2017年09月20日

パンツあたためますか?


著者:石山雄規
出版社:スニーカー文庫
パンツあたためますか?

ある日主人公が家に帰ると、見知らぬ美少女がパンツを握りしめていた…主人公のパンツを…「わたしは、別に怪しい者ではないんです!」

主人公は大学生ですが、学校にも行かずニートな生活をしています。そんな彼の前に現れたのは、趣味ど真ん中の美少女。しかも好意MAX。普通なら「春が来た!」な状況ですが、この美少女・真央は主人公のパンツを握りしめており、しかも不法侵入なストーカー。いくら「好きです」と言われても簡単には受け入れられないわけです。さらに真央の行動はエスカレートしていき、自分の家に呼び込み睡眠剤入りコーヒーを飲ませる、などヤンデレ一直線。もう包丁持って笑っていてもおかしくないような精神状態。

この作品、優秀賞だそうです。タイトルみて、てっきりラブコメ(もしくはエロコメ)と思っていたのですが、無駄に暗い小説でした。タイトル詐欺ですね。救いがないのは、登場人物すべてが、どこからしら病んでいること。主人公もおかしいですし、サブヒロインたちもすべて、どこか病的。さらに恋愛を「手をつなぐ−キスする−セックスする」だけとしか捉えていない主人公がもううっとうしくて。別に恋愛に夢を見ろとはいわないまでも、もう少しなんとかならんのか? ラストまで含めて、どこにも救いがありません。なぜこの作品が優秀賞なんだろうな。ラノベとして、エンターテイメント小説として、読者を楽しませるという要素はなかったように思います。タイトルは出オチだし。

誰かまともな人物がいれば、もう少し救いのある物語になったのでしょうか? どうもこの作者さんは、こういう作風に憧れているようなので、次回からは作者をNGとしましょうか。私がラノベに求めているものとは、相容れない小説でした。

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2017年09月19日

魔導少女に転生した俺の双剣が有能すぎる(3)


岩波零
著者:岩波零
出版社:MF文庫
魔導少女に転生した俺の双剣が有能すぎる(3)

勇翔は、魔法学校の代表として魔闘会を勝ち進みます。次に対戦するイグニフェール魔法学院は、火山の真上に浮いており、その火山にある温泉には様々な魔法的効能があることが分かります。効能は本当に種々雑多で、魔力を回復してくれる温泉(回復の泉ですね)、逆に魔力を吸い取る温泉、なぜか全身が緑色になる温泉、首が長くなる温泉など…他にも、魔法で生成された服が消えてしまう温泉や、性別が入れ替わる温泉など…そんなとき、勇翔を訪ねてきた男が「オレも人体生成が使える」と言い出して…

温泉効能はお約束の順番で現れていますね。この世界では服を着たまま入るのが普通のようで、混浴に慣れたところで、服が消える。性別がひっくり返る温泉は、さらに人を狂わせる効能もあるのか、男性化した女性陣から、勇翔は襲われそうになります。結局、スカートがもっこりするほど元気になったナニが、女性用下着に締め付けられる痛みで我に返り事なきを得たのですが…

ここまでは、いつも通りのドタバタギャグでした。ところが、人体生成が使えるという人物が登場してからは、今までのストーリー進行とはまったく異なるスピードで物語が進み出します。具体的にいうと、打ち切りが決まって無理矢理当初の着地点に向かっているかのような(爆)いや、本当にそうなのかな? と疑ってしまいます。イグニフェール魔法学院の温泉騒動までは、かなり尺がさかれているのに、実際の競技会は一瞬。当初は、武闘会ノリにしたくないのかな? とも思ったのですが、どうもそれだけでなくいろいろなことが一気に進んでいます。実際今回でエンディング迎えていますからねえ。

ちょっと残念なのは、月華と陽奈が最後まで、人間として扱われていなかったこと。確かに元は刀だったけど、女の子として人格が与えられた時点で、もう少し扱いが変わってもよかったんじゃないかなあ。勇翔が転生した世界は、恋愛という概念が薄く、いきなり合体するのが普通な世界。そんな設定も生かし切れていなかったような。ラストがすっ飛んでいるので、印象が薄くなってしまいました。

★★☆
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2017年09月14日

※妹を可愛がるのも大切なお仕事です。


著者:弥生志郎
出版社:MF文庫
※妹を可愛がるのも大切なお仕事です。

主人公は、ラノベ編集者である紘。ラノベ業界ものですが、高校生とかではなく24歳という全うな社会人年齢なので、違和感が少なくてすみそうな作品です。
紘が担当する作家は複数いるが、その中の一番売れている作家は10代美少女。さらに新人賞応募作品で「読んで泣いた」という作品を書いた唯々羽を、同僚との取り合いの末、担当しています。小説を読んだ際には、まったく気がつかなかったものの、唯々羽は実の妹。それも「こいつのためなら死んでいい」と思うほど可愛がっている妹。唯々羽の作品は、売れていない…紘は可愛い妹を売れっ子作家にできるか?

よくある業界モノです。担当作家が妹ってのも、あまり新鮮味はないなあ。というか、唯々羽って名前、かなり珍しいしPNで気づくだろう、と思うのですが…

唯々羽と紘の生活は、まるで新婚さん。二人で朝ご飯を食べ、仕事と学校に向かう。そして紘が帰ってくると、唯々羽が「おかえり」と迎える。唯々羽の執筆場所は、紘の膝の上。一緒にお風呂に入って癒やし癒やされ…ええもう、見事なまでのブラコン&シスコン兄妹です。そこまでして唯々羽が書くのは、迷走したトンデモ小説ばかりで…あれ? なんか最近同じような小説読んだ気がする? デビュー作と異なるジャンルを書こうとして、トンデモ思考になってしまうストーリーだった…あっちは血縁関係はなかったと思うけど、なんか似たストーリーだなあ。ライバル作家がいることも、それがともに同年代というのも同じ流れのような…

Wヒロインな作品のはずですが、ヒロインたちよりも、紘の後輩編集者千々石のほうが、可愛く見えてしまうのはなぜでしょうか? もう少し妹ヒロインが積極的に動けば、おもしろいラブコメになったのでしょう。

★★★
posted by あにあむ at 15:29| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫

2017年09月12日

異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術(8)


著者:むらさきゆきや
出版社:講談社ラノベ文庫
異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術(8)

シェラと結婚し、エルフ王となったディアヴロ。結婚式の後は初夜…ということで、その手の経験がまったくないディアヴロはおろおろするのですが、シェラのほうもその手の知識は似たようなものだったようで、あっさり寝てしまいます。同じ部屋で寝ることもできなかったディアヴロは、客間に戻りますが、そこで…そんなこんなのあと、ファルトラ市に戻ります。今のままでは大魔王モディナラームに勝てないと考えたディアヴロは、レベルアップのため剣聖を頼ることします。
「剣聖よ、この俺に剣術を指南するがよい!」
「そ、そんな居丈高に言われたの、初めて……です」
打倒大魔王のため、剣の道を極められるか?

今までは、圧倒的な力の差で敵を粉砕してきたディアヴロですが、大魔王モディナラームには、勝てないということで、レベルアップを図ることになります。ゲーム世界では、レベルアップしたら、数値として表示されていたのですが、それがない世界。彼は、レベルアップすることができるのか? ということで、久しぶりにゲームを始めた頃のワクワク感を感じるディアヴロでした。

魔術師としての能力はトップクラスで、魔王ロールプレイも様になっているのですが、女性の扱いについては、からきしダメなようで、ダークエルフの経験豊富なお姉様方には、経験がないことを見抜かれております。とはいえ、普通の童貞よりもかなり経験豊富なはずなんですけどねえ。今回もいろいろされていましたし、女性のそういった状況も経験しているんですけどねえ。それをみて興奮するとかじゃなく、意味も分からない…いくらコミュ障だったとはいえどうかと思う状況になってきました。今回は、クルムを行水させ、洗ってやっているのですが、こういう世界の尻尾や角つき種族らしく、クルムも角や尻尾は性的快感があるようです。で、そこまででやめていれば、ギリセーフなのですが、クルムから尻尾の付け根(というか股)も洗えといわれ、そこがどういう場所かわかりながら(大切な場所だからきれいにしないとと考えていますからね)布で何度も擦るというのはアウトでしょう。実際クルムはお漏らしするくらい感じていたようですし…クルムは魔王とはいえ、見た目は幼女。これはアウトでしょう。

それはさておき、今回はディアヴロ修行編。剣聖に教えを請うことができるのか? そもそもレベルアップすることができるのか? たぶん、魔王ロールでなく頼んだほうがうまくいきそうと思うのは私だけではないでしょう。剣聖の館(というか小屋)で出された料理などを見ていると、ディアヴロ以外にも現実世界(日本)から召還された人物がいたようですね。それとも元ゲームの影響なのでしょうか? このあたりもこれから明らかになっていくのかな?

★★★☆
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2017年09月11日

異世界混浴物語(5) 激動の海底温泉


著者:日々花長春
出版社:オーバーラップ文庫
異世界混浴物語(5) 激動の海底温泉

「ハルノハ アズカッテイル タスケタクバ ミズノミヤコマデ クルガイイ」
文章だけ読むと、誘拐犯からの手紙としか思えないのですが、これは東雲春乃の異変を告げる水の女神の言葉。いずれにしてもほっておけないと、海底都市「水の都」に向けて大海にこぎ出す一行。潜水艦と水の女神の加護、さらに無限バスルームのギフトを用いて、海底都市に向かうことになるのですが、ファンタジーなんだかSFなんだか…

前回、冬夜同様異世界に召喚され、魔人になっていた妹もメンバーに加わっており、さらに女性比率が高まっています。幼い頃に死に別れた兄妹ということもあり、妹の兄に対するメンタルは、幼い時のままのようで、無邪気すぎて兄少々困るという状況になっています。(といいながら、どうも異性として狙っているような気もする)

水の都で再会した春乃は、冬夜を見つけて抱きつくなど、逢えない間に想いを強くしたようですね。やはりメインヒロインの座は渡すつもりはないのでしょうか?、もともと日本人ということで、黒髪黒目だった春乃は、目が緑になっていました。それは風の女神の力を引き継いだから… 冬夜に祝福を与えることで、ギフトを強化できるということで、さっそく祝福を与えるのですが、キスなどの儀式がなかったことを残念がる春乃さん。もう自分の気持ちを隠すつもりはないんですね。 風の女神の祝福を得たことで、無限バスルームはさらに大きくなるのですが、それと同時に冬夜の夢に出てくる女神たちが話すようになります。今まではジェスチャーやフリップしかなかった意思疎通方法が、突然便利になっています。確かに風(空気)がないと音は伝わりませんね…

さらに大きくなる無限バスルーム。今回は想定されるレベルの増築でした。そろそろネタ切れなのかなあ。次巻では、以前のように驚くような進化をみせて欲しいです。

★★★☆
posted by あにあむ at 11:26| Comment(0) | TrackBack(0) | オーバーラップ文庫

巨乳天使ミコピョン!


著者:瀬戸メグル
出版社:講談社ラノベ文庫
巨乳天使ミコピョン!

主人公・工藤竜馬が、口避け女に突然襲われるところから物語がスタート。口避け女かあ。社会現象になりましたね。当時はネットもなかったのに、すごい勢いで全国を席巻して、本気で怖がる子供(私たちの世代)が大量に出ました。それはさておき、振り下ろされる刃にもうダメかと思った竜馬を、金髪巨乳の美少女(羽根つき)が救ってくれた!彼女はミコピョンと名乗り実は天使で、口避け女のように人間にとりつく悪魔を退治するためにやってきたといいます。彼女は、力を発揮するためには、人間の契約者が必要ということで、竜馬に契約してくれないか持ちかけます。普通なら悩むところでしょうが、実際に口避け女により生命の危険を感じたことや、ミコピョンが巨乳美少女だったことで、あっさり承諾。特に儀式もなく、竜馬のスマホにアプリを導入することで契約完了。なんか現代的ですねえ。

で、悪魔退治の能力を得る方法は、アプリが出すクエストを達成すること。悪魔側も同じ方式で、あちらは基本悪行でポイントが貯まる。ということは、天使側は善行を積む…と思うのが普通ですが、なぜか『契約天使に乳ビンタしてもらう』『異性と熱い抱擁をかわす』『美少女に罵られる』といった変なものばかりで… 一つ目はミコピョンにあっさり実現してもらう訳ですが(まったく躊躇なかったな)、他のものは、竜馬の幼馴染みに対して実行。学校で幼馴染みに抱きつく…普通こんなことしたら、ビンタだと思うのですが、幼馴染みは受け入れております。って、こいつコミュ障といいながら、美少女幼馴染みがいるじゃないですか。それもかなり好意持っていますよ。このリア充め。

ということで悪魔を倒すべく、微妙なクエストを実行し、能力を購入していく竜馬。もう闘いというよりも、ゲームをしている感覚ですね。「10万円寄付する」ていうような、課金アイテムもありましたし…

主人公にとって、幼馴染みは眼中にないようです。例によって幼馴染みの悲劇ですね。メインヒロインはミコピョン一択になっていますが、これでいいのでしょうか? ミコピョンが天使であるが故、ラブコメが発動しにくい環境になっています。そこが残念ですねえ。もう少し、幼馴染みにチャンスがあるようなラブコメシーンがあると、面白くなりそうなんですが、いまのところインパクトが弱い作品です。

★★
posted by あにあむ at 11:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 講談社ラノベ文庫

2017年09月06日

フリーライフ 異世界何でも屋奮闘記


著者:気がつけば毛玉
出版社:スニーカー文庫
フリーライフ 異世界何でも屋奮闘記

主人公は、異世界暮らし3年目の佐山貴大。何でも屋「フリーライフ」のぐーたら店主。毎日のんびり楽しく過ごせればいい(=働きたくない)という怠け者で、ごく平凡に見えますが、実は神すら倒せる世界最強レベルの実力者。怠け者だけど、困っている人をほっておけないお人好しでもあり、うっかり大活躍をしてしまい、どんどん目立ってしまって… 異世界スローライフの金字塔…ということなんですが、あまりスローライフじゃなかったなあ。いやそれが悪いという訳ではないです。もともとWeb小説で、それをラノベ仕様に大幅加筆修正されたそうですが、まあそんなことはWeb小説を読まない私には関係がない。ラノベとして楽しく読めるか、がすべてです。なのでWeb小説のお約束は、まったく気になりません。

貴大は異世界から召喚されてきたようですが、その部分はばっさり切り落とされています。新しい世界にきて、あれやこれや悩んでいたはずの部分は、無視され、異世界での生活が安定してきた3年後から物語がスタートしています。作者曰く「真ん中のおいしいことろだけ」ということですが、いいですね。読者がいろいろ想像できますし、楽しい趣向です。それも、キャラクターがしっかり描かれているからでしょうね。違和感がありませんでした。

ヒロインたちが魅力的なのもいいです。おしおきメイドさんのユミエル、まんぷく亭の看板娘・カオル、名門王立学園に通う大貴族の娘・フランソワなど個性的な女の子ばかりです。貴大の本当の能力を知っているのは、ユミエルだけのようですが、他の女の子も、貴大の優しさを通して「強さ」も理解しているようです。このあたりの描き方もうまいですね。さらにヒロインが、妖精・黒髪の少女・ロリ獣・お嬢様などバラエティに飛んでいるのも楽しいです。まったりと読める小説ですね。

★★★☆
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2017年09月05日

美少女作家と目指すミリオンセラアアアアアアアアッ!! (


著者:春日部タケル
出版社:スニーカー文庫
美少女作家と目指すミリオンセラアアアアアアアアッ!! (

文芸編集者を目指していたはずが、なぜかラノベ編集部に配属されてしまった新人編集・黒川清純。編集部は、作家の下ネタ電話にいつも涙目な先輩、会社に住み込んでゲーム三昧な副編集長。編集長は失踪中…とんでもない部署に配属された清純。彼が文芸編集者を目指していた理由は「文芸書のほうが売れるから」ということ。ラノベは、読者層が薄く、大ヒットしても数万〜数十万部。文芸書はヒットしたら百万部を超える…ってことなんですが、この計算本当に合っているのだろうか? 出版不況の昨今、百万部超えの文芸書って年に数えるほどしかないと思われ、一方ラノベはスマッシュヒットがたくさん出ているような…まあ考え方ですけどね。

新人清純が担当させられた作家は、天才JK作家天花と絶賛スランプ中の兼業作家(といってもまだ10代)ひよこのふたり。天花は戦記ものでデビューし、大ヒットを飛ばしているのですが、次に書きたいのは「ラブコメ」。清純が先輩に連れられ、初めて天花と出会ったとき彼女は、スク水にブルマを穿き、ハゲづらで人形に「ここがええんか?」と絶賛セクハラ中…ラノベ作家にまともなヤツはいないのか! まあ彼女曰く、ラブコメ書くために痴漢される気持ちをシミュレーションしていたと…で
「そうだ 痴漢、されに行こう。」

………

これで姿がアレだったら、アレなんですが(自主規制)、彼女は非常に美少女。うーむ、世の中間違っていますね。

もう一人のヒロインは、クールビューティを装うドジッ娘。彼女は、完全にスランプに陥っており、そのままだと筆を折ってしまいそうな状況。清純は彼女を奮い立たせることができるのか?

ダブルヒロインです。で二人とも癖のあるヒロイン。さらに、スタート地点がマイナスという共通点もあります。一冊で二人とも成功させようとすると、かなり薄っぺらいものになりそうですし、ギャグは寒いし、前半は不安しかありませんでした。清純も無駄にラノベをdisるだけの存在でしたし… 中盤で清純の過去が明かされるあたりから、メリハリがきいて読みやすい作品に変化しています。この作者さん、あまりギャグに走らないほうが、本領発揮できるのではないでしょうか?

ただ、最後までダブルヒロインであることの意味は、見いだせませんでした。今回は天花回だと思うのですが、その割にはひよこの出番が多く、消化不良。ラブコメとしても、それぞれのヒロインとの関係性はうまく描かれているのですが、ヒロイン同士の関係性が乏しく、なんとなく相手にバレない二股現場を見せられているな気持ち悪さが残ります。

次巻以降で、関係性に変化が出てくるのでしょうが、文庫一冊のボリュームなら、ヒロインはどちらか一方にしたほうがおもしろかったかも。

★★★
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2017年09月04日

俺と彼女の恋を超能力が邪魔している。


著者:助供珠樹
出版社:ガガガ文庫
俺と彼女の恋を超能力が邪魔している。

主人公は、男子校に通う伊藤大治郎。クラスでも、特に目立たない存在で、当然異性にモテるということもない平凡な少年。ある日父親からレンタルDVDを返却してきて欲しいと頼まれたことで、平凡な日常に変化が訪れます。レンタルビデオ店で、ひとりの少女から「会員証を持っていないので、代わりに借りて欲しい」「返却しないといけないので、また会って欲しい」とまさかの「逆ナン」されます。大治郎と少女は散歩友達となり、楽しい時間を過ごすようになります。ファミレスでパフェを食べさせあうとか、初心な恋人のような楽しいことも…でもなぜか少女が指定する時間は深夜ばかり。さらに触れていない物が動いたり、破裂したりと不可思議な現象も…
その少女・灰島小春は、幼い頃に特殊な力が覚醒した少女たちとともに世間から隔離され研究施設で暮らす超能力者で、夜な夜な施設を抜けだして、町を冒険するのを密かな楽しみにしていたのでした。

人と違う能力を持ってしまったがため、世間と切り離された生活を余儀なくされた少女とさえない高校生の物語。能力を秘密裏にするため、世間から切り離すというのは理解できる設定なのですが、切り離し方が非常に中途半端。また少女たちが、妙に世間慣れしているのも不思議です。またあっさりと施設を脱出・帰還できているのも不思議。本気で世間から切り離すつもりならば、離島に施設をおくとか、そもそも脱出できないように、施設を整えるのではないかな? という思いが強くて…この施設(学校)は、普通に町から見えているようですし、一般人が迷い込むことも普通にありそう。「お嬢様学校」という触れ込みにしても、同世代の少女しかいないのであれば、不自然ですし。

と、設定の安易さが目につく作品です。「小説だから」でそこに目をつぶっても、今度はなぜ小春が大治郎を選んだのか? といったラブコメの根源部分も描写が甘く最後まで分かりませんでした。登場人物同士の関係性をもう少し深く描写してもらえたら、面白く読めたのかもしれません。

★★
posted by あにあむ at 15:41| Comment(0) | TrackBack(0) | ガガガ文庫