2018年07月20日

放課後は、異世界喫茶でコーヒーを(2)


著者:風見鶏
出版社:ファンタジア文庫
放課後は、異世界喫茶でコーヒーを(2)

現代から転生してきた高校生・ユウは、異世界の迷宮都市の郊外で喫茶店を営んでいます。理由は、現世で実家が喫茶店を営んでいたからで、少しでも現世とのつながりを持ちたいため。相変わらずリナリアとの仲も進展せず、ノルトリはいつものようにだらけており…そんな日常の中で、アイスコーヒーやパンケーキ、照り焼きバーガー、親子丼ならぬ親子パン等など新メニュー開発も続けるユウ。現世とまったく同じではないけど、似たような食材があるので、迷宮都市の住人にも受け入れられていきます。店主の仕事は、料理や飲み物を準備するだけではなく、お客さんの話をカウンター超しに聞いてあげることも含まれます。女の子にモテたい、一生だらけて生きたい、ずっと愛しのあの子のそばにいたい、立派なお届け屋さんになりたい…ささやかな夢を叶える力を与えるのもマスターの役目。もっともリリアナさんとは進展しませんが…

今回は、ほぼ「おっさん」が主人公。いろいろな経緯で喫茶店を訪れるようになった「おっさん」たちの想いが語られています。みないろいろな過去を持っており、現在の姿があります。誤った道に行ってしまった過去を持つ人もいますが、根っこは「いい人」ばかり。そんな彼らの夢を叶えるお手伝いをするお話が中心になっています。もちろんその方法は、喫茶店らしく飲み物と料理を使って…

1巻では、現世とのつながりが切れることを恐れて、お客さんと深く関わらないようにしていたユウ。それが原因でリリアナと喧嘩することになってしまい、少しずつ考え方が変わってきています。今巻では、さらにその傾向が強くなってきているようです。もちろん、現世の両親・友人たちを忘れた訳ではなく、気にしていることは事実。でも、異世界で築いてきた人間関係も大切なものだと考えるようになってきています。お客さんを通じて、いろんな人間関係を見ることで、想いが変わってきたのでしょうね。

リリアナとの仲は進展するのか? また元世界に戻る方法は見つかるのか? しばらくはまったりとした時間が流れていきそうです。

★★★★
posted by あにあむ at 11:43| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジア文庫

2018年07月18日

俺が好きなのは妹だけど妹じゃない(5)


著者:恵比須清司
出版社:ファンタジア文庫
俺が好きなのは妹だけど妹じゃない(5)

妹の代理を務める「永遠野誓」としての祐。それと現実のギャップを埋めようとして、頑張った祐ですが、結論としてなかなかうまくいっていません。そこで「仕方なく」という設定で、「わ、私をお兄ちゃんのラノベのヒロインにしてください!」と頼み込みます。涼花の助けを借りて、理想のヒロインを見つけることができるか?

もうすでにツンデレという領域を凌駕している涼花ですが、なぜかいまだに周りにはバレズにすんでいます。なんでしょうね? かなり無理がある設定になってきました。また最近、同種のラノベが量産されており、この作品も埋もれつつあるような感じになってきました。そろそろ起爆剤が欲しいですね。

ところで祐の書いた作品が、受賞、あるいはすくい上げにかかった場合、一体誰が編集さんと話をすることになるんでしょうね? すでに祐は「永遠野誓」として表舞台に立っている訳ですから、出て行く訳にはいかない。かといって涼花が替わりをするのも無理がある。なんかこの時点で詰んでしまうような気がしてなりません。

そうこの作品の怖いところは、バッドエンドしか想像できないことなんですよね。もう少し前の段階だったら永遠野誓が涼花であることがバレる。ってのが一番傷が浅そうでしたが、今となっては利害関係者が増えすぎて大変。さらに祐自身が作家を目指している時点で、もう破滅しか目に浮かばない。

うやむやにして終わるのか、それともなにかすごい解決方法があるのか?もう少し付き合ってみましょう。

★★☆
posted by あにあむ at 09:16| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジア文庫

2018年07月12日

妹さえいればいい。(9)


著者:平坂読
出版社:ガガガ文庫
妹さえいればいい。(9)

相生初に続き、第15回新人賞受賞者たちの作品が次々刊行されていきます。那由多に憧れる笠松青菜の作品も出版されるのですが、そこに待っていたのは酷評の嵐でした。それまで自信満々だった彼女も、あまりの酷評に大きく落ち込みます。そんな彼女を見て、伊月は自分のデビュー当時のことを思い出し、励ましの言葉をかけます。そのことにより、青菜も伊月に懐くことになり、新たなライバルが登場することに。
一方、「妹のすべて」のアニメ制作でもトラブルが続出。一番大きいのは制作が逃げてしまったというもの。そのため、全13回(1クール)の作品を、12回に短縮し1回は「総集編」とする。それにより、伊月が一番嫌がっていた「オリジナル」展開にしないと、うまくまとまらないことに…当初と異なり、監督も妹愛に目覚め(実妹とお風呂に入るようになるくらい)ているので、状況は変わったとはいえ、悩む伊月。京は、就職活動で苦しみ、千尋の前には、お掃除ロボットではなく人間のライバルも登場します。

妹がさらに増えて、妹成分過多になってきたこの作品。このあと、どうなっていくのでしょう? いくらなんでも、妹多過ぎです。「さえいればいい」といいながら、「しかいない」になってきているような…毎回描かれる業界ネタは、スタッフ逃亡と出版界(担当)就活物語。クリエイターの資質によるのでしょうが、本当にこのような状況になっているとしたら、そら斜陽業界になるわなというのが本音ですね。忙しいというレベル越えた労働。しかもそこに「作品への愛」は残っていない。そんな描き方になっているので、エンターテイメント作品を見る(読む)のが辛くなってしまいます。この業界はxxだ。という話をよく聞きますが、それをあまり強調すると、そのこと自体が事態を悪いほうへ導いているような気がします。

せっかく、魅力的なヒロインが多いのですし、もう少しエンターテイメントとして楽しめる流れにして欲しいですね。

★★★
posted by あにあむ at 15:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫