2014年02月28日

勇者と魔王のバトルはリビングで


著者:緋月薙
出版社:HJ文庫
勇者と魔王のバトルはリビングで

主人公は、高校生・倉橋和希。ラノベ主人公のテンプレらしく、両親は「どこかへ」仕事で出かけており、幼なじみが近くにいるというもの。少し違うのは、ヘタレではなく、鈍感でもなく、俺ツエー系でもないこと。でも中二病の痕跡あり。

そんなある日、異世界から魔王<カノジョ>が届きます。リアという美少女は、自らを魔王女と名乗り、和希はが異世界を救った勇者の末裔だといいます。自分は、その監視という名目で倉橋家に住み込むとのこと。王女らしくクールな物言いのリアですが、どうも和希に好意を寄せているようです。そんなリア(美少女)と一緒に過ごすうちに甘い雰囲気も生まれてきて。

という異世界ラブコメです。この作品のウリは「会話劇」ですね。テンポのいい会話が、ストーリーのリズムをよくしており、最後まで一気に読ませてくれます。異世界というキーワードがあり、バトルシーンもあるものの、基本は「日常系」なのも軽いノリにマッチしていますね。

リアは、クールを装っているものの、その内実は和希に対する好意がMAXで、わたわたしているというかわいらしい生き物。和希もリアに一目惚れしているので、そりゃいちゃいちゃするわな。で、そのままゴールインしそうなカップルですが、異世界では人族と魔族は、敵対関係。双方の王は「戦争反対」という立場ですが、勇者が火種として利用される可能性が高いということで、リアーナが監視役につくことになったという建前上、二人がそういうことしてしまうと、ハルマゲドンが発生することに...和希は、目の前に攻略済みの美少女がおり、同衾までしているにも関わらず手を出せないという状況。思春期まっただ中の少年にとっては、かなり辛い状況ですね。さらに、勇者としての力を覚醒させ、相手のステータスと本質を見抜けるようになり、リアが一途に自分を思っていることを知ってしまい、さらに悶々。

ヒロインは、他に幼なじみと男の娘が一人...幼なじみは、主人公にとって異性ではないようです。もう一人の男の娘はイスカという人族側の美少女(?) いや、見た目は超絶美少女で、話し方も若干少女っぽい。さらに家事は完璧で可愛い服が好き。ただ本人は「女の子ぽい」と自覚しておらず、将来は可愛いお嫁さんが欲しいと至ってノーマルな男の子...それ故、いろいろ混乱が生じています。リアたちは、イスカが男だということを信じられず、魔眼で男であると見抜いたはずの和希も最初は信じられない状況。結局、隠しようのないあそこを実際にみて確認しようということになり、「女の子だと思ってみらた男の子だった」場合と、「男の子だと思って見たらやっぱり女の子だった」場合のどちらが、ダメージが少ないかという論争の末、和希が確認したらやはり男の子だったらしく...
イスカは、元々リアと三角関係となるヒロインとして設定されたそうです。ところが面白くならなかったため、性別だけ変更したとのこと。なので、余計面白いキャラクターになったんですね。

サブキャラも個性豊かです。腐女子な担任(イスカに理想の「男の娘像」を見つけた)や、イスカに萌えたら腹筋30回、ムラッとしたら50回という罰ゲームで、黙々と身体を鍛えるクラスメイトたち...

和希の能力も面白いものです。ステータスが見えるというのはよくありますし、その名称が中二病的なもの普通。和希の場合、その日本語訳が本質をついたもので、さらにその時々に発症しているアビリティがわかるというもの。

和希の場合、
ライトニングブレイブ(閃光の勇者)⇒ ツッコミ役
エンシェント・トゥルーアイス ⇒ 元・邪気眼
サウザンドワーズ ⇒ 舌先三寸
ジャッジオブザモーメント ⇒ ツッコミの嗅覚

リアは、
ナイトメアプリンセス(夢魔の王女) ⇒ 夢見がちな王女
ネガティブワーズ ⇒ 素直じゃない愛【冷】
ベネトレイション ⇒ 純情一途
エルダーワイズマン ⇒ 耳年増

これは面白い...ツンな時はネガティブワーズ。デレた時はナイトメアプリンセス。この発想はいいなあ。

今回、物語としては完結しています。でももう少し続けて欲しいと思わせる作品ですね。バカップルな、イチャラブとも違うラブコメが癖になりそうです。

★★★☆
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2014年02月26日

リーディング・ブラッド(3) 鬼神の因果


著者:田尾典丈
出版社:ファミ通文庫
リーディング・ブラッド(3) 鬼神の因果

魅花、奈巳、凜々との同棲生活が落ち着きだした頃、鬼神を倒す方法が見つかります。鬼しか取り出せない「核」を破壊すること。あまりにも危険ではあるものの、凪紗や少女たちが因縁から逃れるための唯一の方法。すべてを断ち切ることはできるのか?

ということで、血統アクションコメディ3巻目。先にネタバレ気味ですが、今回「鬼神編」が完結しています。というか、作品そのものも完結してもおかしくない終わり方・・・つまりは、よほど人気がない限り続編はないと・・・(作者の中には、すでに構想があるようですが、世知辛いですね)

前巻にも少し出てきましたが、今回ついに禁断の「一子相伝」が行われそうに・・・幽徒との一子相伝・・・どこかの腐女子が鼻血出しそうな話題ですが。まあ幽徒が「一子相伝」を望んだのは、少しでも戦力強化しようとしたためであり、筋は通っているのですが、その方法や理論(一子相伝は、性交・出産・教育を一気に行うようなもの)を聞いても、ひるまないのは、なんというか、やはり「その気」があったのか? でもこの路線はお願いだからやめてください。誰も得をしません(^^;

そんなこんなで最終決戦に向かって、結束していくメンバーたち。最終決戦では、一子相伝で呼び出された子供たちも活躍します。しかし紗優の子供も召喚されるって、実の妹とああいうことしたってことになるんですよね。「可能性の一つ」であって、確定した未来ではないとはいえ、なかなか冒険ですね。(これで2回目か)

この時の紗優の気持ちはどんなものだったのでしょうね。万が一嫁が見つからなかった時の「補欠」としての立場。しかも相手は実の兄。うーむ。紗優がメインヒロインでもよかったような。少なくとも魅花より目立ってたよな。

今回かなり焦った感じがあります。3巻にまとめるつもりだったとのことですが、どうも「思ったより話が大きくなったけど、3巻までしか出版が約束されていない」ため、無理矢理押し込んだ感がありますね。

ヒロインたちの掛け合いが面白くなってきたところなので、少し残念ですね。すでにあるという続きも出版されたらいいな。

★★★☆
posted by あにあむ at 11:24| Comment(0) | TrackBack(0) | ファミ通文庫

2014年02月20日

小悪魔どもが俺の部屋を溜まり場にしている(2)


著者:むらさきゆきや
出版社:一迅社文庫
小悪魔どもが俺の部屋を溜まり場にしている(2)

二冊続けて、むらさきゆきやさんの作品。こちらはゆるゆるとストーリーもなく、日常(?)を切り取った四コマ漫画のような作品。各章も5ページしかなく、一応時間軸はあるものの、別にどの順番で読んでもなんとかなりそうなエピソードばかりです。

今回の季節は夏! 海だ!山だ!ということにはならず、相変わらず舞台は主人公・綾人の部屋。まあヒロインズが、アイドルという設定なので、海や山には行けないな。その分、綾人の部屋で水着になる(4人)だとか、暑いからと真っ裸で寝ている(洋琴)だとか、なぜか裸のイラストが描きたくなって、綾人だけ脱がすのは悪いと自分も脱ぐ(風子)とか、着物を着てきて、下着を忘れてきた(麗韻)とか、なんだろう、綾人爆発しろ! といいたいシーンばかり。さらに、麗韻に後ろから抱きつかれたり、と綾人くん、どうするおつもりですか?

妹の鈴華は今回も、いい感じにツンデレしています。「洋琴にお兄ちゃんとられた」と泣き出すところなんかは、もう可愛くて仕方がないですね。4人の中で、一番純粋な子なのかも知れません。

麗韻は前巻で、沈着冷静なお嬢様な側面と、百合百合なところを見せていましたが、今回は「年相応に見られたい」という甘えん坊なところも発見。

洋琴は、相変わらず「神」でしたが、アイドル家業に悩みがあるようです。それが原因なのか、綾人にも「想い」があるようで...平気で裸になる天真爛漫な子供から、少しずつ少女に成長しているのかも知れません。

風子は、よーわからん。ぽわぽわしたなんの警戒心もないロリ娘のようで、実はいろいろ考えているようでもあります。こちらも平気で服脱いだり、綾人にスキンシップを求めますが、天真爛漫というだけでないような...

綾人の呼び名は、師匠・下僕・アニキ(お兄ちゃん)・パパ...最後のはダメだろ。なんだか、いろいろ誤解を生みそうだな。

ストーリーが取り立ててないので、ゆったり読むことができます。舞台が変わらない・各章が基本独立しているという小説は他にもありますが(生徒会シリーズや、GJ部など)少し毛色が違って、楽しむことができます。細く長く続いて欲しいな。

★★★★
posted by あにあむ at 10:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 一迅社文庫

2014年02月18日

resire 〜繰りかえされる願い〜


著者:むらさきゆきや
出版社:ぽにきゃんBOOKS
resire 〜繰りかえされる願い〜

まずはじめに。「ゆうれいなんかみえない」の感覚で読むと、打ちのめされます。あちらも、人の心の汚いところが表現されていましたが、こちらはそれがより強調されており、依ちゃんがいない! うん、重要な違いです。

祈りを聞き届けるリプレア神の賜物「水晶片」に選ばれ、願いを奇跡に変える「祈祷者」。少年少女の祈祷者を集めた祈島の教導学院「千年教会」が舞台。主人公は、最低リアリティの水晶片に選ばれてしまった秋坂和馬。彼には、部屋に神を名乗る少女を飼っているという秘密があります。
ヒロインは「絶対人の頼みを断らない」人気者・七瀬雫。偶然彼女の裏の声(本音)を聞いてしまったことで、彼女とつながりが出来、さらに悪魔との闘いに巻き込まれていきます。

異能バトルとして定番のストーリーなんですが、なぜか読みにくいところがあるんですよねえ。たぶん、主人公の性格が問題。神様と契約したことにより(?)自らの「願い」がない。それでいて世間に対して無関心ではなく、優しいところがあり、どうやら異性にも興味がある模様。そう普通に「異性に気に入られたい」「ロリと思われたくない」という「願い」持っているんですよねえ。そのあたりの「矛盾」が話を重くしてしまっているような気がします。むらさきゆきやさんは、シリアスパートがあまり魅力ないんだよなあ。コメディ部分はキャラが生き生きとしているのに、シリアスパートになると、いきなり重くなってしまう。今回は、全体にその「重さ」が残ってしまっているようです。

ここまでが、小説として感想。いろんなサイトで書かれているので、もういいかな?とも思いましたが、やはり今後のこともあるので、クレームを。
挿絵の位置が間違っています(P61/85は逆)。完全にネタバレですよね。あの段階では、女神の外見やその服装について、本編に描写がありません。確かにカラー口絵にあるといえばそれまでですが... 他にも逆になっている挿絵が... さらにいえば、そのイラスト自体も。P147のイラスト。全体に暗くて、イラストの体を成していません。黒犬とはいえ、もう少し書きようがあったはず。例えば、背景を変えるとか...もしかしたら、イラストレーターさんは、カラーで書いたものを二値でモノクロに変換したのかな?
絵柄そのものについては、好みがあるので、仕方ないです(ははは、嫌いだって言っているようなものだな・・・作者名が違ったら、買っていなかったレベルだ)が、校正はできたはず。誤字脱字レベルじゃない間違い方ですよね。

うーん、続編どうしよ。本編以外のマイナス点が多くなりすぎて、ちょっと困ってしまいました。

★★☆
タグ:異能 ★★☆
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2014年02月14日

閃光のホワイトアウト


著者:明秀一
出版社:ぽにきゃんBOOKS
閃光のホワイトアウト

2013年12月に、ポニーキャニオンが立ち上げた新しいレーベル。その第一弾で、かつ新人さんの作品。

主人公は、どうみても美少女にしか見えない少年・佐倉松雪。本人は、男らしくなりたいと思っており、女の子を守ることが「男らしい」と思っている。そんなある日、姉から「電脳害悪駆除抗体」通称魔法少女として、サーバに巣くう悪質なウィルスと闘い、魔法少女のエース・闇の福音こと氷室詩織の身辺警護を依頼されます。詩織にはいきなり男であることがバレ、変態と罵られながらも、その一本気なところが気に入られてもいる模様。他の魔法少女からも、懐かれていますが、そちらは完全に女の子と思っているようなので、もしバレたらどうなるか?

端的にいうと、電脳空間で戦う魔法少女ものなんですが、最近流行の仮想空間として描かれており、現実世界の容姿がそのままアバターとして利用されています。本来であれば、本体は怪我をすることもなく、最悪でも管理者側から強制ログアウトさせればいいということだったのが、いつの間にか悪質なウィルスによって、ダメージを受けることにより、ウィルスに取り込まれるという事例が発生します。詩織も元凶である「クイーン」によって、妹が行方不明になっています。

少し変わっているのは、この魔法少女とウィルスの闘いが、ネット中継されているという点。中継で流されたコメントが、魔法少女の力の源になるという設定になっています。従い、美少女であるほど、強力な攻撃ができるという仕組み。主人公は、その見た目からとんでもない数のコメントを集めることになるのですが...さらにアバターが着ている服は、身体にフィットしたもの。現実世界の容姿がそのままということは、つるぺたな胸(こちらは需要ありそう)も、下半身に生えているものもそのまま。ぱんつ見られる=もっこり見られる=男とバレる=変態のレッテル貼られる=人生終了...ということで必死でぱんちらを防ぐ松雪。その仕草がさらに男の劣情をあおり...わからないでもないけどね。

基本コメディタッチでストーリーは進展します。松雪(ユキ)も、見た目はともかく、普通の男の子で、女装趣味がある訳でもないので、妙な方向には行きません。ラブコメとしても楽しめる趣向になっています。

問題は、動画サイトのコメント。設定は2030年ですが、今の動画サイトと同じような、見るに堪えないコメントばかり。それが基本真面目なはずの闘いの中に混じってくるので、気が散ってしまう。動画サイトコメントが面白いと思えない人には、辛いですねえ。あれがなければ、もっと面白くなったのではないかなあ...
「俺の嫁キタァアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!」
ほら、気が抜けるでしょ...

最後に、裏表紙のあらすじに苦言。さっきも書いたように、主人公は女装趣味ありません。ぱんつ見られることを嫌っています。なのに、あらすじでは

「パ、パパパパ、パンツ見せますッ! だからコメントください!」
 →こんなセリフ本文にない。
「いま、美少女な俺のパンツで、コメント数が急上昇!」

などなど、主人公が女装趣味で自ら進んで魔法少女になったように記載されています。これって完全に逆だから。ストーリーの根幹が間違っているから!

このあらすじ先に見ていたら、買わなかったでしょうね。出来がいいだけに、残念です。
★★★☆
posted by あにあむ at 13:51| Comment(0) | TrackBack(0) | ぽにきゃんBOOKS

2014年02月13日

永劫回帰のリリィ・マテリア(2)


著者:三門鉄狼
出版社:MF文庫
永劫回帰のリリィ・マテリア(2) elixir materia

コミカルなのか、シリアスなのかいまいちつかめない、独特のノリですね。ランドルフと名乗る謎の召喚術士によるクローディア召喚学院襲撃事件から一ヶ月がたち、アークと彼の召喚獣として蘇った幼なじみ・ユリノは、召喚対戦の真っ最中。ユリノを召喚獣ではなく、人として甦らせるための方法を探すために、召喚対戦の優勝者賞品である大学への推薦が欲しいアーク。前巻で戦った同級生である騎士姫・レイナとともに、騒がしくも充実した日々を送ってきました。そこに、突然新たな襲撃者が...その襲撃者はレイナの生き別れの兄...裏ではいろんな陰謀が見えてきて、これから! ってところなんですが、これが最終巻との噂が...なんだか中途半端なままですっきりしないですね。

召喚対戦に勝ち続けるという目標を立てていたアークたちですが、今回あっさりその目的を破棄してしまいます。まあ納得できないことはない理由なんですが、あまりにも急ですね。数巻分のエピソードをすっ飛ばしてしまったようで、スカスカになっています。

さらに、アークとユリノの関係も唐突に進展。国家の法律(主に倫理面なんでしょうが)により召喚獣のとの性行為は禁止されており、エロエロ迫るユリノからアークは逃げ回っていたのですが、突然ユリノに告白。別にそういうことをしても「かまわない」と方針転換。まあユリノが、攻められるとよわよわな純情娘ですから、そうなるまではまだしばらく時間がかかりそうですが、恋人として一歩踏み出したのは事実。そりゃまあ、お互い好感度MAXでスタートしていますからね。

もう一人、本来禁止されている性行為によって力を増していた召喚術士も中途半端な扱いのまま。

これで本当に終了というのであれば(なんとなくそんな感じですが)「大人の理由」によるものでしょうね。結局最後まで(と決めつけていますが)シリアスとコミカルのバランスがわからないままでした。どこに軸足を置くか決める前に終わってしまった感がありますね。うーむ残念。

★★☆
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2014年02月12日

ヴァルキリーワークス(3)


著者:逢空万太
出版社:GA文庫
ヴァルキリーワークス(3)

駄ルキリーことフェル子さんこと、フェルスズが居候している家の住人・理樹が主人公。本来単独でもかなり強いはずの戦乙女。しかしながらフェル子さんは、なぜか中途半端。なんせ「仮免許」ですから...そんなフェル子さんも、理樹と合体(キスがトリガ)すると、能力大幅Up。そんなこんなで、理樹およびその母親によって、おもちゃにされているフェル子さんに、今回さらなる試練が。結構前から登場しており、理樹を気に入っていたロスヴァイセ。白き駿馬という名前のごとく上半身が馬であるため、理樹の眼中になかったのですが、人間型の上半身を取得。しかもかなりの美少女(かつグラマー) そりゃ理樹も流れるよな。さらにそんな馬子さんも、理樹の家に住み着くことに...積極的な馬子さんは、理樹と混浴しようとしたり、夜中に理樹の部屋に忍び込んで、馬乗りに。で「一線を越えます!」と宣言したり...フェル子さんは、気が気でない。理樹はフェル子さんが「一番」と考えているようですが、その言動は、真逆。そりゃフェル子さん、ふさぎ込むわな...

今回、また新たな戦乙女が登場しております。で、当然のごとく理樹が口説き落とすのですが、このパターン、そろそろ飽きてきました。理樹が真っ当な人であれば、まだいいのですが、どうもその性根が「腐ってやがる」といいたくなるシーンが多いんですよね。基本理樹の一人称でストーリーが進行するので、いまいち彼の本心がわかりにくいのですが「大切に想う」割に、ひどい仕打ちをしているようにしか見えません。どうなんだろ?

3人目の戦乙女の登場によって、フェル子さんが、ヴァルキリーの中では異質な存在であることが判明してきます。今までも馬子さんのセリフに、それとなく混じっていましたが、今回は直球で「現実」を突きつけられるフェル子さん。理樹の件といい、厄日のようなフェル子受難の巻になっています。まあ、理樹はそんなフェル子さんを無条件に受け入れるのですが...

どうやら、いろいろときな臭い動きがあるようです。天界もまとまっていないようですね。さて、フェル子さんたち、ヴァルキリー(別名:残念な人たち)は、どのように難局を乗り越えていくのでしょうか?

★★★☆
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2014年02月08日

魔王と姫と叡智の書


著者:霜野おつかい
出版社:GA文庫
魔王と姫と叡智の書

主人公は、魔王・ディー。この魔王様、外道なことが嫌いで、ささやかな夢は「転職して美人のお嫁さんと静かに暮らしたい」というもの。側近からは魔王らしく、悪事を働けとせっつかれています。さらに、近隣のお姫様をさらってきて、陵辱の限りを尽くす、もしくは部下に陵辱させ、高見の見物をしろと迫られています。しかしながら、この魔王様は、紳士であり(当然童貞)女性慣れしておらず、ましてや女性を陵辱するなんてできない。そのため、攫われたお姫様は魔王城で大切に客人として扱われ、勇者が助けにきたら、そのまま国へ帰るの繰り返し。そのため、世間では「実家を離れて羽根が伸ばせる」と、攫われるのを待つ姫様まで現れる始末...

そんな折、またもや攫われてきたお姫様・アンジェの姿を見た瞬間、その容姿に一目惚れ。しかもアンジェは魔王を怖がったり、バカにしたりせず「魔王様、お会いしたかったです!」と好感度が高め。純情魔王様、どのようにアンジェの心をつかむのでしょうか?

ここまでだと、ファンタジーなラブコメを想像しますよね。まあね「叡智」という単語が入ったラノベでとんでもないのがあったから、そんな予感はしてたんだ。このお姫様の趣味が問題でした...「陵辱モノのエロ漫画を少々」...魔王ですら(いやこの魔王だからか)ドン引きするレベルの汁多めの成人向け漫画というか、同人誌の執筆が趣味。そう非常に残念な姫さまだったのです。

それでも、その容姿と趣味以外の部分には惹かれるものがある魔王様、気がついたら、原稿の手伝いまでしており...

どうしてこうなった? どこかにファンタジー落としていませんか? アンジェは漫画のこととなると、下ネタ(というよりもろエロ)トークが止まらなくなります。ネットへの書き込みでもそう。でも、ありがちなように「耳年増」で、受けに弱い。逆襲されると顔を真っ赤にして恥じらう...か、可愛いじゃないか。

基本、順応力が妙に高い魔王様と、残念姫さまのラブコメ。それも心情で表現するのではなく、ドタバタラブコメなので、内容は薄いものです。ファンタジーを捨てて、ブログなどを登場させた時点で重厚なストーリーは望めないのですが...一番芯にあるはずの「なぜアンジェがエロ漫画書くようになったのか?」も薄いですしね。数日分のブログで表現できるような内容であれば、たいしたことないわな。

文章そのものは読みやすいので、内容の薄さを気にしなければ、気楽に読むことができます。こういうラノベもいいですね。

★★☆
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2014年02月06日

桃音しおんのラノベ日記(2)


著者:あさのハジメ
出版社:講談社ラノベ文庫
桃音しおんのラノベ日記(2) 恋と夏休みと修羅場進行

どことなく「ゆうれいなんか見えない」や「ロウきゅーぶ」といった作品を彷彿とさせるという点は、2巻でも変わらなかった。

主人公は、高校生ラノベ作家・椎名歩。前巻で、天才小学生・桃音しおんと作家仲間になり、ようやく新シリーズのプロットが完成し、発刊に向けて前向きに取り込むようになりますが、突然発売日が1ヶ月前倒しになったことで、修羅場を迎えることに。さらにイラストレーターは、とても身近な新人さん。果たして、新作を出版することはできるのか?
前巻同様ラノベ出版が描かれていますが、それよりもラブコメに軸足が置かれてます。しおんが、歩のことを「男性」として意識しだしているのが明白になり、幼なじみ(というには付き合いが短いようですが)ナツメも、歩のことを...歩の心は、どちらにあるのか?

今回新たにしおんの友人として、女子小学生が一人追加されています。この子が、もう危ない...しおんの水着姿を見て鼻血を出す、双眼鏡で眺めてはぁはぁする...男だったら即通報モノです。際物キャラですが、今のところ存在意義が見えてこないのが残念。ストーリーに絡んでいないんですよね。この子の登場シーンをすべて削ったとしても、物語が十分成り立ってしまう。1巻からいた、歩たちの友人だけで十分。今後、うまく機能するようになってくれるのでしょうか?

2巻は、あざといヒキで終わっています。いや、尻切れトンボといったほうがいいかも。一瞬落丁かと思うほど、突然終了しています。次が楽しみというか、もう少しキリのいいところで終わって欲しかったというか...

なんか、文句ばかり言ってますが、もう一つ。しおんの「んっ」という口癖。思慮深いというのを表現しようとしているのかも知れませんが、文章になると少々鬱陶しいですね。
いろいろケチつけましたが、テンポよく読めるのも事実。しおんが大人びたところと、年相応の幼さを兼ね備えているのも好印象。どちらかだけだと、現実味なくなりますからね。しばらくは、楽しめそうかな。でも、歩がどちらを選んでも、選ばれなかったほうが、辛い結果になりそうだなあ。

★★★
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2014年02月05日

アリアンロッド×アルシャード コラボ・リプレイ ブルースフィア・デイドリーム


著者:鈴吹太郎/菊池たけし/F.E.A.R.
出版社:ファミ通文庫
アリアンロッド×アルシャード コラボ・リプレイ ブルースフィア・デイドリーム

「混ぜるな危険!」
F.E.A.R.創立20周年記念コラボリプレイの第一弾。ドラゴンブックリプレイのキャラがレーベルの壁を越え、ファミ通文庫に登場。

ドラゴンブックで展開されているリプレイシリーズのキャラが、ファミ通文庫で展開されているアルシャードセイヴァーの舞台・ブルースフィアの危機に降臨して冒険を繰り広げるというもの。
アリアンロッド・サガからは、ピアニィ・ルティナベール・フェリタニア
メタリックガーディアンより亡国の王女リニア・シャフト
ダブルクロスより全滅支部長・薬王寺結希
サイキックハーツより葬名煉
の4名がPCとして登場します。といっても、メタリックガーディアンとサイキックハーツは読んだことがないので、知らないキャラなんですが...

なんせ無茶苦茶なコラボのため、導入も無理矢理です。冷静に考えたら、各PCが、ブルースフィアの危機を救うのに手を貸す理由がありません(もっとも、プレイヤーにはあるようですが(^^;) そこはそれ、お祭りリプレイなので、プレイヤーもノリノリ。ブルースフィアで迎えるキャラは自らのPCたち。リニアは、途中から「やんす」ことベネットが顔を出しているし...

「レーベルの壁」が一つのキーワードになっており、今回ファミ通文庫側キャラは、基本エキストラ扱い。そのため、ベルちゃんたちもなにも手出しができない。もっともドラゴンブックから現れ、瞬殺された人もいますが。

なんせPCが楽しい。ピアニィはどさくさ紛れでケセドの杖を入手。。結希は、意地でも部下を持とうとし、しっかり全滅...とお約束を体現してくれています。さらに、怪しい敵が大集合。ピアニィはなぜか女子高制服に着替え、結希はドイツ民族衣装に着替えさせられ、リニアはベネットの影により全力バックダッシュするし...

完全にネタリプレイです。ということは、元ネタがわかっていないとなんだかわからない作品であるということです。私の場合、半分しかネタがわからなかったのが残念。トミーウォーカー関連リプレイは読んでいないからなあ。

さて冒頭の「混ぜるな、危険!」ですが、混ぜてしまったがため、混沌としております。それが面白いんですけどね。

もう一巻、ファミ通文庫がドラゴンブックに遠征したリプレイも発刊されています。そちらも楽しみではあります。PCは後書きで発表されていますが、それ以外にどのようなキャラが登場するのかな?

★★★☆
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2014年02月03日

コンプリート・ノービス レベル1の最強剣士


著者:田尾典丈
出版社:富士見ファンタジア文庫
コンプリート・ノービス レベル1の最強剣士

アストラル・イノベーターというMMORPGが舞台。近未来ということで、ネットワークにダイブインするタイプのMMORPGとなっています。ゲーム内での感覚は、かなり正確に現実世界に反映されています。ただ意図的に「少しだけ違う」という設定もなされています。理由は、現実世界の商品が売れなくなるから(お酒に酔えるのであれば、現実世界でアルコールを購入する理由がなくなる)というもの。このあたり「?」ではあるんですけどね。
ま、それはさておき主人公は、そんなゲームでレベル1であるにも関わらず、高Lvの敵を倒して、ミッションをクリアするコンプリート・ノービスことイチノ(ゲーム内での名前) 高レベルの敵であれば、かすっただけでも一撃死してしまうレベル1に固執する理由は、本編内で明かされています。
#ただし、なぜ彼がレベル1に留まれているのかは謎。普通、ミッションクリアしたり、敵倒せばExpが上昇し、自動的にレベルが上るのでは? あれか、昔あったゲームのように、特定の場所(神殿など)に行って、特定の行為(祈るなど)しないとダメなシステムなのか? まあ本題とは関係ないけど。
彼が、レベル1でも敵を倒せるのは、敵の行動パターンを1フレーム単位で認識し、反応しているから(ゲームシステムは240FPSだそう)まあ、チートな能力ですね。実際、イチノと戦って負けたヒロイン・サクラは「チート」だと彼をつけ回すことになります。

彼がレベル1に固執するのは、何者かによってゲームをクラッキングされ、妹・レナのゲームデータが8つに分解され、ゲームアイテムに押し込まれてしまい、現実世界に戻ってこれなくなったから...そのアイテムのうち一つがレベル1でないと入れないダンジョンにあることがわかっているので、レベルアップできない。さらにそのボスに負けないと、入手できない=負けたら終わりなので、最後でないと入れないという設定。ということは、逆に高レベルでないと入れないダンジョンにアイテムがあったら、レベルアップするしかないんだ...下手したら二律背反になるぞ、この設定。

ゲーム世界の話ではありますが、現実世界のしがらみがそのまま持ち込まれています。そんな中、イチノが「好きという思い入れ」だけで物事はどうにかなるといったことをほざいています。これには納得できないな。確かに、思い入れがないとどうにもならないのは事実ですが、その人が持っている「才能」により、大きく左右されることは事実。思い入れだけで、なんとかなるんだったらどれだけ楽か...妹を人質に取られた状態で、失敗の許されない環境にいるイチノに余裕がないのは仕方がないのかな? サクラと触れあうことで、後半は少しずつ余裕が出てきているのは好印象。人間一人では煮詰まるという好例ですね。

★★☆
posted by あにあむ at 11:54| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジア文庫