2018年09月13日

15歳でも俺の嫁!


著者:庵田定夏
出版社:MF文庫
15歳でも俺の嫁! 交際0日結婚から始める書店戦争

主人公は、大手出版販売会社に勤める火野坂賢一(27歳)。接待の席上で、あやうくおばさま(おばあさま)への生け贄にされかけた時、初対面の少女に求婚されます。怪しすぎる状況にもかかわらず、賢一は「わかった。結婚しよう」と答えてしまう。動揺している間に少女・君坂アリサの自宅に連れこまれた賢一。その屋敷に待っていたのは、その筋の方と思わしき圧力を持った老人・アリサの祖父。「貴様はワシの孫を幸せにすると、誓うか?」と問われ「全身全霊で幸せにします」と誓う賢一。その後はなし崩しに宴席が設けられ、そのまま泊まることに…翌朝アリサから「わたし15歳の現役JCだし、法律上結婚できないから大丈夫!」「大丈夫じゃねぇええ!」 そうです、事件です。なんだかんだいいながら、アリサに流されていく賢一。さらに仕事でもカリスマJC・MARIAとの連載企画もあり、周りからはロリコン認定される始末。

アリサがフリでもいいから結婚して? と頼んだは、祖父が経営する巨大書店グループ・KIMISAKAYA書店を守るため。というのも、A&G社(まあAmazonとGoogleを足した会社ですね)の日本統括執行役員・ジェームス大山から求婚され、A&Gグループに吸収されそうだから…

普通のサラリーマンが、巨大企業に立ち向かう。荒唐無稽なお話ですが、案外理路整然としており、アリサの思いもしっかり描かれており、楽しい作品です。最近流行の「なろう小説」的な作りではなく、久しぶりにエンターテイメント小説を読めたという満足もあります。

敵がA&Gというネット企業なので、SNSや炎上、ネット動画などがストーリー上の重要な小道具になっています。でも、ネットスラングを並べ立てるのではなく、自然に取り込んでいるので違和感がありません。

アリサも大企業の孫娘として、大人びたところと、15歳らしい多感なとこをうまくバランスさせており、等身大の少女として描かれています。最近、妙に大人びていたり、異常に幼くみせたりと、実年齢とかい離したヒロインが多いので、こちらも満足。

賢一の友人たち(全員女性)もバランスいい。全員で企画本を作り上げていくというストーリーもいいですね。さらに、彼女たちが賢一を異性としてい見ているのか、母親目線なのか微妙なところも楽しいです。間違いないのは、4人の間に強い信頼関係があるということ。こんな仲間と巡り会えたら人生楽しいでしょうね。

ただ最後のエピローグは要らなかったかなあ。アリサと賢一の物語を読んで、これからの二人をにまにま想像していたところに、アレだもんなあ。この読後感が消えるまでは、正直続刊は読みたくないですね。

★★★★
posted by あにあむ at 10:02| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫