2013年08月30日

椎名町先輩の安全日


著者:サイトウケンジ
出版社:MF文庫
椎名町先輩の安全日

『101番目の百物語』のサイトウケンジさん新シリーズ。とはいえ、前シリーズとつながりがあるような、ないような...
今回のヒロインも「物語」に影響を受けています。物語通りに生きていく存在「ロード」と、その能力を分け与えられた眷属「ナイツ」
主人公は、桜田門 次郎という高校生。彼には普通でない過去があるようで、名前も出てこない妹や、消息不明の母親・桜田門 優都(おや? この名前どこかで)がいます。

メインヒロインである、図書委員の椎名町香夜先輩から「本日は安全日なので、私の部屋まで来てください」と告げられる。しかも「日が変わる頃に...」 もう健全な男子高校生であれば、いろいろ期待してしまうシチュエーションですよ。次郎も当然、その手の期待をして、コンビニで「買い物」をしようとするのですが、そこでは同級生少女がバイトしていた...お約束ですね。そんな軽いノリで進むと思ったところ、先輩の部屋である「時計塔管理人室」で、先輩は血まみれで倒れていた... しかも次郎も殺されてしまいます...メインヒロインと主人公が冒頭で殺されてしまうとは...

香夜先輩は「ロード」であるため、物語に書かれていない限り死なない。さらに、能力を眷属に分け与えることができる...ということで、次郎に『神性異能・タナトス』を分け与えることで、次郎はよみがえります。とある儀式(キス?)により、異能が渡されるようです。これで次郎は、基本「死んでも頭さえあれば=キスできれば?復活可能」となります。同じナイツである識とともに、香夜を殺した犯人を捜していくというのがメインストーリーです。

前作に比べ、わかりにくいかな? 特に次郎の過去がよくわからない。そのため、シリアスなのか、コメディなのかがわかりづらくなっています。もう少し物語が進み出したら、わかりやすくなってくれるのかな?

サイトウケンジさんの作品らしく、次郎を中心としたハーレムものになっていくことは、確かなようです。その点は安心のサイトウクオリティと信じて大丈夫なようです。

★★★
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2013年08月28日

花X華(8)


著者:岩田洋季
出版社:電撃文庫
花X華(8)

花と華。二人の「はな」が織りなす青春ドラマ。ついに最終巻となりました。
映像研として作り上げた「美桜の兎とアリス」 その次として、アドリブで小品の撮影に入ります。その中で、華さまと花が、夕への想いを綴り、アピール合戦へ...いつものノリで二人が暴走しかけたところで、葉奈子が現れ、花を取り巻く環境が大きく変わることになります。変わっていく花。それを目の当たりにすることで、夕や華がどう変わっていくのか...そして夕はどちらを選ぶのか...

最大の懸案事項である「夕がどちらを選ぶのか」に対して、明確な結論が出されています。とはいえ、その後若干グテグテになりかけておりますが...いずれにしても、バッドエンドにはならなかったとだけ書いておきます。まあ、これしかないよな。

二人の「はな」と夕のラブコメ(青春ドラマ)を最後まで楽しむことができました。まわりの人たちも含めて、高校生時代の甘酸っぱい(私には、まったく経験がありませんが)青春をムズかゆくも疑似体験できました。

ただ最後まで、理解できなかったのが葉奈子の行動原理。演劇や映画をまったく見ないからなのか、役者の才能に納得できない部分が残っております。今回は、その演劇シーンが多かったこともあり、読了するまでかなり時間を要してしまいました。そこが唯一のマイナス要素ですね。

華と花、さらに夕の今後について、読者が想像できる余地が残っているのも、シリーズとしていいですね。

★★★
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2013年08月23日

美少女宇宙人とふしぎ道具回収のはずが肌色展開すぎてヤバイ(1)


著者:遠野渚
出版社:オーバーラップ文庫
美少女宇宙人とふしぎ道具回収のはずが肌色展開すぎてヤバイ(1)

著者は、ジュブナイルポルノを主戦場とされているようで、一般ラノベには初進出。なので、一般小説と官能小説の違いに戸惑いがあるようで...さらにタイトルが長い! 長いタイトルは、はずれが多いんだよなあ...

とかなりマイナス要素を持った状態で読み出した作品。主人公・勇一朗が、学校に忘れたゲーム機を取りに行ったとき、宇宙船の墜落現場を見てしまう。そこには、宇宙船から脱出した美少女・リノがいて、彼女を助けようとした際、爆発に巻き込まれて怪我(感覚的には「人生詰んだ」というもの)をしてしまう。生命力が回復するまで、リノと同居することになり、墜落した際散らばってしまった「ふしぎ道具」を回収することになる...というドタバタラブコメ。

そこはジュブナイルポルノ作家さん。ヒロインとして、妹(小五)・愛美、幼なじみ巨乳・日和、お姉さん巨乳・ハナと取りそろえてきました。さらに本来なら死んでいたはずの勇一朗に生命力を分け与えるリノですが、その効率的な方法は肉体の接触。もう間違いない!という設定になっています。ラブコメとして面白い作品になってはいるんですが、ジュブナイルポルノにありがちな「ご都合主義」が目についてしまうのも事実。 リノが宇宙人だということを、打ち明けられても驚かないヒロインズ。「ふしぎ道具」の存在も疑わないヒロインズ...主人公は、寝ぼけていてもなぜかテクニシャン(なんの?)
それもこれも含めて、この作品なんでしょうが、あまりラノベというジャンルである必然性を感じることができませんでした。

作者さんのこだわりは「ピンクの先端」ですね。あとは「内股もじもじ」

これから先、ラノベに作者さんが慣れてくれば、面白くなるかも。

★★
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2013年08月22日

女子率の高すぎる水泳部で色仕掛けに負けた俺


著者:三葉
出版社:一迅社文庫
女子率の高すぎる水泳部で色仕掛けに負けた俺

ヒロインは複数ですが、珍しく幼なじみ押しの作品。主人公は、幼稚園から中学まで男子校育ちで、女の子への免疫をつけるため、元女子校で今年から共学となった「私立喜多学園」に入学。入学式で水泳部の瀬戸奏先輩に一目惚れ。でも彼には、水泳をやりたくない理由があって...

ハーレムではなく、幼なじみとひっつくよう、周りのヒロインが画策するシナリオになっています。後書きによると、作者の実体験に基づく部分が多いそうなんですが、どうもね、現実感が希薄なんだなあ。幼なじみである葉月が、主人公に見せる好意もいまいちはっきりしないし、水泳部の先輩たちの行為の必然性がもっとわからない。

ストーリーとしては、つぶれかけた水泳部に主人公を入部させるため、3人の先輩が色仕掛けを行い、主人公を陥れるというもの。まずは、部室で着替えをしているシーンを覗かせるため、双眼鏡をおいておく。さらに、双眼鏡を覗いているシーンを録画する...この時、友人が着替えシーンに気づいたのですが、双眼鏡でみなければわからない程の距離で着替えしているのって、なぜわかったんだろう? 部室に連行されると先輩たちがスカートをたくし上げ、ぱんつを見せつける... もうなにがなんだか。いくらエロコメだって、もう少し必然性を持たせて欲しい。途中から、ハンドボール部の部長が絡んでくるのも、よくわからん。溶ける水着もね...

先輩たちの行動が「部をつぶしたくない」ということに特化していれば、もう少しわかりやすかったんだろうけど、そうすると葉月の存在が邪魔になるのか...

★☆
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2013年08月20日

銀弾の銃剣姫(2)


著者:むらさきゆきや
出版社:MF文庫
銀弾の銃剣姫(2)
わふぅ! ガンソーディア Uであります。
世界の命運を左右する銀弾を預けられた...というか、魂を入れられてしまった「普通だった」高校生・蛍介が主人公。銃剣姫・ルノアと普通の高校生活を送ろうとするが、んなもの当然不可能な訳で...

前回、蛍介家のお風呂から秘密組織AAAのエージェント(美少女)が出てきましたが、今回も一人増えます。どうやらお風呂がワープゲートになっているようですね。今度の美少女は、あまり羞恥心がないようですね。次回も新キャラ増えるのかな?

ルノアの銃剣修理のために、蛍介ごと学校のスケジュールを臨海学校に変えてしまうAAAって...普通に考えたら、蛍介とルノアが「風邪ひいた」とかの理由を作ったほうが楽だったのでは? それはさておき、AAAの基地近くの南の島へ、学校ごと移動。臨海学校とはいえ、半日間は蒸し風呂テントで授業をするという律儀さもあったりして...
そんな苦しみを他の生徒が味わっている間に、蛍介はルノア・クロエ・ネネと全裸ビーチバレー...いや、ルノアとクロエは蛍介の「装備脱いだら」という言葉を、文字通り取り「水着」も脱いでしまったのですが...ネネは喜んで脱いでいたな...

そんな天国のような展開の中、銃剣姫・メイリンがルノアに勝負を臨んできます。メイリンはまだ10歳。でも辛い過去を持っているようで、上官命令に盲目的に従うという面と、10歳の女の子らしい面の二つをもっています。ルノアへの勝負も、上官命令だからという感じで...本来なら、そのままルノアとの模擬戦になるはずだったのが、蛍介のらっきーすけべにより、狐さんぱんつをさらすことになり、蛍介と模擬戦をすることに...

蛍介の不死身さに磨きがかかってきております。もうギャグマンガの世界かというほどの、不死身。シリアスなシーンが、ギャグに見えてしまうじゃないですか。

さて、今回10歳ヒロインが投入されました。ルノアが「わふぅ」という回数も増えました。狐さんぱんつも登場。「おー」としゃべるどこぞのひなちゃんのようなキャラも登場。むらさきゆきやさんらしい、ロリ満載となってきております。一時、登場人物の高年齢化が進んで、少々心配しておりましたが、大丈夫なようですね(笑) 蛍介は「ロリ」という称号も手に入れたようです。

★★★☆
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2013年08月19日

この部室は帰宅しない部が占拠しました。(8)


著者:おかざき登
出版社:MF文庫
この部室は帰宅しない部が占拠しました。(8)

もう少し続くと思っていたのですが、最終巻です。前巻で生徒会長が自らの家との関係を絶ってまで、学生主体で準備を進めた「鎮魂祭」がメインエピソード。その裏で、夕也とゆすら・恋子の関係が明確になっていきます。よくあるハーレム展開や、結論の先送りをせず、はっきりした回答をするところが、夕也らしいのかな。一番最初から、夕也が好きだった恋子。現状夕也の中で一番大きな比重を占めていると思われる、ゆすら。夕也がどちらを選んでも、まわりは納得しそうではあります。もっとも、その分選ばれなかったほうは、かなり辛いでしょうが... 二人とも、優しい女の子。恋子にとっても、ゆすらにとっても、夕也は初恋の相手。どちらも幸せになって欲しいな。

物語の中では、明確な回答が与えられていますが、結論が出てからのアフターストーリー(10年後)によって、すべての人が報われ、暖かい気持ちで読了することができました

当初は異能バトル的な部分もあったお話。途中からは、夕也の超人ぶり(機転のよさと、揺るぎのない強さ、さらには優しさ)がクローズアップされてきて、異能はどっかへ消えていき、甘々ラブコメに変わっていきましたが、今回すべてがうまく収まったという感じですね。今回の表紙イラストが、物語全体を象徴するものに感じます。

★★★★
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2013年08月13日

剣と拳の闘婚儀 黙って俺のヨメになれ!


著者:葉原鉄
出版社:一迅社文庫
剣と拳の闘婚儀 黙って俺のヨメになれ!

剣術・武術・気功が広まった、別の歴史。ライセンスをとれば、誰でも「闘技」ができる世界が舞台。主人公は、格闘技の達人...というわけではなく、女顔でかつ事情により闘技ができない宇上嵐太が主人公。ヒロインは、剣術の達人であり、美少女の岬白葉。ちょっとした勘違いから、白葉と嵐太が試合を行うことになり、白葉の妖刀により荒太の気脈が損傷。両腕が動かなくなってしまいます。白葉は責任をk菜時、日常の世話をするようになるのですが...

まず、嵐太の性格が受け付けない。無駄に斜に構えたその態度。イライラさせられます。白葉も、よくわからないですねえ。このあたりを受け入れられれば、話のテンポも悪くないのかもしれませんが、どうもね。

ストーリー自体は、単純なラブコメ+格闘技です。嵐太がまわりから敵視されるのは、嫉妬心が原因ですし、さほど込み入った感情が入り込む余地はありません。後半は、嵐太がまっすぐになってくるので、読みやすくなりますが、一本道ストーリーのため、あまり記憶に残らなかったなあ。

全体として、バランスは悪くないんですが、いまいち盛り上がれないまま終わってしまいました。

タグ:ラブコメ
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2013年08月10日

ろりひめさまの建国日誌(1)


著者:箕崎准
出版社:オーバーラップ文庫
ろりひめさまの建国日誌(1)

「抱きしめたら10歳でした!
いまはまだ小さいけど いつか、ぜったい大きくなる(※国の話です)」
というあおり。主人公は、MMORPGが好きな「普通」の高校生・海鳴和樹。両親が海外に行ってしまっているため、小学四年生の妹・芽衣と二人暮らし。ある日、座礁した船からメイドさんに「助けてください」と声をかけられ、救出した女の子は、独立国(未認定)のお姫様だった...そんなことから始まるラブコメ。

艦を独立国して運用するというのは、本当にある話ではあります。ただ、このガーランド帝国のお姫様は、日本のやんごとなきお方の孫である皇女さまや、某国大統領の娘と友人(?)という、ある意味本当のお姫様だったりします。

普段は、ガーランド号に臣民(ファミリア)である、アリス(メイドさん)とお姫様であるメリッサの二人で生活していたのですが、船の老朽化などが原因で座礁してしまったところを、和樹に助けられることに。人のいい和樹と芽衣兄妹によって、海鳴家に仮住まいすることになるのですが...メリッサを救助した際、和樹が人工呼吸を施した...これがメリッサにとって「初キス」となり、和樹に好意を抱き「夫になるよう」迫ってきます。小学四年ということもあり、和樹は「ロリではないから対象外」とはねつけるのですが、相手は女の子。好意を寄せられるうちに... そんな和樹を「とられる!」と慌てるのが幼なじみ枠の鈴華。「かずくんが、ロリに染まらないよう見張りのため」一緒に住むことに...かくして、一つ屋根の下に、同級生幼なじみ、巨乳メイドさん(少し年上のお姉さん)、ロリ娘お姫様、さらに皇女さまが同居するという、ハーレムが構成されます。
で、この和樹。MMORPGが得意で、かなり大きなギルドを束ねているという設定ですが、たぶんMMORPGよりギャルゲーのほうが得意なんじゃないでしょうか? もともと好意を持っていた幼なじみだけでなく、小学生ズを次々攻略しています。最初は、メリッサへの対抗心だけで、近づいてきた某国大統領ご息女も、最終的には攻略されてしまったようですし。

1巻ということもあり、コアメンバーの紹介といったエピソードが主になっています。まあ皇女・舞子が自衛隊を自由に操ったりと、ちょっと待てという設定もありますが、基本ギャグ路線で話が進むので、あまり違和感はありません。

今後も小学生ズは増えていくようです。どうも「10歳」がキーワードになっているようなんですが、この年代の女の子をヒロインにした作品って多いんですよね。それらに埋もれずに独自色が出せるか?

これから楽しみです。

★★★☆
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2013年08月09日

アイドル≒ヴァンパイア


著者:上月司
出版社:電撃文庫
アイドル≒ヴァンパイア

突然現れた金髪お嬢様が「さあ、私の下僕になりなさい!」と、いきなり主人公に噛みつきます・・・ 北欧からやってきた美少女は、フロンクルーグ王国の元・王女であり、吸血姫だった...そんな中世から抜け出したようなお姫様が日本でやろうとしていたのは「国民的スーパーアイドル」になること。人に「崇拝」されることにより、自身の「異力」が強まり、吸血姫としてのランクが上るため...らしい。で、たまたま噛みついた相手=主人公・奏太は、神通力の持ち主だった。しかも妹は、元・スーパーアイドルで、引退した今でも、親衛隊がいるほど...なんかもう「ラノベ」設定満載で話が進んでいきます。

いろいろ突っ込みどころ満載なんですが、そこはもうネタ満載設定のために、どうでもよくなってしまうというのは、ベテラン作者の陰謀なんですかね? 脇を固めるキャラも、巨乳な同級生、男の娘、M男(でも、交渉能力はすごいみたい)などなど、癖のある人ばかり。そのため、現実味がほどよく薄れて、無茶な設定もスルーできる作品になっています。

そりゃ現実に考えれば、国家があっさり統合することはないでしょうし、簡単にスーパーアイドルをやめることができるはずがない。でもそこは、吸血姫がいる世界。いいじゃないかい。

フェリシアの「アイドルになる!」という気持ちは、かなり強いもののようです。偶然とはいえ、最高のメンバーが揃っている地域に来たのも、彼女の才能の一つかも。

王道ストーリーであるが故、ヒネリがないのも事実。数巻であれば、この設定でひっぱれるでしょうが、あまり続くと薄くなってしまうかな?

★★☆
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アリアンロッド2E・リプレイ・ヴァイス(3) 全力少女と純白の絆


著者:久保田悠羅/F.E.A.R.
出版社:富士見ドラゴンブック
アリアンロッド2E・リプレイ・ヴァイス(3) 全力少女と純白の絆

シュヴァルツと同時進行だったヴァイスシリーズの完結編。白き薔薇の巫女について、最大の懸案事項が解決しています。姉妹の絆をテーマとして、そのテーマに沿った展開になっていました。姉を想う妹と、妹を想う姉。二人の想いは尊いものだったはずなのですが、それを利用しようとした奴がいる。そのことに気づくことができるかどうかが、シナリオの成否に関わっていました。

最初から利害が一致しているパーティではなく、立場も種族も違うメンバーが集まったパーティ。そんな彼らが、魔族に立ち向かうという点で、団結していく様はTRPGとして一つの完成形なのかもしれませんね。適度なギャグ、斜め上の解決法、あざ笑うかのようなダイスの目、いずれをとっても、久しぶりにおもしろいリプレイを堪能することができました。

一応白き薔薇の巫女編は完結したことになりますが、薔薇の巫女のすべてが解決した訳ではありません。もう一つのパーティが織りなす物語の終焉があって初めて、薔薇の巫女の物語が完結します。とはいえ、前回闘技場での邂逅シーンで、大惨事を引き起こしたクロスオーバー。ストーリー的な大惨事は免れましたが、二つの物語がうまくリンクするかどうかは不明。そういう不安を解消するため、シュヴァルツではとある試みが成されることになりました。さて、どのような大団円が待っているのでしょうか? それともリプレイシリーズ初の「大惨事」で終了するのでしょうか?

★★★★
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2013年08月06日

ロウきゅーぶ!(13)


著者:蒼山サグ
出版社:電撃文庫
ロウきゅーぶ!(13)

本編最終巻...特に前振りもなかったので結構驚きでした。確かに「小学生バスケ」としては、硯谷女学園との公式試合でクライマックスですね。でも「ロウきゅーぶ!」は、バスケの威を借りた「ラブコメ」だと思っていたので残念です。

今回は12巻から続く硯谷女学園とのバスケ公式戦がメイン(というかほとんど)第3Qから始まっています。当初慧心に押されっぱなしだった、硯谷が反撃。精神的支柱が怪我をするという王道パターン...なんですが、この作品にバスケ以外の「なにか」を期待していた私にとっては、あまりおもしろくない展開でした。バスケットボールというスポーツを通じて、小学生たちが成長していくというのは面白いんですが、あまり試合内容にこだわり過ぎると、正直ついていけないところがあるんです。たぶんコミックやアニメだったら、バスケ知らない人でも、迫力を楽しむことができるんでしょうが、文字が主体となる小説では、知らないスポーツでは盛り上がれない。そのプレーが、どれほど大変なのか?が理解できないので、言葉だけが水面を滑っていくんです。そうなると、キャラクターが止まってしまい、まったく楽しめなくなってしまう。今回は、そんな状況に限りなく近いシーンが多く、途中で読了をあきらめかけました。

後半は、試合後の各キャラの後日譚といった感じでまとめられています。女バスメンバーだけでなく、サブキャラの柿園や御庄寺までも、次の一歩が描かれています。そう、これがこの作品のすばらいいところなんですよ! 各キャラが、独立して生き生きと描かれている。だから面白い。しかし、昴の物言い(特に智花に対して)は、無意識にやっているとは思えないくらい「たらし」ですね。

ラストエピソードは、当然智花。彼女がバスケを始めるきっかけとなったエピソード。当事者たちは、そのことを明確に覚えていないようですが、いずれ思い出した時...ロマンティックですね。これは、幼なじみ枠の葵に勝ち目はないのか?

あと少し、続くようです。文庫化されていない短編の収録や、本編でとんだエピソードを補完するようなエピソードになるんでしょうね。もしかしたら「その後」も描かれるのかな?

★★★☆
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2013年08月05日

花屋敷澄花の聖地巡礼


著者:五十嵐雄策
出版社:電撃文庫
花屋敷澄花の聖地巡礼

『乃木坂春香』シリーズの作者による新シリーズ。主人公は、面倒見がよくてお節介といわれることもある行人。女友達の頼みにより、不登校同級生・澄花と友達になるため、彼女の家を訪問することになります。そこで出会ったのは、ものすごく可愛い女の子。7年間自宅から出たことがないという引きこもりで、聖地巡礼が大好き...なんか矛盾してないか? そう彼女は、部屋にジオラマを創り、自らはコタツをガメラのようにして、ジオラマで聖地巡礼をしていました。もちろん、引きこもりになったのには相応の理由があるようで、それを取り除かない限り、不登校はなおらない。行人は、とある方法で澄花を「聖地巡礼」に連れ出すことに成功して...

もう、五十嵐ワールド炸裂です。主人公は、ぱっと見たいした造作ではないけれど、女の子をたらし込む能力はずば抜けており、ヒロインは良家のお嬢様で、オタクで、メイドさんがいて、他作品の舞台が聖地となっており...主人公は鈍感で...

すでにバカップルぶりを発揮している二人ですが、これから先、どんどんひどくなっていくんでしょうかね? 前2作との違いは、ヒロインが当初から、主人公に対して「恋愛感情」を持っているように見えるところ。

とはいえ、少々残念なのも事実。あまりにも似た設定が続いているので、どんどん薄くなってきてしまっています。ラブラブカップルを楽しむという点では合格なんですが、脇を固めるキャラが今までになく弱いんですよね。今のところ、澄花の恋がたきは出てきていないようですしね。さらにひきこもりという設定は、いろいろ無理がありますね。さらにこの設定、一度外に連れ出してしまったら、意味がなくなってしまいます。かといって、美少女が聖地巡礼(それも電撃文庫レーベルの聖地に限る)するだけの小説だと、あまりにも薄い... 単発モノとしてはいいんですが、今後続けていくとなると、いろいろ制約がありそうですね。

★★☆
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小悪魔どもが俺の部屋を溜まり場にしている


著者:むらさきゆきや
出版社:一迅社文庫
小悪魔どもが俺の部屋を溜まり場にしている

主人公は、火々野綾人。本編では一切名前が出てこなかったんですが...突然義妹ができて、その義妹は非常に可愛い中学生アイドル。もうとってつけたような設定なんですが、さらにこの義妹は綾人に懐いている(ツンデレ)ようで、なぜか綾人の部屋で、マンガを読んだりお菓子を食べたり、さらに最近では、アイドル仲間(全員美少女中学生)も、綾人の部屋をたまり場にするようになって...

ヒロインズが中学生だったり、異能が出てこなかったりと、この作者さんらしくない作品となっています。短編集となっており、とりたててストーリーはありません。どこから読んでもさほど影響がない、ゆるい小説。作者曰く「女の子がかわいいだけの、ほんわかした日常モノ」だそうです。

綾人は、幸せなんだろうか? 少々疑問を感じなくもないですね。美少女たちに囲まれる生活は「爆発しろ!」ですが、プライベートがあまりなさそうだもんな。まあ、ネコ耳に対する思い入れが妙に強いとか、変ではあります。

妹の鈴華は、典型的なツンデレさん。お兄ちゃん大好きといいたいのに言えず、周りに振り回されているところが可愛いですね。

・和泉原洋琴
 これで「ぴあの」って読むそうです。中二病なアイドルで、自らを「神」と呼んだり、綾人を「下僕」と呼んだり...アイドルとしての「キャラ」ではなく、素なのが残念。強気な言葉とは裏腹に、鈴華に弱いなど可愛いところもあります。

・風祭風子
 ぽやぽやしたロリ娘ですが、どうもかなり腹黒な模様。綾人のことを「パパ」と呼びますが、なんか別の意味がありそうな...いつもお絵かきしていますが、テーマは「こころのやみ」...怖いよう

・森原麗韻
 れいんです。お嬢様なようです。ただ気弱で妙に卑屈。この子もおかしいです。明らかに18禁な方向に暴走しています。

最近よくある、日常系とアイドルを融合させた作品。短編にしてストーリーに意味づけをしなかったことが、成功ですね。ゆるく読むことができました。でも、いろいろあるのかなあ。ヒロインズの年齢が少しずつ上昇している...

★★★☆
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2013年08月02日

ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?


著者:聴猫芝居
出版社:電撃文庫
ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?

ネトゲの女性キャラに告白したら、ネカマでした...そんな黒歴史を秘めた少年・英騎が主人公。
そんな英騎がネトゲ内の女性キャラ・アコから告白された。「結婚してください」と...そのネトゲ内では、キャラ同士が結婚することができるというシステムがあり、それを使ったものだったのですが、黒歴史の再来を恐れながらも、ネットと現実は違うと了承。晴れて「俺の嫁」が誕生したのですが...

そんなある日、パーティリーダーの一声でオフ会が開催されることに。英騎はアコが「男性キャラ」という恐れを抱いて、いやいや参加するのですが、彼に「本当にルシアンだ!」と抱きついてきたのは、小動物系美少女の玉置亜子。さらにパーティメンバーの中の人として現れたのは、ヲタクをバカにしていた同級生(女子)や、生徒会長...みんな同じ学校の生徒だったという事実! でも亜子は、現実とネットの区別がついていないようで...

といったストーリーになっています。亜子の行動は極端です。本当に危ない心理状態でもあり、これを受け入れられなければ、この作品はおもしろくないものになります。私のまわりには、ここまでの廃人はいないので、よくわかりませんが、彼女が正常な女の子として、英騎のことを好きになることができたら、ハッピーエンドなのかな? どうも最後まで、現実とゲームが混戦したままのようで、生身の英騎が好きという気持ちが、本当なのかどうかわからない状況です。本人が、それを自覚していないので、一つ間違うと、ヒロインが壊れてしまう危うさがあります。

今回、共感した点。「リアルでハンドルネーム 呼ばれると恥ずかしい...」 ネット上でなら、恥ずかしくないハンドル名。これがリアル世界に出ると、いきなり恥ずかしくなるんですよね。私も、とあるオフ会で「xxさーん!」と大声で呼ばれたことで、気がつきました。それ以降「普通のニックネーム」に思えるハンドル名に変えてしまったのは秘密。

★★★
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彼女はつっこまれるのが好き!(10) アフターレコーディング


著者:サイトーマサト
出版社:電撃文庫
彼女はつっこまれるのが好き!(10) アフターレコーディング

本編は9巻で終了しているのですが、電撃マガジンに掲載された短編3つと、書き下ろし3つで構成された「番外編」 
良人がしぐれのマネージャー体験をすることになり、やきもちを焼くまどか。このエピソードでは、またもや良人のすごさを見せつけることになり、しぐれがさらに良人に傾いた原因ですね。

おもしろくなかったエピソードは、グレイス女学院の文化祭のもの。いくらなんでも、無茶苦茶すぎて、正直ひいてしまいました。家族用の入場券を持っていれば、普通止められないはず。良人がよほど怪しい風体ならともかく、普通よりは上の風体なはずだしね。警備員がガチホ○ってのも「女学院だし、そんな人のほうが問題を起こさないかな?」といった感覚なのかもしれないけど、どうだか... それ以外のエピソードもあまりにも突飛すぎておもしろくない。

ラストの書き下ろしである、まどかと良人の後日談は逆に非常にいいものでした。この作品全体を締めるエピソードとして最高。それまで二人が培ってきた信頼が全面に出ており、絆の強さを感じさせます。

当初は、単なる村人で素人だった良人。途中からは、どんどんすごい人になってきましたが、最初からまどかに対する想いは一途だったんですね。

★★★☆
posted by あにあむ at 18:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫