2014年05月29日

勇者と魔王のバトルはリビングで(2)


著者:緋月薙
出版社:HJ文庫
勇者と魔王のバトルはリビングで(2)

イチャラブ異能バトルラブコメ。HJ文庫というよりは、MF文庫のほうが似合いそうな、甘ラブですね。

主人公・倉橋和希のもとに、異世界から魔王女・リア<カノジョ>が届き、その後リアを狙う男の娘(心は男?)イスカたちが現れ、いろいろあって仲良くなったのが、前巻。(かなり端折りました)

魔族と人族の戦いの関係で、魔王女と勇者の流れをくむ主人公が、ゴールインしてしまうと、ハルマゲドンが発生するという設定がありましたが、なんだか今回「設定はどこ行った」というくらい、二人の仲が進展してバカップルにジョブチェンジしています。最後の一線を越えなければ、いいということなんでしょうか?

敵の数は増えておりますが、イスカに比べると雑魚なようで、和希の異能レベルアップもあり、瞬殺されているシーンが増加しています。どんどんパワーアップしていく主人公。ついでに魔眼によるアビリティチェックも面白いものが続いており...

さらにサブキャラも、相変わらずいい味出しています。ひたすらノリのいいクラスメイトたちのうち、男子はどんどん腹筋が鍛えられていっているようですし、女子たちの一致団結度もなかなかのもの。珍しく、異性として扱われていない幼なじみも、ますますその立ち位置が、性別を超えた大親友になってきています。もっとも彼女には、なんらかの秘密があるようです。

今回は、リアと和希のバカップルが発酵していくところが描かれています。どうもこのバカップルは、まわりにも影響を与えるようで、なんとなくイスカと紅音やフェルにも、春を連れてきたようですね。

会話劇が面白い、本シリーズ。是非これからも続けて欲しいです。

★★★★
posted by あにあむ at 15:41| Comment(0) | TrackBack(0) | HJ文庫

ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ・メビウス(3)1秒でも長くキミといよう


著者:中村やにお/F.E.A.R.
出版社:富士見ドラゴンブック
ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ・メビウス(3) 1秒でも長くキミといよう

メビウスシリーズの最終巻。
前巻ラストで、秋雨が見事に裏切ったため、今回は大幅にシナリオ変更があるのかと思っていたのですが、なんか予定調和に終わってしまった感があり残念。F.E.A.R.のリプレイは、舞台裏を見せることがウリになっていますが、これは見せないほうがよかったんじゃないですかねえ。プレイヤーとGMが事前に打ち合わせを行うシーンを公開されてしまうと、リプレイが出来レースになってしまう。それならプレイヤーじゃなくサブマスとして参加していたほうがしっくりきます。

エピソード自体は、面白かったと思います。秋雨が助けようとした時雨。その結末にしても、TRPGらしいものでした。その後の秋雨の変わり方は、少々違和感ありますが...

シナリオテーマや、ダブルクロスというゲームの特性を考えると、シリアスに暗い方向へ行きそうなものですが、そこはNPC(三馬鹿 珠樹、伊武、宇津木など)が、うまく緩衝材になり、適度な潤いをもたらしていました。

と、比較的良好なシリーズだったのですが、最後までなじめなかったのが、紅を演じていた、有世さんのロールプレイ。キャラに感情移入するのは、いいことだと思いますし、自分らしさを出すという点は成功していたのかも知れません。が、その異常なテンションは、正直「うざい」といいたいもので、極端な感情の触れ幅は、ストーリーの流れをぶった切っていたように思います。もしかしたら、リプレイの書き方が要因なのかも知れませんが、疲れたというのが本音ですね。冒頭に出てくるやりとりも、結局なにをいいたいのか理解不明。その場にいた人は面白かったのかも知れませんが、文章にされても「?」でした。

そういう意味で若干残念なシリーズでしたね。

★☆
posted by あにあむ at 15:20| Comment(0) | TrackBack(0) | ドラゴンブック

2014年05月28日

女子には誰にも言えない秘密があるんです!(2)


著者:山本充実
出版社:講談社ラノベ文庫
女子には誰にも言えない秘密があるんです!(2)

1巻でタルト・シュクレの姉妹と秘密を共有することになった主人公。帰宅した彼の目の前に−黒髪ロングの美少女の生まれたままの姿が...お互い固まったまま(いや、なんかかなり観察していたようだが)の二人。相手は主人公のことを知っている模様。彼女は小学生の頃に引っ越してしまった幼なじみの真由里だった。諸般の事情(親が外国に行くというありきたりなもの)で、主人公の通う高校に転校し、主人公の家に住むことになったと...仲がよかったとはいえ、思春期の4〜5年離れていた異性と、一緒に住む気になるかねえ? という野暮はおいといて... ブラコンの小桃は当然心中穏やかでなく「いつものように一緒にお風呂入ろう」と爆弾(事実)を投げかけるし...

一見明るく見える真由里だが、少々エッチな同人誌を書いているという秘密があります。小学校の時、萌え絵(少々えっち)なグッズを持っているところを同級生に見られ「すけべ」と言われたことがトラウマとなって、地下に潜った模様。で、当然主人公にバレ、秘密を共有することに。それはいいんですが、真由里さん。バレた時、あなたなにしてました? 原稿書いていて、休憩。それはいい。机の下に両手をいれて、もぞもぞ。顔が赤らむってあなた...そういや主人公のぱんつを「使う」とか口走っていたな。シュクレなみにヘンタイなのかも(いや、普通なのか)

まあ、そういうエロコメなんですが、1巻の時に感じた「ダメダメ感」は修正されていませんでした。キャラが曖昧なんですよね。話し方が一定していないし、その場のノリで行動を変えるから「この人誰だっけ?」になってしまいます。妹である小桃も、うまく扱いきれておらず、存在の意義が不明。
もう一ついうと、秘密がバレるの早すぎます。今まで「親」や「姉妹」に隠してきた秘密のはずが、あっさり暴露しすぎ。今回の真由里にしても、主人公にバレることを恐れていたはず(嫌われると思い込み) だから、バレた時に「何をしていたか」よりも同人誌を書いていたことを見られたことで慌てたはず。だって女の子として、その瞬間やっていたことのほうが見られたくないはず。 それほどの秘密なのに、なぜ主人公の家に引っ越してきて、すぐに作業を始めてしまうのか? しかもヘッドフォンをして、誰かが入ってきても気がつかない環境で? 「秘密」をテーマにするんだったら、もっと「ため」が必要です。そうしないとコメディにならない。それと中途半端なエロは不要。このシーンだって、最後の「お○にー」もどきはなくてもいい要素。というより蛇足。だって、一般レーベルで、そこから発展させる訳にいかないだろうし、事実スルーしているし。最初のぱんつ云々も同じ。結局スルーするしかないイベント出してもページの無駄。「甘いラブコメ」と、意味のないエロシーンは同義ではありません。

posted by あにあむ at 12:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 講談社ラノベ文庫

アルシャードセイヴァーRPG リプレイ ミッドガルド 旋風少女と熱砂の罠


著者:遠藤卓司/F.E.A.R.
出版社:ファミ通文庫
アルシャードセイヴァーRPG リプレイ ミッドガルド 旋風少女と熱砂の罠

舞台はミッドガルド西南部の熱砂の砂漠「スズリ砂漠」。ヒロインは傭兵少女・ウルエラ。イラスト担当の中島鯛さんが演じます。他には、みかきみかこさんの豊穣の神・ファーナ。社長演じる、放浪の賢者・テム。きくたけさん演じる皇帝の剣・ミカド。

オープニングで、いきなり裁くの巨大生物・サンドワームに飲み込まれます。その中には、おじいさんが暮らしており...ってどこかで聞いた話だな? どこかおかしいこのおじいさん、役に立つのやら? まずはサンドワームから脱出しないと、話が進みません。
そんなパーティを尻目に、真帝国銀十字軍は、巨大兵器・砂漠戦艦を密かに建造しており、その鍵となるのがサンドワーム。そのため、クエスターであるパーティとダークレイスの戦いがサンドワームの体内で始まります。

今回のリプレイは、プリプレイ部分が長めとなっており、キャラ作成から始まっています。入門的な意味合いもあるリプレイですね。そんなリプレイにふさわしく、中島さん演じるウルエラが真っ直ぐで、正当派のヒロインでよかったです。ウルエラの出自からすると、あまり真っ直ぐロールプレイしすぎると、重くなってしまうのですが、そこはF.E.A.R.のリプレイ。適度に軽いノリがあり、読みやすくなっています。特にファーナの「緑茶化計画」はいいですねえ。いや、豊穣の神として「緑化する」というつもりが、素で「緑茶化」といい間違えただけなんですが、その間違いタイミングが絶妙。さらにギャグも絶妙に滑りまくり、みかきさんGood Job!

残念なのは、シナリオが「どこかで見たことがある」ものだったこと。サンドワーム体内に飲み込まれるっていうのもそうだし、後半クライマックスもそう。さすがに「腐ってやがる」はなかったけど、「そのもの青き衣を纏いて、金色の野に降り立つ...」といいたいシーンはあった。まあ古典的作品ですし、そのままって訳ではありませんが、少し工夫が欲しかったですね。

★★☆
posted by あにあむ at 12:27| Comment(0) | TrackBack(0) | ファミ通文庫

2014年05月22日

おねがい、勇者についてきて? はい/YES


著者:番棚葵
出版社:スーパーダッシュ文庫
おねがい、勇者についてきて? はい/YES

主人公は飛鷹祐司。祐司の幼なじみである神塚茶亜羅(てぃあら)は、祐司を含めた他人の世話を焼きたがるという特性を持っています。そりゃもう、ありとあらゆるお世話を。そんな茶亜羅が、賢者の導きによって異世界に勇者として召喚されてしまいます。その際、祐司も無理矢理引っ張ってこられるのですが(まあね、幼なじみで安心というだけでなくね、そういうこと)その世界は、なんと女性しかいない世界! 王女のフィーネや魔術師のレイアを鍬手、世話焼き勇者の冒険が描かれます。

すごく王道なラノベです。世話焼きで焼きもち焼きな幼なじみ。非常に可愛い女の子で、どちらも相手のことを「実は」という関係。茶亜羅は「えっち」なことが大嫌い(だけれど、祐司とだったら?)で、祐司が他の女の子をえっちな目で見ると、間接を外してくるという...男の身体に触るのは嫌といいながら、祐司にはスキンシップしてくる、わかりやすい女の子です。ただ、世話焼きの範囲が少し大きすぎるので、周りは大変。

この世界が女性だけになったのは、魔王の呪いという設定です。男は、その呪いによって魔物にされてしまい、表舞台から姿を消しています。それから結構な時間が流れているので、若い女性は「男」を見たことがないという状況です。そこに祐司が現れたものだから、老若男女入り乱れて好奇心に晒されることになります。ある意味思春期男子にとっては、パラダイスのような状況ですが、そこは茶亜羅の間接外しが待っているので...

後半は、魔王との戦いになるのですが、茶亜羅が使えるのは言霊だけ。しかも魔王を倒す強い言霊を使うと、対価として「女の子の大切な最初を失う」という... 祐司は、そこまでしてこの世界を救うことはないと、茶亜羅に元の世界に戻ることを提言するのですが...

実は、最初からお互いのことを想っている二人。でもどちらも肝心のところが鈍く、一歩先に進めない状況。男性に免疫のないレイアも祐司に惹かれているようで(その理由が「ふかし芋を皮ごと食べるワイルドさ」だとか、どこかずれてはいますが)話が続けば、ラブコメにもなっていきそうです。

登場人物が、素直かつ一本気(方向間違っている人もいますが)で、設定・ストーリーとも王道なので、安心して読むことが出来ます。ヒロイン・茶亜羅もネーミング以外は、いいヒロインです。祐司を連れてきた理由がかわいいじゃないですか。特徴はないけれど、崩壊したところもない良書ですね。

★★★★
posted by あにあむ at 16:05| Comment(0) | TrackBack(0) | ダッシュエックス文庫

2014年05月21日

温泉ドラゴン王国(3)


著者:山川進
出版社:オーバーラップ文庫
温泉ドラゴン王国(3) 〜ユの国よいとこ、一度はおいで〜

第一部完といった感じですね。伏線の回収がされており、基本的な部分はオチがついています。まあ一部ヒキになりそうな部分もあったので、続けようと思えば、可能な構成ではありますが、どうだろ?

この作品は、1巻が一番インパクトありました。それはないだろうといった突飛な方法で、敵を退けるなど、予想の斜め上を行くシーンがあったのですが、それが巻を重ねるごとにスケールダウンして、予想外というシーンがなくなってしまいました。残念ですねえ。
今回は、新たな観光名所として「温泉神社」を建立したアリマが、ちょうど来訪していた教国出身のシスター・ニコを巫女として雇ったことから始まる騒動が描かれています。ニコは、短気でツンデレというやっかいな性格ですが、実は「温泉は自然破壊だ!」と温泉の破壊を企てる環境保護団体のスパイでした。その行動を見ていたアリマたちが「温泉を秘密裏に取材しているガイドブックの調査員」と勘違いしたために、ややこしいことになるのですが...

ハナが新しく調合した温泉は「髪を黒色に(するはずだったけど、ピンクになった)変える」「人間をドラゴンにする」「身体を小さくする」といったもの。基本的には中和剤も造られているのですが、うまく使いこなせないのはお約束。
特に「髪を黒色にする」はずの温泉は、ピンクになるわ、ピンクという言葉を聞くと発情(後半では絶頂)するようになるわというはた迷惑なもの。しかも期限がないようで、永続的に発症するようです。

アリマを巡るヒロインズの戦いも、今回一応の終止符が打たれたような、さらにややこしくなったような感じですね。実妹のコハネは立場が弱いですし、実姉は単にヘンタイなだけだし、ミササは種族が違うという事実があるので、ハナの一人勝ち路線かと思いきや、もし続きがあるとしたら、ニコが強敵になるのかな?

続きがあるのならば、1巻のような予想の斜め上を行く展開を期待します。それがなければ、特徴のないストーリーで終わってしまいます。それならドラゴンいらないですしね。
★★★
posted by あにあむ at 09:49| Comment(0) | TrackBack(0) | オーバーラップ文庫

2014年05月20日

アリアンロッド2E・リプレイ・シュヴァルツ(4) シェフィルと白銀の祈り


著者:菊池たけし/F.E.A.R.
出版社:富士見ドラゴンブック
アリアンロッド2E・リプレイ・シュヴァルツ(4) シェフィルと白銀の祈り

ヴァイスとシュヴァルツシリーズの最終巻。ヴァイス最終巻読んでから、しばらく積ん読していたので、ストーリーを忘れかけていました。さらに、途中で発売されていたらしいファンブックでのセッションで、重要なキャラに大きな動きがあったようで、余計「?」となりました。一応本編で、ファンブックセッションについて少しだけ触れられていますが、文庫だけ読んでいる人間には不親切ですね。F.E.A.R.のリプレイでよくありますが、ここまであからさまなのは珍しいような。うーむ、最近のきくたけさんGMの作品は、内輪受けが多すぎるような気がする。

最終巻ということもあり、ヴァイス側のPCであるプリミラとキュリアも参加しています。6人パーティになっているので、3人ずつ別行動というパターンがとれるようになり、バリエーションが増えています。このあたりはさすがですね。ただ、この二つのパーティ、初めての邂逅時、大惨事になっているのですが、そのあたりのぎくしゃくした雰囲気が少し残っているのが残念。

今回は、伏線回収が主目的となっているため、シナリオは一本道です。今までの設定による足かせが多いこともあり、盛り上がりに欠けていたという感も否めないですね。予定されていた結末に向けて、淡々と処理されているという感じがします。

とはいえ、これで白と黒の物語も終了。薔薇の巫女に関する物語とすると、かなり長いものになりましたね。(間、ずっと空いていますが)

昨年末からシリーズ完結が続いております。新しいシリーズも、楽しい作品になることを信じております。

★★☆
posted by あにあむ at 12:29| Comment(0) | TrackBack(0) | ドラゴンブック

2014年05月16日

異世界因果のトラベローグ(2)


著者:姫ノ木あく
出版社:オーバーラップ文庫
異世界因果のトラベローグ(2)

展開早いです。前巻でヒロインが異世界からやってきたと思ったら、2巻ではそのヒロインの世界が舞台になっています。修学旅行に向かった主人公一行が、バスごと異世界(ファルの世界)に飛ばされてしまい...二つの世界を自由に行き来する方法は確立されておらず、二つの世界では流れる時間が異なるようで、急いで戻る方法を探さないと...

ファルが異世界人(エルフ)だということを知っていた主人公グループ以外の一般生徒は、異世界に飛ばされてパニックになります。そこへ、正論一直線の委員長が、正論を言ってしまったものだから、パニックはさらに酷くなってしまいます。そんな雰囲気を救ったのは、弘武の機転。バカげた歌(おっぱい賛歌?)を歌い、うまく場を和ませ、さらにはバスの外に確認へ行けるよう仕向けます。このあたりの腹芸、弘武がさすがというよりは、周りがすごいですね。事前打ち合わせがまったくないのに、どうやって?

少しだけ、ファルの世界に馴染むクラスメイトですが、そこにダークエルフが襲ってきます。なんとか切り抜けようとする面々ですが、その過程で弘武と鼎だけが、みんなとはぐれてしまいます。ということで、後半は、弘武と鼎だけが登場しています。

ファルの世界と、弘武たちの世界にはある共通点があり、それが今回のエピソードを作り上げています。パラレルワールドではないけど、二つの世界に接点があるという設定は、ストーリーに厚みを持たせるアイテムになっていますね。

問題は、後半の弘武と鼎のシーン。こちらは「どうやってその距離移動した?」という点が眼についてしまって、楽しめませんでした。知っていれば、距離が想定できるような設定をする場合は、その間の移動方法がわからず純粋に楽しむことができませんでした。

ま、そんな些細なことはおいておいて、弘武は誰を選ぶのでしょうね? 今回一人が脱落しましたが、一人が宣戦布告しています。不遇な幼なじみの復権はあるのか? ハーフエルフが生まれるのか? それともロリに走るのか? 弘武は、おっぱいを「ありがたや」と拝んだり、女の子の裸を見たとき、しっかりあそこを記憶しようとしたり、ぱんちら狙ったりと年相応にすけべなので、案外早く結論だすのかな?

★★★☆
posted by あにあむ at 13:55| Comment(0) | TrackBack(0) | オーバーラップ文庫

2014年05月15日

剣帝の女難創世記(3)


著者:稲葉洋樹
出版社:富士見ファンタジア文庫
剣帝の女難創世記(3)

異世界召喚型ハーレムラブコメ、第三弾。主人公は中山戒。「英雄と契ることで、強くなれる」という伝承がある異世界に英雄として召喚されたため、女の子にえっちを迫られることになりますが、必要以上の貞操観念の強さのため、ややこしくなっていたのですが、今回は、少し柔らかくなっているのかな? その分、読みやすくなりました。

今回は学園祭がメインエピソード。その準備中に、イリーナ先生の手伝いで部屋をかたづけていた戒たち二十四班のメンバーは、偶然男性用の装飾具を見つけます。男性が少ない世界ということもあり、珍しさから戒に装着を迫り、戒もなんとなくつけてしまいます。ところが、それは呪いの装飾具だったため、いろいろややこしいことに。呪いの種類は、エロコメらしく「一番近くにいる女の子を強制的に引き寄せる」というもの。つまり、だれかが近くにいれば発生しないタイプの呪い。戒に勧めた手前、アリサたちがお世話することになるのですが、そこはエロコメ。お約束がいろいろ発生します。まずはベッド。これはまだ難易度低めのはずなんですが、ジゼルの積極性によりいろいろ危ないことに。
次は、お風呂。こちらは目隠しして入るのですが、お約束でその目隠しが外れ、戒のタオルも外れ...あとから「水着」着て入ればよかったと気づくのもお約束。
最後はトイレ。「誰か女の子が近くにいれば発生しない」という呪いの特性から、大丈夫と思われていましたが、一緒にいる二人が同時に尿意を催し、大騒ぎ。お互い我慢が出来ないということで、戒に「見るな、聞くな」と言い聞かせトイレへ。そこに一般女子生徒が入ってきて、戒は大慌て。そりゃ「女子トイレにいるヘンタイ」ですからね。呪いを忘れて、生徒を追いかけようとしたため、呪いが発生。二人は個室から強制的に移動させられます。トイレに入った格好のまま...で、絡まってしまい、あんなとこやこんなとこを触ってしまい、漏らしそうになる二人。そこへイリーナ先生がやってきて...

こういったエロコメに異能バトルがうまく挟み込まれており、バランスのとれた作品に仕上がっています。戒を召喚した人物と理由も明かされ、これから面白くなりそうだったんですが、今回が最終巻とのこと。次回作は少し時間がかかるということですが、やっぱり打ちきりかなあ。

後書きで「5年はがんばるつもりだった」「いま折り返し」と書かれていますが、これはダメでしょ。それくらいの決意で作家になったということなのかもしれませんが、この台詞は、辞めてから振り返るときに使う言葉。なんか「もう飽きた」と言われているようで、おもしろくありません。まあ作品本筋には関係ありませんが、同じ本に印刷されている以上、後書きも作品の一部です。

いろいろ残念です。

★★
posted by あにあむ at 12:31| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジア文庫

2014年05月14日

僕と彼女とカノジョとかのじょ(2)


著者:田尾典丈
出版社:オーバーラップ文庫
僕と彼女とカノジョとかのじょ(2)

金の斧ならぬ、金の黒恵。泉に落ちた幼なじみが、金と銀に分裂した...そんなお話。
主人公は、神座木社。名前の通り神職の父を持ち、神社を護る一族。なぜか幼稚園頃以前の記憶が曖昧で、何事にも受け身な性格。幼なじみは勝ち気な女の子ですが、分裂した金恵と銀花は、黒恵の「いいとこ取り」をしたような女の子。アクティブな金恵と、かわいらしい銀花。紆余曲折があったものの、3人と1人はにぎやかなな日々を送っていたのですが、友人の蒔埜蓮がくれたお土産が原因で、またもや彼らはおかしな現象に巻き込まれていきます。

2巻になって、ヒロインが増えそうで増えなかったですねえ。次の巻でヒロインズに加わるのかな?

まず最初に問題に巻き込まれたのは、銀花。自分が考えていることが、すべて社に伝わってしまいます。って普通心に秘められた恋心だとか、そんなのが伝わるんではないかい?なぜ今日穿いている下着の色なんだ? それはともかく、意中の人に自分の心がすべて伝わるってのは辛いですよね。次に、金恵に社の考えていることが筒抜けに。こちらは、社が普段は口にしない「可愛い」といった好意を聞きわたわた。でもこの時金恵は、社の心の声を聞いたことにより不安を感じるようになっていきます。この子深いなあ。
最後は、黒恵。こちらは社がかけた言葉がすべて「歯が浮くような」キザな言葉に聞こえるというもの。一番害がなさそうだな。3人とも要は「自分がして欲しいこと」が具現化しているんですね。これらは、一定距離(3m以内)で発症するということで、出来るだけ離れて過ごそうとする4人。それでも、トイレの壁を挟んでだとか、授業中だとかどうしても避けられない時間も...

どうやらこの現象は、誰かの悪巧み(?)が原因らしいということで、4人はその誰かを探しに奔走します。一度は、解決したかに見えたのですが、さらに酷い状況になり...

3人と社の絆が強くなっていく様が描かれています。まさにハーレム型解決法ですね。今回、銀花がメインヒロイン的立場なのかな?と思っておりましたが(実際、彼女の登場シーンが一番多い)、金恵のほうがヒロインだったようですね。第一段階で、自らに対する好意的な心の声を聞いて、舞い上がるだけでなく、その本質に不安を抱いたところ。第二段階で、逆の心の声を聞いて、それでも社を信じていたこと。「人を愛する」ことの本質を突いた彼女の台詞は、なるほどなと思わせるものでした。表面上の浮ついた気持ちではなく、本当に愛することの大切さ、難しさを改めて知らされたようです。

今回もギャグと切なさのバランスがいいですね。人を信じることがベースになっている作品は、気持ちいいです。

★★★★
posted by あにあむ at 12:07| Comment(0) | TrackBack(0) | オーバーラップ文庫

2014年05月13日

アルシャードセイヴァーRPG リプレイ 黄金剣と救世者


著者:遠藤卓司/F.E.A.R.
出版社:ファミ通文庫
アルシャードセイヴァーRPG リプレイ 黄金剣と救世者

高レベルキャラクターによるリプレイとなっており、全員がレベル20でスタートしています。それに合わせてプレイヤーも、かわたなさん、緑谷さん、きくちさんとベテランばかり。なんで、リソースに振り回されずにプレイされているのはさすがです。でも、あまりにもレベルが高すぎて、実感がわかないというか、逆に絵空事というか...このクラスになると、小説のほうが媒体として適しているように思います。英雄譚として楽しむことが出来ますが、リプレイだと中途半端なんですよね。特にF.E.A.R.の特徴である「プレイヤー」が全面に出てくるリプレイだと特に... 要はキャラクターとしての行動とプレイヤーの間にギャップが見えてしまうんですね。

って、前置きが長くなりましたが、物語として読むとさすがですね。主人公は、厳つい顔と態度で、周囲から危険人物と見なされているクエスター鬼塚勇吾。唯一の理解者は、幼なじみの計斗歩音(一般人)。そんな彼女の本に、少女忍者矢車菊花が古代遺物「レリクス(月の杯)」を届けたとき、勇吾と歩音の日常が崩れてしまいます。歩音の笑顔を取り戻すために、クエスターたちは、殺人鬼カルマ、怪物の王テュポーン、シャドウガイアに立ち向かっていくというストーリー。

本来であれば、人間の根源である「大切な人の笑顔を護りたい」という願い。ただそれだけのために、勇吾は大切なものを切りすてなければならない。なんだか人としての限界を提示されたようで辛くなります。人智を越えた存在の手のひらでもてあそばれているようです。

今回リプレイの後に数ページの後日談が出ています。それを読んでみなさんがどう思われるか。それによって、このリプレイの価値が確定するんだと思います。

★★
posted by あにあむ at 08:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ファミ通文庫

2014年05月10日

ご覧の勇者の提供でお送りします


著者:田口仙年堂
出版社:富士見ファンタジア文庫
ご覧の勇者の提供でお送りします

このタイトル逆じゃないかい? 勇者はコンテンツのほうで、提供は別にいるんだから。
舞台はゼルニア王国。そこに突如として出現するモンスターと戦う勇者たちの活躍を放送する人気TV「勇者テレビ」 騎士団、魔術結社、職人、教会などの代表が「勇者」として街を護っています。その戦いをTV放送することで、組織の宣伝と人気を獲得することも狙い。そのため「年間ポイント制」で勇者トップを決めるルールがあったりして。

戦争が「見世物」になっている世界というのは他にもあります(例「宇宙戦艦ヤマモトヨーコ」) この世界では、見世物であるにも関わらず、一般人がモンスターに攻撃されると、本当に怪我や場合によっては死んでしまうこともあるという点が珍しいのかな。

主人公は、そんな勇者の仲間入りをした学生・フウトと、彼と組むことになった同じく学生・フィオーレ。フウトは「伝説の勇者」の息子で、フィオーレは、学園長の孫娘。しかも生徒会長で美少女という人気者。フウトは自らと組む相手として申し分ないと思ったのですが、実は彼女の私生活はかなり怠惰で... 羞恥心はあるようなんですが、なぜかぱんつをさらすことが多いようです。フウトとの出会いシーンでも、ぱんつ晒していたし、勇者デビュー戦では、ぱんつ丸出しで頭からめり込んでいるという...どうなんだろ?

勇者とはかくあるべしという思い込みが激しいフウトと、まったく違う価値観を持ったフィオーレ。相反する二人は、それが故反目しあうのですが、勇者仲間たちと触れあううちに、お互いを認め合っていくようになり、フウトの秘められた力が開花していくという、成長物語になっています。この作者さんの定番ですね。

偶発的に起こると思われていたモンスター出現ですが、どうも黒幕がいるようで、勇者システムもその黒幕が噛んでいる模様。純粋にみんなを護ろうとする勇者たちは、どのように成長していくのでしょうか?

★★★
タグ:★★★
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2014年05月09日

深山さんちのベルテイン(3)


著者:逢空万太
出版社:GA文庫
深山さんちのベルテイン(3)

男の娘が主人公。そんな琥太郎を「男」にしようと、天才科学者でもある母親が差し向けたのは、メイドロボのベルテイン。ベルさんは、通常モードは60cm程度の美少女(幼女)。語尾が「であります。であります。」という独特のもの。この姿は省電力モードで、短い時間であれば美女な姿(セクスドフォーム)になることも出来ます。で、美女モードのベルさんは、妖艶でコタローを男にしようと誘惑します。このシーンでは、コタローは「女の子」ではなく、男の子のようで、とある反応もしているようですね。でもどんどん本筋からは関係のないエピソードになってきました。もうコタロー「女の子」でいいじゃないの? という感じですね。

今回の季節は秋。ということで、スポーツ(ボーリング)、行楽、学園祭が描かれています。各章は事実上独立した話になっており、どこから読んでもさして問題が発生しないつくりになっています。

今回も、幼なじみの理々はツンデレ暴走中。彼女は、逆に女の子としての自覚がどこかで欠落しているようで、相変わらずぱんつ見せまくっています。コタローを目の敵にしているはずの不良グループリーダーのコタロー好きは、どんどん悪化してきているようで、すでに不良ではないような...

ほんわかゆったりした作品なので、これといったストーリーはありません。がまったり楽しむのには、いいのではないでしょうか? また作品内には、作者の他作品キャラが登場しています。『ヴァルキリーワークス』の主人公カップルや、私は読んでいないのですが『ニャル子さん』の登場人物も出演しているようです。さらに、作者(マンタ=オニイトマキエイ)も登場しており、クロスオーバーが進んでいるようですね。

2巻と3巻で2年以上あいた作品。次巻は、もう少し早くでるといいですね。

★★★☆
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2014年05月07日

オタク荘の腐ってやがるお嬢様たち


著者:長岡マキ子
出版社:富士見ファンタジア文庫
オタク荘の腐ってやがるお嬢様たち

主人公は一昨年まで女子高だった清聖学園に通う霧島英君。母親がその学園の学生寮の寮母だったこともあり、元女子高に通うことになりました。学生寮は「オーガスタ・クリスタル荘」、通称「オタク荘」。その名に反するように寮生は、小説家・陸上部のエース・天才発明家・アイドル(自称ではなく)といった美少女ばかり。ところが、それは表の顔で実際は...ってもうタイトルでわかりますよね。メインヒロインは学園内でトップの人気を誇る生徒会長・御車響子。彼女もBLが趣味という秘密を持っています。

ついでにいうと、英君も中学時代までは生粋のオタクだったようで、高校に入るときに「友達がたくさんできるよう」「目立たないよう」オタクな趣味を封印しています。って別にいいじゃん。オタクでも。

そんなある日、響子の秘密を偶然知ってしまい、それがきっかけでとあるイベントに一緒に行くことに。この導入って、なんか他でも見たことあるなあ。響子は同人誌を読むだけでなく、自らも同人出版をしたいと考えている漫画家志望。それも本人には自覚がないものの、pixivでランカーになる実力者。あれ? この設定もどこかで見たような?

まあBLという要素を除けば、ありがちなラブコメです。それにBLという要素を足したことで、そこそこありがちなラブコメになったといった感じですね。基本響子が素直ないい子なので、安心して読むことができるラブコメになっています。無駄にツンデレやらヤンデレになっておらず、一直線ですからねえ。その方向が問題なだけで...

クライマックスは、非現実的なことばかりで盛り上がりにかけているのは大問題。ハプニングの一つ一つが「それはないだろ」という感じなのが残念ですね。

一応続くようです。そのためにヒキがあります。が次巻は、腹黒ヒロインに振り回されることになってしまうのかな? そうすると読みづらい作品になりそうですね。

★★☆
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コンプリート・ノービス(2) 憂鬱なソーサラー


著者:田尾典丈
出版社:富士見ファンタジア文庫
コンプリート・ノービス(2) 憂鬱なソーサラー

主人公は1レベルのまま、MMORPG「アストラル・イノベーター」でチートとも思える能力を誇るイチノ。何者かによりゲーム内で人格データを分割されてしまった妹を助けるべく、日々ゲームを続けている。ゲーム世界に人格データをダイブインさせるタイプのゲームがテーマなんですね。これってSFでもありましたが、ノイズが発生した時どうなるんだろう?

それはさておき、今回は全長350メートルの超巨大モンスター・ケローネーがアップデートにより出現し、妹の人格データの一つが眠るバルバレッド洞窟を破壊。その後、イチノたちのベースキャンプがあるファルセリアに向かってきます。HP:50000000というモンスターから街を護るべく5大ギルドが集結することに。しかしながら、それぞれのギルドが優先権を主張し始め...イチノは、経験値よりも妹の人格データのほうが大切。しかもそれを他人に言うわけにはいかず、そのことが協力者・ユリ(昔のギルド仲間)の嫉妬心に火をつけることになってしまいます。

なんだかねえ、もうイチノがレベル1である必然性ないんじゃないかい? 一応妹の人格データが「レベル1」しか入れない洞窟(年に1回しか開かない)にあるからということになっていますが、なんか後付け設定のようになってしまっています。そもそも経験点はどうなっているんだ?

ラブコメの王道として、イチノはかなり鈍いです。まあ彼の唯一・最大の目的は、妹の人格データ(フラグメント)を回収することなので、仕方がないのかも知れませんが、軽い修羅場が展開されていたりします。ゲーム内とはいえ、下着姿を「イチノにだったら見られてもいい」だなんて、そりゃね。

今回の出来事により、イチノはさらに有名になっていきます。さらに当然というか種々の事件には黒幕がいるようで、そろそろ黒幕が表舞台に出てきそうです。それに伴い、自己中心な嫌な奴も跋扈しそうで、話が重くなっていきそうで不安ですね。イチノが少しずつ心を取り戻してきているのが、救いかな。

★★
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2014年05月01日

ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ・コスモス(3)この宙に誓って


著者:加納正顕/F.E.A.R.
出版社:富士見ドラゴンブック
ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ・コスモス(3)この宙に誓って

フェイドが、宇宙からの侵略者「ピルグリム」であり、127年後に地球に巨大隕石を落とし、侵略することが使命だったことが前巻で判明し、神戸第三支部やUGNはどのように対応するのか? コスモスシリーズの最終巻。

新しいダブルクロスのスタンダードを示すはずだったリプレイ。それが、ロボット支部長やオコジョのマスコットに入る知性体・フェイドなどによって、あらぬ方向に突っ走りだしたこのシリーズも今回で完結です。

前巻では、たっつんに「春」が来るところでしたが、オーヴァードとしての自負が、その春を逃がすことになっていました。今回は、それで命拾いしたそよぐが、ヒロインの座一直線という感じですね。

メインエピソードは、フェイドによる地球侵略。彼(?)が記憶を失っていなかったら、もう地球は滅びていたのかも知れません。記憶を失ったことで、また今春そよぐたちと邂逅したことで、本来彼らが持っていなかった「友情」「愛情」といった感情を理解するようになり、使命を実行することに迷いが生じてきました。神戸第三支部は、フェイドが感情を理解していくのに最適の環境だったようです。青春まっただ中のたっつんとそよぐ。そよぐは、オーヴァードとして目覚めて間もないこともあり、普通の女の子としての感情を失っていません。この二人を見ているだけでは、理解が難しかったかも知れませんが、そこにロボット支部長・ユピテルの説明が入ることで、フェイドは順調に感情を理解していったようです。

この作品のよさは、メインシナリオ以外のお遊びシーンが適量含まれていること。UGN支部長会議は、話の流れ上必然ですが、それぞれの支部長の特徴をうまく生かしたシーン展開になっていますし、会議終了後、ユピテルとひかるが「お肌の維持は大変」という「なぜ、君たちが?」という会話を挟んできます。ベテランプレイヤーとGMのお遊びですね。
少し残念なのは、ラストの盛り上がりが弱いこと。エンディングフェーズ前のやりとりを文章にしてしまったため、意外性が消えてしまいました。エンディングフェーズとはいえ、もう少しそよぐたちの葛藤を入れて欲しかったな。

この4名によるリプレイの続編が出ることを期待しております。

★★★☆
posted by あにあむ at 11:44| Comment(0) | TrackBack(0) | ドラゴンブック