2018年07月18日

俺が好きなのは妹だけど妹じゃない(5)


著者:恵比須清司
出版社:ファンタジア文庫
俺が好きなのは妹だけど妹じゃない(5)

妹の代理を務める「永遠野誓」としての祐。それと現実のギャップを埋めようとして、頑張った祐ですが、結論としてなかなかうまくいっていません。そこで「仕方なく」という設定で、「わ、私をお兄ちゃんのラノベのヒロインにしてください!」と頼み込みます。涼花の助けを借りて、理想のヒロインを見つけることができるか?

もうすでにツンデレという領域を凌駕している涼花ですが、なぜかいまだに周りにはバレズにすんでいます。なんでしょうね? かなり無理がある設定になってきました。また最近、同種のラノベが量産されており、この作品も埋もれつつあるような感じになってきました。そろそろ起爆剤が欲しいですね。

ところで祐の書いた作品が、受賞、あるいはすくい上げにかかった場合、一体誰が編集さんと話をすることになるんでしょうね? すでに祐は「永遠野誓」として表舞台に立っている訳ですから、出て行く訳にはいかない。かといって涼花が替わりをするのも無理がある。なんかこの時点で詰んでしまうような気がしてなりません。

そうこの作品の怖いところは、バッドエンドしか想像できないことなんですよね。もう少し前の段階だったら永遠野誓が涼花であることがバレる。ってのが一番傷が浅そうでしたが、今となっては利害関係者が増えすぎて大変。さらに祐自身が作家を目指している時点で、もう破滅しか目に浮かばない。

うやむやにして終わるのか、それともなにかすごい解決方法があるのか?もう少し付き合ってみましょう。

★★☆
posted by あにあむ at 09:16| Comment(0) | TrackBack(0) | ファンタジア文庫

2018年07月12日

妹さえいればいい。(9)


著者:平坂読
出版社:ガガガ文庫
妹さえいればいい。(9)

相生初に続き、第15回新人賞受賞者たちの作品が次々刊行されていきます。那由多に憧れる笠松青菜の作品も出版されるのですが、そこに待っていたのは酷評の嵐でした。それまで自信満々だった彼女も、あまりの酷評に大きく落ち込みます。そんな彼女を見て、伊月は自分のデビュー当時のことを思い出し、励ましの言葉をかけます。そのことにより、青菜も伊月に懐くことになり、新たなライバルが登場することに。
一方、「妹のすべて」のアニメ制作でもトラブルが続出。一番大きいのは制作が逃げてしまったというもの。そのため、全13回(1クール)の作品を、12回に短縮し1回は「総集編」とする。それにより、伊月が一番嫌がっていた「オリジナル」展開にしないと、うまくまとまらないことに…当初と異なり、監督も妹愛に目覚め(実妹とお風呂に入るようになるくらい)ているので、状況は変わったとはいえ、悩む伊月。京は、就職活動で苦しみ、千尋の前には、お掃除ロボットではなく人間のライバルも登場します。

妹がさらに増えて、妹成分過多になってきたこの作品。このあと、どうなっていくのでしょう? いくらなんでも、妹多過ぎです。「さえいればいい」といいながら、「しかいない」になってきているような…毎回描かれる業界ネタは、スタッフ逃亡と出版界(担当)就活物語。クリエイターの資質によるのでしょうが、本当にこのような状況になっているとしたら、そら斜陽業界になるわなというのが本音ですね。忙しいというレベル越えた労働。しかもそこに「作品への愛」は残っていない。そんな描き方になっているので、エンターテイメント作品を見る(読む)のが辛くなってしまいます。この業界はxxだ。という話をよく聞きますが、それをあまり強調すると、そのこと自体が事態を悪いほうへ導いているような気がします。

せっかく、魅力的なヒロインが多いのですし、もう少しエンターテイメントとして楽しめる流れにして欲しいですね。

★★★
posted by あにあむ at 15:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫

2018年06月27日

生産職を極め過ぎたら伝説の武器が俺の嫁になりました


著者:あまうい白一
出版社:ファミ通文庫
生産職を極め過ぎたら伝説の武器が俺の嫁になりました

MMORPG「アームドエッダ」の運営チームに所属していた主人公は、ある日ふと目覚めると、見知らぬ世界で赤髪の美少女に開放されていた。しかも、姿と能力は、ゲームのデバッグキャラ・鍛冶師ラグナ・スミスそのもの。さらに、目の前にいる少女は、レインと名乗り、その本性は、ゲームで鍛え上げた伝説の武器「レーヴァテイン」だった…彼女とともに暮らすようになったスミスは、世界の謎を探り始める。

自らが構築(運営側)していたMMORPGの世界に転生するという物語。ネット感想では「初めて」というものが多かったけど、少し前に結構流行ったパターンではあるような。無機物が、擬人化して美少女になるってのは、もう定番中の定番ですし、その少女たちが主人公に、好意を抱いているというのも定番。かなり前には、文房具が擬人化するってのもありましたしね。

そういった意味で、非常にオーソドックスな物語なのですが、なぜか惹きつけるものがあるのも事実です。主人公やヒロイン、さらには彼らに関わる街の人々が丁寧に描かれているからでしょうね。擬人化された武器たちも、妙な設定がなく、普通の少女として描かれていますし、ラグナ・スミスも、転移したことを理解していながら、現代社会に固執することもなく、目の前にいるヒロインや街の人々のことを考えて行動しています。実力からすれば、実力で街を乗っ取ることも可能なはずですが、それをしないところが爽やかです。もう一つは、この手の「擬人化モノ」にありがちな過度な性描写がないこともメリット。そういうシーンがまったくないとは言えませんが、突然のように現れるシーンではなく、恋愛小説のように順を追った結果のシーンです。なので、ストーリーが分断されることがないのです。

なんとなく悪役が見えてしまっているのが、少し残念ですが、ラグナ・スミスの嫁はこれからも増えていくのでしょうかねえ。できれば、レインを大切にしてあげられるストーリーだとうれしいですね。

★★★★
posted by あにあむ at 17:12| Comment(0) | TrackBack(0) | ファミ通文庫