2013年10月29日

ヴァルキリーワークス(2)


著者:逢空万太
出版社:GA文庫
ヴァルキリーワークス(2)

駄ルキリーこと、フェル子さんこと、フェルズスと理樹の物語。前巻では、あまりにも理樹(とその母親)による、フェル子さんいじめ(主にセクハラ方向で)がひどすぎ、面白さ半減といった感じだったのですが、今回は母親がいないからか、理樹の本心が明確になっているからか、かなりマシになりました。

今回は3人目のヴァルキリーさんが登場。
「ああ……グラムかっこいいなぁ……欲しいなぁ……敵をぷすってしたいなぁ……きっと血と汗と涙を垂れ流しながら無様にのたうち回るんだろうなぁ……」
ってかなり危ないお方ようです。見た目は赤髪で気の強そうな美少女のシュヴェルトライテさん。でも剣デレで、若干ヤンデレ。どこまでも残念な彼女は、本名で呼ばれることはなく、剣子さんと命名されます。馬子さんといい、ヴァルキリーには「まともな」人はいないのでしょうか?

当初は、フェル子さんの持つ「グラム」を狙っていた剣子さんだったんですが、いつの間にか理樹の話術によって籠絡されてしまいます。別名「落ちた」ともいう状況。

前巻では、馬子さんに焼き餅を焼いていたフェル子さんですが、剣子さんは、馬子さんと違い人間の美少女。いろいろと想うところがあるようで、オロオロしながらも、理樹なくしては生きられない身体になりつつあります。そんなフェル子さんの姿に萌えるのが、正しい読み方かもしれませんね。

キスによる合体は、フェル子さんだけではなく、剣子さんともできることが判明。なぜかフェル子さんとの合体キスは、どんどん過激になるようで、すでに「人前ですべきではない」レベルに達しております。

剣子さんは、理樹に「はじめて」を奪われた形になり、結局理樹から離れられなくなりそう。さらに馬子さんがパワーアップして...フェル子さんが、心静かに過ごせる日々は訪れるのでしょうか?

ラストで、フェル子さんに関する「謎」が、剣子さんから示され、小動物・焼き餅・笑顔にミステリアスな女にまで駆け上がったフェル子さん。魅力が増してきましたね。

今回、理樹の母親が登場しなかったことで、バランスがとれたように思えます。このまま、母親が登場しないほうが、おもしろい作品になりそうです。

★★★☆
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2013年10月25日

今日も脱いでよ!二階堂さん!


著者:高橋とおる
出版社:オーバーラップ文庫
今日も脱いでよ!二階堂さん!

なんだろ? この作品。
−−−あらすじ
「着た服はすぐに脱いで、やつらに投げつけて!」
言ってる意味が分かりません!
エビのような何かに服を脱げと脅されたら、助けに来てくれた女性も一体なにをいっているの!?
抱きついてとどめを刺すってなに!?
おっぱいを押しつけろってなんの話ですか!!

ここまで−−−

主人公は、女子高生・二階堂杏。頼まれたら嫌と言えない性格の女の子。最初のシーンで、いきなりエビのような「宇宙人」に襲われます。それを助けた女性・颯花がいうことには、宇宙人にとって若い女性が出す「フェロモニウム」という物質(汗に多く含まれる)は、非常に危険な物質。一部の女性からは、この物質がよく出るので、狙われたとのこと...ラノベなので「どんな体質」かは詳しく書かれておりません。が「処女でなくなると分泌量が減る」ということや、風が吹いただけで、身体がビクビクする(驚くというより、性的な意味でしょう)杏や、その後出てくるヒロインズを見ていると「感じやすい」女性ほど出す物質なんでしょう。ラノベでなかったら、アウトな液になったのかな?

それはさておき、宇宙人といっても、どこか抜けているやつばかり。しかもヌルヌルやモフモフが多く、ヒロインズの胸や股に入り込むことが多い。それでヒロインズが嬌声を上げるという繰り返しになっています。うん、エロだけですね。もう少しひねりがないと、おもしろみに欠けますね。全編、杏の一人称で話が進みます。主人公だけは、もう少し清純なほうがよかったんじゃないかなあ。いや、清純ではあるのかもしれないけど、血気盛んな中高生男子でも、あそこまで頻繁に、ビクビクしないよ。
男が出てこないんですが、百合シーンも多々あります。寸止め描写なのですが、胸の状態は事細かで「先っぽが堅くなってつまみやすい」といったものまで。そんな状況だったら、実は下半身も大変なことになっていそう。最近は「イッてしまう」というのは、表現的にセーフなのかな?

文章は破綻していないものの、レーベル間違ってしまったような中途半端感が残りますね。一人称小説で、この設定。あまり無茶はできないだろうし、もう一ひねりしないと、飽きてしまいそうです。

★★☆
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2013年10月24日

風に舞う鎧姫(3)


著者:小山タケル
出版社:MF文庫
風に舞う鎧姫(3)

ブルマ見たさに、女子高に侵入。あっさり見つかりご用。その後なぜか女装して、その女子高に通うことになった明知慶貴が主人公のコメディ。その高校では、なぜかスカートが鎧になっていて、受けたダメージを肩代わりする=ダメージを受けるとスカートが破れていく=というおバカな設定があります。

前回の最後で、いわくありげな石碑をぽっきりと折ってしまった主人公たち。ボンドで止めておいたのですが、その程度で修復できる存在ではなかったようで...ってなら簡単に折れるなよ、といいたいところですが。「魔剣」の封印が解けたことにより、学園内に恐怖が、という展開はありえないようです。

オープニングは、プール授業のシーンから。慶貴は一緒にプールに入るわけにはいかず(そりゃね水着でばれるわな)見学−もさせてもらえず、後ろ向きに縛られています。当然水着姿がみたい慶貴。じたばたしていると、なぜかプール内の女子生徒の水着が破れ飛んでしまう! それは魔剣の能力が原因だった。

こんなオープニングなんで、魔剣は「すけべ」なおっさんと思いきや、とてもかわいらしい少女だった。剣から人型に変わると、服を着ていないという、ラッキースケベ仕様の彼女は、昔一番信頼していた人にだまされ、封印されたため、心を閉ざしています。

この少女の心を開いていくのが、今回のメインストーリー。まともな方法ではありません。慶貴ができるのはまっすぐ正直にいくだけ。世間では「変態」という方法で...

途中中だるみもありましたが、テンションが高いまま突っ走るストーリーなので、気軽に読むことができます。

★★★
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2013年10月23日

ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ・メビウス(2) 微笑むキミに会いたい


著者:中村やにお/F.E.A.R.
出版社:富士見ドラゴンブック
ダブルクロス The 3rd Edition リプレイ・メビウス(2) 微笑むキミに会いたい

裏切り者・UGN刻ヶ峰支部支部長、尾噛筐一郎が仕組んだループは終わったのに、新たなループが発生する。ループを引き起こす林檎の持ち主は、紅たちのクラスメイトである、伊武麻衣子。愛する人を失いたくないという気持ちと、ループを止めることとの二律背反に苦しむプレイヤー。さらに、新たな「裏切り」もあり...

ダブルクロスらしく、それぞれの思惑が交錯して、複雑な人間関係となっています。特に佐藤有世さんのキャラ・紅が、まっすぐなプレイスタイルで、キャラだけでなく、プレイヤーも本気で涙を流すというロールプレイ。ここまで、キャラに感情移入されるプレイヤーというのは、貴重ですよね。さらに天さん・墓守が、GMから渡されたメモを見て、壊れていく様も面白い。あづささん・アンゼリカは、抱え込んだ悩みを頑なになりすぎるわけでもなく、それでいて周りを拒絶するというすばらしいロールプレイをされています。さらにNPCであるはずのネズミの存在感もどんどん増してきて...キャラが抱える葛藤を、仲間が解決していくというわかりやすいリプレイになっています。

少々残念だったのは、有世さんが感情移入のあまり、涙を流しながら演じている時に、まわりが「冷めた目」というか、そういう有世さんを「笑う」ような表現があったこと。実際のセッション時は、必然の流れがあったのでしょうが、そこまで文字に起こしてしまうと、逆効果。まるで「真剣」なことを軽視する最近の風潮そのものに見えてきます。

次回で完結するようですね。林檎を使ったループは、いくらでも伸ばせそうですが、3巻くらいでまとめるほうが、間延びしないでよさそうです。

★★★
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2013年10月18日

わたしのスライムになりなさい!


著者:糸緒思惟
出版社:一迅社文庫
わたしのスライムになりなさい!

主人公は、現実世界ではぼっち属性の高校生・笠間爽司。時代は2020年と近未来。開発途上のヘッドセット型ゲーム機で、体感型ハンティングゲームを開始。オートでキャラを作成したら「スライム」に...最弱ではあるものの、あまりのかわいさにそのままプレイ。ハンティングを助けてもらううちに、アニキと慕うようになったアバターとリアルで会ったところ、なんとクラスにいる美少女・宇宙(ソラ)だった...彼女は、完璧オーラを発しているがため、実はボッチ属性...しかもゲームにはまっており、爽司を無理矢理連れ込んで、学校でオンラインゲームをやるための部活を作ることになります。

ということで、ゲームを舞台としたラブコメになっています。うーん、どうなんだろう?ゲームと現実のバランスは悪くないと思います。ゲーム廃人になっている訳でもなく、気がついたらリアルでも仲間になっていくという筋立ては面白い。ただねえ、少々下品が過ぎるような気もします(まあ、作者さんがそういう人だから、仕方ないのかな?)

所々に挟まるヒロインズによる「えっち」な発言。これが、少々鼻につくんですよね。現実の女性はそんなものかもしれませんが、爽司と出会ってさほど時間が経っていないんだし、もう少し控えたほうがいいんじゃない? こういう女性は苦手だ...特に、耐久型イベント内での、トイレ問題。野郎同士ならば、ありえる展開かもしれないが、これはないだろう...ペットボトルでの女の子の用の足し方なんていらないから。まあこっちも、作者が作者だからなあ。

ラブコメするなら、もう少し上品にして欲しい。もしくは下品に特化して、そういう需要を開拓するか...なんか中途半端でした。

タグ: エロコメ
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2013年10月15日

リーディング・ブラッド(2) 月影の秘事


著者:田尾典丈
出版社:ファミ通文庫
リーディング・ブラッド(2) 月影の秘事

主人公は、鬼と闘う一族の血を継ぐ末裔・相坐凪紗。その能力は一定年齢までに「適正者」と呼ばれる、瞳に紋章がある女性との間に、子を造らないと途絶えてしまう。そのため、妹・紗優の監視のもと、休みになるとお嫁さん探しという名のナンパを続けています。この妹も「適正者」で「万が一」の時の押さえを担っています。って、普通ならイヤだと思うのですが、ブラコンさんなので、そうなっても問題ないと本気で思い込んでいるところが怖い。

前巻で、適正者の紋章がある少女・魅花と出会い、告白までしたものの、あっさり振られてしまい(実際には魅花は振っていないんですが)、その割に魅花と同居することになった凪紗が鬼に襲われます。その際、狐のお面をかぶった式神使いの少女に助けられます。彼女は、幼なじみの奈巳に似ており...

今回は、幼なじみ回となっています。幼少時代には奈巳にもあったはずの「適正者の紋章」相思相愛だった二人は、結婚の約束もします。ところがあるときから紋章が見えなくなり、両親から「あきらめろ」と言われ、距離をおいていたはずの凪紗。奈巳も当然、凪紗のことを恋愛対象と見ていないと思っていたのですが...

最近不遇を担っている幼なじみが活躍しています。さらに鬼の一族・幽徒の姉・凜々も嫁候補に参戦してきて...名参謀? 紗優により、凜々・魅花・奈巳の三つどもえの争奪戦は激しさを増していきます。

凪紗の切り札「一子相伝」は、今回も炸裂するのですが、そんな中危うく新しい世界が開けそうなシーンも。詳しく内容を知らない幽徒が「オレともできるわけだな?」と発言し、さらに魅花により混乱度合いが増して...えー、そっちの世界に行くのであれば、読むのやめます!

ヒロインズが魅力的なこの作品。紗優がちょうどいい具合に、ブラコンなこともあり、ラブコメが大変面白くなってきています。さらに「一子相伝」という技?もラブコメを混乱させるのには最高の技。イチャ甘ラブコメとして、先が楽しみですね。

でも凪紗、重婚はいかんよ。

★★★★☆
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2013年10月11日

マゾヒスティック・エクスタシー(1)


著者:橘ぱん
出版社:オーバーラップ文庫
マゾヒスティック・エクスタシー(1)

「んっ、あっ、ああぁぁっ、なに、入ってっ、くるぅううううう」
エロコメです。
主人公は、千種光平。彼女を作ってイチャラブすることを夢見る普通の高校生...であれば、小説になりません。彼には、ある異能がありました。「悪瞳(あくめ)」という悪魔の呪いが...女の子をイヤらしい目で見てしまうと、その子を魅了してしまう。これだけなら、ある意味おいしい異能なんですが、その子とHしたりキスすると、生涯憎悪されてしまうという...ま、千人斬りとか言っている御仁には、それでもありがたい能力なのかな?

光平は、呪いを解くための方法を探して、幼少期を過ごした街に転校することになります。そこには、彼の初恋の相手でもあり、初めて悪瞳を使ってしまった美少女・早乙女沙月がいました。彼女は幼稚園の頃に、悪瞳がかかり、光平に会うたびにスカートをまくって、ぱんつを見せていたという...ところが、光平が両親の喧嘩によりこの街を離れる際に「本当は嫌いだった」と捨てられたという...ひどいやつですねえ。当然沙月と再会することになり、しかもまたもや悪瞳をかけてしまう光平でした...

そこに、光平の祖先に悪瞳の呪いをかけた張本人(狐)も登場し、いろいろエロい状況になりながらも、光平は自らの呪いを解くためにがんばり続けます。

光平が、極端なカタブツという訳ではなく、普通の高校生だというところが、この作品のいいところ。据え膳がいっぱい並ぶけど、その後の反動が怖いから手を出さない...その葛藤が面白く描かれています。さらに光平の妹の存在もグッド。お兄ちゃんのために、一生懸命がんばる彼女が、実はヒロインかもしんない。

沙月との関係には、この街独特の「家系による権力」も絡み合い、紆余曲折していきます。敵役は、わかりやすいくらいに嫌な奴だし、すっとするストーリーになっています。

重ねていいますが、エロ小説です。ヒロインたちは、光平の呪いにより性的に絶頂しまくります。そりゃ呪いの名前が「アクメ」ですからねえ。ぼかさず「エクスタシー」とはっきりくっきり明記されていたりして...

なんか艶めかしいヒロインたちが多い中、妹・ゆながくまさんぱんつで、清涼剤になっていることは否定しません...

★★★
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2013年10月09日

俺ンタル! レンタル男子はじめました


著者:水内あかり
出版社:一迅社文庫
俺ンタル! レンタル男子はじめました

主人公は、奥手な少年・有馬要。家族とともに、アメリカに渡ったけれども、引っ込み思案な性格などが災いして、引きこもり生活をする羽目に。そんな時、救いの手をさしのべてくれた叔母を頼って単身日本に戻ってくることに。そこで待っていたのは、穏やかな日常でありませんでした。

叔母・美波は、子供の頃から要を女装させて楽しんでいました。女顔であるがゆえ、見た目は美少女。そんな特性を生かして(?) 要が転校させられたのは「名門お嬢様学校」なぜか、クラスメイトにも気づかれず乙女として過ごすことになってしまいます。

彼の秘密を知っていた生徒会長・ほのかが、要を「レンタル男子」として派遣する新制度を発表。ある意味最大のモテ期を迎えることになる要。でも学校では女の子として過ごさなければならない...さらに最初に仲良くなった結花に男であることがバレてしまいます。結花は男嫌いだったので、避けられてしまうようになり...

一応断っておきますが、要は女装趣味があるわけではなさそうです。それよりも「女の子にモテたい」という健全な男子高校生です。子供の頃の女装写真などをネタに脅迫されて、仕方なく女装しているということになっています。その割に、女子高でうまくやっているようですが...

ラブコメとして、ありがちな設定です。でも結花をはじめとしたキャラが立っているので、楽しく読めました。

★★☆
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淫魔に狙われた俺のDTが危険なんだが


著者:瑞嶋カツヒロ
出版社:一迅社文庫
淫魔に狙われた俺のDTが危険なんだが

もうね、これラノベでいいんですか? タイトルからしてやばすぎなんですが。

貞操観念が異常に強い高校生・伊佐狩雄太(さかりって...)が主人公。彼の貞操観念が異常になった原因は、性に対して奔放すぎる両親をみて育ったため。いまだに愛人を作っては、いろいろな街で別居している両親...ああはなるまいと思いたいよなあ。

そんな雄太の元に、魔界から四姉妹がやってきます。彼女たちは淫魔で、雄太は「淫魔王」が転生した存在で、体内に眠る魔力を手に入れたいとのこと。その方法は、雄太とエッチをすること(先着一名=つまりあれだ、初めての相手でないとだめなんだ)。四姉妹はなんとかして、雄太と合体しようとするのですが、雄太は病的な女性恐怖症で、性的なことを考えると、心臓が飛び出すほど苦しくなってしまう。雄太のDTと生命は護られるのか?

えー、おバカなエロ小説ではあります。でも淫魔でありながらエッチなことが苦手なカナンがいるが故、単なるエロ小説ではなく、純愛ラブコメの要素もあり、なかなか楽しい作品に仕上がっています。まあ、根っこは「エロ」なんで、そっち方面に嫌悪感がある方には、お薦めできません。添え物として、受け入れられる方であれば、ラブコメとしても楽しむことができるのではないでしょうか?

難しいストーリーはありません。サクッと読める軽いお話です。息抜き作品として楽しむことができるのではないでしょうか?

★★
posted by あにあむ at 11:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 一迅社文庫

剣帝の女難創世記


著者:稲葉洋樹
出版社:富士見ファンタジア文庫
剣帝の女難創世記

主人公・中山戒が目覚めると、そこは異世界の女風呂の中だった...しかも入浴中の女の子がいる...彼女たちは戒を「異世界から召喚された英雄」と認識したとたん、恥ずかしがりつつもエッチなことをねだってきて...

異世界召喚型のハーレムラブコメですね。お約束として、戒は貞操観念が強く、置かれた状況を快く思っていません。そこですれ違いが発生するというパターンです。

召喚された場所は、ニブルヘイム王国王立士官学校。魔力を持つものが、班単位に分かれ、対抗戦を行い実力を高めていくという学校。戒が飛び込んだ女風呂にいたのは、次に負けると退学になってしまうという、全員落ちこぼれの班。「英雄とエッチをすると、最初の人だけ魔力が大きく強化される」と聞かされており、戒にあの手この手で迫ることになります。

それだけだと違う分野の小説になるので、対抗戦を軸とした学園生活も描かれるのですが、どうも薄っぺらいんですよね。ヒロインズに魅力がないからか、戒が現実を受け止めるまでの葛藤が描かれていないからか、すべてが絵空事・他人事のように進んでいます。異世界から召喚された英雄が主人公という小説は多々ありますし、「お世継ぎ」が目的で召喚されるという小説もあります。つまり「ありがち」な設定が重なってしまっているんですね。そうなると、キャラの個性で魅力を生み出す必要があるんでしょうが、それができていない。戒の異世界でのモチベーションが不明確なので、感情移入できないんですね。次巻以降、もう少しそのあたりが明確になれば、おもしろくなるかも。

★☆
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2013年10月01日

ソード・ワールド2.0イラストレーターリプレイ ガレリア×ダンジョンズ


著者:藤澤さなえ/グループSNE/ベーテ・有理・黒崎
出版社:富士見ドラゴンブック
ソード・ワールド2.0イラストレーターリプレイ ガレリア×ダンジョンズ

ソードワールドの挿絵を描いておられるイラストレーターを集めて行われたセッションを収録。二話構成で、一話目を藤澤さなえさん、二話目をベーテさんがGMを務めるという形になっています。

・アンティーク・ハンター
 藤澤GMによるセッション。例によって、剣と魔法の世界をなめています。最初は恐る恐るだっと思うのですが、この頃は堂々と、ファンタジーと相容れない世界観のリプレイを量産中。今回もその通り。ファクスだのメールだの回転寿司だの...これが平気で笑い飛ばせるならば、大丈夫。私はやはりダメですねえ。現代テクノロジーをリプレイにぶち込みたいのであれば、別システムで現代もしくは近未来を舞台にしたRPGにして欲しい。昔のSWの世界が穢されるようで...
 バランスミスは、もういい加減にしようよ。初心者をウリにしている間は「笑い」に変えられるけど、なんだかなあ。

・Oxes, Axes, and Labyrinth
 もうタイトルからしてまるわかりの、ベーテGM作品。「from USA」では、いい印象を受けなかったのですが(日米の文化差が誇張されている点。日本の娯楽作品かつファンタジーで、現代日米の文化差を論じられても)今回は、その独特の感覚がいい具合に笑いにつながっていました。もともと蛮族好きで、エッセンではアックスを購入するような人ですし、ファンタジーに対する思い入れは、日本人以上にしっかりしているのかも。
 さらにイラストレーターセッションということで、セッション内でラフ絵が必要なギミックを取り入れ、それを公開するという暴挙(笑)に出たことは、このセッションの特異性を最大限に生かしたお遊びですね。イラストレーターさんにとっては地獄かもしれないけど...(ついでに巻き込まれた藤澤さんにとっても)
「しゃべる牛」は少々やり過ぎ感がありますが、全体にバランスがとれていたのではないかな?


やっぱり、グループSNEは「記名式TRPG」が苦手ですねえ。各イラストレーターさんの特性が生かせていない。二話のラフ画と初心者プレイヤーの台詞くらい。せっかく記名式でプレイヤーを明かしたセッションを行うのであれば、もう少しやりようがあったと思うのですが。ベーテGM作品が、その方向性を示していると思うのですが、いかがでしょう?

★★☆
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俺の天使は恋愛禁止!(2)


著者:美月りん
出版社:電撃文庫
俺の天使は恋愛禁止!(2)

トップアイドルグループ「七大天使少女」の候補生となったソフィアの元に、CM出演のオファーが届く。喜ぶソフィアやトビオだが、要員不足からスタッフ打ち合わせなどのマネージャーを永久に託すしかなかった。その初回打ち合わせでいきなりトラブルが発生し...

ということで、格付けが厳格になった近未来日本が舞台のボーイミーツアイドルストーリー。アイドルたちは、みなレベルA。主人公である永久はレベルC。本来ならば接点が生まれないはずの世界だったのですが、偶然が重なり「七大天使少女」のメンバーからも慕われる(一部除く)立場になった永久。今回は、ソフィアのマネージャーを引き受けることになります。

CMスタッフとの打ち合わせ当日、避難訓練に巻き込まれ30分も遅刻してしまい、さらにはプロデューサー(同い年)とも大げんかをしてしまう。トビオは当然激怒するのですが、七大天使少女たちからは、応援され、CMストーリーのプレゼン合戦を行うことになります。

そもそも「プレゼン」がなにか理解していない永久。そんな状況で、プロ(売れっ子)に勝つことができるわけないのですが、まわりの協力により、異質ながらも形になっていきます。まあ、この方法は素人だったから使えたのであって、次からは無理な方法でしょうけどね。

前巻では、格差による軋轢が中心になっていました。今回は、格差というよりは「売れる」ということへの考え方の差がテーマになっていますね。よく言われる「売れる」と「いいもの」は別であるということが根底にあります。「売れるものを創る」というのも、当然一つの才能でありますが、素材を愛するということとは違うってやつですね。

なんの取り柄もなかったはずの主人公が、大人の世界で潜在能力を発揮していくという流れは、同じくアイドルを扱っている別作品と同じ手法。そのため、少々新鮮味に欠けるというのが正直な感想です。さらに「アイドルは恋愛禁止」を強調しすぎているが故、どうしてもラブコメが弱くなってしまう。もう少しうまく使えば、おもしろくなりそうなんですが、なんか一つ突破口が欲しいですね。

★★
posted by あにあむ at 10:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫