2017年05月22日

異世界取材記


著者:田口仙年堂
出版社:ファンタジア文庫
異世界取材記 〜ライトノベルができるまで〜

主人公は中堅ラノベ作家。編集からのオーダーである「無双とハーレム」を体験するため、KADOKAWAが用意したルートで異世界取材へと赴く。ってなんのこっちゃ? 作品世界では、ラノベ作家は「実体験」をもとに作品を仕上げることが多いようで、異世界にも取材旅行に出かけるようです。さらに編集と闘うため、格闘技的にも強いようで… 若干(かなり)内輪受け要素の強い作品です。カクヨムに掲載されたものということで、従来作品とはテイストが異なります。

異世界取材は、ガイドも準備されており、獣人のアミューさんが案内してくれることになります。さらに異世界にきてすぐ、奴隷として売られそうになっていた、ラノベ作家志望のJKを助け、3人で取材を続けることになります。って、このJK最後のほうまで、名前が出てこないんですよね。どうやら童顔スレンダー(胸が)な少女のようですが、まわりからもJKとしか呼ばれておらず…

この異世界は、不思議なところで、なぜかスマホが普通に使えます。でも安全かというとそうではなく、モンスターに殺されたら現実世界でも死亡ですし、中には取材に行ったまま戻ってこない作家もいるようです。でも現実世界とのつながりが強いからか、孤高無双の勇者は中二病こじらせた少年だったり、ハーレム三昧の魔王の正体あ、後輩の売れっ子ラノベ作家だったりと、ファンタジーの世界なのか、現実世界での集団中二病なのか、よくわからない状況になっています。さらに実在の作家ネタも紛れ込んでいるようで、どこまでネタなのかよくわからないところも。一番弄りやすい編集は、もう完全にヤのつく自由業。編集部でなく事務所。社員じゃなく、構成員といった感じになっています。

この作品のいいところは、ヒロインが可愛いところ。アミューさんもかわいいですが、JKがいいですねえ。ラノベを熱く語れるJK。取材旅行の相方として、すごく重要な存在になっています。さらにラノベ作家が万能だけど、俺TUEEEな描かれ方していないのもいいですね。ラノベ作家だったら、誰でも「無双」「ハーレム王」だと読む方も疲れますが、そうじゃないところが面白いです。

異世界での食事は、想像するとダメですが「美しい」「おいしい」ってのは、確かに育った環境によって大きく変化する部分と、人間である以上変わらない部分の両方があるのでしょうね。

★★★☆
posted by あにあむ at 13:53| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジア文庫

魔力ゼロの俺には、魔法剣姫最強の学園を支配できない……と思った?(3)


著者:刈野ミカタ
出版社:MF文庫J
魔力ゼロの俺には、魔法剣姫最強の学園を支配できない……と思った?(3)

神霊魔剣を操る貴族の乙女のみが通うグランディスレイン魔法学園。そこに入学した魔力ゼロにして唯一の男。ユーベルが主人公。「愛は偉大、超便利、マジ効率いい」が座右の銘であり、順調にハーレム「王閥」を拡大させています。前巻で学園最大姫閥「桜花夜会」の主・アンリエットを落とした…かにみえたユーベルですが、彼女にいきなり刺されてしまいます。刺される瞬間に、身体をひねることで致命傷となるのを避けたユーベルですが、その傷は深く数日眠り続けることに…ようやく目が覚めたら、今度は学園一三血姫を越えた存在の「姫王」ことリン・スメラギに誘拐されてしまいます。

リンの目的は、自らの子孫を残すこと。最強の血筋を保つため、ユーベルに白羽の矢をたてた模様です。しかしそこには「愛」はなく、純粋に生物学的な意味で子をなそうとしているようで…
「ではさっそく子種をよこしてください」
「ちなみに、俺はそのあとどうなりますかね?」
「処分します。用済みですから」
「お、おう…」

かなり厳しい状況に追い込まれたユーベルですが、そこは「愛は偉大」を信奉しているユーベル。簡単に子種を渡すようなまねはしません。リンの頭に存在していない「愛」という意味を植え付けようと、画策していきます。今までその立場から異性と接触することが、ほとんどなかったリンは、ユーベルの思惑通り、ユーベルに興味を持つようになっていきます。チョロインも健在で、いろんなタイプのヒロインがユーベル閥に参加してきています。「愛」を武器にユーベルの無双はいつまで続くのでしょうか?

★★★
posted by あにあむ at 12:01| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫

2017年05月18日

突然ですが、お兄ちゃんと結婚しますっ!


著者:塀流通留
出版社:MF文庫
突然ですが、お兄ちゃんと結婚しますっ! そうか、布団なら敷いてあるぞ。

実妹、義妹、似妹(?)と織りなす、妹ラブコメ。妹は、みんなお兄ちゃんが大好き!という妹ハーレムになっています。主人公と実妹は、幼少期に両親と死別し、施設に引き取られます。そこで出会ったのが、似妹(実際には、年上だが、妹的存在)。その後兄妹は、別々の家に引き取られ、主人公の新しい両親の元できたのが義妹。今は義妹と一緒に生活しており、仲良く過ごしていました。そんな頃再会した実妹は、大富豪の娘になっており、兄に会えなかった間に、兄への愛情がこじれてしまっていました。

「好きです、兄さん」 家族としてなら問題ない。でも実妹がいう「好き」は異性として。当然法律上結婚できないはず。でも彼女は、その法律をお金で変えてしまうことができそう。

「好きだよ、お兄。兄妹としてではなく、一人の異性として…」 義妹からの告白。
そして
「彗、…好き」 似妹からも…

論理的(かつ倫理的)に考えると、似妹は法律上のつながりがないですし、唯一合法的に結婚できる相手。でも主人公は、3人とも大好き。ついでに妹3人もお互いが大好き。そんな、コミュニティの中で、主人公は誰も選ばない道を選びます。でもいつまで持つのでしょうか?

一つ屋根の下に住んでいる4人。しかも女の子3人は、いつでもWelcomeな状態。ラブコメの典型的な状況です。でもこの主人公は、女の子たちの「好意」に気がついており、それを正面から受け止めています。その上で「選ばない」という選択をしているというのが、珍しいのかな? 主人公には好感を持てるのですが、ヒロイン3人の棲み分けがうまくいっていないため、あまりラブコメが盛り上がっていません。似妹という不思議な言葉を見つけた(造った)ことで満足されてしまったのかなあ。実妹を「お金」という要素で、差別化しようとしているのですが、あまり成功した感がない。というか、あと二人にそういうチートがないため、バランスが悪いんですよね。
あと一ひねり。

★★
posted by あにあむ at 14:55| Comment(0) | TrackBack(0) | MF文庫