2015年11月25日

ちゅーぱらだいす


著者:相原あきら
出版社:MF文庫
ちゅーぱらだいす

主人公は、女の子に間違えられることが多く「男らしくなりたい」と思っていた棚畠在人。ある日、少し変わった主人がいる古本屋でどたばたの末「望みを叶える魔法の本」を
手に入れます。疑いつつも、その本に願いを伝えると、妖精のような女の子が現れ「キスの神様」と告げられます。行き違いから「女の子5人にキスをしなければ、女の子にされてしまう」呪いをかけられます。で、彼のまわりにはちょうど5人の女の子がいて…

ありきたりな、お話ですね。主人公が女装のほうが似合いそうな可愛い子というのも、最近掃いて捨てるほどありますし、幼なじみがいて、女の子のほうが相手を「異性」として全然見ていないというのもよくある話。「キスをしないとxxになる」ってのもよくある話。なので、なにか特徴が欲しいのですが、残念ながらそれもなし。うーむ。

出てくる女の子が、ほぼ同じようで見分けがつかないというのが敗因ですね。5人という数字を出してきたのが「女の子にはいろんなタイプがあるから、最低5人は経験しないと」というものだったのですが、全員ほぼ同じパターンだし、あまり意味がなかったような… 
兄妹同然の幼馴染・新月まひる、まひるの親友・加瀬緋奈美、密かな想い人・水生メル、僕をペットのように扱う先輩・来栖夕陽、街で出会ったいたずら少女・金谷五十鈴。

というふうに描きわけられるはずだったのでしょうが、実際は全員同じなんですよね。

呪いの実効性が示されていないのも、緊迫感をなくす要因です。唯一笑ったのは、主人公にキスされて、盛り上がり服を脱いでしまった夕陽。その裸の重要パーツを見せないようにするキス神の動きでした。

★☆
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もう中二病でもいいもんっ!


著者:翡翠ヒスイ
出版社:電撃文庫
もう中二病でもいいもんっ!

「ぐっ、か、体が熱い!? こ、これはついに奴の封印が!?」
「ふふ……無理もないわ。私の瘴気に当てられて人が狂うのは仕方ないことよ」
「因果律の歪みを確認。異常事態。この男は危険。排除を要請する」
という中二病全開な物語。タイトルから想像したストーリーは、日常生活の中で、中二病を発症し、開き直っていくというものでしたが、日常生活ではなく、本当に戦う異能バトルでした…

主人公は、星美津奈瑠。中二病なんて…と思う元気な少女(リアル中二) でも彼女の手には異能が宿っていて… その異能のせいで、零式機関という秘密組織に参加することになります。そこには、中二病な異能者たちが集い、人々の妄想が生み出す「妄現体」と戦っていました。そこで重度の中二病ではあるものの、人はいい二人の仲間と出会い、どこか抜けた教官と共に青春を過ごしていきます。
異能バトルが中心になりますが、全体に明るい雰囲気。主人公が少々年齢に比して幼いような気がしますが、それくらいのほうが成長する余地があるのかもしれませんね。

この作品を面白くしているのは、奈瑠の左手。奈瑠の会話に絶妙のタイミングで割り込んできます。その台詞は【】で括られているのですが、その内容がなんというか…触れてはいけない乙女の秘密だったり、真っ黒な本音だったり…

中二病な台詞が少々つらいのですが、登場人物それぞれにバックボーンがあり、決して単なる妄想でないところがいいですね。

★★★☆
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2015年11月24日

放浪勇者は金貨と踊る(2)


著者:むらさきゆきや
出版社:富士見ファンタジア文庫
放浪勇者は金貨と踊る(2)

詐欺をテーマにしたファンタジーの第二巻になります。
魔王を倒した勇者・アレン。素性を隠して商業都市ファルトラに流れ着き、ヨルと名乗って生活しています。前巻で、亜人の少女・ユニスと、国家騎士・レイチェルと知り合い、彼女たちを助け、さらには国家レベルの詐欺も暴き、莫大な報酬を得たはずだったのですが、相変わらず日々の食事代に汲々としていました。

そんな時、豹人族のパルが詐欺にあったとヨルに泣きついてきます。彼女はお人好しで、そこをつかれた訳ですが、こんな簡単な手にひっかるかねえというものでした。前巻は、もう少し凝った詐欺になっていましたが、今回は詐欺というより「契約書の基本」をおろそかにしたから発生した事案ですね。まあ詐欺(お金にまつわる)を描こうとすると、作者側にかなり知識量が必要となるので、仕方がないのかな。

後半は、前半とまったく違う話になっており、魔王討伐パーティでの仲間・シャノアールが中心となります。仲間だったシャノアールと敵対することになり、ヨルはどうするのか? こちらはお金はまったく関係ありません(まあ詐欺ではあるのかもしれないけど)ネタ尽きたのかなあ……

遺伝子レベルで、人助けがすり込まれている元勇者・ヨルと、彼をとりまくヒロインたち(基本お人好し)で構成された、楽しくなりそうなファンタジーだったのですが、本巻で終了とのことです。元々予定されていた終了というよりは、打ち切りなのかな? いろいろ伏線が回収されないままになっています。なんだか似たような作品を連発して、それぞれが薄まってしまった感じです。もう一度ラブコメをメインにした作品が読みたいですね。

★★★
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2015年11月18日

中古でも恋がしたい!(3)


著者:田尾典丈
出版社:GA文庫
中古でも恋がしたい!(3)

初芝のおかげで、少しずつクラスメイトと打ち解けてきた綾女ですが、イブと百合だという噂が新たに流れはじめる。さらに部室では、清一が綾女とイブに指示して、絡みをさせ、それを鑑賞しているという噂が…さらには二人を手込めににしているとまで……一つの噂を消すと、他の噂が出てくるように…清一はどうするのか?

ということで、今度の噂の中心は清一となりました。でもさほど同情出来ないんですよね。ある意味リア充爆発しろ!な状態ですからねえ。今回は、妹の聖美のお願い(「一緒に来る? 来ない? 来るって言うまで蹴るけど」)によって連れ出された清一の前に、清楚なお嬢様風に着飾った古都子が現れ、ついにデートを体験。その他にも、古都子・優佳・イブによる水着ショー(なぜか才谷も参戦しましたが)、勉強会などなど……そこまで良い思いをすれば、少々いいじゃないかといいたくなりますよね。

前回は、動きが止まってしまっていたキャラたちですが、今回はそれぞれ動き出しています。一番動いていなかった聖美も「隠れブラコン」の道を歩み出したようですし、際物キャラと思われていた才谷もいいポジションになってきました。

清一も、単なる二次元至上主義かつ処女厨ではなくなってきており、ラブコメとして面白くなってきました。でもタイトルからは、どんどん外れていきますね。

★★★
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ソード・ワールド2.0 リプレイ 竜の学舎と守護者たち(3)


著者:秋田みやび/グループSNE
出版社:富士見ドラゴンブック
ソード・ワールド2.0 リプレイ 竜の学舎と守護者たち(3)

シリーズ最終巻。消えたサーフィアを探し出すのが前半部分。後半はサーフィアにまつわる秘密の処理を行うという構成になっています。なので、後半はバトルシーンも入っています。

本来、ドラゴンに取り憑いて災厄を引き起こす存在のフォールンソウル。それがワニやイノシシ、はてはワカサギに取り憑いて、騒動を引き起こします。それを、カインガラの先生たちが一生懸命解決していきます。

ということで、壮大なストーリーとなっているのですが、それ故PCたちが関与できる範囲が非常に狭い。どうしてもGMが指示した通りに動くだけになっており、主体性が感じられないリプレイになっています。前巻でも感じたのですが、台詞の多い小説というイメージから逃れられなかったようですね。

PCたちが、本心から生徒のことを考えていることがよくわかり、そういった意味ではいいRPGなんですが、一本道になってしまっている(PCの裁量が少ない)のが最後まで残念でした。NPCが強すぎるってのもあるのかな?

★☆
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2015年11月09日

彼女は遺伝子組み換え系


著者:嵯峨伊緒
出版社:電撃文庫
彼女は遺伝子組み換え系

主人公は、普通の高校生・命川景。日常的にテロの脅威にさらされる新東京都で、彼はテロリストの少女に自宅を占拠されてしまいます。少女はムーンチャイルドと呼ばれる人間兵器の生き残り…彼女たちムーンチャイルドは、遺伝子組み替えにより人間兵器に仕立てられた存在。景の父親もその研究者であったため、ムーンチャイルドに対して思うところがあり…
ということで、ここだけ読むと凄惨なお話になりそうですが、少女は美少女。イラストを信じるなら、金髪ロリ美少女。しかも「死んでください。この屑」 まあ最恐のツンデレ美少女ということで、そういうお話になっております。異能バトルとラブコメがバランスよく配置されている作品です。主人公も「普通の高校生」などではなく、ストーリーの根幹に関わる過去を持っているなど、話の奥行きもあります。でもストーリー展開が速すぎてついて行けないところが多々。さらにいうと「死ね死ね」言い過ぎな登場人物が、雰囲気を悪くしていますね。口の悪さもって、彼女たちの陰湿な過去を表現しようとしているのかも知れませんが、あまり成功していないようです。

これは、最近の作者さんの特徴なのかも知れませんが、視点の変更が激しいですね。舞台や文学作品(という言い方がいいかは別にして)など、全編を通して一つの視点という芸術にあまり触れず、TVやゲーム視点だからなのかなあ。複数の登場人物の視点から物語を描くことは、悪くないのですが、細切れにされてしまっており「今どうなっているのか?」がわかりにくくなっています。このあたりは、好みもあるので、強く言えないのですが、もったいないなと。

★★
タグ:異能 ★★
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彼女が捕手になった理由


著者:明日崎幸
出版社:一迅社文庫
彼女が捕手になった理由

主人公は、中学野球チーム「白倉柏シニア」に所属する左利きのショート・本摩敬一。このチームは、守備範囲は広いけど弱肩のセンター、豪打だけどリードが出来ない捕手などちぐはぐで万年二回戦どまり。そんなチームに突然、元名門チームのキャッチャー・梶原沙月が入部してきます。しかも全権監督として…

タイトル通り、ヒロインはキャッチャーです。で、ラブコメもあるものの基本スポ根ものとなっています。異界や異能は出てきません。ラッキースケベもありません。純粋に野球やってます。ちぐはぐであるため、弱かったチームを沙月が大胆なコンバートによって変えていくというのがストーリーのすべてになっています。その中で、ヒロインと主人公が異性としても少し距離を詰めていくという物語。決勝は100ページほどが割かれています。まあ一試合が異常に長くなるのは、過去の野球漫画を見ればよく分かるのですが、ラノベでこれは……

熱血していて、ヒロインも女の子らしさが描かれており、悪くないんですよ。でももう一ひねりあって欲しかったなあ。万年二回戦どまりということですが、あれだけの豪打があれば、相手粉砕できたのではないかなあ。他のナインも、それなりにバッティングよかったようですし。確かに左利きのショートは、不利ですが、後半描かれるほどの能力がある選手でかつ中学生レベルならば、もう少しなんとかなったような気もします。

全員が男だとむさ苦しくなるということで、ヒロインが登場したのかも知れませんが、こちらも生かし切れていないなあ。もう少しなぜ女の子を登場させる必要があったのかを、理解できるエピソードが欲しかった。

悪くないだけに残念でした。

★★☆
タグ:★★☆
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2015年11月05日

魔王なあの娘と村人A(10)〜Go West! 魔王さまさま!!


著者:ゆうきりん
出版社:電撃文庫
魔王なあの娘と村人A(10)〜Go West! 魔王さまさま!!

今回は、修学旅行が舞台。それも個性者と一緒に…行き先は『TUP』――テイル・ユニバース・パーク。名前のごとく個性者が個性を発揮することが出来るテーマパーク。(本来は、一般人にテイル・。ユニバースを体験してもらうための施設だったようですが、いつの間にか個性者向けになってしまったようで)そのため個性者は浮き足だっており、不安しか残らない…そんな中、魔王・竜ヶ峯桜子だけがおとなしいのが余計不安を煽る… ということで、普通ならいろいろ楽しいイベントのありそうな修学旅行が舞台となっております。

現実に当てはめても仕方ないですが、修学旅行の行き先は京都のようですね。でTUPはUSJに相当するようです。往路のリニアでは佐東がどこに座るかで一悶着あったり、実はリア充な佐東くんです。でも、友人は一足先に大人の階段を上ったようで、しかもお相手も同級生ということで、穏やかではない様子。佐東がもてるのは、個性者ばかりなので、恋愛に発展させるのは難しそう。って、魔王・桜子は攻めれば、陥落しそうなんですけどね。
そんなラブコメとは別に、個性者どうしの諍いとして、西の魔王・春日一汰が登場します。その彼が桜子に目をつけて、全面対決に巻き込まれます。一般人巻き込んだらだめだったのでは? というか、佐東はすでに村人Aという「個性者」なのではないか? と思えるようになってきました。だから、個性者に認識されやすいのではないでしょうか?

結構長く続いている本シリーズ。次巻がラストとなるようです。このシリーズのメインテーマがいまだ理解できていないのですが、最終巻ではどのように決着がつけられるのでしょう? 案外、佐東が個性者として認められ、桜子とゴールインするとか…

★★☆
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ダブルクロスThe 3rd Edition リプレイ 春日恭二の事件簿


著者:丹藤武敏/F.E.A.R.
出版社:富士見ドラゴンブック
ダブルクロスThe 3rd Edition リプレイ 春日恭二の事件簿

ダブルクロスのやられ役(?)として人気のディアボロスこと春日恭二にスポットを当てたリプレイ。本来FHのエリートエージェントだったはずなのに、いつも任務に失敗するハメになるかわいそうな人。そんな彼が流れ着いたのは、初めて挫折を味わった街・東京近郊T市。そこで、新たな生活=住み込みのラーメン店員を手に入れ…って、無茶苦茶昭和のお話になっています。渋かったはずの春日が、気の良いラーメン店員として働いている…シュールな世界となっています。というか、本当にこれダブルクロスなの? という出だしですね。
そんなディアボロスを裏切り者として処理するため、墓守清正、アリサ・トツカ、鈴木和美が襲いかかります。ああ、ようやくダブルクロスらしくなってきた。もちろん三人の刺客にも、裏はあり…

なんだか、昭和の任侠伝を見ているような一話に続いて、二話ではいきなり春日恭二が殺される衝撃(笑劇?)の導入。ディアボロス仮面が現れたり、クローンな春日恭一がたくさん現れたり、春日恭一面犬が現れたり、シリアスなのかギャグなのかよくわからない展開になっています。

GMがたんとーさん、その斜め上に進むシナリオに、天さんスペックが加わり、もうどう進みたいのかまったくわからない。たぶんGMにも分かっていないのでは? という問題作です。でもラストはしっかりクライマックスしているのはさすがですね。

ネタ満載の当巻。今後どうなっていくのでしょうね。

★★★☆
posted by あにあむ at 09:26| Comment(0) | TrackBack(0) | ドラゴンブック