2018年11月13日

放課後は、異世界喫茶でコーヒーを(3)


著者:風見鶏
出版社:ファンタジア文庫
放課後は、異世界喫茶でコーヒーを(3)

異世界でただひとつのコーヒーが飲める場所。現代から転生してきた元高校生・ユウが切り盛りする喫茶店。そんな喫茶店がある迷宮街に歌姫が2人もやってくる。半年以上前であるにも関わらず、街は観光客でごった返しお祭り騒ぎに。もともと常連しかおらず、静かだったユウの店も、新規客が増えてんてこ舞い。そんな折り、学院で爆発事故があり、学院寮が立ち入り禁止となり、リナリアが宿を探して来店。貴族が通う学院の生徒ということで、手頃な宿屋は、問題が起きることを嫌がり、泊めてくれない。それを聞いてユウは「うちに泊まったら? 部屋、空いているけど」と深く考えず提案。リナリアは「なっ、なななっなにを…変なことしないわよね?」と焦りますが、背に腹は代えられず、結局店に泊まることに。ユウは「数日」と思っていたのですが、ちょうど夏休みが始まったところで、リナリアが滞在するのは夏休みの間中。住み込みアルバイトとなったリナリアと、仕事も食事も寝るときもいつも一緒というドキドキ同居生活が始まります。

今回は、リナリアが住み込みバイトになることから物語が始まります。急激に増加した観光客をさばくため、リナリアが手伝ってくれるのは非常にありがたいことだったのですが、なんせ同世代の異性。しかも意識している相手とあって、いろいろ初々しいときめきがあります。さらにリナリアストーカーお嬢様とメイドも同居することになり、いつの間にかメイド喫茶としても有名になりだします。

観光客が急増したことで、店の売り上げも急上昇。さらにメイド喫茶として有名になってきたことで、新しい客層も開拓できました。そこにメイド喫茶を出す権利を買いたいという商会の社長が訪問したり、以前の静かな店を取り返すため、店ごと買い取るという人が現れたり…商売を大きくすることが、本当に自分のやりたいことなのか?という悩みや、新しいお客さんに来てもらうことと、常連さんの憩いの場となることのどちらがいいことなのか? いろいろ悩み続けるユウ。

この作品には、あまり悪者が出てきません。そしてみなユウの人柄に惹かれて、お店の常連になっていきます。身近にこのようなお店があったらいいですね。

★★★☆
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2018年11月12日

生徒会の周年 碧陽学園生徒会黙示録(9)


著者:葵せきな
出版社:ファンタジア文庫
生徒会の周年 碧陽学園生徒会黙示録(9)

私立碧陽学園生徒会―そこは美少女メンバー四人が集う楽園だが、気づけば十周年。ということで、数年ぶりに生徒会が復活! なぜか会長たちは歳をとらないというサザエさん時空で物語が展開しています。

少しややこしい時系列になっており、本編完結前に発表されていた(文庫には未収録で、なんらかの特典短編として発表されていた)作品や、現在の書き下ろしが混じっています。なので、途中で一度後書きが挟み込まれ、さらにもう一本今回の後書きがあるという、ややこしさ。

内容については、今まで通りゆるい生徒会メンバーのお話。舞台は生徒会室で、外に出て行っていないもの、従来通り。一部新生徒会メンバーも、PC画面経由で登場したりと、オールスターキャストな展開になっています。さらに。同作者の他シリーズから登場しているメンバーもいたりして、お祭り騒ぎです。

今回、ラスト短編がいろんな意味で問題作ですね。鍵のいろんなことが一気に明らかにされ、生徒会メンバーとの爛れた関係が…って違うか。間違いなく杉崎ハーレムを構築しつつあるようですね。生徒会メンバー以外も毒牙にかけているようですから…彼は、畳の上では死ねそうにないですね。

新生徒会になって、あまりにも非常識なシュールギャグに終始していたストーリーも旧生徒会に戻り、落ち着いています。やはりオリジナル生徒会のほうが面白かったですね。次は15周年でしょうか? 楽しみに待ちましょう。

★★★★
posted by あにあむ at 15:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジア文庫

異世界JK町おこし


著者:くさかべかさく
出版社:電撃文庫
異世界JK町おこし 〜このことについて、魔族に依頼してよろしいか伺います〜

名所も名産もなく、冒険者たちがただ通り過ぎていくだけの「二番目の街」タフタ。役所に勤めるハルは、街の財政難に頭を抱えていた。そんなある日、異世界から来たというJK勇者のナツが役所に迷い込みます。ナツのレベルは1。超ザコ勇者のナツの思いつきで、魔王を観光資源としてタフタへ誘致するという案を提出すると、なぜか採用されます。さらに魔王城で彼らの前に現れた魔王は、ナツの友人JKフユだった。

異世界に転生させられた、ナツと愉快な仲間たちによる、常識なにそれおいしいの? という物語になっています。いや、もうあまりの酷さに正直何度読むのやめようと思ったか? 現在のJKという種族が本当にこの物語の通りとは思えないですが、あまりにもバカなので、疲れてしまいます。結局最初から最後まで世間知らずなJKが、適当に好き勝手するだけのストーリーでした。たぶん作者は「柔軟な発想で、世界は変わる」と言いたかったのでしょうが、そういったことはまったく届きませんでした。結局は公務員をバカにしただけの作品なのかなあ…

もう少しナツたちがまともだったら、街おこしやラブコメもいい具合に展開したのでしょうが、ヒロインがひどすぎたため、広がりがなくなってしまいました。

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posted by あにあむ at 15:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫

2018年11月05日

フリーライフ 異世界何でも屋奮闘記(4)


著者:気がつけば毛玉
出版社:スニーカー文庫
フリーライフ 異世界何でも屋奮闘記(4)

ある日、何でも屋“フリーライフ”の店主、貴大を訪ねてきた幼なじみの倉本蓮次。二人は、3年半前の「あの日」の出来事を懐かしく語り始めます。親友3人で組んだパーティ「“フリーライフ”が、異世界に飛ばされ、どのような冒険をし、笑い、そして離別したのか…元の世界に戻ったはずの蓮次が現れた目的は?

今巻は、なんでも屋“フリーライフ”が開店する前のお話ということで、外伝的なものになっています。それはいいのですが、前巻で危惧したように、かなりシリアスな展開が含まれています。貴大の性格も現在とは大きく異なるもので、いままでの異世界スローライフの雰囲気はまったくありません。最近のラノベの欠点は、本編シリーズと同じ並びで、突然外伝が挟まれること。同じような雰囲気の外伝であれば、まだいいのですが、今回のように雰囲気が大きく変わる=根幹にかかわる部分が変わる=のは避けて欲しいですね。
この作品の良さは「働きたがらない」貴大のスローライフを描くものだったはずです。だから「異世界スローライフ」と銘打たれていると思うのですが、今回はその対局の展開になっています。独立した作品として読めば、十分面白いのですが、それまでの流れをぶった切るような展開は、今後読む気力を奪ってしまうものです。今巻のヒキからすると、次巻もまだシリアスシーンが続くようですし、どことなく悲劇の匂いを感じます。そうなると、スローライフを純粋に楽しめなくなってしまいます。

過去はともかく未来は明るい(と思わせる)状況でないと、日常系は辛いです。どうか、もとのまったりした世界観に戻りますように。

★☆
posted by あにあむ at 15:00| Comment(0) | TrackBack(0) | スニーカー文庫

俺が好きなのは妹だけど妹じゃない(6)


著者:恵比須清司
出版社:ファンタジア文庫
俺が好きなのは妹だけど妹じゃない(6)

新作ラブコメの読者人気投票を行うという企画が勃発。永遠野誓の得意分野で闘うのは、ストーカー少女。いままでラブコメを書いたことがない彼女は、永遠野誓のファンとして、また祐に好意を抱く異性として、一位を取りに行きます。
一方本当の永遠野誓である、妹・涼花はなぜか「永遠野誓の新作小説は、『妹属性』禁止です!」と言いだし、勝つために妹ネタを封印することに。さらに、まさかの家出を敢行! どうなるのか?

ということで、今巻ではラブコメ対決となっています。いつも妹ネタの勉強ということで、祐といろんなイチャラブをする涼花ですが、今回は妹属性を封印し「恋人」として祐に接する取材を行います。夜に祐に電話して「夜に男の人と電話するのってドキドキします」とか、祐を家出先=学生寮に招き「女の子の部屋に来て、ぱパンツを見るのはうれしいことですか?」という「どー答えろっちゅうねん」という質問をしたり…自宅でバレンタインデートを行ったり…一応和解しているということもあり、涼花の祐へのイチャラブが増量しています。もっとも、その分まわりの祐へのアタックも増量しており、まさにラブコメな騒動が続いているのですが…

ラノベ主人公は、鈍いということになっていますが、涼花の行動に対する祐の反応は鈍いを通り越していますね。いくら「妹だから」と思い込もうとしているとしても、さらに恋愛経験が乏しい(ない)としても、異常です。少し疲れてきました。

また、「祐がラノベ作家デビューする」というこのシリーズの目的が迷子になったままです。アニメ化されたから、わざと迷子にしているのではないと思いますが、どうするんだろう? どんどん永遠野誓が偉大になっているので、真実を明かすことが難しい状況になってきていますね。現実的な落としどころとしては「永遠野誓は、祐と涼花の兄妹によるユニット」というものになるのでしょうかね。

★★☆
posted by あにあむ at 14:41| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジア文庫