2018年01月22日

魔法塾


著者:壱日千次
出版社:MF文庫
魔法塾 生涯777連敗の魔術師だった私がニート講師のおかげで飛躍できました。

魔法大国・日本のトップ魔術師に史上最年少で成り上がった天才・鳴神皇一郎が主人公。彼は、とある事件で仲間の裏切りに遭い、強力な魔法を使おうとすると、強烈な痛みが走るという呪いをかけられ、さらに戦いの場から逃げた卑怯者というレッテルを貼られます。そのため、引きこもりニートとなっています。自分が堕ちたことよりも、恩師の魔法塾の信用を失墜させてしまったことを、悔やんでいる日々。そこに、恩師の娘・結が「私が経営する魔法塾・黎明館の講師になって」と頼んできます。彼女から恩師が病によってこの世を去ったことを聞き、また憑依術により「娘をよろしく頼む」と頼まれたことで、その職を引き受けることにします。そのままでは受講生など来るわけがないので、姿を変えるメガネを使って……そんな塾にやってきた塾生は、生涯全敗の魔法騎士・ベアトリクス、死霊軍団の結成を夢見るお嬢様・芙蓉。閉所が大好きで、優秀な子種を収集しようとしてしているつぼみ。落ちこぼれや変態ばかり。それでも天才と呼ばれた元ニートは、「安心しろ。俺がこの塾を『母校より母校』と思える場所にしてみせるから!」と頑張ります。

この作者、同じレーベルで「バブみネーター」というとんでもない駄作を刊行しています。その翌月に刊行された作品なので、また同じ流れいなってしまうのでは? と恐れていたのですが、想像以上に面白い作品に仕上がっていました。
主人公を筆頭に、まっとうな人生からは脱落した人物ばかりで、それぞれの出自を考えると、かなり暗い話になりそうですが、うまくコメディ下手に味付けされていて、一気に読むことができした。皇一郎も、前向きな主人公なので、読後感もすっきりしています。大切な人を守るために、自らの生命ですら投げだしていく熱さ。

ヒロインの中では、ベアトリクスがいい色持っていますねえ。天才的な剣技を持っているにもかかわらず、狙った敵に決して決して当たらないという呪いをかけられているため、全戦全敗という酷い成績になっています。普通ならば、この時点でダークサイドに堕ちてしまいそうですが、さらにビキニ型アーマーは、おしゃれではなく、お金がなくて質入れしたとか……そんな状況下でも、明るさを忘れない彼女のおかげで、物語が明るくなっています。まあ他の二人……芙蓉やつぼみも大概な奴らですけどね。

前作とは異なり、ある意味正当派の作品。このままのバランスで楽しませてもらいたいですね。

★★★☆
posted by あにあむ at 15:06| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫