2014年03月28日

最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。


著者:みかづき紅月
出版社:富士見ファンタジア文庫
最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。

最近いろいろ話題(悪い方で)になった「妹ちょ。」のノベライズ版。原作漫画読んでいないのでこちらが初見。

人気作品ノベライズということで、設定はすべて理解していることを前提にストーリーが進んでいきます。なので、原作知らないと、主人公・有哉とヒロイン・美月の関係すらよくわからないままスタートしております。さらに幽霊少女・日和に至ってはもうなんのことやら...メディアミックス作品は、読者を選びますね。まあ漫画やアニメがヒットしているようですから、母数は多いし問題ないのかな?

ストーリーはあってないようなもの。兄と妹がイチャイチャするシーンが寸止めでグデグデと描かれております。特に前半はもう退屈そのもの。この作者さん確かジュブナイルポルノも書かれていると思いますが、この作品はそっちでノベライズしたほうがよかったんじゃないかなあ? 一応そういうシーンだけではなく、ラブコメ要素もあるとのことですが、それは見えてきませんでした。

また原作は、美月視線で描かれており、それを小説版では夕哉視線を基本にしたため、視点の移動が激しいとのことですが、確かにせわしないフレームワークですね。このブレが、登場人物の心情描写を妨げているのではないでしょうか?

原作を知らない人には、お薦めできません。いや知っている人にも辛いのかな?(原作もこんなノリなんだったらお薦めできるのかも)

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2014年03月27日

深山さんちのベルテイン(2)


著者:逢空万太
出版社:GA文庫
深山さんちのベルテイン(2)

男の娘・琥太郎が主人公の日常ショート・ストーリー。
季節は夏! ということで、琥太郎一行(ベルテイン・理々・耕平にディアナ様など)は海へ行くことに。そこで琥太郎がナンパされ。ということで、益々女の子に磨きがかかっていく琥太郎。ベルさんは、琥太郎のスカートを脱がすことは出来るのか?

基本ストーリーはありません。日常がゆるく描写されるという形式は1巻から変わっていません。主人公たちの立ち位置も変化なし。というより理々の暴力癖がさらに酷くなっているような気がします。今の琥太郎の姿(女の子)が許せないのはわかりますが、あまりにも傍若無人で少々嫌ですね。

琥太郎に「性的な意味で」刺激を与えて、本来の性別を取り戻すために送り込まれたはずのベルさんは、相変わらず無駄に性能のいいところを見せています。大人Verでの出番は、前巻より増えているのかな? でもきわどいセリフや行動は少し減ったようです。どことなく、琥太郎の現状を認めているような気もします。まあ、あまりここに固執すると設定が重くなりすぎますからねえ。

少しずつ「パターン」が定着してきた感があります。この手のお話はパターンが確立したほうが、長続きすると思うので、楽しみですね。

本編は、ゆるふわなテイストですが、本編より後に掲載されている『EX FILE.魔法使いを待ちながら・序章』は、雰囲気が大きく異なります。おだやかという点では同じなんですが、悲しいお話。序章というからには、続くのでしょうが、ふわふわした読後感を消してしまう気がするので、少し邪魔かなあ。

★★★
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2014年03月25日

思春期ボーイズxガールズ戦争


著者:亜紀坂圭春
出版社:電撃文庫
思春期ボーイズxガールズ戦争

第20回電撃小説大賞「銀賞」受賞作。
舞台は女性が強く、エロ本・エロ小説・エロ漫画といったものがすべて「否定」された世界。男子が性的なことを考えること自体が粛正される世界。というと、どこぞの法案へのアンチテーゼのようですが、内容はそんなことどうでもよくなるようなおバカなものです。そもそも設定が崩壊しているしね。

主人公は「男であり続ける」ことを誓った3人の少年。つまり、どうしようもなく思春期で、どうしようもなく女の子のことが知りたいお年頃...そんな彼らに対抗するのは、男子矯正委員会と生徒会。少しでも性的な眼を向けると、顔が変形するほど殴る中崎ミイナたち。

ということで、思春期をこじらした馬鹿三人組が、なんとかしてエロ漫画を書こうというストーリーです。「男子制限法」という法律で、あらゆる猥褻図画が存在を許されなくなっているという割に、簡単にそういったものを入手できているもんなあ。この矛盾を忘れられるほどの勢いはなかったし、理論武装もできていなかった。さらに女性陣の行動指針がよくわからないんだよなあ。ヒロインの一人がくまさんパンツ穿いていたというのも、結局生かされていないし、主人公に惹かれていく課程もよくわからない。まあ人を好きになるのに理由はいらないけど「男子制限法」が邪魔するんだよなあ。ヒロインズの中では、当初主人公・マサミチの思い人らしい門倉さんが突然フェードアウトしている。まるで、作者に忘れ去られてしまったように...

全体的に広げた風呂敷の中で迷子になっているという感じ。拮抗するヒロインズを減らせば、もう少しわかりやすくなったように思います。それに、女性陣の男性の扱いが酷すぎる。こんな状況まで追い込まれたら、もっと社会問題化しているよ。思春期の馬鹿騒ぎじゃすまなくなっていそう。

こういったお馬鹿ネタを持ってくる時は、勢いで押し切るか、もしくは逆に理詰めでいくかのどちらかでないと、破綻部分ばかりが目についてしまいます。トータルでは面白いほうだと思うので、次回作に期待といったところでしょうか?

★★☆
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2014年03月24日

落第騎士の英雄譚(3)


著者:海空りく
出版社:GA文庫
落第騎士の英雄譚(3)

スタート時は、ラブコメ中心の異能バトルだったはずが、どんどん陰謀中心の暗い話になってしまいました。今回は、学園編の最終巻。前巻途中から出てきた黒鉄本家の胸くそ悪さといったら。読み続けるのが辛い作品になっております。

「能力がない」という理由で、息子である一輝を捨てた本家。その一輝が想像以上に力をつけてきたため、今度はつぶそうとする本家。力あるもの同士が、自らが背負っているもののために戦う中、一輝は...

前半の見所は、珠雫と刀華の闘い。こちらは、お互い全力(ではなかったようですが)で戦うという負けは悔しくても、彼我の実力差ということで納得できるもの。そんな闘いが進む裏では、本家の卑劣な罠により、一輝が囚われの身となり、ステラとの絆さえ引き裂かれることになります。もうこの中盤、何度読むのをやめようと思ったか。敵は人間の屑としかいえない輩です。これが主人公と血のつながりがないような、カルト集団やテロリストだったら、敵役として際立ったのでしょうが、本来一輝を助け導くべき実の親。その親に否定され、最後まで信じていたはずの父親にさえも否定されてしまえば、そりゃ精神が崩壊することになりますね。心の病と、本当の病により、ボロボロになった一輝は、刀華に勝つことができるのでしょうか?

と重いストーリーを先に出しましたが、本来基本はラブコメだったはず。実際、この巻でもステラと一輝の初々しいラブラブぶりが描かれております。二人一組で謎の巨人を探している最中にステラが体調を崩し、しかも雨に濡れてしまい、偶然見つけた避難小屋へ。ステラにとっては、生まれて初めてひいた風邪ということで、対処方法を知らなかったため、ほとんど動けなくなってしまいます。濡れた服を脱がないと体温を奪われるというお約束の展開になるのですが、服すら脱げなくなるステラ。仕方なく一輝が服を脱がしてあげるのですが、そこは思春期男子。相手は自分が一番好きな女の子。必死で理性を保ちながら、ブラもはずしてあげます。本人は平静を保てたと思い込んでいたのですが、ステラから下半身の変化を指摘され、さらに「私としたい?」と聞かれ...一輝はがんばって耐えましたが、普通無理だよね?

すべてを否定され、それでも一輝がかろうじて闘いの場に来られたのは、ステラという存在の大きさ。ラブコメで始まった話の中で、ステラ一筋な一輝。そしてそれを受け止めるステラ。純愛物語なんですね。

次回からは、七星剣武祭が舞台になるのでしょうが、まだ黒鉄家による陰謀は続きそうです。これ以上歪んだ家系の巻き添えにならないで欲しいですね。ステラ・一輝の純愛カップルと、無茶苦茶強いけど、ドジ娘な刀華たちによるラブコメだけでがんばって欲しい...無理だろうな。

★★
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2014年03月20日

その設定をやめなさい!


著者:葉月双
出版社:GA文庫
その設定をやめなさい!

中二病改善委員会というよくわからない活動をしている元中二病患者・高見沢海斗が主人公。一応ラブコメのようなんだけど、すべてが低レベルでした。よって地雷認定。

登場人物すべてが「少し(かなり)変」という作品ですが、その「変」さを生かせていません。キャラへの思い入れがあまりないのか、文章構成の問題なのか、キャラがまったく動いていない状況です。一応ラブコメのような感じになっているのですが、キャラが動いていないし、会話の妙もない。かといって、中二病全開な壊れた会話でもない。すべて「恐る恐る中途半端にまとめました」という感じです。ヒロインの性格もとってつけたようで、必然性を感じさせません。

うーん、テーマが悪いのか、この作者さんの特性なのか? 後者だったら作者ごと「地雷」ですが、そうでないことを祈ります。

タグ: 地雷
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2014年03月19日

アリアンロッド×アルシャード コラボ・リプレイ アルディオン・ナイトメア


著者:鈴吹太郎/菊池たけし/F.E.A.R.
出版社:富士見ドラゴンブック
アリアンロッド×アルシャード コラボ・リプレイ アルディオン・ナイトメア

F.E.A.R.20周年記念コラボの富士見ドラゴンブック版。こちらはアリアンロッドの世界に、レーベルの壁を越えて、ナイトウィザードの柊蓮司、ビーストバインドのレヴィヤたん、トーキョーN◎VAのカーロス、アルシャードのシェルリィが召喚されて世界を救う!
ファミ通版に出てきたPCは、すべて馴染みがあったのですが、こちらでは下る男・柊と青の導師・シェルリィ以外の二人はまったく知らない。そもそもリプレイ自体読んだことがない(もしくは存在も知らない)。そんな状況だったので、ファミ通版のように楽しめるか不安だったのですが...いいほうに裏切られました。元キャラを知らなくても、充分に楽しめるリプレイになっていました。

お祭り企画でもあり、特殊ルールでのリプレイなので、いつも以上にご都合主義がありますが、そこはそれプレイヤーたちの百戦錬磨な会話術で、楽しませてくれます。色気のないパーティ(いや、PCは2人女性ですが)にも関わらず、もう一方のパーティに負けず劣らず明るい雰囲気になっています。

シナリオ自体は、ファミ通版同様シンプルなものになっており、奈落によってアルディオンに様々な「悪」が引き込まれてしまったため、因果律が崩壊。すでに死んでいるはずの人が「生きている」かのように甦ったり、街が荒廃シテシマッタリ...それをPCたちが救うというもの。一本道シナリオですが、要所要所で、各リプレイの因縁の敵や、PCがNPCとして登場しています。メタメタ軍師も存在。というか、彼がいなかったらプレイヤーに情報を渡せなかったのでは?

さらに、レヴィヤたんは、他PCを「リプレイ本」で知っているというメタな設定。もう何が現実なのやらな状況に陥れます。レヴィヤたんは、GM殺しだけでなくPCからも重要な情報を引き出しております。そうついに柊が、あの人への想いを激白! うん、こんなセリフTRPGとはいえ、矢野さんじゃないと言えないよ。

区切りのお祭りとして、楽しい企画でした。

★★★
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2014年03月14日

いずも荘はいつも十月 そのいちっ!


著者:三門鉄狼
出版社:オーバーラップ文庫
いずも荘はいつも十月 そのいちっ!

日本神話のみならず、世界のいろんな神話に登場する神様が大量におわす街が舞台。主人公は、高校生・明人。彼は、子供時代に神様に襲われたことが原因で、神様が見えるようなってしまい、襲われたトラウマから神様を嫌っています。高校入学に備え、両親が探してくれた下宿「いずみ荘」に引っ越すことになっていましたが、不幸なすれ違いから神様ばかりが入居(というか神様以外には見えない)している「いずも荘」に入居することになってしまいます。ま、若干自業自得というところもあるんですけどね。
いずも荘に入居を決めた理由は、管理人補佐である猫又少女(美少女)・猫子に懇願されたから(彼は、神位が高いので、いずも荘の主神となれるとのこと)...トラウマと目の前の美少女のどっちを選ぶかですね。

学校に入学すると、そこにはビッチなエロ神様・ウズメが明人を狙って色仕掛けしてくる。さらに露出度大の美幼女ワルキューレ・ロータに懐かれ「お兄ちゃん」と呼ばれる、下宿には箒の付喪神(これまた美少女)がツンデレして...なんだかリア充爆発しろ! な状態になっていく明人です。

前半は、猫子・ウズメ・ロータによる明人争奪ラブコメ(って、主にウズメが引っかき回しているんですが)が展開されます。見た目通りの癒やし系・猫子。ビッチ・ウズメ。ロリ・ロータとバランスのいいヒロインズによるラブコメは何も考えずに楽しめますね。ラブホに入ることになってしまったウズメが、実は...というお約束もありにやにや出来ます。

後半は、神様同士の争いに発展。といってもその原因は、ロータがとられると思った父親の暴走ですが... なぜ北欧神話の神様って、中二病設定にされやすいのでしょうか?

ヒロインズが魅力的なラブコメはおもしろい! まだまだ変な神様がいそうな世界観ですから、もう少しネタが楽しめそうですね。

残念なのは、イラストかな。好みがあるでしょうが、私にはダメな絵柄だった。非現実なバランスや、反射なのかなにかの水分なのかわからない陰影...下ネタはあるものの、さわやかなラブコメには合わないなあ。猫子がしているのもチョーカーじゃなく、単なる「首輪」にしか見えないし...

最後に...付喪神が話せるようになると辛いですねえ。エロ本だけでなく、あんなところも見られていたなんて...しかもそれを告げられる(相手は美少女)明人...ご愁傷様です。
★★★☆
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2014年03月12日

四百二十連敗ガール(4)


著者:桐山なると
出版社:ファミ通文庫
四百二十連敗ガール(4)

あらすじ書くの難しいんで、「BOOK」データベースより引用。
嵐のような一学期が終わり、待ちに待った夏休み!デレプリ以降デレ化が止まらないジェラ空木にハメられ、藤棚メンバーは園芸部員として合宿へ旅立つ。美少女三人との旅行ムードと高原の開放感、そして他校の生徒も女子ばかりというロケーションにエクストリーム状態のハルだが、彼が知り合った二人、茜と英梨香は毒空木の過去に関係していて―!閉ざされた毒空木の気持ちを前に迷うハルは…!?

ということで、毒空木があまりにもうっとうしかった4巻。もともと面倒くさい性格でしたが、それが話のテンポを悪くしていたのですが、今回の中盤は本当に嫌だった。過去の出来事が原因で、今の毒空木の性格ができあがったということですが、それだけでかたづけられないくらい、ひどいものですね。本当はいい人という設定なんでしょうが、文章からは、毒部分しか見えてこないんです。1巻と同じ状況かな? 2巻、3巻と少しずつ文章がこなれて「いいところ」が見え隠れするようになってきたのですが、今回は元に戻ってしまった。

たぶん、登場人物(それも毒空木の過去や、メインテーマの告白ツアーに大きく影響を与える、主役級)が増えたため、コントロールができなくなってしまったという感じです。
ラストは、かなり強引ではあるものの、きれいにまとまっていますので、もったいないなあ。

★★☆
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2014年03月10日

城ヶ崎奈央と電撃文庫作家になるための10のメソッド


著者:五十嵐雄策
出版社:電撃文庫
城ヶ崎奈央と電撃文庫作家になるための10のメソッド

主人公は、一ノ瀬渉。この作者さんの主人公らしく、恋愛には鈍感でごく平凡だけれど、すごくいい人。さらに子供に好かれる。特技はないけれど、そして好きな子のことには一生懸命になれるという主人公。ヒロインは、前向きで明るい美少女・城ヶ崎奈央。こちらもこの作者さんヒロインの標準形で、友達にも言ってない秘密があり、強面のお父さん、優しいお母さん、そして美少女な妹が存在。見事にテンプレだけど、この作者さんの場合、それが心地よい。下手に腹黒主人公やヒロインがいると、据わりが悪い作品になりそう。

奈央の秘密は「ライトノベル作家になりたいの・・・っ」というもの。偶然書店で、本棚の上にある本をとろうと一生懸命がんばっている奈央を見かけるところからスタート。妙にわたわたした彼女が落としていった原稿(って渉がすぐにわかったのは、渉が同居している保護者(これまたテンプレで、普段は役にたたないダメ大人。でも仕事はすごくできる)である従姉・トメ姉が編集者だったから...

原稿のタイトルは「黄昏暗殺神の憂鬱」いろいろと痛くなるものですね。翌日奈央に返そうとするのですが、チャンスが見つからない。切羽詰まった奈央が強引に連れ出す形になってしまいます。さらに慌てた奈央が、これもテンプレであるマウントポジションで渉にのしかかるというらっきーすけべ。でも奈央はそんなことより、小説の感想が聞きたい様子。渉の的確な感想(悪いところといい所両方)に感動し、彼に小説作成の手伝いを依頼します。思春期の男の子が、美少女の頼みを断れるわけもなく、快諾。

その後は、渉が乙女(トメ姉)にラノベ作家デビューの方法を聞き、それを2人で実践したり、体験するというのが主題になっていきます。ラブコメしながら、HowTo本の作りになっているんですね。実在の電撃文庫作家や、編集者さんも登場しますが、さほど楽屋落ちになっておらず、あくまでもラブコメ主体に読ませてくれるので、楽しい作品になっています。

2人で体験するのは、クリスマスデート。喫茶店でカップル飲みしたり、イルミネーション見に行ったり...ああ甘酸っぱいわあ。しかも雰囲気にのまれキスしそうになったり。ってもう二人付き合ってんじゃん。

乙女の計らいで電撃文庫編集者に感想をもらい(かなり辛辣なものではあったけど)やる気になった奈央は、自分の家に渉を呼び、一緒に電撃文庫大賞応募作品のテーマを探すことになります。もうこの時点で親公認。妹さんには、完全に懐かれといつものパターン。
小説のテーマ=一番書きたいこと=自分が一番気持ちいいこと ということで、奈央が一番気持ちいいことを探そうとしているのですが、これって言葉尻だけ捉えたら、お父さん真っ青になりそうですね。「私の一番気持ちのいいところを探してください」...

テーマが見つかってからは、合宿と称して、奈央の家で執筆活動が続きます。最初は怖そうだったお父さんにも晩酌(ノンアルコール)を誘われるくらい認めてもらえたようだし、妹は好感度MAX。渉の保護者である乙女も、奈央のことを気に入っており、しかも二人とも相手のことを意識しており...もう寮両思いですね。今回は、家柄の違いや、兄妹のような感覚からの脱却といった「壁」がありません。そのぶん、展開が早いラブコメになっています。安心して読むことができるラブコメ。少し痒くなりますが、おすすめです

最後に奈央のセリフ
「──こんなことしてくれる人、初めて見た。もう、大好きだよ、渉くん♪」

★★★★
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2014年03月06日

妖怪青春白書 −雪雄くんと薫子さん−


著者:沖田雅
出版社:電撃文庫
妖怪青春白書 −雪雄くんと薫子さん−

主人公は、雪男な雪雄くん。ヒロインは、蛇女な薫子さん。
ある年齢(思春期)に到達すると、妖怪化してしまう世界が舞台。雪雄は、元々超イケメン(イラストはどうみてもイケメンじゃないけど)、薫子は品行方正な清純派美少女だったようです。この妖怪化は、特定植物の花粉が一定量体内に貯まったときに起こるということで、花粉症ですね。それは… 中途半端だといろいろややこしいらしく、一定年齢に達すると、そういう植物が多いところで林間学校が開かれるという…

内容は、雪雄と薫子がイチャイチャしているだけです。スッカスカです。ま、それは別にいいんですけど(いいんかい!)、下ネタが酷すぎます。それも薫子の下ネタが…別に「女の子がそんなこと言っちゃいけません!」とどこかの先輩みたいなことはいいませんが、限度があると思います。さらにこれは一般レーベル作品。そういった趣向を求めていません。

冒頭から、初めての経験をした翌朝の描写から始まっております。で途中で「合体」もします。それ以外も下ネタばかり。下ネタのせいか、ヒロインに魅力がありません。なんだか、その出自が原因で実家から狙われているという設定があり、主人公はそれを守り抜くんだと力んでいますが、それだけの魅力がある女性と思えない…

まあ表紙からして大概なものですし、文句言われる筋合いないということなのかも知れませんが、ここまで酷い下ネタ本は初めてでした。笑いどころがないというより、生理的嫌悪すら覚えるレベル。ああ、だめだ...久しぶりに地雷認定

タグ: 地雷
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2014年03月04日

魔王なあの娘と村人A(7)〜スラップスティックエブリディ


著者:ゆうきりん
出版社:電撃文庫
魔王なあの娘と村人A(7)〜スラップスティックエブリディ

個性者と村人のラブコメ。7巻目は、各章が独立したお話になっていました。クリスマス・正月・バレンタインといった冬のイベントが、各話完結でまとめられています。

もともと個性者は必要な時にしか村人(一般人)を認識できないという設定があったはずなんですが、主人公・佐東がいるクラスでは、日常的に一般人を認識する個性者が増えてきて、設定がどんどん薄くなっていますね。このまま行くと「少し変わった人たち」と「一般人」のコメディになってしまいそう。テイル・ユニバースという設定が厳しくなってきているのかな?

今回も、魔王・竜ヶ峯桜子の極端に回りくどい人類殲滅作戦が勃発します。いつものように、回りくどいだけでなく、なぜかみんなのためになる悪事(と本人は思っている)ばかり。魔王としてのアイデンテティが崩れかけています。一方、本来であればみんなを助けるはずの勇者・光ヶ丘翼は、みんなから疎ましがられる日々を過ごしています。まあね、翼の行動だけをみれば、はっきり言って邪魔な存在ですしね。この勇者と魔王の関係は、ドラクエによってできあがってしまったもので、日本独自のものでしょう。本来のRPGでは、勇者が泥棒することはないはずなんですけどね。ま、ドラクエをけなすのはこれくらいにして、本編に戻りましょう。

桜子の佐東への好意が、どんどん一途になってきているように見えるのは気のせいでしょうか? 魔王と村人Aという関係性よりも、気になる異性としての意識のほうが強くなってきています。もともと佐東を自分の所有物のように振る舞っている翼も、単なる幼なじみや、勇者と村人という関係を超えて、佐東を意識しているのが明白になるにつれ、桜子もエスカレートしていっているようです。さらに、クラス内にもカップルが誕生し、益々あおられているという感じですね。

今回で高校一年が終わったようです。次巻からは2年生編の予定。ということは、新たな個性者が登場するんでしょうね。果たして諸般の事情を超えて、続刊はあるのでしょうか?

★★★
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2014年03月03日

社会的には死んでも君を!


著者:壱日千次
出版社:MF文庫
社会的には死んでも君を!

主人公は、薩摩八平。彼には「ラブコメ現象」という呪いがかかっています。そのため、ちょっとエッチなハプニング−こえて女の子の股間に突っ込んでしまうなどなど−が起こってしまう。元凶は、八平に取り憑いている幽霊・香月。彼女の姿は、八平以外には見えないし、声も聞こえない。だから他人からは「見えない女の子」と話をするイタい男にしか見えない。それでも、香月と出会えたことを後悔しない八平。なぜなら香月が理想の美少女だから! ラブコメ現象の呪いが要因か、美人な義姉にはストーカーされ、ヤンデレとはいえ美少女な同級生に迫られても、香月を一途に思い続ける八平。 一途な愛のラブコメとなっています。

新人賞佳作作品ということで、まだまだ文章にはアラが見えるのも事実ですが、設定とテンポで最後まで飽きずに読ませてくれる作品となっています。これで構成が練られてくれば、かなり面白い作品になりそうな予感があります。先物買い的な意味で、お薦め作品かと。

今のところ、八平以外に香月の存在を認識できる人が登場していません。前半では、姉・霧子以外はその存在すら知らないという状態。まあ霧子も「八平の脳内彼女」と思っている節がありますけどね。これって、八平が「危ない人」になるだけでなく、香月にとって八平以外に意思疎通ができる人がいないという悲しい事実でもあるんですよね。この悲しみが物語のキーになっています。

香月は、八平を気に入っているようです。でも自分と八平は一生触れあうこともできないことを理解していて、八平が「実在」の女の子と仲良くなってくれることを表面上祈っています。そのため八平の前から消えるのですが...

八平は香月のことがあきらめられず、なんとか彼女を探し出そうとします。その姿をみて、香月は...他人には見えない存在との純愛。どれだけ周りから奇異の目で見られようと、その愛を貫く八平。「社会的には死んでも君を!」のタイトル通りですね。香月を追い続けることは、社会的な立場を危うくする行為。それでも香月を求め続けるという...

香月と八平だけなら、ピュアラブストーリーになりそうな作品。そこに他のヒロインたちが、ヤンデレとして絡んで来るので、ラブコメになっています。

なんせ残念なのは、構成力の弱さ。敢えてエピソードを時系列に並べなかったのかも知れませんが、読者を混乱させるだけで倒置のメリットが見いだせません。このあたりは、もう少し編集サイドで調整できなかったのでしょうか? それだけが残念ですね。

★★☆
posted by あにあむ at 14:53| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫