2017年08月31日

大国チートなら異世界征服も楽勝ですよ?(2)


著者:櫂末高彰
出版社:MF文庫
大国チートなら異世界征服も楽勝ですよ?(2)
英雄嫁を増やすのも皇帝の大事な仕事です。

「ウチ、大国だから」
主人公は、グロリア帝国の替え玉皇帝として、異世界召還された常信。暗殺された皇帝にうり二つというだけで、異能も使えず、チート能力もなし。さらに召喚された異世界は、剣と魔法の世界でありながら自動車も存在しており、通信ネットワークや2ちゃんねる風掲示板まである始末。つまり、常信は異能でも能力でも、さらには現代社会知識でも無双することができない状態。そんな常信はグロリア帝国の圧倒的物量を屈指して、連合軍を退けます。そしたら、今度は「七勇者神姫」の残り5人が立ち上がり…常信は勝つことができるのか?

といいながら普段は、迫り来る4人の嫁に悩んでいたり。物量を武器に連合軍を退けた常信だったが、彼の目下の悩みは迫り来る四人の嫁だった。「むーっ。みんな、へーかの嫁だけど、わたしが一番なの!」「正妻として、陛下に一番に愛していただくのは私でなければなりませんわ」 なんかもう無茶苦茶リア充じゃないですか。パオラがかけた隷従魔法により、常信の命令に背くと、激しい性的快感を得る…帝国の捕虜となった「風の姫」ロザリンド。前巻で、あまりの快感に「おちた」と思われていましたが、まだ頑張ってはいたようです。ロザリンドを助けるために、立ち上がる5人の姫ですが、これがまたとんでもないやつらばかり…「彼女を虜囚とし、あんなことやこんなことや、あまつさえそんなことまで……? 一国の姫だぞ!? 一国の姫に、まさかそんなことまでやるだなんて……この、破廉恥外道皇帝!」と勝手に盛り上がるヤツやら、瞬間移動で、常信の膝に現れるロリ娘やら… ネット掲示板では、どんどん皇帝の威信が崩れていく…なんとかしようとロザリンドに「ひどい扱いは受けていない」ことを宣言させようと、動画撮影したら、隷従魔法のせいで、放送できないレベル(完全AV)に…剣の力をもたない常信のとった方法は?

って、どんどん掲示板中心としたストーリーになってしまっているじゃないですか。せっかく、ヒロインに個性があり面白かったのに…ネットスラングが入ると、すごく閉じた世界になってしまいます。これだけ個性的なヒロインがいるんだから、もっとリアルな人間を描いて欲しいですね。そのほうが、ラブコメとしても面白くなると思うので。

★★★
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回復術士のやり直し


著者:月夜涙
出版社:スニーカー文庫
回復術士のやり直し 〜即死魔法とスキルコピーの超越ヒール〜

陵辱小説ということですが、いろいろ中途半端。駄作。

タグ: 地雷
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2017年08月29日

中古でも恋がしたい!(10)


著者:田尾典丈
出版社:GA文庫
中古でも恋がしたい!(10)

ついに二桁突入。前回の続きで修学旅行がメインエピソード。昨日京奈良ということで、奈良編になっています。京都で古都子とのデートに失敗した清一。謝罪するために、女子部屋へ突撃し、結果としてみっちり説教された朝から物語はスタートします。
最初は優佳のターン。奈良で別行動という名のデートに。古都子とのデートには、協力的だったグループメンバー(含む四馬鹿)も、相手が優佳となると違うようで、特に男子からは強烈な殺気を浴びせられる清一。今まで人前では決して名前呼びしていなかったのに、ついに優佳と声を掛けてしまい…まあ疑惑ではなく、完全二股状態なんですが、二股されている二人が納得している(少なくとも表面上)ということで、外野もあまり強く出られないもどかしさがあります。

優佳とのデートは、彼女の積極的なアプローチに清一がタジタジに。古都子に幸せになって欲しいけど、自分もあきらめないというスタンスなんですね。一方の清一は、古都子との一回目デートについて相談…なんだろうこいつ、イラっとしますね。このデートシーンで将来への伏線と思わしき部分があります。っていうか、まだ波乱が起こるのね…

古都子とのやり直しデートは、ほぼうまく行ったものの、最後の古都子の表情がひっかかる清一。このあたりは、すごく人の心を読むのがうまいんですよねえ。でもまわりいい人ばかりだな。大人も含めて…これだけ親身に相談にのってくれる人がいれば、大丈夫ですよ。今回清一が何度か口にする「どんな選択肢を選んでも、それを後から正しい事にしていけば良い」という考え方はいいですね。「自分で選んだ以上精一杯生きる」ということですよね。いいなあ。

最初は、かなり変人として描かれていた清一。どんどん成長して青春しています。一番傷つき、傷つけられる年齢を生きているんだなあ。

今回、修学旅行回ということで、あの妹は出てきません(最後に少し) なんかほっとします。高校生たちだけを描いてもらったほうが、いろいろ輝いたストーリーになりそうです。

★★★☆
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2017年08月24日

文字魔法×印刷技術で起こす異世界革命


著者:藤春都
出版社:HJ文庫
文字魔法×印刷技術で起こす異世界革命

ペンは剣よりも強し! といった高尚なお話でありません。
印刷屋の跡取り息子で、三度の飯より印刷が好きな青年・坂上宗一郎が主人公。いつものように修羅場の印刷所で、めまいを起こし倒れ、輪転機に巻き込まれたと思った次の瞬間、異世界に召喚されていました。トラックが突っ込むのではなく、輪転機ってのが新しいですね。でも元世界のほうは大変なことになってそうです。特に印刷所の工員さん。一生トラウマシーンですよね。
召喚したのは、少女・アイリ。彼女が住む世界では、文字が禁忌とされ、字の魔法を受け継ぐアイリの一族は、迫害され彼女が唯一の生き残り…彼女は、壊れそうになる心で「世界を変えて!」と召喚魔法を使ったのでした。とここまでは、シリアスな話になると信じていたのですが…

異世界に飛ばされた際、微妙に座標がずれて、宗一郎は倉庫の棚を突き破って落ちます。その際、棚にあった黒板もまき散らされ…そこに描かれていたのは、ハイレベルなエロイラスト… 宗一郎がそれを見ているのに気づき、アイリは大慌て。そう、そのイラスト(漫画)はアイリが描いたもの。宗一郎は、アイリが描いたえっちなイラストに文字を載せて世界中にばらまき世界を変えようとします。

やっぱりエロですか、そうですか。確かに小難しいことが描かれている本を、頑張って読むのは一部の人。でもエロはほぼ万人(特に男)に受け入れられ、イラストなら意味も分かるし、そこに文字が書かれていたら読もうとする。思春期男子が一生懸命辞書ひくようなものですね。

通常判断ができる状態のアイリであれば、断ったかもしれないこの作戦。なんせまだ少女。本当に秘密の趣味を異性に見られ、しかもそれを公開するだなんて、拷問に等しいものだったと思います。ただ、彼女は追い詰められていたこと、また本当にイラスト(エロ)を描くのが好きだったことから、受け入れていきます…って実際のストーリーには、シリアスさはまったくありません。もうすがすがしいくらい、自然に話が進んでいきます。

もちろん、手書き原稿をばらまくのでは効率が悪すぎます。そこで、宗一郎は、ドワーフ職人の力を借りて、印刷機を作り上げていきます。文字がないので、当然印刷という概念もない世界で、あり合わせのものと宗一郎の知識だけで、印刷所ができていくのはおもしろいですね。

取り扱っているのはえっちなイラストですが、この作品にはサービスシーンはありません。それがいまのところ成功しています。無意味なサービスシーンがあると、そこでストーリーが途切れてしまいますが、この作品にはそれがない。またテーマはかなり重いものなのに、宗一郎の印刷バカと、アイリの明るさ(つきあいの良さ)によって、前向きな印象を受けます。ラブコメ要素はまだまだですが…

こういう革命も小説で読むには、おもしろいですね。

★★★
タグ:★★★
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2017年08月23日

レンタルJK犬見さん。


著者:三河ごーすと
出版社:電撃文庫
レンタルJK犬見さん。

レンタルビデオ見せTSURUYAで働く柴崎涼介が主人公。彼は中学時代に、隣の席だった女の子が自分の話をニコニコ聞いてくれるので、てっきり「脈あり」と告白したら、玉砕した…涼介は大好きな映画の話を熱く語っていたのだが、相手はまったく興味がなかったと…それがトラウマになっているので、恋愛対象は「がっつり映画が趣味な人」
ある日、新人バイトの犬見美咲・超絶美少女から「お仕事の相談なんですけど、わたしと付き合ってください!」と告白されます。なぜ? 驚く涼介ですが「映画オンチ」だからという理由で断ります。それでも美咲は「柴崎さんが映画好きしか愛せないというなら、映画を好きになってみせます!だから、一人前の店員になれるように、わたしを調教してください!」と、迫ってきます。映画オンチということ以外に、嫌いになる要素が少なそうな彼女の病的なアプローチを躱すことができるのか?

ストーリーは、よくあるものです。平凡な男の子(でも、なにかしら恋愛にトラウマを持っている)に、どう見ても不釣り合いだろうという美少女が告白するという…まあすぐにひっついてしまったら、小説になりませんけどね。でも端からみていると「もう付き合ってしまえよ!」と蹴りを入れたくなるウザさではあります。

舞台は、レンタルビデオ店。作者自身の経験も入っているようで、業務内容が細かく描写されています。それがこの作品の最大の欠点になっているんですよね。別に描写なくても、ストーリーは成立していますし、逆にストーリーを停滞させている部分のほうが大きいです。商業誌なんだから、もう少し内輪ネタ減らして欲しかったですね。

肝心のラブコメですが、こちらはなんていうか背中がむずむずするいい出来です。美咲のアプローチが若干病的ですが、それでも常識的な羞恥心はしっかり持っているようで、好感が持てます。一方的に押している時は強いけど、「かわいい」などと言われると、照れ照れになるところもいいですね。

美咲が映画オンチになった理由は、最後まで理解できませんでした。というか、涼介と一緒に映画(DVD)を見ている時の美咲の反応の意味が分からない…読者サービスシーンにしたかったのかなあ?犬見さんがかわいいので、すべて許せる気がする作品でした。

★★★☆
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2017年08月19日

ぼくの日常が変態に侵蝕されてパンデミック!?


著者:相上おかき
出版社:ファンタジア文庫
ぼくの日常が変態に侵蝕されてパンデミック!?

夏休みの静かな夜の学校のプール。おあつらえ向けのシュチュエーションで、主人公が出会ったのは、スク水美少女。てっきりおぼれていると思い、助けようとプールに飛び込み、お姫様抱っこしたところ、なぜか彼女の腰のあたりから生暖かいものが…
『はわぁぁ、水の中でしゅるのキモヒぃぃですぅ…』
そう、少女は水中放尿が大好き(性的な意味で)変態でした。さらに、その身体は透き通っており…そう彼女は美少女で変態で幽霊でした…なし崩し(お約束ともいう)で、彼女に憑かれた和藤は、なぜか変態に巻き込まれ…ひき逃げ事故で、幽霊となった由宇。自称天才なロリ生徒会長や、クールな親友とともに、彼女をひいた真犯人を捜し出そうとドタバタする物語となっています。

久しぶりに突き抜けた変態が集まる小説を見ました。ここまで、振り切れていると、案外楽しくなってくるのが不思議です。由宇の無駄に明るいテンションが、本来シリアスなはずの物語を、コメディと化しており、そちらも楽しいです。

なんせ変態のオンパレード。
ロリ生徒会長は、本当にいろんな意味で天才チートな存在。主人公の前でスカートめくり、いちごぱんつを見せ、それに和藤が反応しなかったので「週3回オ〇ニーしているよ」と謎アピール。男はぱんつが好きなのではなく、それをはいた対象が「ヤレるか」で興奮すると論破したり…「私は男湯に入れるぞ。無毛だからな!」と放言したり…
幼馴染み(家も隣。部屋も隣同士で2階から出入り自由。中学1年まで一緒にお風呂にはいっていた「幼馴染だから一緒にお風呂に入っても許されるのよ」)も、見た目はクールな巨乳日本美人なのに、ナイフマニアで、実は和藤が好きで好きで、お風呂に一緒に入るために、妹を利用したりと結構危ない。親友は、すぐ脱ぐし、かつガチホモ?なヤツ。他に出てくる人物もみんな変態。

でも、一番の変態はメインヒロインってのが、この物語の業。女の子のおしっこを題材にしたラノベって案外あると思うのですが、どれも滑っています。中途半端になってしまい、途中から意味なくなっていたり、こだわりすぎてどん引きになっていたり…この作品は、ギリギリのところで、バランスされています。メインヒロインを幽霊にしたことが成功要因かな?

満点の作品という訳ではありません。やはり扱うテーマがテーマなので、受け付けられない人は多いでしょう。例によって「男の生理現象はどうなっている?」という疑問(もっともこれに触れたら、全年齢で出せませんが)も残ります。幼馴染みのキャラがぶれまくっているのも、マイナスかな。いろいろ伏線が張られているような気もするのですが、それを回収せず、ぶっ壊しているところも多々見受けられるなど、まだまだ未完成。でもこの突き抜けた感性は、これからの作品が楽しみになります。

★★★
posted by あにあむ at 16:14| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジア文庫

剣と魔法と裁判所


著者:蘇之一行
出版社:電撃文庫
剣と魔法と裁判所

剣と魔法のファンタジー世界のガイナース王国。ダンジョンでは最強を誇る剣士も賢者も、街ではただの人。王国を統べるのは法律…弁護士が最強のジョブという世界。そんな国で「無敗」と名高いキール。彼に弁護してもらえれば、黒も白くなると言われており、その手法は、脅迫・ねつ造なんでもありの悪徳弁護士。それでも、裁判に「勝つ」ためには、一番頼りになる存在で…ある日、殺人の嫌疑をかけられた恩師を救いたいという、心優しい魔法使い美少女・アイリが、キールに弁護を依頼する。彼が出した条件は「300万」という法外な報酬。アイリは、その報酬を飲み、自らが弁護士の助手として働き、返却すると契約する。果たして二人の闘いは?

ファンタジー世界を舞台としていますが、舞台となるのは、ダンジョンではなく、法廷。倒すべき敵もモンスターではなく、訴訟相手とファンタジー世界である必然性は? と疑問に思うほどです。そこで扱われる訴訟は、満員ダンジョン(あまりにも人が多すぎて、身動きがとれない)での痴漢疑惑、武器商の脱税疑惑等々。現代社会でもよく見る訴訟が中心となっています。法律も似ているようですね。

ただ違うのは、この世界の裁判は即日結審が中心のようで、どうやら上訴という概念もないようです(描かれていないだけかも)そのためか、弁護士の弁論で、有罪無罪が決まるようです。

キールのやり口は、依頼人が「勝つ」ことのみを目的とした弁護(とは言わないな)で、その手段は選びません。最初に描かれる痴漢事件は、最初からえん罪のようでしたが、武器商脱税事件は、明らかに被告人がクロ。それを「武器には税金がかかるが、趣味嗜好品には、かからない」という法律の穴をついて、販売しているのは武器ではなく「SM道具」だというへりくつで勝訴します。それだけなら「口が達者な」弁護士ですが、キールはまず、アイリを使ってSM嗜好の人に対し実演。剣などで切りつけ、それを即座に魔法使いが癒やす…アイリの力では致命傷は与えられないので、安全(どこが?)という訳。もともとSM嗜好があった判事はもとより、アイリの扇情的な姿をみて「SMも悪くない」と思わせます。そこに、今度は孤児院の子供達から「おじさんはいい人!」という大声を上げさせる…そのために、武器商に孤児院へ多額の寄付をさせておく…その上で「もし武器として、重税を課していたら、寄付はできただろうか? その場合、その税金を給料としてもらっている公務員は、孤児院を助けられただろうか?」と迫ります。

キールの弁論で勝ててしまうのは、裁判官がアホじゃないか?と思うところが多いです。現代社会を舞台にすると、上記のような「新たな証拠」は裏付け調査されてから、結審するので、ファンタジー世界を舞台にしたのかなと思います。

やはり、裁判所を舞台にするのは難しいのでしょうね。いっそ「現代裁判とは全く違う」といことで、もっとファンタジー色の強い裁判シーンにしたほうが、ボロが出なかったような気がします。さらにキールの性格描写が…アイリ視線でいえば、キールは金の亡者で、自分中心な極悪人としか見えないと思います。それを他の登場人物が「過去にいろいろあったから」「根は優しい」とフォローする形ですが、唐突すぎていい人に見えない…

裁判で勝つためだったら「何でも利用する」という冷酷さをウリにしたいのか、それとも「本当は優しい」というギャップをウリにしたいのか? この巻からは見えてきませんでした。アイリもなにがしたいのか、はっきりしておらず、全体にどちらへ向かおうとしているのかがわかりずらい作品ですね。

★☆
タグ:★☆
posted by あにあむ at 09:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫

2017年08月11日

元勇者、印税生活はじめました。


著者:霜野おつかい
出版社:GA文庫
元勇者、印税生活はじめました。〜担当編集はかつての宿敵〜

異世界の危機を救った、元勇者・刃桐創一、救った世界でちやほやされる間もなく、現代日本に戻された彼は、異世界での冒険をそのままライトノベルに仕立て上げた!実体験を伴うリアルさが絶賛され、即デビュー&人気作家の仲間入りを果たします。しかし、調子乗って、すべての経験を3巻で出し尽くしてしまったため、まったく書けなくなります。さらに、デビューからずっと助けてくれていた担当編集さんは、産育休入り。代わりについた担当は、新人さんで、さらに…

「お前、倒したはずの破壊神だろ!?」

そう、新担当は異世界でのラスボスだった破壊神・梨々だった。彼女は、創一に負けた後、現代日本に転生させられ、その大半の力が使えない状態。そこはラノベのお約束で、梨々は、創一と同年代の超絶美少女。もともと破壊神として君臨していた彼女が、おどおどする姿は、それはもう…独特の口調になっていますが、それがなければ、さらにもう…なわけで… 創一はうまく続きが書けるのか?

タイトルからは、ラノベ業界内輪話かなと思ったのですが、ほとんど業界話は出てきません。創一が異世界で勇者やっているときにかかわった人物が、現代日本に集まっており、彼女たちとキャッキャウフフしながら、作家としての階段を上がっていく(のか?)創一の姿が描かれています。

創一は、ラノベ主人公のようにモテないと愚痴っており、異性から好意を向けられたら、気がつかないはずはないと言い切っておりますが、実際は典型的なラノベ主人公属性です。まわりの美少女たちにどんどんフラグをたて、さらにフラグの上にフラグを建築するというジゴロ。しかし、そのフラグにまったく気がつかないという…梨々なんて、どこから見ても、創一にデレデレなんですけどねえ。真白も同様。なんなら妹までデレているのに…ま、異世界で勇者やるくらいだから、鈍くないとダメなんでしょうね。

やばい内輪ネタもないですし、展開もわかりやすいものです。でもそれが、作品に安心感を与えています。ありきたりのようでいて、この作品にしかない「色」があり、熱血・ラブコメ・エロコメがバランスしているので、非常に面白い! 次巻もあるようですし、このままいくと、現代日本に創一ハーレムが構築されそうですね。

★★★★
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2017年08月09日

大国チートなら異世界征服も楽勝ですよ?


著者:櫂末高彰
出版社:MF文庫
大国チートなら異世界征服も楽勝ですよ?
  替え玉皇帝になったので美少女嫁も豊富です。

長いタイトル。さらに第一章が上長だったので、これは失敗と思ったのですが、我慢して読み続けると、面白くなってきます。

主人公・日和常信が目覚めると、異世界に召喚されていた…異世界召喚ものです。常信が召喚された理由は、先頃暗殺されてしまった皇帝とうり二つだったため。皇帝の替え玉として召喚されたのです、そのため、チートな能力はなにも身についておらず、現実世界での平凡な能力のみ。その上、召喚時に召喚主である帝国の姫・パオラにより従属魔法により自由を奪われてしまう…はずだったのに、パオラがいい子(別名アホな子)だったため、なぜかパオラが常信のいくことを聞くという従属魔法が、パオラにかかっており…実質的に自由な身となった常信は帝国内を見て回ると、国土は大陸の8割以上を占め、人口や資産は他国全てを集めたものの千倍をほこり、滅ぼした国は万を超えるという超大国。当然内部では、大会社病が蔓延しており、老害がはびこっていました。果たしで常信はこの国の危機を物量によって立て直すことはできるのか?

この作品の成功ポイントは、ヒロインズが生き生きしていることですね。パオラ以外にも、天才猫耳幼女や姫騎士などなど…少しオーバーではというほど、デフォルメされたキャラですが、物語の壮大(なおバカさ)さとうまくマッチしています。タイトルがネタばれしていますが、力がなくても圧倒的物量があれば、チートな能力に勝てるというストーリーは面白いですね。「ないものをあるように見せる」のではなく、本当にあるのだから、タチが悪い…バカな戦法なんだけど、なぜかすっきりするという不思議な感覚がありました。

残念だったのは、パオラの設定ですかね。見た目の年齢(中学生くらい?)に比して、非常に幼い話方をしています。異世界なので、実は話方は年相応で見た目がと思っていたのですが、途中で「昔はそうでなかった」という言葉が出てきます。兄である皇帝が暗殺されたことで、そうなってしまったと…けど、途中からその設定がどこか行ってしまったようで…意味深な割においてけぼりだなと。あと従属魔法。相手に命令されたことを履行するまで、性的快感を得るというもののようですが、これって命令を聞くということにつながるんでしょうか? 普通苦痛を与えますよね(悟空のわっかみたいに)快感だったら、履行したら与えられるご褒美にしないと、意味がないのでは?

最後に…常信は平凡とか、チート能力がないといっておりますが、これだけの大国をコントロールできているということは、ものすごく非凡な能力をもっていますよね。さすがラノベの主人公というべき存在です。

★★★
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2017年08月04日

放課後は、異世界喫茶でコーヒーを


著者:風見鶏
出版社:ファンタジア文庫
放課後は、異世界喫茶でコーヒーを

主人公は、現代から転生してきた高校生・ユウ。舞台は、魔法の息吹がかかったアイテムや食物が産出される「迷宮」を中心に栄える迷宮都市、その郊外にある一軒の喫茶店となります。異世界に召喚され、勇者として活躍するのではなく、普通の生活をしているユウ。なぜこの世界に召喚されたのかも分かりませんし、家族や友人が懐かしく、元の世界に戻りたいと強く願っています。彼が喫茶店を始めたのは、現世で実家が喫茶店を経営していたので、少しでも現世に近いところで生活したいから…ユウにとって、そこが唯一「自分が存在できる場」になっています。

この世界では、もともと珈琲は飲まれておらず、まだまだお客も少ない喫茶店。それでも、珈琲の香りや、ユウが作る料理に誘われ、エルフやドワーフ、冒険者達、そして街の有力者までもが「常連」として足を運ぶようになります。その中でも一番(ユウが気になる)のは、近所にある魔術学院に通う美少女リナリア。彼女もユウに気があるようで。もっともそんな女の子は他にもいて、一番年下は小学生のノルトリ。女の子たちは、美少女ばかりで、恋の予感がする状態です。

異世界召喚ものではありますが、主人公は冒険をせず、喫茶店から出ることもほとんどない「日常系」になっています。お客さんは、美少女ズ以外、ファンタジー世界の住人たちで、中にはウサギまでいますが、彼らが求めるのはおいしい料理と珈琲。料理の素材が特殊なことを除けば、喫茶店でよく出される料理ばかりで、そちらも日常系。徹底してチートな能力を除外したことで、ユウが等身大の少年として描かれています。いきなり異世界に召喚され、自らの立ち位置をつかむのに苦労している姿も、異世界を異国(あるいは知らない街)に置き換えれば、普通にありそうなお話。リナリアたちとの関係も、甘い青春物語。日常が描かれているのですが、そこに異世界というスパイスが入ることで、面白くなっています。登場人物もバランスがよく、少年の心の成長へ向け、間接的にアドバイスする人物、異性への想いという思春期にどうしようもなくわき上がる葛藤、それらをうまくミックスした作品になっています。

「これってもう、手遅れじゃない?」
「知りません。あなた次第です。もっとも、諦めるならそれまででしょうけど」

今の世界に深く関わりすぎて、元世界との細い糸が切れてしまうことを恐れるユウ。それが原因で好意をもった女の子を傷つけてしまう。自分はなにがしたいのか? 今の自分にとってなにが大切なのか? いろいろ考えさせられる作品でした。

★★★★
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あの、一緒に戦争しませんか?


著者:高村透
出版社:電撃文庫
あの、一緒に戦争しませんか?

戦争の悲惨さを伝えていくため、戦争学という学問にして、戦争部という部活動で「戦争ごっこ」を行う世界が舞台。ヒロインは、全国高等学校戦争学大会に参加している。埼玉政府首相の三田村涼花。

まあ一言で言えば、流行の戦争ごっこ+女子高生というありきたりの内容。たぶん著者は現代社会のいろんな闇を、物語に反映させたいのでしょうが、どうみても失敗していますね。平和になり、戦争を体験した人がどんどん高齢化していく日本。そこで、戦争を安全な形(サバゲーの大型版)で疑似体験することで、戦争をしてはいけない理由を考えていくということなんでしょうが、いろんなところで理論が破綻しています。

まあ無理矢理登場人物を女子高生にしているところで、底が知れてしまいますけどね。登場人物も、どこかで見たことあるような人ばかり。平和を守るために、戦争という言葉自体を抹消しようという狂気を描いた「白い服の男(星新一著)」がありますが、そのような狂気もありませんし、ギャグにもなっていません。

地雷でした。
タグ:地雷
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異世界温泉に転生した俺の効能がとんでもすぎる(2)


著者:七烏未奏
出版社:MF文庫
異世界温泉に転生した俺の効能がとんでもすぎる(2)
 〜湯船の中でならバレません……よね?〜

異世界の温泉に転生した草津熱美。彼の魅力(温泉としての)にはまり、常連となった女の子たちとトラブルを乗り越え、地元の大人気温泉へと成長。レティシアの妹・リザやドラゴン娘・ミィを従業員として迎え、ますます賑やかになってきた。熱美にとって、女の子の裸を眺められる(代償としておっさんの裸も眺めるわけですが)楽しい状況。ところが、近くの街でそっくりの温泉が湧いたという噂が…レティシアたちが調査に向かうと、そこは温泉偽装して集客している銭湯だった…って、いわゆるスーパー銭湯ですね。なぜか勝負しようじゃないか。このセントーとお前たち温泉、どちらが本物なのか」と異世界温泉VS異世界銭湯ここに勃発!

今回は、隣町にできたスーパー銭湯との闘いになります。現代社会であれば、普通に効能や、施設・従業員の質などで勝敗がつくのでしょうが、そこは異世界。一筋縄でいかない状況が生じてきます。熱美は、いまより忙しくなることを望んでいないため(お客が増えるとおっさんも増えるというのもあるよう)闘いに乗り気ではなかったのですが、途中からは状況が変わり、温泉としての能力を発揮するようになっていきます。

1巻であった設定の一部がどっか行ってしまいましたね。最初にレティシアが温泉に入ったとき、「硬度が上昇しました」「水質変化し、牛乳風呂になります」てな状況でしたが、今回はそっち方面の反応はない模様。ってか毎日見ていたら慣れてしまうか。ただ熱美が実体化したときの下半身に慣れない女の子はいるので、ケロリンおけで隠すという変態な姿になっています。神様としての威厳がまったくない状況ですね。

サブタイトルの意味は…漏らすものが想像外のものでした。それ以外はまんまです。

この作品は、温泉の以外な利用法が提示されるので、読んでいておもしろいです。熱美が完全実体化できたときには、ヒロインズによる争奪戦もありそうで、そちらも楽しみですね。(そんな時期がくるのかわかりませんが)

★★★☆
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