2018年04月27日

魔王の娘を嫁に田舎暮らしを始めたが、幸せになってはダメらしい。(2)


著者:手島史詞
出版社:GA文庫
魔王の娘を嫁に田舎暮らしを始めたが、幸せになってはダメらしい。(2)

絶対に結ばれてはいけないはずの、カズキとアストリッド。なぜか新婚旅行に出ることになって…本当魔王様は、何考えているんだという状態。しかも旅行先の部屋はベッドが一つだけ…アストリッドは、店の主人に「新婚旅行で緊張している」と思われ、アルコールを摂取させられます。結果、積極的にカズマに迫ることになり…耳年増状態なので、そういうことは理解しているアストリッド。ストッパーだったはずのカラス(四天王の一人)も、撲殺(いや、死んではいない)し、迫る迫る…カズキは耐えられるのか!

ということで、結ばれてはいけない恋に苦しむカズキの物語第二弾です。もう生殺し状態。お年頃なカズキがよく耐えているなあ。相手は受け入れる気満々なんですからねえ。
「わたし、カズキくんとハネムーンに行くの、夢だったんです♪」
「ひとりで寝るのは寂しいです」
ほら、もう誘いまくりですよ。

甘々な出来事が多発する新婚旅行。それだけでもカズキは精神力を削られまくっているのに、天使と女神の遺産を巡る陰謀に巻き込まれることになり、精神・体力・魔力すべての限界との戦いになります。

ラブコメと戦闘のバランスは相変わらずいいですねえ。戦闘に突入する理由も、しっかりしているし、アストリッドとカズキ中心に物語が回っているのもいいです。脇役も「そこにいるだけ」というものではなく、しっかり物語に関与していますし、そこもいい。かなり面白い作品であることは間違いないのですが、少し残念だったのはラストバトルへの、某○○さんの絡み方。もう少し積極的に動いてもいいんじゃないのかなあ。少なくとも愛するxxの危機だったんだし。まあそれが遠因でカズキが真の自分に覚醒したわけですが…

ここで物語が終わっても、おかしくないエンディングです。ここから先に続くのかどうかは、販売量で検討されるのでしょうかね。

★★★
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2018年04月25日

フリーライフ 異世界何でも屋奮闘記(2)


著者:気がつけば毛玉
出版社:スニーカー文庫
フリーライフ 異世界何でも屋奮闘記(2)

読んだ記憶がなかったのに、手元にも残っていなかったので、電子版買ったら読了していたことに気がつきました…

ということで、あらすじは、Amazonから拝借。
季節は冬。何でも屋《フリーライフ》には、今日もカオルとクルミア、フランソワにアルティなど、おなじみのメンバーが勢揃い。
あったかコタツでほっこり、時にはガールズトークで大盛り上がり。
そんな中、仕事第一のおしおきメイド・ユミエルは、貴大への態度を反省して一転、ご奉仕メイドに大変身!
でも盛大に勘違いして、何故かセクシー衣装で貴大を誘惑しだして!?
新年を目前に控え、今日も《フリーライフ》は大にぎわい!!

季節は巡り冬になりましたが、何でも屋「フリーライフ」には相変わらずカオルとクルミア、フランソワにアルティなど、おなじみのメンバーが勢揃い。コタツでほっこり、ガールズトークで大盛り上がりしています。それでも、佐山貴大は相変わらずのんびりさせてもらえません。孤児院での子守、王子(傲慢)のわがままで、ダンジョンのボス戦に付き合わされたり、妖精の楽園に迷い込んだりと、月に3週間休むどころか、休みもままならない状況。そんな中、仕事第一のおしおきメイド・ユミエルが、貴大への態度を反省して一転、ご奉仕メイドに変身…盛大な勘違いのもと、セクシー衣装で貴大を誘惑したりと、結局こちらでも休むことができません。でも個性的な少女たちの、貴大への愛は本当のようで、結局は貴大も楽しんでいるのでしょうね。

今回は、妖精の楽園がエグかったですねえ。貴大でなかったら、本当に大変なことになっていたのではないでしょうか? もっとも、気がついてなにかしたというわけでないところが、この作品らしいところですが。のれんに腕押し。糠に釘という言葉がしっくりくる出来事となっていました。

ほのぼのとした作品ですが、盛り上がりがないのも事実。異世界でまったり(したいけど、実際は無双していたりする)という類似作品が非常に多いので、どの作品を読んだのか分からなくなってきました。そのため、読了した記憶がなかったようですね。肩の力を抜いて楽しめますが、二回読むほどではない。まあ、この作品にドラマティックな展開を求めるのは間違っているのでしょうね。

★★☆
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2018年04月23日

ラブノート


著者:藤井論理
出版社:スニーカー文庫
ラブノート 俺だけが知っているヒロインルートの攻略法

高校デビューに失敗し、中学までの負け組からも勝ち組からも見捨てられ、中間モブに堕ちてしまった光成が主人公。一緒に高校デビューを目指した佐藤洋一は、成功したのに…
そんな非モテ光成に、突如モテ期が訪れます。
『急に積極的になる幼なじみ』
『登校中、金髪の転校生と激突』
『図書室で美少女に手を握られる』
もうラブコメ主人公一直線のイベントが立て続け…というより、ネット小説「ラブノート」のあらすじ通りの展開。戸惑う光成を置いてけぼりにして、どんどんラブノートは更新され、ヒロインたちに振り回されることに。しかもそのラブコメ展開は、ちょっとズレており…

冒頭で出てきた佐藤くんは、途中から見事に忘れ去られています。というか、最初からそんな存在いらなかったくらい、ストーリーに影響を与えていません。メインヒロインは、天真爛漫な幼なじみ・柚葉。毎朝、朝食を作ってくれ、その味は絶品。母親からは「やったか?」と言われるくらい馴染んでいます。でも、鉄板であるはずの「朝起こしに来る」というイベントはなぜか発生しない。さらにパンを手のひらにのせた、金髪美少女転校生・初乃と出会い頭にぶつかり、ぱんつとご対面。ビンタされることもなく、なぜかぱんつの感想を言わされる光成。図書室で本をとろうとしたら、美少女・柊と手が触れた…ではなく手を握られ、なぜか手相チェックされ、エロ話へ…少しずつずれたイベントに戸惑っていると、今度は小動物美少女・五花から校舎裏に呼び出され、ラブノートの著者は、世界樹に影響を与える書き手で、暴走すると世界が壊れると告げられます。だから、誰かとこれ以上仲良くなることを避けるようにと…しかし、ラブノートは、どんどん更新され、五花自身もその影響を受けるように…ラブノートの著者が3人のうちの誰かを探る五花と光成。

前半は、突っ込み満載のハイテンションラブコメになっています。ヒロインそれぞれに特徴があり、面白い作品です。ただ、五花と柚葉以外の二人の性格がよくわからないのが残念。後半のための伏線だったのかもしれませんが、うまく機能しているとは思えません。それが勢いを削いでしまっているのも事実。

後半は、一瞬シリアスになります。これもいらないかなあ。それまでのハイテンションコメディが、沈滞してしまっています。しかもラストは、またハイテンションに戻っているので、どうせなら、そのまま突っ走って欲しかったですね。

とはいえ、王道ラブコメとして面白い作品でした。あ、そうそう「ラブノート」から想像される「○○ノート」とは、まったく関係のない作品です。

★★★☆
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2018年04月19日

中古でも恋がしたい!(11)


著者:田尾典丈
出版社:GA文庫
中古でも恋がしたい!(11)

前巻読んでから、結構(半年以上)経っていたようです。
しばらく続いた修学旅行が終わり、家に戻った清一を待っていたのは、聖美お手製バレンタインチョコによる、過激な試食テロ。一口食べたら、意識が深淵の世界に堕ちていくというシロモノ。清一だけでなく、まわりの人間も巻き込まれることに…そのため「仲直りしろ。可及的速やかに!」と古都子たちに迫られることになります。そして関係改善の協力を約束されるのですが、相手はあの聖美。一筋縄でいくはずもなく。

ということで、今回は聖美回になっています。が、正直この妹、好きになれないんだよなあ。小説ですし、文章にない部分は想像するしかないのですが、いままでの描かれ方からすると、性格が極限まで悪い奴としか認識できないんです。仲がいいとか悪いとかといったことが、どうでもよくなるレベルでの罵り。人を人と思わない扱い。それでいて、他の人に見せる笑顔。もう存在自体がウザイとしかいいようのない人物。そんな聖美が中心となると…やっぱりウザかったです。なんで仲直りする必要があるんだ? という感想しか出てこない。最後まで読んでも、そんな感想しか持てなかった。11巻まで来て、初登場時の印象が変わっていないというのは、ある意味すごいですけどね。それ以外のヒロインは、かなり変わりましたからねえ。あのいけ好かないアコですら、少しはマシになっているんだし。

しかし、清一のモテようは、なんなんでしょう? 本来聖美の本心を探ることが目的だったはずなのに、イブ、古都子、優佳のいずれも清一を誘惑しようとしていて…どの子でもあっさり攻略できそうな状況が続いています。

今回も結末というには弱い状況。まだしばらく続きそうです。古都子・優佳・イブの3人(+聖美)だけがヒロインとして回るという、最近珍しい少数精鋭型。今後もヒロインは増えずに、このメンバーで着地点を探っていくのでしょうね。タイトルを大切にするのであれば、もう一度古都子に問題が発生するというのが、本命でしょうね。あ、大穴で才谷がヒロイン枠に進出ってのもあるかも。一応一番わかりやすく男女を判別することができる、例のブツは観測されていないので、現状「シュレディンガーのネコ」状態。そう、男性である確率は50%なんですよね。…まあ世界観からいって、それはないと思うんだけどなあ。あと、才谷は本当に男性だったけど、清一が選んだのは…という腐った展開。まあそれは腐った二次創作にまかせておきましょう。

★★☆
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2018年04月17日

無病息災な異世界ライフ


著者:大保志雄二
出版社:ダッシュエックス文庫
無病息災な異世界ライフ 〜研修医は現代医学でゆるっと治す〜

主人公は、研修医として日々疲れきっていた青年。ある日意識を失い、目が覚めた場所は、エルフの家だった。さらに年齢も若くなっていた。ということで、よくある異世界転生ものです。
転生した時にいた家には、エルフの少女・コリスが一人で住んでおり、鼻声・赤くなった頬、うるんだ瞳と実世界の人間に当てはめると、風邪と思われる症状でフラフラしていました。この世界での風邪の対処法は「時間が解決するさ」というもの。そこで、ルクトは医学知識を生かして、彼女の看病をします。今までの常識と違うルクトの言葉に興味を持つコリス。行き場のないルクトは、そのままコリスの家に住むことになります。ここまでは、うまく現代医学とフォンタジー世界をつないだなあと感心しており、ルクトとコリスの会話もテンポよくおもしろい作品だと期待ができる導入部でした。

その後、低血糖で倒れてしまったドワーフの少女や、起立性貧血のヴァンパイアの少女などを、現代以外知識で治療していきます。このあたりから、少し疑問が出てきます。ルクトは、異種族の彼女たちに対して、なんの迷いもなく(ロクな診察もせず)人間(それも日本人を中心とした)向けの治療・投薬を行っています。風邪で汗を拭くという行為はまあ種族が違っても人間型ならそうかな? と思えますし、低血糖で砂糖を食べさせるというのも、もともとこの世界に砂糖があったようなので、もし違っても大きな失敗にはならないかもしれない。でも鉄剤を投与するってのは、どうなんだろう? 種族が違えば、血液成分も違うかもしれない。そんなことも確かめずに鉄剤を投与するっては…そうなんです。この物語で最初に疑問になってくるのが「生態もわからず、検査もしない状況でよく投薬できるな」という一点。素人ならともかく、医療従事者だったら怖くてなかなかできないと思うんですけどね。目の前で倒れているから…というのは、現代社会では、ある程度対処法が確立しているから。そういう意味では、一番最後の症例が一番納得できないんですけどね。もう一つ疑問に思ったのが、ルクトがコリスと一緒に住むことになった際、一緒に市場に買い物に行き外食したときのエピソード。コリスの財布がカラになり、外食先で「きれいな」飾りがなくなっていた…つまりお金がなく装飾品を売り払ったということなんですが、このエピソードを見ると、コリスは裕福ではない模様。でも、以降のエピソードでは、お金に関する話題は一切出てきません。そもそもコリスがお金持っていなかったことに気がついても、ルクトはなにもせず寄生していたのかな?

ストーリー展開や会話劇は非常に面白いので、症例はあまりややこしいものにせず、かついろんな矛盾を解消していってもらいたいですね。もう少し楽しみにしていこうと思います。

★★★
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2018年04月12日

君のみそ汁の為なら、僕は億だって稼げるかもしれない


著者:えいちだ
出版社:電撃文庫
君のみそ汁の為なら、僕は億だって稼げるかもしれない

主人公は貧乏学生の翔。翔が通う金成学園では株式制度が導入され、生徒たちが自分で部費などを稼いでいる。「ホープ」は、学園内で流通する通貨であり、金額に相当する願いを叶えるという不思議な力がある。経済小説とファンタジーを足したような小説です。

翔が大好きな夢路さん・お味噌汁屋さんを経営に【16歳の誕生日を迎えたら結婚する】という願いが1億ホープでかけれらていることを知る。ホープでかけられた願いは、同額のホープで打ち消すことができる。タイムリミットまでの半年で、翔はなけなしの学費100万ホープを元手に、1億ホープを稼ぐことができるのか!

「君の味噌汁が飲みたい!」
というのが、全体のベースにあり、ラブコメとしてなかなか楽しい作りになっています。夢路さんの、微妙にズレた感性(半分分かっていて照れ隠しなのかと思ったら、どうもそれだけではなかった模様)とか、翔の一直線なところ。そしてそんな翔にかける友人の暑苦しさ。いいねえ。お金が絡んでいるので、純真ではないけれど、結局は夢路さんを巡る恋のさや当てってのもいいですね。友人の熟女趣味も突き抜けているし

ラノベの経済小説にしては、比較的経済活動に矛盾が少ないほうです(あくまでも少ないですけども) まあそこは、翔や登場人物の熱量で気にならないレベルにできるのですが、いかんせんツメが甘いところが多いんです。残念ながら、まだこれからの作者さんなのかなあ。翔への違和感が拭えないんです。これだけの経済知識を持っており、かつそれを実行するだけの行動力があるのに、なぜ食うに困るほどの貧乏に甘んじていたのか…財布を落としからとか理由付けがあったような気がするが、どうにも弱すぎる。またホープで願いが叶うという設定は、ファンタジーな要素を入れたかったんだろうけど、結局「金がある奴が正義」となってしまい、他の設定が意味なくなっている。だってたった1億ホープで、好きな人と結婚できるんでしょ、金があったら努力しなくなるよ。そりゃ。あと、学校の規模がよくわからん。いったい学生は何人いるんだ? チェーン店が150店舗とか、かなりの大都市(東京クラスか)だぞ。じゃあ、教師や職員はどれだけ? 工場労働者や農家は学生? そもそも授業はどうしているの? ホープの金銭対価も人が決めているようだけど、だとしたら忖度だらけになるのでは?もう設定穴だらけ。説明部分とストーリー部分の比率がおかしい。経済書じゃないんだから、もっとストーリー中心にしようよ。

確かに極貧の主人公のほうが、盛り上がるのは事実。でも、そうするんだったら、主人公が極貧である理由をかなりひねらないと違和感が残ったままになります。さらに茫洋とした主人公が、いきなり活躍するのは、違和感を通り越して嫌悪感すら覚えます。

いろいろこれからって感じでしたね。

★★
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2018年04月09日

格安温泉宿を立て直そうとしたらハーレム状態になったんだけど全員人外なんだ


著者:うみ
出版社:スニーカー文庫
格安温泉宿を立て直そうとしたらハーレム状態になったんだけど全員人外なんだ

第2回カクヨムWeb小説コンテストの特別賞受賞作。最近はWeb小説ばかりですね。面白い作品も多いので、悪いことはありませんが、設定が若干甘いことが多いのが難点。この作品も甘さがあります。それと、各章が短く展開が早いってのも特徴ですかね。

主人公は高校生の筒木勇人。祖父から聞かされていた「ものすごくおいしい謎肉」を提供してくれる温泉旅館を探して、飛騨高山を訪れます。道に迷ったことなどから、日暮れがどんどん近づいてきて慌てる勇人。弱り切ったところで目の前に現れたボロ温泉旅館。ラッキーと中に入ったら、帳場に出てきたのは、セーラー服の美少女。さらには、ビスクドールのような美少女。価格も安く、宿泊することにした勇人の手をとって部屋に案内する美少女。セーラー服といい「そんなサービスの宿なのか…」と期待(オイ)する勇人ですが、実際はそうではなく、彼女たちは人外の存在。というより、この宿自体が人外のみで経営されていることが判明。しかもどうやら祖父が泊まったのと同じ旅館のよう…人外故のズレた感性のため、お客さんがほとんど来ない旅館になってしまっており、その立て直しを依頼されることに。美少女(吸血鬼・猫又・デュラハン・化け狸)たちに囲まれ、ハーレム状態で旅館の建て直しを頑張る物語となっています。

この導入部分、説明が少ないというか、途中がすっ飛んでいるので、祖父の「謎肉」エピソードが、意味のないものになっています。いっそ、そんな設定をなくしてまったほうが、納得感が高かったような気がします。

とはいえ、ヒロインズは、それぞれその特性を生かした行動をしていますし、ゆるいラブコメも楽しいものです。イントロや設定を忘れて、人外ヒロインと勇人の会話を楽しむほうがいい作品なんでしょうね。深く考えたら矛盾だらけになりますから…

少々ずれた会話劇をゆったりと楽しみましょう。

★★★☆
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2018年04月06日

底辺剣士は神獣<むすめ>と暮らす(4)


著者:番棚葵
出版社:MF文庫
底辺剣士は神獣<むすめ>と暮らす(4) 家族で考える神獣たちの未来

娘たちを手元におくための試練に必要だった目標額を達成し、晴れて正式な親子関係になったアードたち。いつも以上に甘えてくるようになった娘たちに対し、自分たちが将来どうやって生きていくのか考えて欲しいと告げます。「いつまでもあると思うな。親と金」じゃないですが、これから先成長していくのであろう(神獣だけによくわからない)娘たちに、自分たちの将来を描かせようという親心です。
ただ娘たちにとっては、まだ難しい問題だったようで、子どもたちの間で流行っている小説の登場人物から「探偵になる」という結論を導きだします。まあ子どものころの「将来の夢」ってそんなものですよね。で、普通は夢に終わるのですが、そこは神獣。「グラッサム探偵団」を立ち上げ活動を始めると、もともと人気者になっていた娘たちの元へ、次々と依頼が舞い込んできます。アードが思い描いていた展開と異なるものでしたが、果たしてどうなっていくのでしょうか?

今回で、シリーズ終了とのことです。なので、娘たちの将来や、アード自身の将来について、一定の方向性が決定されていきます。でもアードの恋(というか、リウナのですね)はどうなるのか? あまり詳しく触れられていないのが残念ですね。もう少しリウナも幸せになってくれればよかったのですが。

探偵団としての活躍は、依頼も展開もお約束なものが多いです。前半はまだ少年探偵団の真似事的活躍をする娘たちですが、後半は別にいなくてもよかったのかなあというシーンが続いております。まあアードが突出した実力なんで、仕方がないのかもしれませんね。でももう少し活躍を描いてもらいたかったなあ。

後半尻すぼみになっているのは、大人の事情が働いた結果の完結だからでしょうか? いままでの展開に比べると、物足りないですね。なんとなくですが、3巻で第一部完。さあ第二部が始まるよ、というところで「大人の事情により…」となったような気がします。伏線の回収も雑でしたしね。特にピコが再登場した意味がよくわからない。結局なんだったんだろう?

★☆
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2018年04月05日

突然ですが、お兄ちゃんと結婚しますっ!(3)


著者:塀流通留
出版社:MF文庫
突然ですが、お兄ちゃんと結婚しますっ!(3) わかった、とりあえずみそ汁を作ってくれ。

実妹、義妹だけでなく、似妹、外妹種、異妹など妹がゲシュタルト崩壊しているような作品です。実妹・凛音、義妹・空、似妹・青葉の3人に告白され、。一年間彼女たちに性的な意味で落とされなければ、永遠の妹ハーレムを約束するという「兄妹和親条約」を締結している慧が主人公。どんどん膨らんでいく妹ハーレム。夢のハーレムを構築するため、頑張っている慧ですが、ビーチバレーや肝試しなどあらゆるシチュエーションで誘惑してくる妹's。すでに慧の理性は限界状態のようで「さっきからわたしのこと、意識してるでしょ?」「そ、そんなことねーし!」と、即答できなくなってきています。果たして?

なんでしょうね。どんどん話が変な方向にずれていっています。もともとまともではなかったのですが、さらにおかしな方向に進んでおり、無駄にシリアスな設定も追加されてしまいました。そもそもが「永遠の妹ハーレムを築く」という頭おかしいだろ!という目標に向かって邁進する小説なんですから、シリアス成分は不要なんですけどね。というか、どんなシリアスもってきても、どうせギャグに上塗りされてしまうんだから…

妹からの誘惑レベルが、常識的な範囲に堕ちてきたような気がします。いろいろありすぎて、今の関係性に慣れてきてしまったのかも。もしかすると、この「慣れ」を打破するための、今回の展開だったのかもしれませんね。ただ少なくとも今回はうまくいったとは思えない状況です。もう一度以前の絶妙なバランスに戻って欲しいですね。そして、さらに想像もできない、新しい「妹」を参加させてもらいたいです。突然変異妹、絶滅危惧妹、量産型妹、赤い妹等など…なんか混じってますね。

今回も、サブタイトルの意味がよくわからなかった…

★★☆
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2018年04月02日

14歳とイラストレーター(4)


著者:むらさきゆきや
出版社:MF文庫
14歳とイラストレーター(4)

悠斗が姉の京橋彩華と競っていた頃、小倉まりぃの新作イラストレーターとして、ネットで人気の絵師「白砂」が抜擢されます。所属する絵師クラスタの仲間に祝福されても「べつに商業が初めてってわけじゃないし?ふつーでしょ」と余裕を見せていたのですが、何度もボツにされ困惑します。なぜボツになるのかがわからず、袋小路に迷い込んでしまっているのですが、仲間にそのことを打ち明けることができません。白砂はどうするのか?
前回は、すでにプロになっている姉弟対決が描かれました。どちらもプロとして実績があるので、イラストに込める想いといったものが語られていましたが、今回は「絵のうまい素人」と「プロのイラストレーター」の違いが、ある意味冷酷に描かれています。白砂は、ネット世界では名の知れた絵師。そのプライドがあったのですが、プロの世界はテクニックだけでは語れない「何が」があるようで、その「何か」がつかめず四苦八苦しています。そこで、まりぃの別シリーズのイラストを描いている悠斗を訪ねてきます。悠斗は白砂にアドバイスすることになりますが、聞いておきながら最初は心を開こうとしない白砂。しかしそこはラノベ主人公属性のある悠斗。大切なことを彼女に教え、ついでに落としてしまったような気もします。

すべてを捨ててでも、その世界で生きていく決意があるか? 非常に重い決断が必要な事項です。すべての事象が「二択の世界」になっているとは思いません。Yes/No以外の回答があることも多々。でも「どちらも」という回答は、難しいんですよね。今回白砂は絵師クラスタの仲間と「仕事」を天秤にかけることになりました。本当の友人というのは、相手の状況を理解して、相手を高めることによって自分も成長していくもの。それができない人は友人ではない…言葉にしたら簡単ですけど、現実ではなかなかねえ。

もう一つ、イラストレーターとしての悠斗の心得も描かれました。それは「作品を好きになること」 これは本当にそう思います。「ビジネス」として描かれたイラストは、うわべだけなぞっているだけで、印象に残りません。その作品・人物を好き(場合によっては嫌い)という気持ちが入っていると、文章に溶け込んでくれます。さらに商用の場合は、見た人が楽しい(悲しい)という気持ちを想起させる「なにか」が必要なんでしょうね。
少し真面目な話が続きましたが、しっかりラブコメしてますし、楽しい作品であることは間違いありません。しかし悠斗と乃々香の関係は、恋人というより長年寄り添った夫婦のようになってきましたね。乃々香の両親も登場させて欲しいな。あともう一組。ナスさんとハラミさん。いや、なんかもうこの組み合わせでいいんじゃない? そのほうがナスさん、幸せになれるような気がする。

★★★★
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異世界ギルド飯(2)


著者:白石新
出版社:GA文庫
異世界ギルド飯(2) 〜魔王とおでんと自衛隊〜

「腕によりをかけて作ってやるさ!」ギルドの地下食堂は本日も大繁盛。店主とチートな客が飯テロを連発!?カラアゲ&マヨネーズ、茹で&焼きズワイガニ、超高級日本酒&イカの塩辛、コーネリアの創作料理、トンカツ定食、心まで温まるおでんなどなど、みんな大好きな日本食が異世界を救う!? ということで、異世界冒険者ギルドの地下にある食堂の主人が主人公な、日本食無双物語。日本酒も登場しています。どうも獺祭のような気がするのですが、どうなんだろうなあ。それを「日本酒の最高峰」とか言われるの、私は嫌です。ってなことはおいといて、今回、店主の生い立ちと貯蔵庫の秘密が明かされます。なぜ、日本食なのか? 仕入れはどうなっているのか? などですね。

コーネリアが本来の目的「魔王として世界を滅ぼす」をどうするかが、今回のテーマになっています。カツカレーを食べるだけの少女ではなく、魔王としての本来の姿との葛藤が描かれています。でも、まあそこはこの作品のゆるさで、あまり深刻になっていないんですけどね。

異世界と現代世界は時間の進み方が違うようです。異世界の10年が現代世界の数日(?)くらいの感覚。まあそうしないと、設定に矛盾が生じるんでしょうね。異世界のほうが時間の立ち方が早いってのは、お約束ですから。

店主の生い立ちについては、さらに謎が深まったような気がします。…というか、矛盾を出さないよう無理矢理つじつま合わせしているような。ゆるいお話なんだから、いっそ「謎」のままにしてくれたほうが、楽しめたのかもしれません。本来メインテーマであるはずの、コーネリアの葛藤が妙に軽く扱われていますからねえ。

サブタイトルの自衛隊…別にいらんような気がする。もう少し面白くなるかと思っていたのですが、結局盛り上がりやまとまりに欠けたまま…ラストも端折りすぎで盛り上がらなかったし…「生徒会」や「GJ部」みたいに、ゆるく長く続けるのか、短くはじけるのか…そのどちらもできないままでした。少々残念な結果になっていますね。

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posted by あにあむ at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | GA文庫