2018年09月20日

最高の二次元嫁とつきあう方法


著者:芦屋六月
出版社:電撃文庫
最高の二次元嫁とつきあう方法

二次元が好きと言いつつリアルに彼女がいたり、「○○は俺の嫁!」と言いながらシーズンごとに嫁が替わるような奴らとは違う。俺は…俺は本気で、二次元キャラ“胡桃すぴか”を愛してる。という変態が主人公・舞坂八雲。
ある日、八雲の前にすぴかが現れます。八雲の姉が科学を応用して、二次元キャラを三次元に呼び寄せたのです。目的は、二次元キャラのテーマパーク(要は二次元キャラが檻に閉じ込められ、それを鑑賞する動物園)の構築。二次元世界の住人とはいえ、彼女には感情があり、意志もある。姉の野望から彼女を守るために、二人の逃避行は始まる。

二次元キャラが三次元に現れたら? というお話ですね。この手の話は珍しいものではなく、古くは「キャラふる♪(葛西伸哉さん)」とか「ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!(田尾典丈さん)」とかがあります。まあ「キャラふる♪」は微妙に違うかもしれないけど。
この作品のいいところは、すぴかがしっかりした自我を持っていること。二次元キャラだから、好き勝手にクンカクンカハァハァさせてくれるとか、妄想内のように自由にエッチなことも出来るといったキャラではなく、普通の女の子として描かれているので、物語に厚みが出ています。八雲と初めて出会った時の反応は、当然。有名人であれば「自分は知らないけど、相手は自分のことを知っている」というシチュエーションはよくあるでしょうが、普通は戸惑い、恐怖を覚えますよね。そこから、八雲との関係を築いていくという流れになっており、違和感があまりありません(ちょっとご都合主義ですが、それはラノベですから)

サブヒロインたちも、すぴかの声優、すぴかの原作者、主人公の姉妹と最小限に抑えられており、それぞれのヒロインたちとすぴかや八雲との関係性が掘り下げられており、ムダがありません。

若干中だるみがありますが、後半は一気に読み進めたくなる展開でした。エンディングもその先をいろいろ想像できるものでした。

★★★★
posted by あにあむ at 11:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫

2018年09月14日

俺もおまえもちょろすぎないか(2)


著者:保住圭
出版社:MF文庫
俺もおまえもちょろすぎないか(2)

すぐに告白する変な奴・功成。見た目は美少女(ロリ)だけど、眼光鋭く友人が少ない、中学生・つぶら。そんな二人が結婚を前提におつきあいを始めることになったのが前巻。そうバカップルその後という流れになっています。両家の親にも公認のカップル。あと2年(法律上結婚できる年齢)になったら夫婦になる約束までしている二人に立ちはだかるのは?

前巻できれいにまとまっていたので、続編はないと思っていたのですが、物語は継続されていました。功成が以前告白して、殴られた先輩・稀。あまりに突然の告白だったため、混乱してあのような態度をとったけど、じっくり考えてみると功成のことが「好き」「付き合って」と逆告白されます。なんかねえ、今更感が強すぎるんですよね。なぜ今頃になって、告白する? さらにそれに対する功成やつぶらの態度もよくわからん。いや功成はわからないでもないんです。一度は好きになった人ですからね。あれ? 本当に好きだったんだろうか? 1巻での功成は衝動だけで動いていたからなあ。作品内では、先輩を含め「ちょろい」と表現していますが、そうなんだろうか?

先輩とのことでゴタゴタしている時、さらに油を注いだのは幼なじみの梅香。実は子供の時から功成が好きだったと。でもいい出せないまま、つぶらとひっついたから、諦められると思っていたら、稀の告白で火がついてしまった…親友を裏切る告白をかましてきます。ただその言葉が、
「に、ニーソの、中に……指入れて、いいよ……っ」
なんだろ? この特殊なフェチ。あまりにもピンポイントでわからない世界です。というか功成って、子供の頃からこんな性癖があったんですね。ドン引き…

二人からの告白によって、功成とつぶらの関係がどう変わっていくのか? が描かれています。二人の成長を描くという点では面白いですし、いちゃ甘ラブコメしていることは評価できるのですが、カップルが成立したとたん、近親者から波風立てられるってのは、あまり面白くないですね。せっかくのラブコメが重くなってしまいます。どっちかというと、つぶらのお母さんをダークホースにしたほうが、コメディとして成立したかも。

前巻感想で書いていましたが、この作品の脇役は皆存在感があります。そして功成に対して優しい。そういったいい人たちが、話の流れ上ほぼ負け戦に出て行く姿を見るのは辛いです。その後の関係性についても、いろいろ想像してしまうし…

物語は暗く終わっていません。それは救いですね。次巻もあるようです。どうしようかなあ。

★★★
posted by あにあむ at 09:07| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫

2018年09月13日

15歳でも俺の嫁!


著者:庵田定夏
出版社:MF文庫
15歳でも俺の嫁! 交際0日結婚から始める書店戦争

主人公は、大手出版販売会社に勤める火野坂賢一(27歳)。接待の席上で、あやうくおばさま(おばあさま)への生け贄にされかけた時、初対面の少女に求婚されます。怪しすぎる状況にもかかわらず、賢一は「わかった。結婚しよう」と答えてしまう。動揺している間に少女・君坂アリサの自宅に連れこまれた賢一。その屋敷に待っていたのは、その筋の方と思わしき圧力を持った老人・アリサの祖父。「貴様はワシの孫を幸せにすると、誓うか?」と問われ「全身全霊で幸せにします」と誓う賢一。その後はなし崩しに宴席が設けられ、そのまま泊まることに…翌朝アリサから「わたし15歳の現役JCだし、法律上結婚できないから大丈夫!」「大丈夫じゃねぇええ!」 そうです、事件です。なんだかんだいいながら、アリサに流されていく賢一。さらに仕事でもカリスマJC・MARIAとの連載企画もあり、周りからはロリコン認定される始末。

アリサがフリでもいいから結婚して? と頼んだは、祖父が経営する巨大書店グループ・KIMISAKAYA書店を守るため。というのも、A&G社(まあAmazonとGoogleを足した会社ですね)の日本統括執行役員・ジェームス大山から求婚され、A&Gグループに吸収されそうだから…

普通のサラリーマンが、巨大企業に立ち向かう。荒唐無稽なお話ですが、案外理路整然としており、アリサの思いもしっかり描かれており、楽しい作品です。最近流行の「なろう小説」的な作りではなく、久しぶりにエンターテイメント小説を読めたという満足もあります。

敵がA&Gというネット企業なので、SNSや炎上、ネット動画などがストーリー上の重要な小道具になっています。でも、ネットスラングを並べ立てるのではなく、自然に取り込んでいるので違和感がありません。

アリサも大企業の孫娘として、大人びたところと、15歳らしい多感なとこをうまくバランスさせており、等身大の少女として描かれています。最近、妙に大人びていたり、異常に幼くみせたりと、実年齢とかい離したヒロインが多いので、こちらも満足。

賢一の友人たち(全員女性)もバランスいい。全員で企画本を作り上げていくというストーリーもいいですね。さらに、彼女たちが賢一を異性としてい見ているのか、母親目線なのか微妙なところも楽しいです。間違いないのは、4人の間に強い信頼関係があるということ。こんな仲間と巡り会えたら人生楽しいでしょうね。

ただ最後のエピローグは要らなかったかなあ。アリサと賢一の物語を読んで、これからの二人をにまにま想像していたところに、アレだもんなあ。この読後感が消えるまでは、正直続刊は読みたくないですね。

★★★★
posted by あにあむ at 10:02| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫

2018年09月07日

マモノな少女に囲まれたけど、果たして俺は「おいしい」のだろうか。 


著者:三鏡一敏
出版社:電撃文庫
マモノな少女に囲まれたけど、果たして俺は「おいしい」のだろうか。 

主人公は、王子・ルシエル。人族の王子で、聖王をつぐはずの第一王子。ところが、聖王になるための剣技もダメで、光の精霊の加護も得られず「無才の王子」と呼ばれています。ルシエルには、妹がいるのですが、小さい頃に魔物から守るために身を投げ出してくれた兄を偏愛しています。もっともそのベクトルはおかしく、ルシエルを丸腰で魔王城に送り込み「お兄様なら、きっと無双して帰ってき てくださいますわ!」といいだす始末…

魔王城で魔王と対面したルシエルは、なぜか魔王とバーで酒を酌み交わすことに…さらに、妹姫のあまりの行為に同情されてしまい、魔王城から逃がしてもらえることに…まあ魔王は「強くなってから、戦いたい」と放牧するような感じですが。しかしそこは魔物の巣窟。魔王が逃がしても、魔物はそうでない。そこで身軽になり(ぱんいちになり)必死で逃げるルシエル。気がついたら、人化したよい魔物たちがひっそりと暮らす村に迷い込んでいました。そこでケルベロス少女・コルルに助けられたルシエル。1ヶ月ほどで人族の世界へ帰れるということで、しばらくこの村にやっかいになることに。そこでドラゴン少女・ファニルら美少女たちと親睦を深め、ある意味「おいしい」生活をおくることに。ところが彼ら魔族にとって「人族の王族の肉は何も寄りもおいしい」らしく…

ヴァルハラに続いて、魔物が人間形態をとっているお話。さらに食事が重要なテーマとなっているところも同じです。さらに魔王が面白い性格なのもなんとなく…

ストーリーは非常に単純なもので、あまり盛り上がりはありません。なので、ストーリーを追うだけだと、評価はかなり低くなる作品ですね。登場人物による会話を楽しむというスタイルがこの作品にはあっているようです。コルルのおとぼけ感、ファニルのにまにましたくなるツンデレ感を感じながら、ルシエルとの会話を楽しむ。

欠点は、会話劇を楽しむ作品としては、長すぎる点。各章もボリュームがある割にストーリーは進まないので、途中で飽きてしまうこともあります。もう少しボリュームを抑え気味にしてもらえると、もっと楽しめそうです。

★★★
posted by あにあむ at 09:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫