2017年09月04日

俺と彼女の恋を超能力が邪魔している。


著者:助供珠樹
出版社:ガガガ文庫
俺と彼女の恋を超能力が邪魔している。

主人公は、男子校に通う伊藤大治郎。クラスでも、特に目立たない存在で、当然異性にモテるということもない平凡な少年。ある日父親からレンタルDVDを返却してきて欲しいと頼まれたことで、平凡な日常に変化が訪れます。レンタルビデオ店で、ひとりの少女から「会員証を持っていないので、代わりに借りて欲しい」「返却しないといけないので、また会って欲しい」とまさかの「逆ナン」されます。大治郎と少女は散歩友達となり、楽しい時間を過ごすようになります。ファミレスでパフェを食べさせあうとか、初心な恋人のような楽しいことも…でもなぜか少女が指定する時間は深夜ばかり。さらに触れていない物が動いたり、破裂したりと不可思議な現象も…
その少女・灰島小春は、幼い頃に特殊な力が覚醒した少女たちとともに世間から隔離され研究施設で暮らす超能力者で、夜な夜な施設を抜けだして、町を冒険するのを密かな楽しみにしていたのでした。

人と違う能力を持ってしまったがため、世間と切り離された生活を余儀なくされた少女とさえない高校生の物語。能力を秘密裏にするため、世間から切り離すというのは理解できる設定なのですが、切り離し方が非常に中途半端。また少女たちが、妙に世間慣れしているのも不思議です。またあっさりと施設を脱出・帰還できているのも不思議。本気で世間から切り離すつもりならば、離島に施設をおくとか、そもそも脱出できないように、施設を整えるのではないかな? という思いが強くて…この施設(学校)は、普通に町から見えているようですし、一般人が迷い込むことも普通にありそう。「お嬢様学校」という触れ込みにしても、同世代の少女しかいないのであれば、不自然ですし。

と、設定の安易さが目につく作品です。「小説だから」でそこに目をつぶっても、今度はなぜ小春が大治郎を選んだのか? といったラブコメの根源部分も描写が甘く最後まで分かりませんでした。登場人物同士の関係性をもう少し深く描写してもらえたら、面白く読めたのかもしれません。

★★
posted by あにあむ at 15:41| Comment(0) | TrackBack(0) | ガガガ文庫