2016年09月27日

彼女はとても溶けやすい


著者:丸山英人
出版社:電撃文庫
彼女はとても溶けやすい

主人公は、久田深弥。生まれつき存在感が希薄で、家族にすらその存在を忘れ去られるという不幸な高校生。自動ドアのセンサにすら感知されることなく、椅子に座っていても椅子ごと動かされるという地味さ。一方ヒロインは、美少女で存在感抜群な、重栖かなた。彼女は、すぐにカッとなり、正体をなくしてしまう。他人に関わるのが嫌で、いつも親友・沖島文と一緒にいる。もうそれは百合と思われるほど。たとえ同じクラスにいても、接点がない二人を結んだのは、偶然彼女の秘密を知ってしまったから。そこから物語が動き出します。

「み、みら、見られ、見! 嘘、嘘よね!? ねえ!!」
かなたは、人より融点が低いらしく、体温が上昇すると極端に柔らかくなるという体質です。比喩という訳ではなく、本当に溶けてしまうようですね。深く考えたら負けですが、ありえないですね。一方深弥は、地味で存在感が希薄なため、そんな彼女の秘密を見てしまった時も、その体質に驚くより
「僕の名前を覚えてくれてた・・・・・・」
と感動しております。こちらも大概ですね。

かなたの危機を救ってきた文は、そんな深弥に対し、かなたの体質改善に協力して欲しいと持ちかけます。親が食事を作り忘れることは日常茶飯事。さっきまで一緒にいた友人に忘れ去られる、誕生日、退院した母親が病院に忘れていくなどなど悲惨な経験をしてきた深弥は、彼の名前を覚えていてくれたかなたの頼みを断ることはできませんでした。

まずは文の提案により、かなたと深弥はデートをすることに。その待ち合わせで、人混みの中から深弥を見つけてくれたかなた。今まで認識してもらえなかった彼にとって、彼女の存在感はどんどん大きくなり、それが好意に変わっていくのは当然の推移ですね。

その後も3人(時には二人)で体質改善を目指し、途中なんども危機を迎えながらも、深弥の頑張りによって回避していき、さらに二人の中は近くなって。そのままハッピーエンドかと思いきや、深弥にもどうしようもないピンチが訪れ、二人の関係性に大きな変化が訪れます。

後半のラブコメパートは、結構面白かったです。しかしかなたが「溶ける」という設定が生かし切れていないですね。そのためラストが中途半端になっています。駆け足すぎて、それまでの伏線がなくなっています。それが残念な作品ですね。

★★
posted by あにあむ at 12:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫

アリアンロッド2E・リプレイ・フォーリナーズ オレたちが異世界トリップして、エリンで無双する?


著者:大畑顕/F.E.A.R.
出版社:ドラゴンブック
アリアンロッド2E・リプレイ・フォーリナーズ オレたちが異世界トリップして、エリンで無双する?

今回のGMはO畑さん。って今までF.E.A.R.名義のリプレイを書かれたことなかったんですね。ちょっと驚きました。まあベンネットなどO畑さんのキャラは、斜めの方向に突き抜けた面白さがありますから、プレイヤーとしてのほうが需要があったのかな?

今回は、ストレンジャーガイドの新クラスや新データを用いたリプレイになっています。4人のキャラが全員地球人という偏った設定。

ヒロイン・ラヴィニア(きくたけさん)は、エルーラン王国リベンジ伯爵令嬢。そう本来であれば、お嬢様。しかし中年サラリーマンだった記憶を持つ彼女は、権力を握るべく暗躍しており「毒と炎の悪役令嬢」と呼ばれるようになります。その努力が実るかと思われた時、ダイヤモンドプリンセスによってすべての計画が崩れ去ります。その上、島流し。でも彼女はくじけず開拓村しかない南の島で起死回生のチャンスをうかがいます。

仲間となったのは、魔剣に宿った魂・五十嵐鉄也(かわたなさん)、ポメ郎(濱田さん)、近未来からやってきたサイボーグサラリーマン・サイバーゼロ(社長)という地球からの転生者たち。鉄也は幼なじみの少女を花園へ連れて行くと約束した元ラガーマン(今となっては、双子の兄が連れて行っているんだろうけどってね)。それがシナリオの役にたったのかはわからない設定ではあります。

パーティが行ったのは、まずは水と食料の確保。そうその島では、水にすら苦労する生活をしていたのでした。ラヴィニアたちは転生前の知識も使い、少しずつ住みやすい島に変えていきます。最後に笑うのは悪役令嬢か? それとも…

O畑さんがGMされると、シナリオ全体に三下臭が漂うんですね。さらに美少女なはずなのに、そう思わせないキャラ。まあ今回声優さんプレイヤーも不在だし、仕方ないのかもしれませんがね。ラヴィニアがどれだけ頑張っても、所詮中の人はおっさん。そのギャップがねえ。

★★★
posted by あにあむ at 11:43| Comment(0) | TrackBack(0) | ドラゴンブック