2018年01月30日

業焔の大魔導士


著者:鬱沢色素
出版社:講談社ラノベ文庫
業焔の大魔導士 〜まだファイアーボールしか使えない魔法使いだけど異世界最強〜

主人公は、トラックにひかれて、異世界に転生した少年ユアン。転生時に「最強の魔法使いになりたい」と望んだが、彼が手にしたのはあらゆる魔法を使いこなす能力ではなく、ファイアボール特化型能力でした。彼が転生したのは、ド田舎。そこでラビット(食材として)を狩って、ファイアボールの能力を上げていましたが、ある日偶然美少女を助けたことにより、王都の魔法学園に通うことになります。ファイヤボールしか使えない少年の無双譚。

異世界転生のお約束で、チート能力を望んでみたら、思ったのと違ったというお話。ただこの転生設定不要だったような気がします。こちらの世界では、ド田舎で生まれ育ったということで、魔法体系などをなにも知らない……という設定になっていますが、前世でのゲーム知識はあるという中途半端なことになっています。転生設定を生かし切れていないかなと。なろう小説ですから、転生入れないといけないのかもしれませんが。

最初に邂逅した美少女は、実際は王都の魔法学園の学園長。というか、まわりの人の話方や、いきなり魔法学園を薦めてくる(願書を手渡す)時点で、偉いさんだとわかりそうなものですが……。魔法学園の入学試験では、またもや美少女・セシリアと仲良くなりますし(彼の認識はぱんつ)、いろいろチートな人生を歩んでいきそうです。この世界の魔法は、人によって覚えられる数(というか種類)が決まっていて、さらに新しい魔法を覚えるには、その前提となる魔法を限界まで極めないといけないもののようです。ユアンは、覚えられる魔法は100ほどと、通常の大魔導士といわれる人の倍。でもファイアボール以外が使えないのは、まだファイアボールが限界に来ていないから……

ユアンのファイアボールは、魔王ですら一撃で倒せるレベルに到達しているのですが、彼自身は魔法が一つしか使えないため、自分は弱いと思い込んでいます。そのストイックさが、さらにセシリアたち美少女を虜にすることになり……とリア充一直線。当然それを快く思わない人もいてユアンは立ち向かっていけるのか? というお話です。

ファイアボールのバリエーションがすごいです。っていうか、すでにそれは「ファイアボールではない、なにか」になっているような気がします。AI搭載型ファイアボールとか、ファイアボールに乗って移動とか、ファイアボールを使ったコピー人間(ドット絵により再現)とか、もうなにがなんだか……

後書きによると、作者は爆発xエロが大好きとのこと。この作品内でも爆発はうまく表現されています。でもエロはどうかなあ。最初のぱんつシーンは、まだよくあるらっきーすけべですが、口絵にある胸と股のマッサージシーンは、とってつけた感が強くて、浮いています。セシリアがユアンに好意を持っていることを表現したかったのかもしれませんが、それまでのセシリアの言動からすると、ギャップがありすぎて……どうせなら、もう少しやりようがあったような……そこを除くと、非常に面白い作品です。俺TUEEEEなんだけど、その手法が面白いですね。

★★★☆
posted by あにあむ at 12:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 講談社ラノベ文庫