2018年12月13日

中古でも恋がしたい!(12)


著者:田尾典丈
出版社:GA文庫
中古でも恋がしたい!(12)

3年生になった清一たち。穏やかな日々をおくっていたが、そこに清一の理想のエロゲヒロインに限りなく近い美少女が現れた! 彼女は、入部希望者ということで…

清一の前に現れた美少女・結城麻奈。
「わたしは、せー先輩のエロゲヒインになります! ダメ……ですか?」
エロゲヒロインが三次元に降臨したかのような、完璧美少女となった麻奈は、清一にトラウマを与えた3人目の少女でした。っていうか、冷静に考えると清一って無茶苦茶な小中学時代をおくってますね。確かに相手の責任もあるけれど、清一自身に大いに問題があったとしか思えない人生です。堅いようで、非常に惚れっぽいのかもしれません。

麻奈が清一に与えたトラウマは「卒業式の後、呼び出したにもかかわらず、その場に現れなかった」理由は、麻奈の単純なミス(時間を間違えていた)通常なら「ごめんなさい」でなんとかなるパターンですが、清一のそれまでの経験から「完全にだまされた」と思い込んでしまいます。このあたり、思い込みが激しすぎるような…

麻奈のほうは、必死で清一に許してもらえる方法を考え、清一の理想に近づくために5年間努力を続けたということなのですが…少々疑問が? 清一がエロゲやりだしたのって、いつだっけ? さらにその趣味を麻奈が知ることになったのはいつ? そもそも容姿って自助努力で変えることは可能なのか? 体格や髪型なら若干調整できるでしょうが、美少女になるって、どうやって?

それはおいといて、今巻でも清一の優柔不断は続いております。4人に増えたヒロイン候補を搾り混むことが出来ず、かといってハーレム展開も望んでおらず…途中で指摘されていますが、清一の考えって、ある意味「傲慢」なんでしょうね。

メインヒロイン奪取競争は、料理対決やデート対決。うん、清一は爆発しておいていいよ。それよりも外崎に幸せになってもらいたいですね。彼が一番損な役回りになっていますよね。今回も清一の(端から見たら、単なるノロケ)な相談に真面目に答えていますし、自分の悲しい経験まで吐露しています。これだけいい友人なかなかいないよ。

ここに来て、新ヒロインが投入されたので、新章突入し、妹も参戦するのか? と思ったのですが、次巻でラストのようです。なぜここにきて、ヒロイン投入した? あと一巻でいろいろな風呂敷たためるのでしょうか?

★★★
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2018年12月07日

てのひら開拓村で異世界建国記(4)


著者:星崎崑
出版社:MF文庫
てのひら開拓村で異世界建国記(4) 〜増えてく嫁たちとのんびり無人島ライフ〜

無事カエデの父親探しを終え、島の整備を進めるカイたち。神殿に対抗して、軍備もしなければいけないけど、資源は限られている… 一方開拓村は、レベルが上がりお世話エルフが一人増えます。食・衣に続いて住を司るエルフです。彼女の能力により、家が大きくなり、かつカイが前世(転生前)に遊んでいたゲームが再現されます。カイの記憶を元にしているということですが、便利な能力ですね。

春を迎え、島に神殿の船が来る季節になりました。今年、船から捨てられたのは子供ではなく、元神官であるローザ。彼女は「時を止める」能力があり、神殿で500年にわたって、時をとめる作業をしていました。その気の遠くなるような日々は、後継者となる新人神官が見つかったことにより、終わりを告げますが、彼女を待ち受けていたのは、自由ではなく孤島への島流しでした。神殿では、この島では人間は生きていけないと考えられているので、実質は口封じの死刑。ローザから新しい神官はルキアという名前の女性と聞き…それはカイの妹の名前でした。生き別れた妹を探すため、特級審問官のビーエを見つけるため、神殿へと乗り込むことに…

今回は、妹捜しがメインテーマとなっています。構成として、章中にルキア視線で描かれている部分もあり、お互い相手を必死で探しながら、すれ違っていくせつなさを感じます。ますます神殿の「悪意度」が高くなっていっていますね。このまま進むと「のんびり無人島ライフ」から、神殿との全面戦争に移行してしまいそうです。

神殿の街で、カイたちは米と小豆に出会います。それらを購入し、開拓村に入れることで、開拓村のレベルも一気に上昇。ますます便利になっていきます。こちらは、従来とおりのほほんとした雰囲気が残っていますね。エルフたちによる葡萄酒作り(乙女によるぶどう踏み)なども描かれており、スローライフを楽しんでいます。

バランスが壊れないことを祈って。

★★★☆
posted by あにあむ at 11:50| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫

2018年12月06日

まさか勇者が可愛すぎて倒せないっていうんですか?


著者:真代屋秀晃
出版社:電撃文庫
まさか勇者が可愛すぎて倒せないっていうんですか?

勇者の異世界転生を未然に防ぐため、勇者(転生予定者)の暗殺指令を受け、現代日本に乗り込んだ、魔王軍幹部のナラク。計画を履行するためナラクは、勇者候補・乃愛が通う学園に高校生・奈楽将吾として潜り込みます。ところがなぜか抹殺対象の乃愛から告白されてしまい、事態は急変。勇者と魔族の異世界交流・勘違い系ラブコメ。

ナラクは、肉体だけでなく魂も殲滅(普通に抹殺しても、器が変わり転生するだけのため)できる貴重な存在。そのため、魔界では高位の存在。ところが、今回の指令においては、かなりへなちょこ。なぜなら勇者候補の魂の抹殺を試みますが、その方法は相手の胸を触って、魂を吸い出すというもの。で、相手は可愛い女の子。そりゃラブコメ方面にいきますよね。普通まだ覚醒していない(転生していない)勇者候補は、特に力を持たないのですが、乃愛は無意識にその能力を使えるようで、魔族が彼女に触れると吹っ飛ばされます。その力は、かなりのもので、ナラクですら大きなダメージを受けるもの。この能力の発現は、乃愛がコントロールしているわけではないようで、彼女の好意度によって発現するようです。なのでナラクが彼女に触るためには、好意度を上げる必要がある。しかし、彼女は特異な出自(ヤクザの娘)で、少し人からずれている。さらにナラクは異性に慣れていないため、チグハグな行動になってしまいます。そこに、なぜか乃愛の勘違いが、ナラクの部下にも飛び火し、五角関係になっていきます。ナラクは、乃愛の胸を触れるような関係になれるのでしょうか?

おもしろい設定ですね。乃愛も独特の感性を持ったヒロインで、楽しませてくれます。ただナラクの行動原理がよくわからない。魔族も人間と同じような感情を持っているということを、強調したかったのでしょうが、彼の使命との間に溝が大きすぎて違和感があります。魔王軍の上位にいけるくらいだから、これまでにかなりの魂を屠ってきたはず。それと今回の乃愛との関係がいまいちわかりにくい。いや理由付けはされているんですよ。肉体を滅ぼした=殺した瞬間、魂は転生してしまう⇒生きている状態で、魂を吸い出さないといけない⇒好意を持たないもの(魔族に限り)が彼女に触ろうとすると、ふっとばされる⇒だから彼女の胸を触れるくらいの関係=恋人にならないといけない。確かに理論的には合っています…でも、なんか一つ一つに大きな隔たりがあるような気がして…

★★★
posted by あにあむ at 10:45| Comment(1) | TrackBack(0) | 電撃文庫

2018年12月05日

神アプリ曰く、私たち相思相愛らしいですよ?


著者:真野真央
出版社:MF文庫
神アプリ曰く、私たち相思相愛らしいですよ? #【攻撃力】全振り幼なじみは俺がデレるとすぐヘタレる

主人公は高校生・翔。彼には、初恋の相手である幼なじみ・凜珠がいます。乳児で出会った時に、お互い手を握ってニコニコしていたという正真正銘の初恋。小学校でもそのままで、思春期が終わればひっつくと周りにも思われていた二人。翔が中学で転校したことにより、二人の関係性が変わり出します。

一番大きな理由は、相性度を測るコミュニケーションアプリの存在。普段からアプリを使うことにより、自らのステータスが数値化され、同じアプリを使っている相手との相性度も数値化されるというもの。ラブラブのカップルでも、相性度が低い場合があり、それを無視して付き合うと、悲惨な将来が待っている(一日で別れるなど)、逆に初対面で相性度が高いと、うまくいくという事例が芸能界を中心に多発したことにより、若モノの間では、信頼度抜群のアプリとなっています。このアプリで、翔と凜珠の相性は1%… 凜珠は、それを無視していろいろアタックしてくるのですが、翔がデレるとすぐにヘタる…そのため二人の仲は進展せず。そんな仲、翔の恋愛力ステータスが、幸運全振りになります。すると相性度最高な女の子(しかも美少女)と運命の出会いが早速訪れます。それも一人だけでなく複数人…いきなりハーレムな幸運が訪れた翔。彼は、自分が相性度抜群の女の子と付き合えば、凜珠も新しい恋に進めると考え、仲良くなろうとしますが、なぜか一歩進むことが出来ず…

一番好きな相手との間には越えられない障害がある。だから自分が身をひけば相手は幸せになれるという、非常に甘い考えの高校生ですね。悲恋物語はたいてい、こういう考え方が原因で悲劇が引き起こされるのですが、その教訓はなかったようです。この作品で一番まともな考えをしているのは、凜珠のように感じます。彼女もアプリを使っていますし、翔との相性度1%に振り回されているのですが、一番自分の考えを持っています。翔が一番、アプリに影響をうけていますね。

昔から、恋占いはありましたし、その結果に一喜一憂することは普通です。でもこの作品にあるような、アプリの結果に疑問を持たず従うというのは怖いですねえ。自分で考えるということが出来なくなるでしょうし、運営側(あるいはその裏)の思惑で、都合がいいように、思考を変えることができてしまいそう。アプリの結果も「一つの指針」として、自分で考えるのではなく、思考停止した主人公というのは、思い入れができないですね。
せっかくヒロインズが魅力的なのだから、もう少しアプリから離れた思考をして欲しかった。

★★
posted by あにあむ at 15:28| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫

てのひら開拓村で異世界建国記(3)


著者:星崎崑
出版社:MF文庫
てのひら開拓村で異世界建国記(3) 〜増えてく嫁たちとのんびり無人島ライフ〜

翼人たちを仲間に加え、戦士くんの種類も数も増え、順調に国力を高めているカイ。ある日、上空からパトロールをしていたリーベルから一隻の船が近くを曳航していると報告を受けます。いつ神殿関係者が攻めてきてもいいように、島の軍備強化が急務になり、カエデのゴーレムを使って土木工事を進めていきます。すべては、島民の平和を守るため…さらに周辺都市で交易を繰り返すうちに、カエデの故郷、ゴディエの情報を入手します。早速ゴディエに向かい、カエデの父親との再会を目指します…

前回も感じましたが、スローライフじゃなくなってきていますね。嫁の数は順調に増えていますが、軍備もどんどん増強されています。その方法がカエデのゴーレムや、戦士くんたちを使ったのほほんとしたものなので、だまされそうになりますが、決してスローライフとは言えない状況です。もう少しゆったりとした雰囲気を楽しみたいですねえ。まあストーリーが進んでいるという点では、飽きが来ないのですが、当初の雰囲気が「のほほん」だったので、そのまま行って欲しいです。でも神殿の黒さが強調されるにつれ、悲劇的な事件が起こりそうで不安ですね。

島や島外での出来事が中心になってきたので、箱庭の登場回数や重要度が落ちてきているのが残念。当初は、箱庭の発展が重要な位置づけになっており、島での生活への影響が描かれていましたが、少々おきざりかな?

増えていく嫁たちはどうなるのか? そしてカイが作る国は、神殿に対して、どのような力を発揮していくのか? 不安と楽しみが同居した瞬間です。

★★★
posted by あにあむ at 15:05| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫