2017年01月26日

妹さえいればいい。(6)


著者:平坂読
出版社:ガガガ文庫
妹さえいればいい。(6)

もうこのシリーズも6巻なんですね。今回ストーリーに一つの区切りが付いています。すべてが完了したわけではなく、いろんな懸案の一つが動き出したという感じですけどね。
京から告白された伊月。そしてその京に告白した春斗。伊月の周りに集まる男女に、いきなり動きが出た前巻。今回は、その続きとなっています。さらに、伊月の作品のアニメ化という大きな波。いろいろな波に揉まれて、彼らはどのようになっていくのでしょうか?さらに千尋という爆弾はいつ爆発するのか?

いろいろややこしい告白関係になってしまった4人ですが、第三者的立場で言わせてもらうと、伊月−那由多、春斗−京とひっつけば、いいだけじゃないですか。このリア充メンバーたちめ。まあ、そうは言っても京が一番辛いのかもしれませんね。伊月を好きになる前だったら、普通に春斗の告白を受けて入れてそうですし、伊月と那由多が決定的にひっついてしまったら、それはそれであきらめがついたのかもしれないけど…人を好きになるのには、パワーが必要ですが、それを忘れるのには好きになった以上のパワーが必要なのかもしれません。

この突然の告白は、那由多にも影響します。それまでは、一見して余裕のある態度をとっていた彼女が、京のまっすぐさに憧れ、そしてそれを脅威と感じるようになり、いままで感性だけで小説を書いていたのに、メディアミックスにも進出して「頑張って、伊月を超える作家」になろうとします。一方伊月は、那由多のような作品が書けず「いつか横に並びたい」と思っているのですが…

今回は久しぶりにぷりけつが登場しています。で、春斗も巻き込んで箱根へ旅行に行っています。まあその章のタイトルは、とんでもないものになっているのですが、それはほっておきましょう。誰も特しない情報です。この旅行で、ピカソの作品に触れたぷりけつは、そのすごさに驚愕し、キュビズムに一気に目覚めます。パブロ・プリケツとして、画家の道を歩み出すぷりけつ。まあイラストレーターとしては「けつ好き」なのは、変わらないようですが。このピカソとの出会いは、ぷりけつにとって、もう一つの願い「最高のけつ」に再び巡り会うことを実現させるきっかけとなります。そう今回も千尋はズボンとぱんつを引きずり下ろされています。うーん、困ったものだ。

この作品を読んで思うのは、伊月たちは大人だなあということ。「好きなもの」と「求められるもの」の違いを飲み込んでおり、表だってディスられても、キレることなく、相手の可能性を認めることができるなど。すごいですね。

落ち着くかに見えたラブコメは、今回新たなヒロインが投入されたことにより、もう少し波乱がありそうです。京がんばれ!

★★★☆
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2017年01月25日

異世界横断鉄道ルート66


著者:豊田巧
出版社:ファンタジア文庫
異世界横断鉄道ルート66

主人公は、すべての願いが叶う魔法の街ブレーメンにあこがれる少年・ケント。彼は、田舎町で「舞踏家」の跡継ぎとして育ちますが、厳しすぎる父親に反発して、ナガサキへと家出してきました。しかしながら、父親たちに追いかけられ、結果的に大陸横断鉄道の一列車に無賃乗車することに。その列車の中(正確には貨車の綿花の中)で、クレアと名乗る美少女と出会います。ところが、クレアは史上最高額の賞金首で、世界一の鉄道会社の跡取り娘。賞金稼ぎのラウラに襲われながらも「どんなに危険でも私はブレーメンへ行かねばならないのです!」という彼女の使命を訊き、ケントは「君を守る」と誓います。そして始まる冒険。

この世界では、列車のオーナーが自分の列車を軌道に走らせているようです。そのため、列車によって、運賃も内装も異なります。ある意味競争の原理に則った方式といえないこともありませんが、現在のように、気軽に移動手段として用いることは難しいようです。さらに、決まった時刻表があるわけではなく、客が集まり列車主の思惑とあった時に出発するのが普通のようです。

舞踏家の跡取りということで、ケントの芸能でお金を稼ぎながら旅をするのだと思っていたのですが、実際にはクエストを受注する形で、お金を貯めていきます。持っている笛も予想外の利用方法であり、楽器として利用するシーンも出てきますが、ほとんど効果なし。このあたり新しいですね。

作者は、鉄道小説を書いてきた人。なので、今回も鉄道が主役となっています。ただ今まで私が読んだのは、現代世界を舞台にしたものでした。そのため、鉄道がうまく物語の一ピースとしてはまっていたのですが、舞台が現実世界ではない今回は、少し浮いてしまっているような気がしました。仮想世界の物語で、大陸横断鉄道も銀河鉄道999に似た雰囲気があるのに、駅名は実在するもの。そのため、現実の都市が頭に浮かんでしまい、世界観に入り込めません。現実地名でも、もう少しわかりにくい街にして欲しかったですね。鉄道とファンタジーは相性がよくないのかもしれません。

★★☆
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2017年01月23日

かみこい!


著者:火海坂猫
出版社:GA文庫
かみこい! 〜くっついたらとれません〜

主人公は、神社の息子・神来旭。彼には「あとは告白するだけ」という、クラスメイト・風歌がいました。クラスメイトからは「付き合っていないというほうが、おかしい」といわれる二人ですが、お互いはっきりと言わないため、ズルズルと… 旭がとっとと告白しない理由は、子供の頃から父親に「誰かを好きになるのであれば、生命をかけるよう」言われ続けていたことが、背景にあるようです。そんな彼もついに決心し、風歌に告白しようとした瞬間、なぜか空を飛んでどこかへ連れ去られてしまいます。連れ去ったのは、蒼媛と名乗る美少女。その正体は、蒼媛之大神という神様で「旭、蒼媛を貴様の嫁にするのだ! 」と告げます。さらにいきなり服を脱ぎ、旭にのしかかり「性行しよう」と迫ります。その場に現れた父と政府機関の女性によって、なんとか事なきを得ますが、どうやら子供の頃に、旭は蒼媛と結婚の約束をしていたようですが、旭はそのことをまったく覚えておらず。蒼媛は、その後も旭にべったりとくっついて、離れようとしません。しかも旭がそばからいなくなると、不安になって大災害を引き起こす始末。世の平穏のためにと父や、日本政府も旭に蒼媛と結ばれるように薦めてきます。旭はどうするのか? そして風歌は?

あと一歩が踏み出せないカップルの前に、押しかけ女房が現れるというストーリーです。いわゆるラブコメなんですが、なぜ旭が蒼媛のことを覚えていなかったのか?という点に、シリアスな設定があり、物語を重くしています。さらには、風歌の旭への想いが、怖すぎる。「私、神様が恋敵でも負けない!」ってのはいいんですけど、想いを表に出してからの言動が怖いです。全体にコメディ色があるから、大丈夫と踏んだのかもしれませんが、シリアス部分での言動があるので、どうもコメディに見えません。なんというか、旭はどちらを選んでも苦労しそうとしか…

蒼媛のセリフは「xxだぞ。xxなんだぞ。」と少々特殊なものになっています。神様であり、一般人とは違うことを強調しようとしたのでしょうが、それ以外のメンバーが普通に話をしているので(もう一人の神様でさえ)違和感があり、全体のリズムを壊しています。安易に語尾でキャラ付けしようとすると、たいてい失敗に終わりますね。

★★
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2017年01月19日

最強の種族が人間だった件(2)


著者:柑橘ゆすら
出版社:ダッシュエックス文庫
最強の種族が人間だった件(2) 熊耳少女に迫られています

平凡なサラリーマン・雨森葉司が召還された先は、人間が最強の種族である「アーテルフィア」。そこでは、人間は物理的な力も強く、魔力も強大。さらに髪の毛や体液は「聖遺物」として、それを取り込むことによりパワーアップできる貴重なアイテム。さらにその世界では、人間は滅びたと思われており… その世界で最初に出会った美少女エルフ・リアとアジトで共同生活をするように。その地下には、人間によって作られたダンジョンがあり、その第一層は「温泉エリア」 守護ゴーレムを攻略し、温泉にも入り放題。さらに今回は第2層「グルメエリア」を攻略し、調味料やお菓子を作ってみたり、みんなで王都に遊びに行ったりまったり過ごしています。そんな中、謎めいた魔族が放った刺客が襲ってきます。果たして?

前巻では、葉司になびかなかった百合騎士も攻略し、ますます葉司のハーレムが増強されていきます。アジトでの生活は、朝起きると、まずはリアとキス。挨拶キスではなく、2分ほどのキス。普通ならそのまま…となりそうなもの。で夜は、一緒にお風呂。マットの上に横になり、リアに全身を洗ってもらう… うーむ、爛れた生活だ。リア曰く「一線は越えていない」ということですが、別の意味で超えてしまっているような気もします。しかもリアもそれを願っているようです。王都見学へ行った際、リアはとあるものを買いたいと葉司に頼みます。一緒に行ったお店はランジェリーショップ。そこで、いろいろな下着を葉司に選ばせて、葉司を誘惑。さらに大きなホテルなどでは、葉司が人間ということがばれてしまう可能性があると、いわゆるラブホへ。そこで服を脱ぎ、下着姿に…さすがに葉司も我慢ができなくなり、抱きついてしまいます。さらにリアは葉司の服を脱がし…というところで朝が。人間の体液には、魔力だけでなく誘淫効果もあり、キスでも2分が限界。体液の中でも精液は特にその効力が強いということで、リアは耐えられず昇天・失神ということらしく。…ということは、精液を飲むような行為まではあったんだ。

しかし、この世界が不思議なのは「貧乳こそ正義!」という美的センス。女性は、少しでも胸を小さく見せようとし、貧乳ほどモテるという世界。なら幼女ほどモテるのか?というと、そういう危ない世界ではないようで、葉司がランジェリーショップで、ライムへのお土産として子供ぱんつを購入する際、奇異な目で見られたということですから。

今回、葉司の敵となりそうな存在が現れました。でもバトルな展開にはなりそうもありません。これからも、まったりねっとりな日常が続いていくのでしょうね。そういや、サブタイトルに出てくる熊耳娘。あまり活躍していないなあ。

★★★★
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魔導少女に転生した俺の双剣が有能すぎる


著者:岩波零
出版社:MF文庫
魔導少女に転生した俺の双剣が有能すぎる

一流の剣士を目指す勇翔は、突如道場に現れた謎の男に瞬殺されます。しかし死んだはずの勇翔が目を覚ますと、そこは異世界で、二本の愛刀も陽奈と月華という美少女として転生していた。しかも、図書館に! なぜ図書館かというと、転生した世界がどのようなところかを、主人公たちが理解する理由付けなんでしょうね。なぜ異世界の文字が理解できるのか、といった点や、そもそも刀が美少女に転生したことをなぜ勇翔は受け入れられるのか?といった部分はすべて闇に葬り去られています。さらに、異世界での目的「自分を殺した人間が、同じ世界にいるので探し出して、仕返しをする」ということも、この図書館の中であっさり決まります。陽奈と月華は、魔法(この世界では、本来杖(と魔石)がないと魔法が使えないのに、彼女たちは発動体がなくとも魔法が使えるので、魔導と勝手に名乗る)が使えるのに、勇翔はまったく使えない… まずは魔法を勉強しようと、この世界の学校に入学をはかることに…って、どこの誰かわからないのに入学を許可する学校があるのか? という当然の疑問もスルー。勇翔は、失われた魔法により陽奈と月華という人造人間を生み出した。その二人を維持するのに、巨大な魔法が必要なため、現在魔法が使えないという無理矢理な設定で、なぜか入学が認められます。もうここまで、適当な設定にするんだったら、いっそ入学後から物語がスタートしたほうが、わかりやすいかも。

入学後も、お約束のように物語は進みます。陽奈と月華は、元愛刀ということもあり、勇翔にべた惚れ。いつでもウェルカム状態だし、登場するヒロインたちも、ことごとくチョロイン。この世界では、服も魔力により作り出されており、相手の魔力を封じるフィールドを展開することにより、自らも全裸になるだか、なにその設定。

最近、人間がモノに転生する話が増えているので、モノが人間に転生するってのが、少し新鮮ではありますね。ラブコメ部分は面白いので「なぜ」というのを笑い飛ばせる人であれば、楽しめる作品です。「なぜそうなる」と少しでも考えてしまうと、そこから先がまったく面白くなくなりますね。そういやこの作者さん「ゴミ箱から失礼します」の方ですよね。不条理ギャグがお好きなんですね。

★★★☆
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2017年01月14日

デスゲームから始めるMMOスローライフ


著者:草薙アキ
出版社:ファンタジア文庫
デスゲームから始めるMMOスローライフ 敵はいるけど、まず家作り

ログアウト不可、ゲームの死は現実の死という『デスゲーム』と化したMMORPG「サバイバルアーツ・オンライン」。その世界に取り残されたミナトが主人公。彼は、もともとゲームをまったりと楽しみたいということで、DIYというパッシブを選択していました。いろんなものを作り出せるけど、売り物になるほどではないという役に立つのかわかりにくいスキルで、もちろんデスゲームにはまったく不向きです。そのため攻略組からは「足手まといにしかならない」と拒絶され…普通ならボッチになりそうなのに、なぜか自称嫁・ココ、元最強の猫娘や死にたがりの妖精などが集まってきて、プチハーレム状態。彼らは、このデスゲームを乗り切ることができるのか?

ネット上の書評には、辛辣な意見がならんでいますね。一番多いのが「SAO」の二番煎じという意見かな? 私は元ネタ本を知らないので、その部分での違和感はまったくありませんでした。ただどうもこのVRMMORPGという考え方がなじまなくて、そちらの違和感のほうが強いですねえ。ゲームとはいえ、痛みや血臭が漂い、人や獣を切った感触が残る世界。現実世界の記憶や感性を残したまま、楽しむことなんて所詮無理なように思えます。少なくとも私には無理。

まあ、それはさておいて、作品のほうですが、ヒロインズが可愛いので、仮想世界ということを抜きにすれば(まあいわゆるファンタジーですね)、楽しむことができました。それだと設定の意味が皆無になってしまいますが…

ただ「白目をむく」という言葉が多用されているのは、気持ち悪いです。もともと「目を剥く」という慣用句から派生した言葉だと思うですが、どうもその使い方が。この作者が「白目をむく」でどういう心境を表したいのかが、わからない。最初は「白い目で見る」といった感じなのかな? と思っていたのですが、どうもそうではないらしい。ヒロインに抱きつかれて「白目をむ」いたら、それって気絶しているし… あまりにも多用されているので、なにか別の意味(MMRPG的な)があるのかと思ってしまいました。このあたりは、編集者さんが違和感感じないのかなあ。

それ以外は、続きが出たら読んでみようかなというものだったのですが、ラストで読む気が失せてしまいました。いや、最初から想定できましたよ。それ以外選択肢がないくらい。でも、1巻の終わりで明記することないのでは? 残念です。

★☆
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2017年01月12日

いま、n回目のカノジョ


著者:小林がる
出版社:ファンタジア文庫
いま、n回目のカノジョ

主人公は、毎原和人。可愛い幼馴染みの詩音と楽しい高校生活を送っている普通の高校生…だけど、なぜか詩音のまわりでは、時間のループがよく発生する。それは五分から数週間といったもの。本来異常事態であるはずなんだけど、体感時間で二年分も経験すれば「ループに遭遇してもじたばたせずに、やり過ごせばいい」とい心境に達するものらしい。可愛い詩音も一緒だし…でも、転校生の神崎さんは全力でじたばたする人で…

ループがテーマの小説はよくあります。たいてい「悲劇」を未然に防ぐことが目的とされ、その結果は失敗(運命は変えられない)、もしくは成功しても代償を支払わされるという悲しいお話です。でもこの小説は、かなりゆるい日常系となっています。そのあたりが目新しく楽しいですね。

この世界でループを認識できているのは、和人と神崎の二人のみ。和人は、過去の経験からジタバタしても得るものはない。詩音に危険が及ばなければそれでいいという境地に達しています。なぜなら、ループ中に発生した出来事は、ループしてしまえば「なかったこと」になってしまうから。そう、その間に努力しても得られるものが少ない。さらに「やまない雨がない」ように、ほっておいてもループは終了する。しかも詩音と一緒にいられる。でも神崎は、その独特なコミュニケーション力のため、ぼっちのまま、むなしい時間を過ごすことになる。それが嫌でジタバタして、結局和人も巻き込んだ騒動に発展していきます。

前半は、盛り上がりもなく、詩音の敬語を使った話し方も相まって、キャラ同士が余所余所しく感じられます。神崎が引っかき回すようになり、二つ目のエピソードくらいから、うまい具合にストーリーが動き出し、どんどん面白くなり、詩音がどんどん可愛くなっていきます。スロースターターな作品ですね。導入部だけ読むと、駄作と決めつけていたかもしれません。

またラストの処理もいいですね。それまでの雰囲気を壊さず、なにも断定しないままのエンディング。それゆえ、全体がほわっとした暖かさに包まれています。後書きでは「2巻も出したい」と書かれていますが、この作品はここで終わるほうが、完成度が高いような気がします。続編がでたら、作品の完成度が下がってしまいそう。このまま、同じことを繰り返せるほど「日常系」ではないですし、かといって「ループ」の根源を突き詰めていってしまったら、最大の持ち味がなくなってしまいそう。
おもしろい作品なので、続きを読んでみたい気持ちも強いのですが、腹八分目のほうがよさそうです。

★★★☆
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2017年01月11日

異世界支配のスキルテイカー(5)


著者:柑橘ゆすら
出版社:講談社ラノベ文庫
異世界支配のスキルテイカー(5)

元の世界に戻るためのアイテム「帰還の魔石」を入手した悠斗。とりあえずの目標は達成したと、さらにのんびりした異世界ライフ(ハーレム付き)を満喫していました。悩みは、帰還の魔石が一人しか使えないので、このアイテムを使うこと=スピカたちと別れるということ。悠斗はどういった結論を出すのか?というか、今までの悠斗の行動を見ていたら、結論は見え見えですね。でないと、アイテム入手した時点で行動しているはずですから。前回、ケットシーの村長さんの処女をいただいて、それまでの「精神的な満足」だけでなくなってきた悠斗。果たして今回は?

ということだったのですが、今回は怖いお話になっております。いや前半は、今までとおりのまったりした、異世界ライフだったんです。悠斗がどんどん変態になっている以外は…だってねえ、使役しているスケルトン(が受肉して全員美少女)を夜な夜な集めて、服を脱がせ、その上をゴロゴロだなんて…もうなんていうか、そのシーンみたら、ごめんなさいって踵返すしかないよな。というか、普通そんなこと考えつきもしないだろ。酒池肉林の意味が違うって。リアルハーレムのほうも、どんどん爛れた状態になってきています。ついにリアルロリなサーニャにも手を出していますし、ケットシー姉は、足下に水たまりができるほどな状態だし、なんというかタフですな。

本筋のほうでは、七つの大罪が動き出し、悠斗に危険がせまっているはずです。しかしながら、俺TUEEEEな状況になっているので、ほぼ脇役状態になっているのはお約束。今回最大最凶の敵は、悠斗の妹です。兄恋しさに時空の壁を越えてしまうというのも、大概ですが、その強さは異常。兄への想いも異常でして、兄の周りにいる女性に対してはまったく容赦がありません。でも本当に怖いのは、ラストシーン。なんだろう夢に出てきそうなシーンだ。ヤンデレってのがありましたが、そのレベルでないな。ああ、そういやこの作者さんサイコホラーな展開になることが多かったんだ…4巻までエロ・バカな展開だったので、油断していたよ…普通ヤンデレな妹が出てきても、ああいう展開にはならないだろ。今までのノリからいけば「新しいハーレム要員が増えた」くらいに考えていたのに…

後書きで6巻は原点回帰ということだったので、またスカッとしたエロコメに戻ってくれるのかな? もう妹出ないよね? 次に出てきたら、もう手がつけられないよ。存在ごとなかったことにしようよ。

あれ、でもこの展開だと、悠斗の目的が消えてしまったのではないかい? そうすると、軸になるストーリーがまったくない、単なるエロコメに成り下がってしまうぞ? 6巻からの展開を待ちましょう。

★★☆
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2017年01月10日

手のひらの恋と世界の王の娘たち


著者:岩田洋季
出版社:電撃文庫
手のひらの恋と世界の王の娘たち

花x華の作者さんですね。
舞台は、八つの平行世界の王の娘たちが通う「八重ノ学園」。主人公はこの学園に通うことになった第二世界の少年・美哉。彼の役目は、王の娘である羊子をサポートし、彼女を統合世界の王にすること…だったはずなのに、「わたしは美哉のことが、す、……好きなんだ!」と突然告白され、なぜか彼女と同棲することに。
この学園では、王の娘たちが、平和的に代理戦争を行い、平行世界の領域を決めるという闘いが行われています。そんため、王の娘は一つだけ「危険物」として武器の持ち込みが許可されているのですが、なんと羊子が申請したのは「美哉」。本来身分的な問題から、この学園に入学するのが難しい美哉を物として申請することで、持ち込んだのです。なんかも可愛いですね。でも自分の恋心を世界の領域より優先することは。許されるんだろうか?

またまわりの王の娘(といっても、数名しか出てきませんが)も、超絶お節介な少女ばかり。「H&M会(羊子さんと美哉くんのための会)」を立ち上げ、恋に恋する羊子を煽り、暴走させ、美哉がその悪ノリに翻弄されるという……いや、どの王の娘も美少女そろいである意味ハーレムなんですが、なんせ羊子の想いを知って、悪ノリしているメンバーたち。美哉はおもちゃとして、地獄の日々を送ることになります。しかも、羊子が美哉への恋心が絡まり、実力がまったく発揮できない状況。羊子の父=王からは「高校生として節度あるおつきあいを」と念を押され、当然「世界の覇権をとる手伝い」も指示されているので、そちらも冷や汗もの。

羊子が恋に関して、あまりにも初心であり、H&M会メンバーも、本当の意味での恋を知らないようで、少女漫画的かつ女子会的に悪ノリしています。応援するというよりも、右往左往する二人(主に美哉)を見て、楽しもうという意図が見え見え。まあ、美哉が羊子をまったく気にしていなければ、なにやっても羊子の空回りだったでしょうし、面白さは半減していたでしょうしね。まあ美少女に直球な好意を向けられ、しかもそれは気になる異性。でも手を出すととんでもないことになりそう。生殺し状態の美哉は、いつまで耐えることができるのでしょうね?

花x華同様、ラブコメの中にシリアスな闘いが混じっております。それが、影を落としているので、単純なラブコメにならないのが、この作者さんの特徴なのでしょうか? 甘々なラブコメで蕩けたいという方には、少し不向きかも。シリアスをおしるこに添えられた塩昆布として楽しみましょう。

★★★
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2017年01月06日

気づけば鎧になって異世界ライフ


著者:猪野志士
出版社:電撃文庫
気づけば鎧になって異世界ライフ

主人公・アスヤが気がつくと、見知らぬ世界にいて、身体が動かない、頭や腕はおろか、指やまぶたさえピクリともしない。しかも記憶がない! 困惑していたら近くから女の子の声がしたので、声を振り絞って話しかけてみると、驚かれる。なぜ? 彼女が差し出した手鏡を見ると、鎧姿の俺が映っていたが、バイザーを開くと中身がない…鎧に転移してしまった少年の物語。

あらすじを読むと、かなりコメディ色の強い作品に思えますが、実際は案外シリアスなお話となっています。主人公であるアスヤ、ヒロインのエルセリッタ、フィリオの生い立ちがかなりハードで、ボス敵がアレだったもので、コメディ色がシリアスで塗りつぶされそうになっています。この設定だったら、もう少しコメディに行ったほうがよかったんじゃないかなあ。エルが鎧=アスヤを着ることで、アスヤはエルの身体の凹凸を感じるとか、目がないはずなのに、見えてしまうとか。さらにとある条件で人間に戻れることがわかったものの、戻った瞬間は素っ裸。でも興奮すると鎧に戻ってしまう。そのため、中盤で人間に戻ったアスヤが風呂屋に行った際、ロリ美少女・フィリオに気に入られ「こどもつくろ」と言われた時も、興奮から危うく途中で鎧にもどりかけ…と完全にギャグマンガな設定が続くので、登場人物のハードな出自や、ガチペドなボス敵とかいらなかった気がします。まあ、そうすると薄っぺらい作品になってしまっていたかもしれないけど。

伏線はばらまかれているので、うまく回収してもらえたら、面白いシリーズになりそうです。

★★★
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2017年01月05日

14歳とイラストレーター


著者:むらさきゆきや
出版社:MF文庫
14歳とイラストレーター

むらさきゆきやさんの新シリーズ。今度はラノベの絵師が主人公。ラノベ作家が主人公という作品はいろいろありますが、絵師さんを中心に添えた作品は珍しいのではないでしょうか? むらさきゆきやさんといえば小学生という時代は、過去に去ってしまいヒロイン年齢が上がってきていたのですが、今回は思い切り年齢決め打ちですね。主人公の絵師さんが14歳という訳ではなく、青年というのもラノベでは珍しいのかも。いや、ラノベ界では、売れっ子作家が10歳とかザラにあるもので…

主人公・京橋悠斗はおへそに生命をかけるフェチイラストレーター。「ラノベの挿絵は1冊30万。税金も家賃もPC代もここから支払う」と妙にリアルな数値も出ております。大昔、セミプロイラストレーターな友人がいましたが、彼の場合「イラストの発注を受けると、資料代や画材で100%赤字」と言ってましたね。まあセミプロとプロ=それも売れているかどうかで大きく違う世界でしょうが。

それはさておき、ヒロインは14歳のコスプレイヤー乃木乃ノ香(愛称・ののの)。イベントで売り子をしてもらったのは覚えているが、その翌日悠斗が目を覚ますと、コスプレ(おなかが大きく出ている)のまま、部屋にいて…彼女から事情を聞くと、酔いつぶれた悠斗を部屋まで送ってくれたそうで、コスプレなのは酔っ払った悠斗に玄関先でぶっかけられたから…リバースを… そこまでされても、ニコニコと世話をしてくれる乃ノ香。彼女は、悠斗の大ファンということで、部屋の掃除や料理の世話として、これからも手伝いに来てくれることに…って、品行方正な美少女を連れ込んでなにやってんだ?

悠斗の周りには、巨乳と酒が大好きな倉山錦など、類友な世間からズレている作家ちが集まっています。そんな彼(彼女)たちの癒やしのマドンナとなった乃ノ香。その無邪気な言動で汚れた大人達を癒やしていきます。

とはいえ乃ノ香も類友な気がしないでもありません。普段着はセーラー服という彼女。家ではジャージということで、おしゃれと縁遠い生活。かといって不潔女子ではなく、ちゃんと清楚。羞恥心も普通にあります。でもコスプレすると「見て喜んでもらえる」ことに歓心がいくようで、へそだしルックも平気。このあたり普通じゃないですよね。

悠斗たちイラストレーターは、一般からすると「変」な人ばかりですが、作品にかける情熱は本物。間違いなくプロ集団です。乃ノ香にモデルをしてもらい、かなりきわどいポーズをとらせ、最初はテレていた悠斗も、途中からはそういった雑念より、モデルをどのように表現するかに集中していたようですしね。基本いい人のようです。

他にも、いつも笑顔でほがらか美人イラストレータで、ストーカーほいほいこと、佐伯愛澄も登場。少しばかりラブコメの匂いも漂っております。これから楽しくなっていきそうですね。

★★★★
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魔力ゼロの俺には、魔法剣姫最強の学園を支配できない……と思った?


著者:刈野ミカタ
出版社:MF文庫J
魔力ゼロの俺には、魔法剣姫最強の学園を支配できない……と思った?

亡国の元王子・ユーベルが主人公。乙女にしか扱えない神霊魔法の高位術式「神霊魔剣」を操り、かつて大陸統一と王国打倒の原動力になった魔法剣姫・一三血姫の次世代育成機関であるグランディスレイン魔法学園に現れます。彼は無謀との周囲の声を無視し、入学し試験で序列一位の最強魔法剣姫・ティリに勝利してしまいます。学園唯一の男となり「愛は偉大、超便利、マジ効率いい」という口癖のもと「この学園・この国のすべてを俺のハーレムにしたら世界超平和、俺超幸せ!」という野望を叶えるべく行動を開始します。
魔力はゼロだし、魔剣は使えないけど周到な準備によって、成り上がっていく元王子の物語。まあいわゆる俺TUEEEEなお話です。ユーベルは、効率を重視していますが、目的のために努力を惜しまないタイプのようで、想定できる展開を複数検討し、どのような状況にも対応できるようにしています。「魔法」という、この世界最大の能力がないことを、マイナスとして捉えるのではなく、その事実を強みにしているというスタンスですね。

ハーレムを目指して、自らの部屋(寮の一室=元は自分たちが住んでいた城の一室)で、ヒロインたちと生活をするという「爆発しろ」な状況をすでに作り出していますが、ラノベ主人公(ハーレム)の王道として、押しに弱いような気がします。肉食系女子がきてしまうと、あっさり逃げ出してしまいそうな雰囲気です。まあそれ故、よけいハーレム構築ができてしまうんでしょうけどね。

ストーリー自体はかなりテンプレなものとなっています。主人公もヒロインも典型的なもので、正直展開が読めてしまうところもあります。また一部強引な誘導(見え見えの伏線)もあり、自由度が少ない作品です。でも、テンプレとはいえ、ヒロインたちがしっかり動いており、ストーリーにも破綻はありません。王道ハーレムラブコメとしておすすめの一冊です。

★★★
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