2014年10月29日

覇剣の皇姫アルティーナ(3)

著者:むらさきゆきや
出版社:ファミ通文庫
覇剣の皇姫アルティーナ(3)


第二皇子ラトレイユから建国記念祭に参加するようにとの書状が届きます。そこには、ラトレイユの参謀ジェルマン、第一皇子オーギュストや地方貴族を束ねる公爵家の令嬢などが、策謀を巡らせている危険な場所。しかしながら、この招待に応じなければ、ラトレイユにアルティーナを失脚させる理由にされてしまう。レジスは、どのように対応するのか?

今回は、皇位継承を巡る兄弟間の争い。要塞攻略のような派手さはないものの、軍師の手腕がそのまま勝敗につながるシチュエーションになっています。前半は、レジスが完全に後手を踏んでおり、まわりの思惑に引きずられてしまうシーンが続きます。帝都で軍を掌握している皇子ですから、強敵なのは当たり前なんですが、それにしてもレジスの動きが鈍く、一手足りない状況。ところが、第一皇子の秘密をエリックが見破ったことにより、状況が一変します。策略を利用して、さらに策略を重ねることで、相手軍師を出し抜く。武力による押さえ込みではなく、策略による戦い。こういったのも面白いですね。というか、軍師が主人公である以上、こういう話がないと。

今回、さらにエリック女の子説が現実味を帯びてきました。というか、あの鈍感レジスもうすうす感づいているような感じですからねえ。そりゃ「ドレスが着たい」と言ったり、同部屋で着替えをしないし、レジスの着替えを直視出来ないという事実を積み重ねれば、当然結論は出てきます。別の腐った見方はありえないし、したくない。

今回もさらに名を上げたレジス。アルティーナは完全に陥落しているようですし、クラリス、エリック(女の子だとしたら)などなどフラグ立ても順調に進んでおります。相手にフラグを立てていくのに、自分は攻略されていないという、どうしようもなく難攻不落な要塞ですね。

アルティーナの夢を実現するためには、戦争をしていたらダメ。しかしながら、どうも国内だけでなく海外からも迫ってくる影がある模様。レジスやアルティーナは、どのようにして打開していくのか? 楽しみですね。

★★★★
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せんせい、まちがってます。


著者:岸杯也
主人公:MF文庫
せんせい、まちがってます。

主人公は、女子校の英語講師になった唐渡健太郎。学園唯一の若い男として、生徒達の注目の的になってしまう。まあ、若い男にとっては「あこがれ」のシチュエーションとも言えるのですが、健太郎は「実は16歳」という、絶対にバレる訳にはいかない秘密があって……

酔っ払って警官と揉めていた女性を助けたことが縁で、なぜか大学卒業後の就職浪人と間違えられ、その女性が理事長を務める中高大一貫教育の女子校の中等部英語講師として、雇われることになった健太郎。
はい、ダウト。どうやったら16歳と22歳(少なくとも)を間違うんだ? 正式な教師じゃないから、教員免許云々はまあいいとして、さすがに無理あるだろ。いくら講師であっても、契約は存在しているはずだし、その時点で確認しないのはあり得ない。…って、まあ小説に噛みついても仕方がないんですけどね。

背伸びをして、先生を務める健太郎に中等部の女の子たちは、興味津々。甘えてきたり、お弁当を作ってくれたり、自宅まで押しかけてきたり。女子校ということで、教室で着替えてしまうような無防備な女の子たち。健太郎が我慢できるのか?そんな中、とあることから美少女優等生・神月未優に秘密がバレてしまい…

とりあえず、健太郎さん。爆発してもよろしくてよ。変わろうかといわれたら、断りますが。

未優は、優等生であるものの、物事を合理的に進めようとするあまり、過程をすっとばして、結論をつきつけるという悪癖があります。そのため、クラスメイトには煙たがられ、友人は一人もいないぼっち。でも実際は「みんな」と友達になりたいと願っている寂しがり屋。その本質を見抜いた健太郎の奮闘がメインストーリーになっています。ハーレムラブコメでありながら、メインストーリーはかなり熱い展開なんですね。こういうの好きなはずなんだけど、いまいち楽しめなかったのは、無理がある設定が多いからなんでしょうね。

・健太郎の身元確認はどうした?
・生徒とはいえ、簡単に教師(それも男性教師一人暮らし)の自宅住所を教えるか?
・家業の不動産とはいえ、娘に住民情報を教えるか?
・懲罰でもなく、大岡裁きをする理由は?
・未優の言動なら、もっと早くクラスから孤立しているのでは?
・大変な秘密といいながら、あのバレ方はないだろう。
などなど

要は「ご都合」が多すぎるんですよ。それぞれの展開はあり得るかもというものなんだけど、そこに至る経緯がご都合なため、おもしろくなくなってしまう。

どうも続きがあるようですが、どうしようかなあ?

★☆
タグ:★☆
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2014年10月28日

愛だ恋だを取り締まる俺に、春がやってきたので無秩序 (1)


著者:竹井10日
出版社:スニーカー文庫
愛だ恋だを取り締まる俺に、春がやってきたので無秩序 (1)

長いタイトルはダメだって… やはり私にとって地雷でした。
遺伝子レベルの相性指数のみでカップルが成立し、自由恋愛が禁止された世界が舞台。自由恋愛をすると、劣った遺伝子の子供が出来て、人類が滅びるからといった理由らしい。その世界で、恋愛の取り締まりをしている学生捜査官・片城統吾と砂田橋天音が主人公のよう。その二人が、超マイペースな恋ヶ窪恋姫に振り回せるコメディ。恋愛捜査官なのに、恋愛フラグが林立するという状況。

結局なにがいいたいのかさっぱりわからん。設定自体も、60-70年代のSFでありがちなもの。ま、SFに限らずいろんなジャンルでありますね。別に目新しい設定が欲しい訳ではないので、そこはいいんだけど、登場キャラがおバカすぎて、ついていけない。これがこの作者の色なんでしょうね。劇薬な作品なのかも知れません。気に入る人には中毒性があるようですから。幸い(なのか?)私には効かなかったようです。

タグ: 地雷
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2014年10月23日

アリアンロッド2E・リプレイ・サヴァイヴ!(2)戦乙女は闇を斬り裂く!


著者:田中信二/F.E.A.R.
出版社:富士見ドラゴンブック
アリアンロッド2E・リプレイ・サヴァイヴ!(2)戦乙女は闇を斬り裂く!

サヴァイブの最終巻。Web上で0話セッションが公開されているので、もしかしたら番外編として出版されるかも。

7つの封印と呼ばれる魔獣討伐が目的で、前巻でうち2体を倒しています。今回は2話で5体を倒すという駆け足シナリオ。そのため、魔獣の印象が薄れてしまっているのが非常に残念。PC側も1巻で確立された各キャラの特徴があまり出ていなかったのも残念ですねえ。唯一ウェンディの殺意だけが残った感じ(まあプレイヤーが殺意様だから、ナチュラルに出ているのでしょうが) ジンも「チャラ男」であるが故、集落を追い出されたという設定だったはずなのに、その片鱗がないまま。墓穴庭師・ルシャナの墓穴も、どこぞの裏目軍師ほど酷くなく、ナッツの臆病さも引っ張ることなく(まあこれは、あまりやり過ぎると、話が進まなくなってしまいますが)どれも中途半端だったかなあ。。なんとなくですが、アリアンロッドの過去シリーズの「二番煎じ」にならないよう気を遣って(特にデスマーチかな? なんせGMがかわたなさん。ダイス目がデスマーチになりますからねえ)盛り上がれなかったように感じます。

長期シリーズにしないということが、足かせになって横道にそれる余裕がなくなり、どことなく一本道に感じられるようになってしまったのかも知れませんね。かなり期待していたシリーズだっただけに残念です。

★★☆
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2014年10月20日

女騎士さん、ジャスコ行こうよ


著者:伊藤ヒロ
出版社:MF文庫
女騎士さん、ジャスコ行こうよ

平家町という、とある田舎町に住む高校生・瀬田鱗一郎が主人公。ある日、夜の田んぼで行き倒れていた幼女と少女を発見します。家に連れて行って介抱したところ、二人は異世界「魔法地平」から命からがら逃げてきた異世界人で、幼女はそこのお姫様・ポーリリファ。少女はその騎士であるクラウゼラと名乗ります。異世界人が現れたということで、大騒ぎになりそうなものですが、「実は……この町では割とよくあることなんだ」と、実は日常だったという。
クラウゼラは「クッコロ」系の騎士。つまりは、事があるたびに「クッ、殺せ!」と叫ぶありがちなタイプです。姫様は、異世界人なのになぜかヲタクだったりとか、騎士が強いようで実は……だったりとか、これもありがちな日常系になっています。

物語は、姫様が「ジャスコ」のようなショッピングモールを見て、舞い上がり平家町にも支店を作ろうとするのが主題。田舎町の特性として「変わりたくない」という住民に業を煮やし、暴走しまくるというパターンです。

ありがちなのはいいんですが、どうもね。田舎をバカにしすぎているというか、住民が頭悪すぎというか……一部「これが田舎の本質だ」という意見もあるようですが、それはほんの一部分しか見ていない意見でしょうね。まあ、そもそも「40分かけて軽トラで隣町のジャスコまで買い物にいく」というような地域に、大型店が進出するってのがおかしいのですが。

読んでいて気持ちのいいものではありませんでした。

タグ:
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軽口紳士と、カミサマかもしれない猫


著者:小椋正雪
出版社:一迅社文庫
軽口紳士と、カミサマかもしれない猫

舞台は、南鳥島よりも遠いところにある架空の離島。子供の頃に住んでいたものの、親の仕事の都合で東京へ引っ越した太一が主人公。その離島には、幼なじみがいて、引っ越す前に二人で子猫を助けたことがある。そんな太一が、再び離島に戻ってきてみると…

基本は、久しぶりに幼なじみと再会すると、幼なじみが可愛くなっていたというラブコメ。そこにファンタジー要素を入れてみました。というありがちな設定になっています。

太一が島を離れていた7年間で、子猫はまったく成長しなかった。ところが太一が戻ってくる直前に急に成長し、ムササビのごとく空を滑空するようになっていた。そのネコは、普通のネコではなく伝説の猫竜。その保護をするために、手段と目的をはき違えたような「教授」との戦い。そういったものが描かれています。

が、全体に薄っぺらいんですよね。軽いラブコメで行くのか、ファンタジーにするのか、SFなのか、不条理ギャグに徹するのか? それを決めないまま勢いで書いてしまい、推敲していませんという感じ。せっかくの盛り上がりを、くだらないネタで台無しにしてしまったり、知識のなさが露呈されるようなネタがいっぱいあったり……

主人公とヒロイン以外の登場人物が、いてもいなくてもいい存在というのも残念。もう少しキャラを深掘りしておかないと、キャラは動いてくれません。

そうそう、最後まで「軽口紳士」の意味がわかりませんでした。

★☆
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2014年10月16日

覇剣の皇姫アルティーナ(2)


著者:むらさきゆきや
出版社:ファミ通文庫
覇剣の皇姫アルティーナ(2)

北方辺境連隊の実質的な責任者を明確にするため、ジェロームと決闘をしたアルティーナ。なんとかジェロームに勝つことができたのですが、今度は蛮族が攻め込んできます。レジスの軍師としての初陣。常識とは異なる方法で、勝利し、さらにアルティーナの希望もあり、蛮族を味方に引き入れることにも成功します。

アルティーナの夢に向かって、順風満帆なスタートとなりましたが、この情報を兄皇子が掴み、皇姫軍の弱体化を狙って「ヴァーデン大公国の要塞」を攻略せよという命令が下ります。この養蚕は難攻不落と言われており、皇姫軍の実力では、攻める=全滅するというもの。もちろん、命令に反すれば「逆賊」として正規軍に攻められる。この危機に対して、軍師レジスがとった戦略は?

ということで、今回もレジスの戦略を中心に、話が進んでおります。レジスは本人が意図せず、女性たちを惹きつけるものを持っているようで、アルティーナを始め、いろんな女性から言い寄られています。もし彼に「そういった」知識がもっとあれば、すでに凋落しているだろうなという、直接的なアプローチもあったりします。レジスを中心としたラブコメ(蛮族の王からも迫られる〜男色家らしい)。どのように転がっていくのでしょうか?

戦記物として見た時は、少し低い評価になりますね。確かにレジスの考える戦術は悪くないのでしょうが、あまりにも都合がいいほうに転がりすぎです。彼の机上の理論が、はまりすぎており、おもしろみがなくなっています。もう少し、苦労があってもいいと思うんだけどな。

ま、その分女性関係(騎士・エリックももしかしたらリボンの騎士なんでは?)では、これからも苦労しそうなので、バランスがとれているのかも知れません。

幼女がでてこないむらさきゆきやさんの作品ですが、こちらは楽しく読み続けられそうです。異能が出てこないことも、物語を芯のあるものにしています。

★★★☆
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2014年10月14日

浮遊学園のアリス&シャーリー(3)


著者:むらさきゆきや
出版社:オーバーラップ文庫
浮遊学園のアリス&シャーリー(3)

なぜか、4巻と同時発刊となっております。

ベルモンドの事件から4日ほど経ち、被害者たちが自我を回復させつつある頃、事件の最後にカフェ・ド・マンショに現れた少年・トゥエルブが柾貴たちのクラスに転校してきます。アリスとシャーリーに戦いを挑もうとするトゥエルブ。しかしながら、どうも自分の意思で敵対しているとは思えないフシもあります。柾貴の作る料理に興味を持つトゥエルブ。その少年らしさと、強力な能力の間のギャップ。それが物語の鍵になっています。

柾貴には、闘う能力がないため、最終的には料理対決になるのはいつもの流れなんですが、今回はかなり無理がありましたね。なぜそこで「料理対決」になるのかが非常にわかりにくい作りになっています。事の重大性と料理との関連がいまいち。性格破綻者が多い作品であるが故、そろそろ料理だけで引っ張るのは難しいのではないでしょうか?ヒロインの一人、アリスがどんどん人間らしい感情を身につけているとはいえ、まだ苦しいですね。シャーリーの立ち位置も微妙になってきた。

うーむ、どうもむらさきゆきやさんのシリアス小説は読みづらい…。

★★
タグ:浮遊 異能 ★★
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モテってこんなに大変だったのか!?


著者:三葉
出版社:一迅社文庫
モテってこんなに大変だったのか!?

主人公は非モテ男子・笠下悠真。なんとかモテたいと「絶対に彼氏・彼女が出来る」という噂のある聖隷青嵐高校に入学したものの、3ヶ月経っても彼女が出来る気配がまったくない。リア充爆発しろ! とトボトボ学校を出ようとすると、同じ中学校出身の先輩・荒崎稲葉が待っていた。彼女に丸め込まれる形で「交友部」という怪しげなクラブに連れてこられると、そこには唯一まともに会話したことのある異性・長村奈央がいた…

交友部とは、まああれですね。援交だ。もしくはJK散歩かな? 恋人がいない生徒の要望により、交友部の部員が疑似恋人としてデートをするというもの。いちおうキス以上はダメということらしいけど、もうこれはね。

稲葉の指導のもと、交友部部員としての訓練を行う悠真と奈央。自転車の二人乗りや、呼び名の練習。さらにはデート体験や、告白の練習まで。交友部が設定がなければ、初々しいカップルのムズかゆいラブコメ。そう捉えると、特徴がないまでもサクッと読める作品ではあります。

が、この作品の問題は登場人物の整理が出来ていないこと。交友部のメンバー(稲葉以外)も存在価値がまったくないし、悠真のクラスの委員長もまったく意味がない。稲葉の立ち位置もよくわからない。なんとなく、悠真に気があるようなんだけど。悠真と奈央のラブコメにするならば、そういったメンバーが引っかき回さないと、面白くならない。全体に中途半端ですね。

★★
タグ:ラブコメ
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2014年10月08日

未来/珈琲 彼女の恋。


著者:千歳綾
出版社:GA文庫
未来/珈琲 彼女の恋。

第6回GA文庫大賞奨励賞作品なんですが、最初から続編ありきで書かれているのがちょっと嫌かな?

主人公は、人生で「一度だけ」過去でも未来にでも飛ぶことが出来る「異能」を持つ高校生・湊遼太郎。ある日自宅に帰ると、雪音と名乗る少女が。彼女は、未来から来た遼太郎の娘だと言い張ります。普通なら、こんな話信じられなくて当然ですが、遼太郎は時間を超える異能持ち。実際、実の父親がその異能を使って、家族の前から姿を消してしまった過去があります。ならば、信じられそうなのに、なぜか頑なに信じようとしません。その理由がないため、遼太郎のイメージが悪くなっていますね。

遼太郎には、最愛の幼なじみ・阿梨亜がいて、ここ数年直接的プロポーズをしながら、玉砕(?)している状況。そんな阿梨亜との仲をなぜか邪魔する雪音。一緒にお風呂入ろうとか、一緒に寝ようとか遼太郎を誘ってきます。

そんなドタバタの中、今度は鈴音という少女が現れます。こちらは雪音と胸のサイズが違い(巨乳)、言葉遣いが荒い。彼女は、態度を明確にしないものの、雪音の秘密を次々に暴露していきます。曰く「雪音は極度のファザコン」「中学卒業時の進路希望に、パパのお嫁さんと書いた」「いつも父親のカッターを着ている」「高校生になるまで、一緒にお風呂に入っていた」「膝の上で、髪を梳いてもらうのが好き」などなど。
前半は、未来の娘たちのファザコンぶりを中心としてコミカルに話が進んでいきます。

雪音たちが阿梨亜との仲を邪魔する本当の「理由」が明かされてからは、家族の意味を問う感動物語に変化。ラストまで一気に突き進むストーリー運びはなかなかのものです。前半のイチャラブも後半の感動もうまく処理されています。

が大団円と思われた後に、付け加えられたページが、物語の完成度を一気に壊してしまっています。せっかく一冊でうまく収まっているのに、無理矢理「次回に続く」展開にしてしまったため、それまでの感動を返せ! といいたくなります。特に新人賞受賞作なんだから、この章なくてもよかったのでは? まあそうなってしまったのは仕方がない。シリーズモノとして楽しめよう期待しましょう。

★★★☆
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2014年10月07日

覇剣の皇姫アルティーナ


著者:むらさきゆきや
出版社:ファミ通文庫
覇剣の皇姫アルティーナ

むらさきゆきやさんの本です。でも小学生出てきません。時代も現代ではありません。ファンタジーです。
ということで「小学生が出てこない作品は、むらさきゆきやさんじゃない」と避けていたのですが、なんとなく手に取ってみたら、面白いではありませんか。避けるんじゃなかった。

主人公は軍人文官・レジス。剣も弓も苦手で、本ばかり読んでいる落ちこぼれ。辺境に左遷された彼は、そこで運命を変える少女・アルティーナと出会うことになります。アルティーナは、赤い髪、紅い瞳を持ち、覇者の大剣を携えた皇姫。14歳であるが落胤が故に辺境軍の司令官。当然、辺境を守る荒くれたちが一筋縄にいうことを聞くはずもなく。それでも自らの大望を果たすため、前へ向かっていきます。
そんなアルティーナに軍師として求められたレジス。読書好きの彼は、どのような対応をしていくのか?

レジスは、頭の回転は速く、自分の生き方に対して一本持っているしっかりした青年。しかしながら、以前仕えていた領主を死なせてしまったという後悔からか、自らの評価に対して厳しすぎ、それが原因で頼りなく見えてしまいます。しかし、実際にはレジスの機転により助かった生命も多く、そのような人からは信頼されています。それをアルティーナは見抜いたのでしょうね。また、なぜかメイドさんに人気があります。
アルティーナは、熱血型のお姫様。自らの大望のためであれば、どのような困難でも受け入れることが出来る器の大きさもあります。

最初に彼女たちの前に立ちはだかるのは、北方辺境連隊の元責任者・ジェローム。天下り的に自らの上に入ってきたアルティーナに当然いい感情は抱いていません。軍人としての能力は高く、兵士には好かれている模様。ただその話し方が悪役にしか見えないのは問題ですね。うまく味方に引き入れられたら、すごく大きなことをやってくれそう。でも一筋縄ではいかないくらい性格がねじ曲がっているようです。

1巻はお披露目的な感じで、ストーリーはあまり進んでおりません。次巻以降が楽しみですね。

★★★★
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ナイトウィザード The 3rd Edition リプレイ ラブ is デストラクション!


著者:緑谷明澄/F.E.A.R.
出版社:ファミ通文庫
ナイトウィザード The 3rd Edition リプレイ ラブ is デストラクション!

3rd Edtionになったナイトウィザードのリプレイなんですが、世界の危機が危機です(ってなにを言っているだか)
今回の危機は「恋をしないと世界が滅ぶ」 その理由が「愛で世界が救えるなら、愛で世界が滅びてもいいか」というもの………緑谷さん、なに考えているだか(褒め言葉)

という訳で、ヒロイン・御薬袋明日香が彼氏を作らないと世界が滅ぶという予言がなされ、いろんな組織からエージェントが「彼氏候補」として派遣されます。ちなみにヒロインは藤井さんが中の人。
彼氏候補その一は、もう一つのリプレイに出てきた鈴夜の兄(あるいは同型機)である羽音々鋼矢。当然のごとくぽんこつです。しかも別リプレイで妹が探し回っていた「クリティカルを出す方法」を買い占めて、無意識に妹いじめをするという……
その二は、聖法庁から派遣されたアイドルグループのリーダー兼任の聖職者。島で開墾するアイドル…あの人たちですね。リーダーというと、あの人の姿しか浮かんでこねえ。
三人目は、ロンギヌスのエージェント。ラテン系の美男子なのに、諸般の事情によりペンギンの着ぐるみを着ているという……。とりあえず個性が強すぎる面々が集まっております。
NPCも新しい魔王が登場しており、これがまたベルを超えるややこしい性格。今回ベルさんも登場しておりますが、カラオケで演歌歌うとか、もう魔王としての矜持はどこへいった? 状態ですね。まあ新登場魔王がもっとアレですから……
ヒロインの明日香は女子力(物理)がめっぽう高く、男前な女の子。過去には黒歴史が潜んでおり、それに触れると阿修羅のごとく怒るというか、記憶を(ヘタすると存在を)抹消される。ってのが、ライフパスで出たのだけれど、うまくシナリオに組み込まれておりました。このあたりさすがですねえ。

男前なヒロインと、ポンコツ彼氏候補たち。それでも、それぞれ見せ場があり、単なるポンコツでないところを見せているのはさすがです。

なぜかダイスの目が派手になるナイトウィザード。今回も派手なダイス目にGM、PCとも翻弄されます。

GMが主役になっている感もありますが、ベテランプレイヤーによってメリハリのあるリプレイになっています。世界の危機もありナイトウィザードらしいリプレイですね。

★★★☆
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2014年10月03日

闇堕ち騎士がダンジョン始めました! !(2)


著者:東亮太
出版社:スニーカー文庫
闇堕ち騎士がダンジョン始めました! !(2)

2巻で完結してしまいました。まあ妥当でしょうね。1巻では非条理ギャグになりかけていたのに、わざわざ「現実」にフォーカスしてしまったがため、行き詰まったという感じ。闇落ちしたナオハルが、人族に戻るかどうかの葛藤を中心に描いていけば、もう少し続いたような気がします。

ナオハルと冒険者・リオーネが会っていることが魔族の上層部にばれ、フェリスの代わりにエリート魔族が獅子竜迷宮の統括を行うことに。ところがこいつがどうしようもないやつで、パワハラ・セクハラの連続。それまでのほのぼのした雰囲気が一気に崩れ...

そんな環境を打破するためにナオハルがとった「禁断の」方法というのが、ストライキ。うーん、なんか違うんだよなあ。ストの意味と方法を間違っているというのはまあいいとして、この物語に現実を持ち込んだら、一気に陳腐になってしまうことが理解されていない。結局、ナオハルの悩みも、どこかに行ってしまっているし、闇落ちとかダンジョンといったファンタジー設定が無用の長物になっています。どうも最近のスニーカー文庫は質が落ちてしまったなあ。
ラストの処理についても、まあなんというか残念です。すべてが台無しになってしまったような。

★☆
タグ:ラブコメ
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2014年10月02日

勇者と魔王のバトルはリビングで(3)


著者:緋月薙
出版社:HJ文庫
勇者と魔王のバトルはリビングで(3)

最終巻。会話劇が楽しかったので、ちょっと残念ですね。今回は、バレンタインがメイン。和希たちが通う学園では、イベントに参加したカップルの交際継続率100%。当然リアと和希は参加を即決。そこに、紅音とイスカも巻き込まれる形で・・・

2巻でバカップルにジョブチェンジした和希とリア。一緒に寝るのは「二日に一度にしよう」ということでしたが、いろいろ理由をつけては、その回数を増やしている模様。すでにキスは普通にする関係になっているようです。
イスカと紅音も、少しずつその域が見えてきています。もっとも、このカップルの場合はとりかえカップルで、イスカが女の子、そして紅音が男といった感じがどうしてもつきまといます。

最初からといえばそれまでですが、和希は自分の欲望を隠す気がまったくありません。もう堂々と欲望を前面に押し出しています。しかし、ここまできて一線を守っているというのは、自制心が強いというのかヘタれというのか...まあ二人の場合、ヤッてしまうと、世界が破滅するという足かせがありますからねえ。

今回も話をややこしくするのは、イスカです。その中途半端な正義感が、ヘタをすれば取り返しがつかない状況を生み出すのはいつものこと。正直中盤のイスカには、イライラさせられます。自分ですべて抱え込んで、結局なんの解決も出来なくなるやつ。

物語としては今回で最終。もう少し続けることもできたであろうだけに残念ですね。拾い損ねている伏線もあるだけに、もう少しがんばってほしかった。

次回作は、少々毛色の違った作品になるそうです。が、この作者さんの持ち味は会話ラブコメのような気がするので、このフィールドに戻ってこられる日をまっております。

★★★☆
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