2017年12月27日

黒騎士さんは働きたくない(3)


著者:雨木シュウスケ
出版社:ダッシュエックス文庫
黒騎士さんは働きたくない(3)

獣人街でヒキニート生活を絶賛謳歌中の元・黒騎士クロウは、アシュリーにビンタを食らいます。どうやら大事な約束をすっぽかしたらしいです。さらにそこへかつての部下、四魔将の一人・イングリッドが現れます。彼女もまた、クロウが守らない約束があるので殺しに来たといい、クロウに本気になれと迫ります。それでも「約束なんて知ったことか、なぜならおれはクズだからな」とスローライフを続けようとしますが……

相変わらず、ヒモ生活を謳歌しているクロウですが、黒騎士時代のしがらみがそれを許さない状況になってきました。アシュリーにまで怒られ、さらにイングリッドが殺しにくるという状況。そんな混乱の中、パスティアが持ってきた猿退治の仕事に嫌々ながら向かいます。このあたり、律儀ではあるんですよね。その律儀さをもっと他に生かせばいいのにと思うのですが、どうもそれができないのがクロウなのかも。

実はクロウ、約束は守ってきていました。前巻で登場したシャリリンとの約束も覚えていましたし、それを果たそうと動きました。ではなぜ今回、アシュリーとイングリッドの約束をすっぽかしているのか? その理由は、本編で明らかになりますが、一つは単純なもの、そしてもう一つはかなり複雑なものとなっています。単純なほうは、誰にでもある話で、ある意味痴話げんかといってもいいかも、といった内容。もう一つは結構重い話になっています。この約束の話だけだと、重いストーリーになるのですが、そこにミアルVs闇商人だとか、いろんな場面でクロウを助けるシャリリンの存在が、場を明るいものにしています。でもシャリリンも脳天気というわけではなく、長い生命を持つものとしての、葛藤はあったようです。それを乗り越えて今のシャリリンがあるようです。

今回もヒキニートになりきれず、結果的には働き者になっているクロウ。イメージとしては、必殺仕事人の主水のようなものかな? 昼行灯だけど、裏では切れ者という。

今回、ストーリーが盛り上がっています。さらに新しい展開が示唆される終盤なのですが、シリーズとしては3巻で終了するようです。最近は作者が考えいたであろうラストシーンにたどり着ける作品が少なくなっていますね。とりあえず出版してみて、ハズレたら、即打ち切り。ならいっそ文庫ではなく雑誌連載にして欲しいです。昔のザ・スニーカーのように。そして連載が貯まったら文庫化する。そうすれば、もう少し打ち切り作品が文庫出版されることが減るのでは? と思ってしまいます。まあ今の文庫を「雑誌」と割り切ればいいんでしょうが……

★★★
posted by あにあむ at 16:49| Comment(0) | TrackBack(0) | ダッシュエックス文庫

14歳とイラストレーター(3)


著者:むらさきゆきや
出版社:MF文庫
14歳とイラストレーター(3)

大手レーベルから、ラノベイラストの依頼を受けた京橋悠斗。ところが、姉であり目標でもあるイラストレーター・京橋彩華が「その仕事、お姉ちゃんがすることになったから」と言い出します。さらに悠斗のスマホに一枚のイラストを送りつけ……そのイラストを見た悠斗は「勝ち目がない」と完全自信喪失。果たして悠斗はイラストを描くことができるのか?

元々姉に憧れ、イラストレーターを目指した悠斗。即売会でも注目されていなかった頃、ブースに彩華が現れたとたん、いろんな人が挨拶に来るようになります。彩華が悠斗を「弟」と紹介したことで、悠斗にも挨拶していく業界人たち。でもそれは、悠斗を認めた訳ではなく、彩華の付属物としての扱いにすぎません。その事実に打ち勝てず、イラストを諦めかけた過去もありました。そんな姉のすごさを改めて感じた悠斗。なんとか元気づけようとしてくれる乃々香に強くあたってしまい、自己嫌悪と負のスパイラルを落ちていきます。でも前と違ったのは、それでも支えてくれる仲間たちがいたこと。マリィやナスさん、錦といった友人たちの支え、そしてなにより乃々香の支えにより、徐々に気力を取り戻していきます。

今回は、マリィのかわいらしさが爆発している回ですね。前巻では、奇行が目立っていましたが、今回は「悠斗が電話してくれるのだったら」とスマホを買ったり、悠斗の後ろを忠実についていく子犬のような姿を見せます。見た目も含め、可愛い女性のようです。

ナスさんは、自分の気持ちに今回も気づいていないようです。というか、その状態で悠斗からもらった指輪をはめたままにするって、確かにストーカーホイホイですね。勘違いしてくださいって、言っているようなものですからねえ。

ハラミさんは、今回も奇行担当。どうやらこの作品では、ハラミさんがよかれ悪しかれ、ストーリーを動かす役目のようです。そういった意味では、次は乃々香に動きがでてくるのでしょうか? 本文でも強調されていますが、乃々香の両親はどのような教育をしているのか? 前巻はお泊まり旅行でしたし、今回は悠斗の部屋にお泊まり。でもビッチとは正反対の清楚さも持っている。不思議な少女ですね。

ブラコンをこじらせた彩華さんは、まっとうな大人になれるのか? ナスは自分の気持ちに気づけるのか? 乃々香は? ハラミは? マリィは? と気になることが多いシリーズ。すでに4巻も発行されていますし、一日もはやく続きがよみたいです。

★★★★
posted by あにあむ at 15:47| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫