2017年03月07日

妹=絶滅したのです(2)


著者:八奈川景晶
出版社:ファンタジア文庫
妹=絶滅したのです(2)

世界で唯一の「妹のいるお兄ちゃん」勇巳が主人公。前巻では、剣術家・財閥総帥・第一王女の3人の美少女が「お兄ちゃんに甘えたい」と押しかけ妹になります。って基本同年代なので、妹というよりお姉ちゃん的な存在でもあるのですが…そんなある日、剣術家である久遠は、勇巳に異性を意識するようになります。そのため、甘えたくても甘えられないという恋の病にかかってしまうのですが、それに気づく人が一人もいない…いや実妹の伊織だけが、その事実に気づき愕然とします。同じ年頃の男女。そういう気持ちが芽生えてもおかしくない。そうなると実妹である自分が一番不利と慌てる妹・8歳。まあね、一番独占欲強いお年頃だもんね。

いろいろ考えることが多くなってきた伊織ですが、ある日自分をつけてくる足音と視線を感じるようになります。昔、自分たちが唯一の兄妹であることが判明した際に経験した、マスコミやおばさんたちの視線。それに似た視線を感じた伊織は、不安になり勇巳に相談します。「愛しいお兄ちゃんの妹は、自分の妹!」と財閥総帥・瀬里は財力、テレサは軍事力を使い、伊織の警護にあたることに。さらにそれでも不安と、伊織を勇巳の高校に強制入学させてしまいます。結果、体育も美術もお兄ちゃんとずっと一緒となった伊織の破格の妹力に感化され、瀬里・テレサの甘えも過激になっていきます。果たしてどうなる。
今回も、瀬里たちの非常識な力が爆裂しています。そんな中、久遠だけは自分でもわからないまま、恋の病に冒され。それに気づかない周りも大概ですけどね。この作品の中では、伊織が一番常識人のようです。8歳とはいえ、すでに大人の恋の機微もわかるようですし、料理も得意。でも8歳らしい気持ちも忘れていない。いやいい妹じゃないですか。

この手の小説として仕方がないのかもしれませんが、財力や軍事力が強大になりすぎです。お金で解決できそうにないこと(テクノロジーが追いつかないはず)まで、お金で解決しようとして、現実味がどんどん薄れてきています。その割に、犯人一人捕まえられないとか、矛盾も多い。一度精算して、もう少しまともな世界にしたほうが、兄妹の仲を楽しむことができそうです。

★★
posted by あにあむ at 17:08| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジア文庫