせ、悠真対策会議を開いて、どうやって振り向かせるか恋バナに興じます。

メインヒロインではないのですが、サクラが雰囲気を作っていますね。リザたちだけだと、かなり殺伐としたヒロインになり、そこに唐変木と、話が進まない未来しか見えません。そこにサクラが入ることにより、うまく物語が転がっています。他のクラスメイトたちは、その存在価値がいまいちわからないのですが、これから先物語に絡んでくるのでしょうか? 解決していない問題が山積みなままなので、もう少し続いていくのでしょうね。
★★★
posted by あにあむ at 14:40| Comment(2) | TrackBack(0) | ダッシュエックス文庫

じゅっさいのおよめさん


著者:三門鉄狼
出版社:講談社ラノベ文庫
じゅっさいのおよめさん

主人公・倉敷誠二が終業式を終えて家に帰ると、家の前に十歳くらいの見ず知らずの少女が座り込んでいた。その子から「わたしはせいじのおよめさん!」と言われてしまいます。そんな約束をした覚えもない誠二ですが、とりあえず部屋に招き入れることに。少女は誠二のことを分かっているようですが、誠二は少女のことを知らない…追い出そうする誠二に対して、少女はうまく立場を利用して(ご時世から事案コース一直線)、一緒にお風呂入ったり、一緒に寝たりと、奇妙な新婚生活が始まります。そんな新婚生活を続けていくうちに、彼女の正体がクラスメイトの御殿山みのりであることが判明します。突然その姿になっていたということで、その理由はわからない(というか教えない)。彼女の秘密を探っていくうちに、ある伝説にたどり着き…

タイトルから想像した、ふわふわラブコメではありませんでした。とある理由により、幼くなってしまったクラスメイトとの奇妙な新婚生活が描かれます。誠二も基本いい人なのですが、みのりの正体(というか、なぜ幼くなったのか)が分かるまでの流れは、少々疲れました。あまりにもみのりが正体不明すぎて、それに流される誠二もよくわからず…みのりがクラスメイトと分かったあとも、誠二が一方的に意識するだけで、みのりが平気にしていることなど…みのりが幼くなった原因が判明して、すべてがつながりました。結構後半になってからだったので、少しもったいないかなあ。2巻以降も続くのであればいいのかもしれませんが、この巻だけで考えると、もう少し早い目に正体がわかったほうが、感情移入しやすかったかも。

みのりが10歳にしては、幼く感じる点については、誠二目線で理由分析がなされており、違和感はなかったですね。逆にいえば、その説明がなければ、実年齢とのギャップがあったでしょう。懐かしい感じになりました。ラストまで、みのりの可愛さがあって読みやすくて、面白かったです。サブキャラの槇村さきも、ストーリー上重要な役回りで、しっかり描かれていて、そのおおらかさが物語の雰囲気を優しいものにしています。結構重い設定もあるのですが、それを優しさでうまく包んでいます。

★★★
posted by あにあむ at 14:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 講談社ラノベ文庫