2016年03月31日

ざるそば(かわいい)


著者:つちせ八十八
出版社:MF文庫
ざるそば(かわいい)

主人公は、高校野球好きの笹岡光太郎。ある夏の日、ざるそばの出前を注文したところ、ざるそばではなく、魔法少女で麺類なヒロイン・ざるそば(かわいい)が現れます。ざるそば(かわいい)は、ざるそば(動詞)を披露したり、麺類スポンサー契約を解除されてしまう。ざるそば(かわいい)の超人類的可愛さに正気を奪われた光太郎は、スポンサー探しに身を投じるのですが、待ち受けるのは、謎のMIB(麺 in ブラック)。謎の秘密結社(ABOS)、さらに謎の醤油ラーメン(美味しい)、謎の夏の甲子園(魔物)さらには、謎の魔法少女(月見そば)……私はなにを言おうとしているのでしょう? 「ざるそば(かわいい)がざるそばをざるそば(動詞)する」 カオスだ…… とりあえず「全部麺類にすれば、許されると思うなよ!」と言っておきます。でもざるそば(かわいい)の可愛らしさに抗うことは、男である以上出来ない相談だな…とこちらも壊されています。

ざるそば(かわいい)は、実は本名。で、父親にざるそばに改造されたという設定になっております。でざるそば(動詞)は、胸元から割り箸を取り出し、自らの髪の毛を一本巻きます。それをリボンのように操ると、ソバが現れ、息をふうふうすると、そばつゆがつき、リボンをちぎってパラパラするとノリになるという…っていうか、もう設定なんてどうでもいいですね。目の前でかわいい女の子がふうふうしてくれて「はい、あーん」ですよ。男のロマンですよ。ぜいぜい……

一応ストーリーとしては、麺類x人類の闘いということになっているのでしょうが、そんなものはどうでもいいですね。この作品の楽しみ方は、ざるそば(かわいい)を愛でることに尽きるでしょう。なぜかキスを拒むざるそば(かわいい)の理由にも萌えますよ。ついでに魔法少女(月見そば)も愛でるとか。

いや、冷静に考えると、どうしようもないおバカ小説ですよ。麺類を擬人化するというレベルを超えていますからね。ざるそば(かわいい)を普通の女の子にするための道具が、ロンギヌスの槍(フォーク)とか、それで月をついたら(どうやって?)醤油ラーメン(おいしい)になったとか、ざるそば(かわいい)は、580円で光太郎のものになったとか(食べ放題、580円って安くないか?)「昨日初めて食べられました。美味しいといってくれたので」って、それはざるそば(えろい)だろ。

おバカ小説の良作です。ふっきれたざるそば(かわいい)への愛が、すべてを許容しています。光太郎の幼なじみも、ああいうふっきれたキャラにしたことが、最後まで読み通せるおバカさに繋がっています。中途半端に良識を持ち込まれると、そこで我に返ってしまいますからね。

でも、しばらくざるそば見ると、笑ってしまいそうで怖い…

★★★★
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2016年03月28日

姉と妹の下着事情。(2)


著者:柚本悠斗
出版社:GA文庫
姉と妹の下着事情。(2)

前巻で、七緒の夢=モデルになりたいを応援し、服部三姉妹の仲を取り持つことに成功した創真彰人。彼の女性の胸への愛は留まるところを知らず、下着作りに青春をかけています。
そんな彼らの前に、現役女子高生モデルのリサが現れ、彰人の「元カノ」と名乗ります。彼女は誰もが振り向く美尻の持ち主で、最初誰か分からなかった彰人も「まさか……そのお尻は……リサ?」とお尻で気づくという…小学校からずっと同じクラスで、彰人曰く「異性と認識した」幼なじみ。彼女を見続けることで、女性の胸の成長もわかったという。で、ある日その胸を触らせてくれと告白…それ以降の認識は、彰人とリサで異なるのですが、彰人くん…いくらなんでもそれは…彰人に殺意を感じてしまいます。

モデルオーディションへの参加を許さない彰人の姉は、その理由を教えようとしません。そのかわり、彰人に「七緒とデートをすれば、その理由がわかる」と告げます。そのアドバイスに従って、七緒とデートをする彰人。ここでも彰人の「恋愛音痴」ぶりが発揮されます。その割りに煩悩には忠実なんですよね。結構扱いにくいヤツだろうな。

七緒たちの気持ちを知ってか知らずか、リサは彰人にお尻を触らせるなどアグレッシブに攻めてきます。七緒たちは、やきもきするのですが、それでもプロのモデルであるリサに七緒はアドバイスを求めます。七緒はなぜかバニーガールの格好でコスプレイベントに参加させられますが、そのイベントでモデルとしての致命的な欠点をリサから指摘されてしまいます。果たして、七緒は乗り越えることが出来るのか?

今回、新ヒロインとして二人目の幼なじみ枠が登場してきました。一人目の幼なじみ枠は非常に可愛そうな扱いになっており、彰人から「女の子」として見られないどころか、服部三姉妹からも「人間」として扱ってもらっていないような…ますますポメ子が板についてきています。それに比べリサは、異性として認められ、積極的に彰人の心を揺さぶっています。異性としての付き合いは、七緒たちがリードしていますが、リサは幼なじみのアドバンテージがあります。ただ相手はあの彰人。話を聞けば間違いなく「元カノ」なんですけど、彼にとってはそうではなかったようで…もしかしたら、リサもかわいそうな幼なじみ枠なのかも知れない…

この作品も、タイトルと乖離してきていますね。デビュー作ということで、奇抜なタイトルで目立とうとしたのでしょうが、これだけストーリーがしっかりしているのであれば、かえって邪魔になっています。タイトルでは、これほどしっかりしたラブコメだと思えないですものね。単なるエロコメにしか見えない。シリーズ途中でタイトル変えることは出来ないでしょうし「3巻の壁」もあるから残念です。

★★★☆
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2016年03月25日

アリアンロッド2E・リプレイ・アイテムマスターズ 刀鍛冶の用心棒


著者:菊池たけし/F.E.A.R.
出版社:富士見ドラゴンブック
アリアンロッド2E・リプレイ・アイテムマスターズ 刀鍛冶の用心棒

『アリアンロッドRPG2Eアイテムガイド2』に登場する新クラス・ブラックスミスを始めとした、新データのチュートリアルリプレイ。データブックのおまけではなく、一冊完全にリプレイになっているので、TRPGをしない人でも楽しめます。

魔獣「ハンマーヴィルの獣」に、両親を殺された呪術剣士・リアル。仇をとるため、親友の鍛冶士・マテルの「神剣」作りに望を託します。さらにリアルの周りには、それぞれの理由で魔獣を仇にしている人が集まり、討伐パーティが結成されます。果たして、彼女たちは、魔獣を倒せるのか?

リアルは目の前で魔獣に両親を殺されています。そのほかのメンバーも、過去に魔獣と闘い、敗れた(死んだ)者、パーティ仲間全員が殺された者など、かなりハードな過去と恨みを持っています。なので、リプレイもハードボイルドになるのが普通なのでしょうが、そこはきくたけリプレイ。まったくもって想像できなかった展開になっていきます。アイテムガイド2の紹介という目的があるため、アイテムに注目する必要がある。でも、メイン武器は、そう簡単に変えないし、紹介できるアイテムにも限りがある。そこで、強力な武具がランダム入手できる「課金ガチャ」を準備。一回5000Gという価格に、本来の目的を忘れ、目先の金と欲望に奔走するパーティ。もうね、悲しい過去がどこかに逃げ出してしまっています。それでも、ネタに走りすぎている感もありますが、ありあまる面白さがすべてを忘れさせてくれます。

★★★☆
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2016年03月18日

SE-Xふぁいる


著者:五十嵐 雄策
出版社:電撃文庫
SE-Xふぁいる ようこそ、斎条東高校「超常現象☆探求部」へ!

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少女の好奇心がエッチを呼ぶとき、少年は鼻血を解き放つ! 禁断のラブダクション・コメディ、登場! 「も、護田(モルダ)くん……疲れてるの?」
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タイトルからすると、エロコメ? でも作者は五十嵐さんだしなあ。そりゃ、どの作品でもエロマウントポジションなどの微エロはあったけど…

主人公は、護田映一郎。高校デビューの目標は、七色に光り輝く青春イベントで、真っ白な青春アルバムを埋め尽くすこと。中学時代は、自らの体質のせいで青春と全く無縁だったから。とはいえ、そこは五十嵐作品の主人公。引きこもりという訳ではなく、対人スキルもかなり高い人物となっています。そんな、映一郎に接近してきたのは、宇宙人のかぶり物をしたクラスメイトの白羽根鈴緒。かぶり物をしているときは、「時にモルダくん。──私と第四種接近遭遇をしてみる気はないかな?」と強気なのに、かぶり物を取ると、臆病な子犬のようになる少女。彼女が求めるのは超常現象…でも、彼女の体質(?)のため、超常現象を探しに行くと、百発百中でエロシーンに出くわしてしまう…それがSE-Xファイル=鈴緒・エロ・Xファイル! 名付け親は、鈴緒の親友である元気少女・浅葱。うん、言い得て妙ですね。

なんせ、体験入部ということで初めて一緒に探した超常現象で出会ったのは
「あ、ああん……気持ちいい……イく……イっちゃう……先生、異次元にイっちゃう……!」
……いいんだろうかというシーン。ここで鈴緒は真っ赤になってオーバーヒート。映一郎はというと鼻血……その後も後輩中学生からの依頼時もひとりエッチ(テレフォンS○X)をしているシーンを目撃したり、もうなんていうか。そのたびに映一郎は鼻血を出すのですが、実はこれ興奮して出たのではなく、超常現象に反応してという設定が…そうこの作品は、たんなるエロコメでもなく、ラブコメでもなく、オカルトものだったようです。

映一郎のMシステム(超常現象で鼻血)や、鈴緒のSE-Xファイルの本当の意味などなど、謎が多い作品になっています。今までの作品(城姫除く)は、現実的な世界(お嬢様が現実的はさておき)の日常でしたが、今回はそこにオカルトが入ってきています。まあ、極端にグロテスクな描写はありませんし、ホラーにはなっていませんので、そういったものがお嫌いでも大丈夫と思われます。

ただ、今までの作品に比べ、直接的なエロシーンが多いので(主人公たちは、相変わらず純情ですが)それがどうかなあ? ちとやりすぎかな? という気がしないでもないです。とあるシーンでの「ケンタウロス」も、それだけでやめておいたらよかったような…その前の描写があまりにも直截すぎて… ヒロインがほんわかしているだけに、そこだけ妙に浮いているんですよね。

主人公が、中学生ずを含めて、少女たちに懐かれるのはいつものこと。メインヒロインがふわふわしているのもいつものこと。このあたりは安心の「五十嵐クオリティ」です。メインヒロインは「わふぅ」と鳴くし、白い布は出てくるし。うん、アレなシーンを除けば、楽しい作品です。アレなシーンは、もう少し減らして欲しいな。

★★★★
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2016年03月16日

艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 瑞の海、鳳の空(3)


著者:むらさきゆきや
出版社:スニーカー文庫
艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 瑞の海、鳳の空(3)

艦隊これくしょんノベライズの第三巻。ついに艦これ改をプレイし始めたので、今までよりストーリーがわかりやすくなりました。でも知らなくても十分に楽しめたと思えます。
冒頭は、鎮守府での運動会! 基礎体力向上のための陸上演習だったはずが、なぜか艦娘たちが体操服で登場。龍鳳はブルマで、千歳が短パン。総合司会は那珂ちゃんじゃなかったです。
そんな風に、まとまりがよくなってきた鎮守府に、司令本部から「恋愛禁止令」が下されます。アイドルに手を出すな! ってことですね。瑞鳳の気持ちは揺れ動き、提督の気持ちも揺れ動きます…その中、提督に「深海棲艦の前線基地を攻略せよ」という作戦が発令されます。無線が傍受されている可能性があるということで、ダミーの命令が下される裏、文書で命令が届けられるのですが……深海棲艦の前線基地を攻略するためには、鎮守府のほぼすべての艦娘を前線に送り込む必要があります。すなわちその間、鎮守府の守りが薄くなることに。そこに深海棲艦は目をつけ……

若き提督と瑞鳳の恋模様を中心に、前線基地の日々が描かれます。そこにいるのは、艦娘という「兵器」たち。でもそれぞれに心があり、普通の乙女のような日々を過ごしています。兵器であるにもかかわらず、いや兵器であるからこそ彼女たちは、日々一生懸命生きています。

この作品がきっかけになり、艦これに興味を持ちました。それまで、擬人化ものに興味を持てなかったのですが(いろいろと、無理が生じるため)、この作品はそういった部分なしに楽しむことができました。

★★★★
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ピリオドからはじまる魔導機書


著者:水月紗鳥
出版社:MF文庫
ピリオドからはじまる魔導機書

主人公・真夜は「未完の魔導機書」と呼ばれる、猫耳しっぽを持つ魔法生物な美少女・音々子と出会い、一目惚れ。即座に結婚を申込みます。「愛」を探し求めていた音々子は、真夜の示す愛を受入、恋人同士となります。そして物語にピリオドが打たれます。というのが冒頭。この冒頭で、大きな出来事が描かれ、そのあと物語に入っていくというのは、よくあるパターンになってきましたね。この作品の場合、出来事が将来の選択に影響しているという点でも重要な冒頭になっています。

基本物語は音々子と真夜がいちゃいちゃすることで、展開されていきます。そこに妹がかんでくるというラブコメです。音々子が可愛い。少々真夜の行動に「本当はこんなこと考えているんだよ」という裏が見え隠れするのは面倒ですが、後半登場する魔法使い・冷香と兎耳少女・ロコが、ラブコメ的にいっかきまわしてくれます。

しかし、この妹も大概ですねえ。目の前でいちゃいちゃされても耐えきりますし、兄のベッドで、こんなことやあんなことをしていたようですし。これで甘さは薄めだそうです。ということは、作者が本気を出したらどのような状況になるのでしょう?

作品としては、この巻だけでも成立しています。ただ、回収されていない伏線も残っているので、続きが出るのでしょうね。いちゃらぶぶりが、しばらく楽しめそうです。

★★★★
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2016年03月14日

りゅうおうのおしごと!(2)


著者:白鳥士郎
出版社:GA文庫
りゅうおうのおしごと!(2)

JSを弟子(住み込み)にした竜王・九頭竜八一16歳。姉弟子である銀子の女心が読めない彼は、当然弟子である、あいの女心も読めないわけで、将棋とは別の闘いが回りで行われていることに気がつく余地もないようです。

16歳にして竜王タイトルを取るも、その後まったく勝てなくなっていた八一。今回、そんな彼の熱い将棋が後半展開されます。って、将棋知識がない私にとっては、よくわからないのですが、とりあえず描写が熱いので、それに乗せられて盛り上がっております。

今回新たに登場したJSは、夜叉神天衣・小学四年。黒衣の少女は、あいと正反対の性格のようで「私はあなたを師匠だなんて呼ばないから」「ふぅん?じゃあ今日であなたの仕事もお終いね」という生意気な小学生。ただ将棋の実力はかなりのものみたいです。彼女の将棋は非常に特殊な将棋。アマチュアレベルでは、ほとんど使われることのない戦術をベースとしたもの。どこでそのような将棋を覚えたのか? なぜいつも黒衣を着ているのか? 悲しい過去を背負った女の子のようです。そんな彼女の教育を将棋連盟会長より依頼されます。密かに特訓を続ける天衣と八一。それがあいにばれた時、修羅場が訪れます。「ししょう……? だれですか? その子……?」 あいの心に「嫉妬」が燃え上がり、修羅場、そして家出してしまいます。八一は二人を救うことは出来るのでしょうか?

今回も将棋がメインです。でも知らなくても十分楽しめる作品になっています。いや、知らないから雑念が入らないのかも。「のうりん」の時は、一巻でとある記述が「おかしいだろ」と思ってしまって、結局読むのやめたからなあ。詳しい取材に基づいて描かれる作品は、その世界を知っていると「そうじゃない」というところが見えてしまい、面白くなくなることがあります。なので、将棋というテーマがちょうどよかったのかも。

しかし、八一は犯罪者一直線ですね。「お前が(自分の)一番だ」とか「かぞくになってくれ」とか、どう考えても口説き(下手したらプロポーズ)文句をJSに連発するんですからねえ。すべての判断基準が将棋というところは気になりますが、少々かわいそうな立場になっている銀子も含めて、恋の行方はどのようになっていくのでしょうか? ついでに八一は竜王タイトルを防衛できるのか? それ以外のタイトル戦に挑戦していくことはあるのか? そちらも少し楽しみですね。

★★★★
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2016年03月09日

俺氏、異世界学園で『女子トイレの神』になる。


著者:周防ツカサ
出版社:電撃文庫
俺氏、異世界学園で『女子トイレの神』になる。

主人公は、世良隼也。総理大臣の三男ということ。舞台は、異世界と繋がる扉が多数あり、異世界人との交流が現実ものものとなった現代。とはいえ、まだ一般人にとって、異世界人との交流は難しいもので、そのためのサンプルとして異世界人学校が創立され、そこに転校させられることになります。隼也は「自分が兄弟たちのような能力がないから、父親にレールを外された」と思っていますが、当の父親はどうもそうは考えていないようで…

元々友達作りが苦手な隼也は、多様な異世界人に馴染めるはずもなく、ぼっちまっしぐらな学校生活を送ります。そんなある日いつものように男子トイレ(個室)にこもっていたところ、なぜか学級委員長(有翼種の美少女)アイリスの声が頭に響き、気がついたらアイリスのいる個室へ召喚されてしまいます。アイリスの召喚魔法の失敗が原因だったのですが、なぜかそれ以降呼ばれると個室に召喚されるという、謎な体質になってしまいます。しかも「女子トイレの神様」という噂が立つようになり、保身もあり(女子トイレにいるところを見られたら、人生が詰んでしまう)クラスメイトたちの相談に乗ることに。もちろんこの行為は、さらに深みにはまっていく一因になり…スマホのボイスチェンジャー(自作アプリ)を用いて、中性的な雰囲気を出し、神様=隼也だということを隠しているのですが、隣の個室でスマホに話していたら、地声も聞こえてしまうんではないでしょうか?

女子トイレの神様になった隼也は、クラスメイトたちの悩み(もっともてたいとか、デートがうまくいくようにとか、思春期にありがちな内容)を解決していく中で、少しずつクラスに溶け込んでいきます。政治家の息子ということで、先生に当てられた時に誤答しただけで「失言!」とからかわれるのが嫌で自分で殻を作っていた隼也。しかし異世界人たちの飾らない心に触れていく中で、少しずつ自分を出すようになり、それが周りにも好印象を与えるようになっていきます。

この作品が面白いのは、クラスメイトたちのキャラが面白いということでしょうね。委員長・アイリスは完全無欠美少女に見えるけど、妄想暴走型のダメ娘だったとか、オークのユリアンは「もてたい!」と思っているけど、日本でのオークのイメージ(一部の人たち向け)を聞いて落ち込むなど、それぞれの種族の特徴がでています。

表面上は、平和な悩み解決が続いていくのですが、根幹にはシリアスな部分も有しています。それが物語を引き締めていて、読み進める原動力になっています。この先「どうなるんだろう」と楽しみで…

★★★★
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異世界混浴物語(3) 混迷の岩盤浴


著者:日々花長春
出版社:オーバーラップ文庫
異世界混浴物語(3) 混迷の岩盤浴

さらに北條冬夜の進化が進んでいます。一緒に異世界に飛ばされた美少女をリアル恋人にして、さらにはむっちり銀髪娘にケモミミ従者、ぴっとり系ちみっこ晶術師を脇に従え、前巻では闇の女神である美少女・ラクティも手に入れ、夢の中では、光の女神などに寵愛され…リア充一直線ですね。しかも、最初は「微妙」と言われていた、無限バスルームもどんどん便利になっていき…

前巻で闇の女神の祝福を受けた冬夜。そのままだと魔人になってしまう。それを防ぐには、他の女神たちの祝福が必要…と当の闇の女神から言われ、女神の神殿のある「ヘパイストス・ポリス」に移動します。マッチョな炎の女神神殿の神官たちや、猫耳な鍛冶屋さんたちと出会い、目的へ向けてまっすぐに進んでいく冬夜たち。しかもハーレム付きといううらやまし…

炎の神官がマッチョってのは、なんか他でも見たことのある設定ですね。炎=情熱的=マッチョと繋がるんですかねえ。もう少しひねりがあってもよかったなあ。

最初は水を供給する・髪がきれいなるといった程度の能力しかなかった無限バスルームが、どんどん便利になってきています。外敵から完全に防御出来るという特性を生かし、物理的攻撃に対してだけでなく、毒ガスに対しても有効なシェルターとなっています。って、このバスルームの換気扇はどのようになっているのでしょうね?

冬夜がどんどん強くなっています。レベル・能力的に強くなるというより、手持ちの能力の使い方がうまくなっているので「俺ツエー」な作品にならずにすんでいます。その分、作品を楽しむことが出来ています。なんだか最終目的が「春乃と混浴する」ってのが残念ではありますが、それくらいのほうがうまくいくのかもしれませんね。

★★★☆
posted by あにあむ at 10:19| Comment(0) | TrackBack(0) | オーバーラップ文庫