2015年04月27日

俺と巫女たちの方陣輪舞


著者:浜倉修
出版社:一迅社文庫
俺と巫女たちの方陣輪舞

主人公は、男なのになぜか水の精霊術の才能があるとして、巫女を養成するトロッケン精霊学院にたった一人の男子生徒として通うことになったリューズ。天真爛漫な火の精霊術士であり、リューズの妹・ルビィ、自信のない優等生である土の精霊術士・ティータ、お調子者の風の精霊戦士・シェイラとともに、精霊たちが起こすトラブルに対処していきます。この世界では、地水火風の精霊の力を操る精霊術が確立しています。4精霊の力の均衡が崩れると、精霊が暴走してしまい、それを防ぐのが精霊術士たちの役割となっています。

術士の数がバランスとれていたら問題ないのですが、この地方では水の精霊術士が極端に少なく、そんな中才能があるリューズは、非常に大切な存在。そのため、本来女子校である学院に特例として通わせることになります。

全体を通して「調和が大切」というテーマが流れているようで、それは4精霊の力だけでなく、主人公とヒロインズの関係でもそう。誰かが、抜け駆けすると、バランスが崩れおかしなことになる…でもそれだと、永遠に近づけませんよね。どうすんだろ?

ヒロインズは、個性豊かで、それ以外の登場人物もきちんと動いております。4精霊の特徴(ステレオタイプですが)も描きわけられており、面白い。ラブコメも悪くない展開になっています。

しかしながら、物足りない部分も。それは主人公の成長という側面。もともと「サボり癖がある」という話だったはずなのに、学院に入ってからは黙々と授業を受けている。この心変わりが描かれていない。また精霊術士として成長していく過程も描かれておらず、気がついたら強くなっていたという感じです。せっかく初級・中級・上級・免許皆伝などのレベル設定したのだから、この部分をもっとピックアップすれば、さらに面白くなったのになあ。

★★★
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中古でも恋がしたい!


著者:田尾典丈
出版社:GA文庫
中古でも恋がしたい!

著者は「ギャルゲヱの世界へようこそ」の方ですね。
主人公は、処女厨オタクの新宮清一。あるとき、街で不良達に襲われている綾女古都子を目撃し、オタクらしい方法で助ける。それが、綾女の琴線に触れ、告白されることに。しかし、綾女は学校一の不良で中古と噂されており、清一は「三次元は断る」と拒絶するのだが、古都子はあきらめず、清一の理想になろうと努力する。さらに、恋愛ゲーム(という名のエロゲー)を参考にして、あの手この手で清一にアプローチしてくる。さらに声優をしている美少女同級生・初芝からも告白され……

レーベルが変わっても結局ギャルゲーかよ? といいたくなる作品ではありますね。援交しまくりの「中古」という噂の古都子が、実は非常に純情な少女だったとか、純情そうに見える初芝が実は? などテンプレートな物語となっています。

全体にキャラが動いていないなというのが印象ですね。特に主人公の妹やクラスメイトたち。エロゲーではモブに過ぎないとはいえ、小説世界ではもう少し存在感が欲しいですね。もしくは、まったく登場させないか。無理矢理エロゲーのシナリオを導入しようとして失敗しているような感じがあります。

敵として出てくる尊郷の行動が弱いのも難点ですね。古都子のことを気に入っており、なんとか彼女にしたかった。そのため、睡眠導入剤を飲ませて…というハードな過去。その割に、古都子に対する態度が中途半端なんですよね。なにがしたいのか?

一度エロゲから離れた作品を読んでみたいですね。

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2015年04月22日

マンガの神様


著者:蘇之一行
出版社:電撃文庫
マンガの神様

主人公は、自称天才男子高校生漫画家・左右田伊織。ある日学校の廊下で、美少女・譲葉とぶつかります。縞ぱんを見せて倒れた彼女は、実は憧れの人気漫画家。マンガのようなトラブルを巻き起こす「マンガの神様」に憑かれているといいます。確かにマンガみたいな美少女だし、彼女と出会ってから人生初のスランプに陥るし、転校生が初恋の女の子だし…… でもそんなこと認めない!

というマンガを主題にしたお話になっています。第21回電撃小説大賞「銀賞」受賞作品ということですが、正直出来は悪いですね。マンガの創作論を主人公たちに熱く語らせていますが、それがおかしい点が多いのはおいておくとして、自作にはまったく生かされていない。読者の目がまったく意識されていない自己中心な作品になっているんですよね。このあたりは、まだ実力不足なのか?

さらに、作品内作品になるマンガの説明ができておらず「面白い作品」というのが、伝わってきません。登場人物の台詞で、内容を想像させる手法があると思うのですが、それが出来ていないんですね。だからなにがなんだか。特に妹のリアクションが変。あまりにも極端すぎて「本当は面白くないのでは?」と思ってしまいます。

確かに「短編は描けるけど、連載はだめ」という漫画家もいると思います。でも妹があれだけの反応をするような漫画を描ける人なら、連載だってそれなりのものを描けるはず。逆にいえば、まったく連載が出来ない作家なら、短編もかけない。さらにいうと、連載の場合、少々説明不足があっても、フォローできるけど、短編はそれが出来ないから、短編のほうが難しい場合もあるんですけどねえ。

結局、作者の「独りよがり」な創作論に終始しており、キャラが独り立ちしていないんです。「マンガの神様」という非現実的な存在が機械的に作り出した「お約束」を淡々と演じているだけ。だから、主人公がらっきーすけべを享受した時も、機械的にお約束をこなしているだけにしか見えません。

まあ一番の問題は、主人公がうぜえということでしょうね。自分で自分を「天才」という人間にろくな奴はいません。

タグ: マンガ神
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2015年04月17日

ふぁみまっ!(9)


著者:九辺ケンジ
出版社:GA文庫
ふぁみまっ!(9)

最終巻です。本編は前巻で終了しており、短編集となっております。だから、短編集に本編と同じ通番つけるのやめて欲しいって…4つの短編と、幕間の小劇場が収録されています。

「和己とサブリナの子育て日記」
和己とサブリナの間に子供がっ? まあすぐにオチがわかってしまうのですが、和己をとろうとする(と思われている)沙希は、サブリナに、そして和己は子供(オイ)に腕をかまれる運命のようです。って、この短編のラスト、シャレになっていないんですが…

「わらしべ沙希ちゃん?」
運が悪い沙希ちゃんが、くじ引きで一等賞の「ハワイペア旅行」を当ててしまったことから始まる騒動が描かれています。運が良いのか悪いのか、まったくもってわからない娘ですねえ。でもトータルでいえば、すごく運がいいのかも知れません。いずれにしても、この娘は、一生「きゃわわわ」といってそうですね。

「ぱーふぇくとれでぃ」
舞台はイタリア。マフィアたちの攻防を描くという訳ではなく、クラリーチェを中心として、ほのぼのとした物語になっています。っていうか、リチェはあまりも天然過ぎますね。それだから、万人に好かれるのかも知れませんが…

「クリスマス大作戦〜和己vsサブリナ〜」
どうしてこうなった? というお話。元々、クリスマスも知らないサブリナに、サンタさんからのプレゼントをもらう歓びを知ってもらおうというだけのお話だったはず。そう小さい子供に「サンタさんは、本当にいるんだよ」と教えるような……
ところが、なぜかサブリナは、サンタを「捕獲」することに執念を燃やし……サンタ役の和己と、真剣勝負の様相を呈します。確か和己って「普通の生活がしたい」と言っていたはずですが、人間離れした身体能力の高さを存分に発揮しております。

これでこの作品は完全に終了のようです。短編ならもう少し楽しめそうなんですけどね。
★★★☆
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続・我が家のダンジョン 学校のダンジョン


著者:天羽伊吹清
出版社:電撃文庫
続・我が家のダンジョン 学校のダンジョン

名前の通り「我が家のダンジョン」の2巻。前回は、主人公の兄妹以外の人間が登場しませんでしたが、今回は学校が舞台ということで、登場人物が増加しています。

今回は、学校が謎のゴーレムと化してしまい、大混乱に陥ります。それを日暮坂兄妹だけでなく、慧慈が昔一緒に冒険した仲間たちや、冒険者嫌いの美少女・湖城杏梨子、さらにはモンスター娘たちも巻き込んで、解決していくというのがストーリー。

慧慈が残念イケ面であることは変わりありませんが、前回のように所構わず「脱ぐ」というシーンがなくなっています。まあ男の脱衣シーンなんて、誰も得しないし、いいんですけどね。その分、女性キャラがよく脱がされております。同級生や風紀委員長などが、敵モンスターの攻撃によって「服だけ」溶かされたり、触手にこんなところや、あんなところをまさぐられ、昇天されています。ってこの頃、こういうシーンが多いですね。ちなみに、男子生徒も同じ目に遭っております。

相変わらず、得藻の突っ込みは激しいですし、すぐにぱんつ見せていますし、どたばたしています。そういったノリが、この作品のいいところなんですが、少々能力のインフレが起こりだしています。これが進むと、バトルシーンが面白くなくなるので、今のままで、ドタバタコメディしていて欲しいですね。

★★☆
タグ:異能 ★★☆
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天使の3P!x5


著者:蒼山サグ
出版社:電撃文庫
天使の3P!x5

前巻、つい漏らしてしまった本音
「あたしにもまだチャンスあるかな・・・・・・」
その言葉以降、ギクシャクしてしまった響と桜花。経験値の少ない響(と桜花)は、解決方法が見いだせないまま、悪い方向へ進んで行きます。そんな中、学園祭のクラス展示の担当(他にいなかった)を引き受けてしまう響。さらに、キッズバンドのコンテスト参加、学園祭での演劇部の音楽と、桜花に対する喪失感からか、どんどん仕事を増やしていきます。本当は、そんな響を助けたいのに、素直になれない桜花。そんな関係を希美は、敏感に感じ取っており…・・

ということで、今回は響と桜花のおこちゃまなラブロマンスとなっています。小学生ずの中で、希美だけは二人の間に流れる空気から「何があったか」を敏感に察知したようで、「二人でデートに行く」という以前の約束を持ち出し、響を連れ出します。桜花がなぜ響を避けるのか? を明確に指摘する希美。それでも自分に自信の持てない響に対して、希美は、後ろから抱きつき「少なくとも1人以上は特別に想ってる人がいる」ということを、響に伝えます。自分もおこちゃまなんだ。でなければ、好きな人を応援できるはずがないと、自らの想いも把握した上で、オトナな対応。一番精神年齢高いのかもしれませんね。

作者さんが好きなアーティスト色が出すぎているため、ちょっと残念なところもありますが…(いや、特定アーティストを神格化しすぎているため、普通のことまで「すごい!」とされているもので)

次回は、バンドバトルがメインになるようですね。どんどんヤンデレになりつつある妹も含めて、小学生ずの中で、響はどのように成長していくのでしょう?

★★★★
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2015年04月13日

城姫クエスト(2) 僕と銀杏の心の旅


著者:五十嵐雄策
出版社:電撃文庫
城姫クエスト(2) 僕と銀杏の心の旅

タイトルからは、なんか音楽が聞こえてきそうですが…
今回も、新しい城姫が加わっております。なんか城姫が追加される過程が、どんどん短くなってきているんですけどね。

今回は、水着回と修学旅行。水着回では、黒姫化した城姫に襲われ、あっさり勝利。その過程で、名古屋城・清洲城も「癒やしの開城」をして、秋宗の持ち城がどんどん増加しています。
修学旅行会でも、新たな城姫が登場していますし(こちらは開城していないな)熊本城の過去(というか未来)とも出会っています。

今回も、史実を考えると、腹がたつシーンは、一杯あります。パラレルワールドという逃げで、時間軸を無茶苦茶にしているので、余計そう思うのでしょうね。でも、そういった見方をすてて、ラブコメとして楽しむと面白いかも。

ハーレム展開のようで、メインヒロインが確定しているので、サブヒロインたちの見せ場をどのように作るのか? それによって今後の展開が決まりそうですね。

★★☆
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アリアンロッド2E・リプレイ聖弾のルーチェ(3) ファイナル・フォーチュン


著者:菊池たけし/F.E.A.R.
出版社:富士見ドラゴンブック
アリアンロッド2E・リプレイ聖弾のルーチェ(3) ファイナル・フォーチュン

腹ペコリプレイ完結編!
前回、名もなき天使から「あなたのお父様は、まだ生きているから」と告げられたルーチェ。魔族ハゲンティの討伐を命令されます。瘴気の魔獣を無数に育て、世界を蹂躙せんとする魔族を看過することはできないんですが、その裏にはルーチェの父・ジョーカーの死や13年前の出来事に隠された真実があるようで…

今回は「浅利さんを泣かそう」という裏目標がGMと味里さんの間で交わされていたようですが、結局泣いたのは、味里さんだったような…

初心者リプレイということでしたが、GMがプレイヤーの発言・妄言・設定を拾って物語を組み上げすぎてしまったが故、当初のキャンペーン予定とは大きくズレが生じてしまったようです。特に今回の2話目、つまり最終回は、その直前のルーチェたちの行動によって、当初シナリオが完全に崩壊したようで、しかも日程上の都合でシナリオを充分に練り直す時間的余裕がなく、行き当たりばったりのアドリブになっているそうです。って言われなければわからないレベル(なのか、いつもがアドリブと変わらないというか)でした。
プレイヤーの妄言や設定を拾いまくった割には、キャンペーンとしてきれいにまとまっています。ルーチェの「腹ペコキャラ」など、キャラの設定もしっかりしており、面白い作品でした。今回一応彼らの物語は完了するようですが、しばらくしたら、後日談として新たな冒険が出てくるかも知れませんね。

そうそう、いつものように、ベネットが一瞬登場しております。

★★★★
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魔法少女オーバーエイジ 「私たち、もう変身したくありません」


著者:砂守岳央
出版社:ぽにきゃんBOOKS
魔法少女オーバーエイジ 「私たち、もう変身したくありません」

主人公は、15歳の女子高生・伊藤ましろ。普通ならもう卒業しているはずの、魔法少女が大好きな少女。ここでいう「魔法少女」はフィクションアニメではなく、実際に存在しているという世界になっています。この世界では、中学一年の魔法少女たちが、害霊(ガイスト)という敵と戦う姿をノンフィクションとしてTV放送されています。彼女たちが魔法を使うには「お金」がかかるらしく、それを回収するための「オトナの事情」でTV放送されているようです。まあよくある設定ですね。普通成長とともに、魔法少女から卒業していくのですが、例外は存在しており…

本来であれば、魔法が使えなくなって一般の生活に戻るのですが、中には魔力が残ったままになる人も。そういった場合、訓練学校(という名の隔離)で保護されるのですが、いろんな手を使い、一般校に転校してきた元・魔法少女たち。一般生徒にバレた時点で、隔離生活に戻ることを約束させられているのですが…ましろが害霊(ガイスト)に襲われるの見て、その中の一人・桐野さくらは思わず、魔法を使ってしまいます。そのため、高校生活をあきらめなければならなくなる彼女を救おうと、ましろは魔法少女になることを決意…ってな流れ。

魔法少女に戻ることを、拒否するメンバーを説得していくのがメインストーリーになります。拒否する理由は様々で、年齢を重ね「恥ずかしい」という軽い理由から、重いものまで。それをひたすら前向きなましろが、馬鹿正直に正面突破していきます。

もともとニコ動系のプロジェクトだったようで、一般人受けする要素は非常に少ない作品でした。かなり以前のラノベ「アイドル防衛隊 ハミングバード」などは、オトナの事情を組み込みながらも、それを「絶対悪」として否定せずに、成長していく姿を描いていましたが、この作品では、基本「体制は悪」というのが見え隠れしております。そのため、本来盛り上がるであろう部分が、滑ってしまっているのが残念。

続編あるのかも知れないけど、もういいや。

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僕の文芸部にビッチがいるなんてありえない。(3)


著者:赤福大和
出版社:講談社ラノベ文庫
僕の文芸部にビッチがいるなんてありえない。(3)

文化祭が終了し、夏休み直前の7月。呪い事件を解決して平和な日常に戻った文芸部。ようやくオタク活動を満喫できると思った耕介でしたが、東雲と愛沢がそばにいるだけでドキドキするようになってしまい、部活どころではなくなってしまいます。
そう気がつけば、耕介は二人同時に好きになってしまっていたのです。そんな折り、愛沢の恋愛経験値を高めるため、海水浴デートすることに。二人だけという訳ではなく、高虎や東雲も誘い、場所も東雲の別荘でということでまとまりかけるのですが、そこに不良少女と名高い九重紫月が文芸部を訪れ、知り合いの海の家を手伝って欲しいと依頼してきます。宿も提供するということで、了承するのですが……

ということで、水着回です。すでにビッチどこかへいっています。今回登場する少女も一見ビッチのようで、実はというパターンが想定されるので、ある意味タイトル通りなのかも知れません。

すでに文芸部の活動はどこかに消えており、普通にラブコメするようになってきました。愛情表現がストレートな高虎。耳年増なだけで、非常に純情な愛沢。どこかで間違っている東雲。それぞれからいろんな形の愛情表現を受け「女なんて」と言っていた耕介も、気がつけば彼女たちを異性として意識するようになってきており「ビッチ」という言葉は消えてきています。

最近のエロコメらしく、ヒロインズは簡単に性的絶頂に達しております。というか、耕介の倫理観が変です。いくら頼まれたとはいえ、義妹の胸揉むか? 明らかに反応している姿見て、なんとも思わないのか? とか突っ込み処は満載です。

まあそういうシーンを除いてラブコメとして面白くなってきているので、もう少しこの作品に付き合ってもよさそうです。

リア充になっていく耕介。いつ爆発するんでしょう?

★★★
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赤井くんには彼女がいない〜ハッピーエンドの描き方〜


著者:あきさかあさひ
出版社:ぽにきゃんBOOKS
赤井くんには彼女がいない〜ハッピーエンドの描き方〜

主人公は、赤井夕陽。高校入学してすぐに「2次元文化愛好研究部」へ向かいます。そこは、女の子(美少女)しかいないハーレムでした。しかも部長の蒼乃銀河以外の2人は、最初から赤井に好感度MAX。異性として意識しています。蒼乃銀河も決して彼のことを嫌っているわけではなく、まさにハーレムに飛び込んだ王子様状態。
そんな中、ラノベ作家を目指すという赤井に対して、蒼乃銀河は「ライトノベルと女、どちらを選ぶ」と選択肢を突きつけてきます。それに赤井はどう応えるのか?

ありがちなハーレムモノになっています。しかもヒロインは、最初から主人公に好意を持っているという便利な状態。全体にゆるく日常が描かれており、まんがタイムきららのような青春4コマといった感じですね。それだけに、最後まで盛り上がりに欠けており、あまり記憶に残らない作品になってしまっています。

ラブコメの定番である、らっきーすけべを逆バージョンにしたシーンも、全体から浮いてしまっていますね。男のスラックスと下着を同時に引きずり落とすというのは、かなり困難だと思います。さらに股間に突っ込むなど… しかもこのシーンが、展開に生かされていないんですよねえ。

ほわほわとしたまま、終わってしまったという感覚。メインエピソードである、2研存続の危機にしても、肝心の熱弁シーンがカットされてしまっているので、中途半端。もしかしたら作者さんが「見たくない」部分をすべてカットされたのかな? 登場人物が記号に見えてしまい、暖かみが感じられないままでした。

★☆
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2015年04月02日

ハイスクール・ローレライ 運命のひと耳惚れ


著者:志田用太朗
出版社:ファミ通文庫
ハイスクール・ローレライ 運命のひと耳惚れ

第16回えんため大賞優秀賞受賞作。あおりでは、超聴覚系スクールコメディだそうです。
主人公は、人一倍良い耳を持つ田野音好。入学式の部活勧誘を見て回っている時に、エンジェルボイス『鼓膜から脳へ、ぐるりと快感が駆け巡る−−』を聞いて、ひと耳惚れをしてしまいます。その声の君をそこにいた美少女と思い込み、彼女を追って朗読部に入るのですが……実はその声の持ち主は彼女ではなくて…… まあよくあるオチですね。

それはともかく朗読部の先輩やイケメン同級生もいい人ばかりで、なかなか楽しい場所になりそう。中学時代はトラブルシューターとして活躍していたけど、それがトラウマになっており、もうやらない! と心に決めていたにも関わらず、朗読部のトラブルを解決するため、結果的にトラブルシューターをやらざるおえなくなっていきます。

基本登場人物がいい人なので、読みやすい作品になっています。音好がヘンタイなのもいいですね。いや、だってエンジェルボイスの持ち主がわかってからも、リピート再生するってのは、ヘンタイとしか言えないよな。もしくは腐った人たちの好物というか……まあ最終エピソードでの音好の行動は、健全な男子高校生なんですけどね。

あまり「超聴覚系」というほどではなかったな。人より耳がいいのではなく、人より音に対する閾値が低いだけ。というか、自分と異質のものに抵抗があるだけという気がします。特に冒頭だけを読むと、方言に対して「おかしなもの=受け入れがたいもの」という意識があるようで、イラっとさせられました。中盤から少しずつ彼も変わっていくのですけどね。

朗読部のメンバーたちにより、少しずつ成長し、自らの居場所を見つけていく音好の成長物語といった感がありました。トラブルシューターというよりは、簡単な謎解きが主体ですしね。

作品としては完結していますが、ラストの展開から、次があればラブコメ要素も入ってきそうです。主人公もまっすぐ担ってきているので、もっと楽しい作品になりそうです。出来れば続刊が出て欲しい作品ですね。

★★★☆
posted by あにあむ at 11:59| Comment(0) | TrackBack(0) | ファミ通文庫