2015年07月24日

東京聖塔


著者:雨野智晴
出版社:MF文庫
東京聖塔

主人公は、千畳敷一護。彼には「石化病」という奇病を患った妹がいます。発病から約10年で全身が石化して死に至るという不治の病。彼女は、発病から8年経っており、余命2年ということになります。そんな妹を助けるため、攻略者のいかなる願いも叶えてくれるという東京聖塔の攻略に挑戦することに。しかしながら、そのダンジョンは生存率1割という過酷なもので……

バーチャル世界の冒険ではなく、東京聖塔での死は現実世界での死と同等です。それでも妹のために彼は東京聖塔に挑戦することに。ところが、彼のスキルは運以外が最低ラインというもの。普通なら時間をかけてゆっくり攻略するべきなのですが、妹を救うためには、出来るだけ早く攻略する必要があります。そこで彼は最大3分だけ超高速で行動出来る「高速剣」というスキルを選択します。そのため、防具などをそろえられず、準備されたのはダンボールのアーマー。彼は生き残ることが出来るのか?

ということで、熱いストーリーになっています。最弱に近い主人公をフォローするのは、最強のヒロイン。実世界では、生徒会長であり一護のあこがれの先輩でもある彼女は、普段は沈着冷静な優等生キャラ。でも実際は妄想豊かな照れ照れヒロイン。いいですね。さらに、一護の妹は「お兄ちゃん分を補給します」と抱きつくという可愛らしさ。あれ? どこかでみたぞって「ふぁみま」の妹ですね。でも可愛いから許す。

これだけなら、熱血バトル+ラブコメなんですが、この作品はさらなる仕掛けがありました。それは「ネイキッド」な主人公! いや、高速剣は、身体に負担をかけるため(筋力などが増強される訳ではないので、あとからくる反動がすごい)アーマーがリミッターになっているという設定があります。つまり、アーマーをパージすることで、さらに強くなるということ。要するに裸になれば「最強」と……(あれ下着もアーマー扱い?)なので、一護の戦いを端から見ると「露出狂が高速で剣を振っている」というシュールなもの。うーん、夢に出てきそうですね。最近ラノベ主人公は脱ぐのが流行っているのでしょうか?

ヒロインズが可愛く、テンポもいいこの作品。さらにヒロインズの主人公への好感度はMAX状態。これから先、もっと面白くなっていきそうで楽しみです。

★★★★
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クズだけど異能バトルで覇権狙ってみた


著者:三門鉄狼
出版社:MF文庫
クズだけど異能バトルで覇権狙ってみた

主人公は、死んだ魚のような目をした高校生・神薙アスマ。友情や信頼はすべて偽物と考え、自ら「クズ」と言い切ります。そんな彼のもとに女神・アルテミスが現れ「神と人とがタッグを組んで闘う最終戦争で勝ち残れば、どんな願いでも叶う」と誘ってきます。彼は「世界を滅ぼす」という願いを叶えるため最終戦争に参戦し……

なんだか、あらすじを読むとかなり暗い話になりそうですが、アルテミスがハイテンションなため、陰湿感は削減されています。さらに、アスマとアルテミスに強大な力があるわけでもなく、卑怯なやり方でしか勝つことが出来ません。

でもねえ、あまりにもアスマがクズすぎて、読後感が悪い作品になっています。正直続きは読みたくないなあというレベル。友情や信頼という言葉を、青春マンガのように特別視するつもりはありませんが、それでも完全に否定するというのは行き過ぎ。社会不適合者を英雄視するってのは、どうかと。もちろん、そうなった理由はあるのでしょうし、そういった考えの人を排除するのが正しい訳ではないのですが……

クズにも笑えるクズと笑えないクズがあります。アスマのクズさは、笑えないんですよね。いっそ突き抜けてしまえば、面白さが出てくるのでしょうが、悩んでいる時点で、後味の悪さしか残りません。

★★
タグ:異能 ★★
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2015年07月22日

海でおぼれて漂流したら謎の島へたどり着いた件について


著者:マナベ・スグル
出版社:一迅社文庫
海でおぼれて漂流したら謎の島へたどり着いた件について

先にいいます。地雷です。
海で遭難し、流れ着いたところは、妖怪と人間が共存する日本から隔絶された謎の島だった。そこでは真の名前は隠され、与えられた島民番号から作られた呼称で互いを呼び合っていった。主人公は、コトコと名乗る少女に出会い、島長から1510番という番号と、イクトという呼称をもらいます。しかも、一人暮らししているコトコと同居することに…普通ならば、ラッキーな環境ですが、コトコの性格故、苦労するイクト。少しでも早く島から脱出しようとするイクトですが「困っている人を無視できない」という「いい人病」のため、島で起こる事件に次々巻き込まれていきます。

田舎の事件、妖怪島コメディということなんですが、なんせ文章にまとまりがない。各キャラの性格付けをしたのはいいけど、生かせていないんです。この作者さんの過去作もそうでしたが、意味のないシーン転換が多すぎるため、ストーリーが落ち着かず「結局なにが言いたいの?」になっています。さらにヒロイン・コトコに魅力がまったくないため、かばう部分が見つからないまま読み終わってしまいました。こりゃ、作者ごと地雷認定するしかなさそうですね。

タグ: 地雷
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2015年07月16日

異世界混浴物語(1) お風呂場の勇者


著者:日々花長春
出版社:オーバーラップ文庫
異世界混浴物語(1) お風呂場の勇者

第1回OVL文庫WEB小説大賞の『読者賞』受賞作。今まで、WEB小説から派生した作品は避けていたのですが…好評だったのでダメモトで手をだしました。そうしたら、思いの外いいじゃないか! という感想に。あまり期待していなかったこともあり、うれしい誤算でした。

主人公・北條冬夜は、魔王を倒すために異世界に召喚されます。同時に5人召喚されたようですが、物語には冬夜とほぼ同じ歳の美少女勇者・東雲春乃以外は、名前が出る程度。実質この二人が主人公とヒロインということでしょう。

召喚された勇者は、なにかの能力が身につくようですが、冬夜が身につけた特技(ギフト)は、なんと「いつでも、どこでもお風呂」が出せる無限バスルームという能力。
「……これでどうやって戦えって言うんですか」
まあ、冬夜じゃなくてもそう思いますよねえ。なんとか、能力の生かし方を考える冬夜。そんな折、召喚された5人の中で、唯一ギフトを身につけられていない春乃が、無限バスルームに入らせてくれと頼んできます。このお風呂は、冬夜が一緒に入らないとお湯が使えない……つまり混浴するしかないというもの。春乃は、ある意味覚悟を決めて混浴を申し出るのですが、冬夜は紳士的対応をします(もっとも、興奮はしていたようですが)

このようにバスルームに入る=混浴ということで、冬夜との絆が試されることになります。冬夜は「自分だけが風呂できれいになって、仲間は入らないというのは嫌」ということで、混浴可能な仲間を探すことに。そこは思春期男子なので「男は嫌だ」という強い希望もあり、仲間捜しが難航したりしますが…

水を出し続ける異能というのは、過去にもあったと思いますし、サンクチュアリを展開するという異能もよくあるパターン。混浴というのも、よくあるパターンですが、それらすべてを組み合わせてみると、思ったより面白いお話になるものですね。

冬夜が、リア充になっていくのはどうなんでしょう? というか、最終的にハーレムエンドに持ち込めるのか? それとも修羅場になってしまうのか? 続きが楽しみなファンタジー作品です。

★★★☆
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魔界に召喚れて家庭教師!?(2)


著者:鷲宮だいじん
出版社:電撃文庫
魔界に召喚れて家庭教師!?(2) 〜姫様、幕が上がります〜

前回、魔界王女様の人間界でのデビュタントを成功させた、家庭教師・ユージン。今度は、危機に陥った魔界の財政を救え!というお話。

人間界との争いに敗れ、借金まみれの魔界。起死回生の切り札として提案された「観光立国」作戦。魔界の存亡をかけたおもてなしを成功へ導くため、魔界の姫様と家庭教師が頑張る第二巻。

すでに家庭教師という設定が、どうでもよくなっていますね。元々外交を専門としていたユージンとはいえ、魔界全体の財政危機を救うのは大変。魔界のほうが優れているものを見つけようとするものの、なかなか見つからない。そんな中「観光」ならばお客を呼べるのではないかと判断。準備を始めます。しかし、魔界って人材不足なんですかねえ。国家の大事業になるはずの企画。それを立てるのは、魔王やお姫様たち。普通こういったプランって、官僚たちが立てるはずですよね。しかし魔界では、王室自らがプランをたて、それを実行するのも王室。すでに国家というより、個人経営の会社のようでもあります。

魔界と人間界の文化の差もあり、どのようにおもてなしをすればいいか試行錯誤している頃、人間界の王様が、デビュタントの時のお礼を兼ねて、魔界を訪問することに。スケジュールがさらにタイトになり、慌てるユージン。人間界と迎合することを嫌う一派が、暗殺計画を立てているという情報を入手し、さらに混乱が大きくなります。

今回は、魔界で国賓を守りながら、おもてなしをするというのがメインエピソード。前回同様、サフィールがメインヒロインですが、他のお姫様もそれぞれに活躍の場が与えられています。さらに勇者様も、再び登場します。

ラブコメパートは、サフィールがいろいろやらかしてくれます。他のお姫様も表だって足を引っ張ることがなくなったので、面白くなりましたね。少しずつ面白くなっていくのかなあ。

★★☆
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2015年07月10日

にっちもさっちも恋愛許可証


著者:和巳奈純
出版社:一迅社文庫
にっちもさっちも恋愛許可証

主人公は、坂上善治郎。熱烈な求愛をしてくる幼なじみ・天野みはしから逃げるため、男子校に進学します。ところが、2年に進級する際、善治郎が通う学校が突然閉鎖され、みはしと同じ学校(元女子校)に通う羽目に。当然の帰結として、同じクラスに…共学化直後の混乱を避けるため、恋愛禁止を掲げる学校でしたが、生徒会長の暗躍で「恋愛許可証」の交付を認めさせます。この恋愛許可証=ライセンスを持っていれば、恋愛することが出来るというもの。当然みはしは、このライセンスを狙いますし、善治郎も始業式で一目惚れした少女のためにライセンスを狙うことに……

ライセンスの発行基準は、成績優秀やその他秀でた実績を残したもののみ。途中で生徒会長の我が儘により「1名のみ」に変更され、ライセンスの奪い合いになります。つまり、この学校で恋愛を成就しようとすると、まずは学園1位の好成績を収め、ライセンスを入手。かつ、次のライセンス保持者が出るまでに、相手を落とさないといけない… って、あれ?この方式だったら、たとえ成就してもライセンス剥奪されたら、終わりじゃないのか?

今回も幼なじみヒロインは、最初から主人公に対して好感度MAXです。しかも、主人公が他の女の子からアタックされても、嫉妬しません。というか「どうせ私が一番!」と思っているようで、主人公が「もてる」ことは、自分にとっても誉れと考えているようで…

最初から最後まで、ドタバタコメディになっています。が、どうもね。まとまりがなさすぎるかな? 善治郎が好きになった少女・礼央奈。彼女には秘密があるようですが、はっきり言って、最初からバレバレです。ヒロインズの中では、轟が一番ヒロインらしかったかも知れない。

恋愛許可証に強制力をつけなかったため、後半は有名無実な状態になっていますね。たぶん、この騒ぎの裏ではカップルがいくつも誕生しているのではないかな?

★★
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2015年07月09日

魔王と勇者が不適切な関係。



著者:日富美信吾
出版社:講談社ラノベ文庫
魔王と勇者が不適切な関係。

主人公は、魔王子・リファイ。父である魔王ハダルが勇者に倒された。その復讐をするために、地球に現れます。が、この魔王子さん、かなりおバカ。勇者を探すために、紛れ込んだ学校で、
「俺は魔王ハダルの息子、リファイ・ケウルス! 勇者を倒すためにやってきた! 勇者について、知っていたら教えて欲しい!!」
というほど……当然「中二病」認定される訳ですが……そもそも、勇者がその辺に転がっているのか? という疑問もありますが、作中で「勇者1人見たら、100人はいると思え」という某黒色害虫の扱いを受けていたので、結構普遍的存在のようです……勇者様。魔王からすれば、勇者は悪鬼羅刹な存在。その憎き勇者を見つけることが出来るのか?

とファンタジーのような設定で始まりますが、内容はラブコメになっています。それもほぼ一目惚れバカップルとして……誰と誰がというのは、タイトルでバレバレですけどね。地球の勇者、美少女・井寄琉羽に一目惚れしてしまったリファイ。そのために、地球征服や、仇討ちがどこか飛んでしまい、お供の美少女・ミルファはご機嫌斜め。というか、ミルファの想いに気づいてあげようよ。

キャラクタそのものに魅力がない訳ではありません。でも全体に読みづらいんですよね。一つは、リファイがおバカ過ぎること。もう一つは、文章構成。視点が定まっておらず、いろんな人物の心情描写が突然出てきて、散漫になっています。このあたりは、文章構成の稚拙さなんでしょうね。

後書きには「エロを入れた」と書かれていますが、そのようなシーンはありません。ミルファが、リファイにかじりついていますが、なんとなくがっちゃんを思い出す程度で、ほのぼのとしたシーンにしか見えない。最近過激になったラノベの性描写に汚染されてしまったかな?

他サイトで「デビュー作から5作目になり、マイナスがゼロになった」という書き込みを見かけました。ということは、まだまだ伸びしろがありそうなので、それを楽しみにしてみましょう。

★★
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2015年07月08日

さて、異世界を攻略しようか。(2)


著者:おかざき登
出版社:MF文庫
さて、異世界を攻略しようか。(2)

ゲームガルドで、クエストをこなしていく日常系ラブコメ。
ゲームガルドに召喚されたゲーマー高校生・志度義弥と美少女転校生・柚比坂杏奈。現実世界へと帰るため、100年解かれていなかった「クエスト」を攻略し、救世主として異世界に迎えられます。彼らは、攻撃力特化のゴスロリ美少女・シェリスと、魔法特化の美少女・ティーナとパーティを組んで、クエストに挑戦していきます。そんな彼らを待ち受けていたのは「救世主を殺せ」というクエスト。ピンチに陥る義弥たちですが。

2巻となり「自らを殺せ」という矛盾したクエストに直面します。まあもちろん、それは間違いで、救世主というのが実は…という流れになっています。ヨシュア(=義弥)に思いを寄せる少女がさらに登場し、ハーレム状態となってきています。でも義弥は、そのことにはあまり気がついていないようで、ラノベ主人公の責任をしっかり果たしています。
ゲームのような世界を舞台とした作品なんですが、すでに飽きてきてしまったかなあ。展開が読めてしまうことに加え、ファンタジーではなく和製RPGもどき(意見には個人差があります)を題材としているため、奥行きがないんです。なんとなく書き割りの上を、ドット絵のキャラが、決められた路線を歩いているようで…… 1巻の時は、異世界にある食材から、現実社会の料理を杏奈が作ったりだとか、どうやって現実世界へ帰るのか? で杏奈と雄馬が衝突したりだとか、イベントがあったのですが、今回はそれがない。もう少し盛り上がりが欲しいですね。

次回は、どのように動くのでしょうか?
★★☆
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電想神界ラグナロク


著者:木野裕喜
出版社:GA文庫
電想神界ラグナロク

舞台は「核の冬」が訪れ、人類全員が生き残ることが不可能になった世界。アダムスドームと呼ばれるシェルターに選ばれし人(JSと呼ばれるAIによって)のみが収容され、それ以外は滅び行く世界。アダムスドームには1万人ほどしか収容できず、日本は東西一つずつのドームが建築されます。つまり日本人で助かるのは2万人……主人公である式守雄馬は、収容人員に選ばれることはなかったものの「補欠」として、父・妹と冷凍睡眠させられることに。全員が同時に目覚める訳ではないので、実質的な家族との別れを済ませ…
雄馬が目覚めたのは、150年後の世界。そこでは資源と交換するためのRPを得るため、人類同志でVRゲームを行うことを強制される世界。現実世界では、合成食品しかなく「食事を楽しむ」のは、VR世界のみ。ただし、その場合栄養はまったくとれず、空腹のまま…
そんな世界に目覚めた雄馬は、世話役であるノイドに連れられ、家へ向かいます。そこにいたのは、ストライクど真ん中の美少女。しかもいきなりその女の子に抱きつかれ…その子は、先に目覚めたため、雄馬と同い年になった妹・柚季だった。一度は異性としてときめいてしまった、雄馬。その後もいろいろ困った様子で……

さらに、日本の象徴「天津」の血を引く少女・葦原美琴とともに、百年以上続いている東西日本の争いをやめさせ「再統一」することを目指します。

最近はやりのVR世界を舞台とした作品です。冷凍睡眠から目覚める時期が違ったために、兄妹が同い年になるというのもよくあるパターンではあります。少々異なるのは、VR世界にも、現実世界での鍛錬の結果を持ち込めること。雄馬は、父親から武術をたたき込まれており、それがVR世界でも生きてくることになります。

世界を変えようとする雄馬と、現状を維持しようとする勢力のぶつかり合い。これは現実世界でもよくある話ですね。どちらがいい悪いではなく、背負っているものが違うということも、争いの原因になります。

しかし、このVRゲームシステム酷いですねえ。ゲーム内でないと、RPを稼ぐすべがないというのも大概ですが(絶対ゲームしないと、生きていけない)、デスペナとしてRPが50%ずつ削られるというのも酷い。さらに、享楽を受けようとすると、生活維持費を削らないといけない。辛い世界ですね。

もう少し、柚季の出番が多くなると面白いですね。妹でありながら、メインヒロインになりそうな雰囲気もありますし。

★★
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2015年07月03日

中古でも恋がしたい!(2)


著者:田尾典丈
出版社:GA文庫
中古でも恋がしたい!(2)

綾女の噂を消すために頑張る清一たち。そこに小学校時代に清一トラウマを与えた初恋相手の諏訪間天女が転入してきます。しかも、ガングロメイクで…… 清一に迫るものの、相手にされなかった天女は、ゆるふわギャルへ変身。いろいろな手で清一を服従させようとします。

それに対し綾女古都子は、
「もう新宮に近づくな!迷惑だ!!」と拒絶。しかし天女は
「別にカノジョでもないくせに〜」と意に介さない。そのうち、古都子に対する悪い噂が過激なものに変わってしまいます。噂を消すのは難しいと判断した清一は、「原因となる綾女の印象を変える!」ことに方針転換。献身的な活動や図書館での勉強会など、古都子のイメージ刷新をアピールしていきます。果たしてうまくいくのか?

今回は、古都子の噂払拭と、天女の登場がメインエピソードになっています。まあありがちな展開ではありますね。エロゲだと、そのままハーレム方向に行くのでしょうが……この天女(イブと読む)が、かなりいらつく存在。話の流れを止めてしまっています。前巻のラスボスも、大概なヤツでしたが、天女はかなりのおバカキャラ。それが痛くて、いらついてしまいます。また、図書館シーンでは、女の子のような男子生徒が出てきますが(登場時に男子制服なのを見て「なんかのいじめか?」と言われるレベル)このキャラも登場した意味がよくわかりません。1巻で、清一が助けた生徒みたいですが、ストーリーの本筋にはほぼ影響なし。彼が「本当に男」か確かめようとするネタは、以前他作品であったものと同じでしたしねえ(男だと思って、男が確認した際に実は女だった。というのと、女だと思って女が確認したら、実は男だった時のどちらが、被害が大きいか?)

前巻感想でも書きましたが、この作品キャラが停滞してしまっているような気がします。とりあえず登場させてみたものの、その強烈な個性を生かすことが出来ていない。清一も1巻では「強烈な処女厨」ということだったはずですが、それも消えてきているし、妹もいまいち存在感がありません。兄に対してツンツンしているけど、実はブラコン…というキャラにしたいのでしょうが、うまく動いていない。

どうなんだろ? このままキャラが動かないようならば読むのやめたほうがいいのかも。
posted by あにあむ at 11:43| Comment(0) | TrackBack(0) | GA文庫

2015年07月01日

艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 瑞の海、鳳の空


著者:むらさきゆきや
出版社:スニーカー文庫
艦隊これくしょん ‐艦これ‐ 瑞の海、鳳の空

艦隊これくしょんのノベライズ。私、艦これプレイしたことありません。ついでに艦船にも興味ありません。それ故、ノベライズやコミカライズされた作品にも手を出していなかったのですが、作者買いで思わず購入。結果、一部ひっかかりはあるものの、ラブコメとして充分楽しめる作品でした。

主人公の乗艦が「深海棲艦」に攻撃され、戦友を失い自らも死を覚悟します。しかし、突如として現れた九九式艦爆によって窮地を救われます。その際彼が目にしたのは、洋上で弓を引く美少女−瑞鳳の姿。後日、特殊な理由により鎮守府の提督に抜擢されることになります。そこは艦娘という少女たちがいる特殊な鎮守府。その少女たちと共に、深海棲艦に立ち向かっていく姿を描いていきます。

ノベライズということで、プレイ日記のようなシーンもあります。資源を渡して、しばらくすると武器や艦娘が建造される。しかも、同じ資源量でも別のものが作成されたりするという、ガチャのようなものや、提督は戦場に赴けず、モニタ画面を通して「進軍・撤退」などの簡単な命令しか出せないなどなど。

それだけだったら、途中で読むのをやめていたでしょうね。しかし、この作品は、艦娘と新米提督のラブコメに主眼をおいており、艦娘たちが、人間の少女のメンタリティを持った存在として描かれています。そのため、元ネタを知らない人でも、楽しめる作品に昇華されているのです。

ノベライズというカテゴリである以上、仕方ないのでしょうが、ゲーム内用語と思われる用語が大量に使われているのが、少々残念。別にその言葉なくてもよかったのでは? と思われるシーンもありました。

それでも瑞鳳と、新米提督の淡い恋の行方が楽しみになる作品ですね。

★★★☆
posted by あにあむ at 10:29| Comment(0) | TrackBack(0) | スニーカー文庫

魔界に召喚れて家庭教師!?


著者:鷲宮だいじん
出版社:電撃文庫
魔界に召喚れて家庭教師!? 〜派遣先は魔王宮〜

なんか以前に読んだ記憶があるんだけど、ブログに記録がなかったので初読だったのかなあ?
それはさておき、主人公はユージン。人間界で、勇者が設立した孤児院で育てられた勇者のお気に入り。そんな彼がいきなり魔界に召喚されます。そこで待っていたのは、魔王の娘さんの家庭教師という仕事。勇者から押しつけられたお仕事でした。魔王の娘は、6人娘で、みんな美少女(美幼女)なんですが…家庭教師の目的は、魔界の存亡をかけ、第三王女・サフィールを人間界の舞踏会で、デビュタントに成功させること。それもわずか二週間で! ところが魔界と人間界ではマナーに関する考え方が全く違う(東洋と西洋の違いのようなもの) さらに、お姫様たちはサフィールが蜘蛛娘。それ以外も吸血鬼だとかドラゴンだとか、人間の常識とは離れた存在。そのため、さらに混乱が発生します。

前半は、デビュタントへ向けた特訓がメインとなっており、古い映画「マイフェアレディ」のような展開です。そこに、サフィールをメインヒロインとした、ラブコメが挟まり、面白い展開になっています。ただ姉妹の足の引っ張り方が少々陰湿なのが残念かな?

後半は、人間界と魔界の確執を描いた陰謀が中心。ある意味テンプレな展開で盛り上がりに欠けているような気がします。特に、6姉妹全員を登場させようとするあまり、ストーリー展開が強引になっており、スピード感を殺してしまっています。

いっそ後半のデビュタントシーンをなくして、そこに至るドタバタを中心にしたほうが、おもしろかったかも。

★★
posted by あにあむ at 09:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫