2016年12月09日

りゅうおうのおしごと!(4)


著者:白鳥士郎
出版社:GA文庫
りゅうおうのおしごと!(4)

小学校が夏休みに入ったその日、あい達は東京を目指していた。目的は、最大の女流棋戦「ナイナビ女子オープン将棋トーナメント」へ参加するため。「チャレンジマッチ」→「一斉予選」→「本戦」と続くこの大会は、アマ・プロ混合の大会。あいたちは、腕試しという感覚(by師匠)もあるものの、桂香にとってはラストチャンスのようなもの。ここで勝ち上がり本戦で1勝できれば、プロとして棋界に残れるけど、だめだったら、実質的に年齢制限によりこの世界をあきらめるしかない…もっとも、あいは「わたし、もっともっと強くなって……絶対に勝ちますっ!!」となぜか入れ込んでいる模様。

公式戦デビューとなった二人は、怒濤の勢いで勝ち上がります。一戦目に桂香さんは負けてしまいますが、それが逆に開き直りにつながり、チャレンジマッチ通過。八一の関係者3人ともが勝ち抜くといううれしい結果になります。

弟子達が熱い闘いをしている中、八一はなにやっていたかというと、ニコ生中継の聞き手女流棋士のおっぱいをガン見。なぜか研究会を色仕掛けでねだられ、鼻の下を伸ばし、小学生弟子に「だらぶちっ、えっち」と怒られる始末。さらにその翌日には、別の女の子と原宿で手つなぎデート。まあ相手は銀子なんですが、妙に可愛い銀子さん。さらには、昔ストーカーされた(したじゃないよ)女性が再び八一の前に現れ… 桂香さんも、最近八一にデレ気味だし、八一爆発してしまえ!

という呪いが通じたのか、ニコ生中継に、あいが乱入。内弟子であることをばらされます。さらにシャルちゃんが、八一のお膝の上に。で「しゃうはね、ちちょーのお嫁さん」と爆弾発言。これで八一=ロリコンという図式が確定します。将棋強くても社会的に抹殺されそうな勢いですね。でも、銀子や桂香という「年齢的にOK」な美少女もいて、やっぱり一度爆発すべきですね。

弟子達の熱い闘いの裏では、竜王戦へ向けての闘いが続いています。挑戦者決定戦に出てきたのは、ゴッドと名人。しかも名人はタイトル保持期間が99期。つまり、竜王をとれば、100期になるということで、世間の注目が集まってきています。将棋連盟では、100期達成で、国民栄誉賞の申請をしようなど、八一が負けること前提で盛り上がっており、世間はAwayな状態。ゴッドが挑戦者になってくれれば、そんな雑音はなくなるのですが…

いやもう、なんだこれ? ヒロインたちが妙に可愛くなってきているじゃないか。その反動で、他の女性棋士が「こいつら人間か?」状態になっていますが、大丈夫なのかな?
やはりあいが一番かーいいですね。「だらぶちっ」と言われてみたい…

★★★★☆
posted by あにあむ at 13:31| Comment(0) | TrackBack(0) | GA文庫

2016年12月08日

幸せ二世帯同居計画


著者:五十嵐雄策
出版社:電撃文庫
幸せ二世帯同居計画 〜妖精さんのお話〜

主人公は、瀬尾兄妹。幼い頃に両親を亡くし、親戚の家をたらい回しにされ、そのどこにも自分たちの居所がなく、兄妹だけで生活をしようとアパートに移ったとたん、そのアパートが全財産とともに火事で燃えてしまい、公園でサバイバル生活を送っていました。さすがに小学生の女の子=妹をこのまま公園で寝泊まりさせるわけにはいかないと、近所に発見した空き家にこっそり移住することに。ところが空き家と思っていたその家には同級生の女の子・成瀬莉緒が一人で生活しており…ばれそうになった時、彼女が発したのは
「まさか……まさか、“妖精さん”!?」
という言葉。そしてなぜか彼女から妖精さんと勘違いされた二人は、彼女から隠れたまま奇妙な同居生活を始めることになります。そのうち彼女の悩みを知って…

妖精さんと女の子の「家族」としての絆を育てる暖かい物語です。妖精さんと莉緒の深夜のお茶会。なんだかほっこりしますね。いや、絵面的には女子高生と壁一枚隔てて、違法侵入者がいるわけですが。そこには殺伐としたものはなく、優しい空気が流れています。高校生が一人で住んでいる時点で気づくのですが、莉緒も恵まれた家庭とはいえない環境で育ってきました。そのため人間不信に陥っていたんですよね。でも育ててくれたおばあちゃんには心を開いており、そのおばあちゃんが聞かせれてくれた妖精さんの物語が心に残っており、深夜のお茶会が唯一心を開ける場所になったんでしょうね。この奇妙な同居生活には、さらにもう一名中学生・佐藤向日葵も加わり、瀬尾兄と3人の女の子(高校生・中学生・小学生)というハーレムのような家族ができあがり…。

五十嵐さんの作品なので、主人公はハイスペックです。小さい子にも懐かれます。いままでの作品(電撃文庫)に比べると、登場人物が背負っているものが重いのですが、暗さはなく、そこにはただ暖かい風だけが吹いています。ラストへ向かうエピソードでは、何度涙腺が緩くなったか…いつもの「ほんわか」ではなく「暖かい」気持ちになれる良作品でした。
「“妖精さん”はいつでもお前の味方なんだよ!」

★★★★
posted by あにあむ at 09:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 電撃文庫

2016年12月07日

百億の金貨と転生者


著者:美高ヒロ
出版社:GA文庫
百億の金貨と転生者

金貨がライフを表し、金貨が尽きれば生命も尽きる。死者たちの世界が舞台。「金貨の亡者」と呼ばれる者たちは、銀河鉄道で各星を巡り、任務の報酬として転生に必要な金貨を集める。そんなクエストハンターの中でも最上位ランクのシリュウが主人公。
ある日、突然ぶつかってきて倒れ、お約束のぱんつ丸出しでテヘペロする少女・ノワと出会います。「わたしとっても困ってるんです!」「奇遇だね。オレも変なプレイヤーに絡まれて今まさに困ってるとこ」とスルーしようとしたシリュウですが、ノワは危なっかしく貧乏でなぜか伝説級アイテムを所持していた。打算によりノワの面倒をみることになったシリュウだが、ノワはちゃっかりしており。

ということで、転生バトルものですね。ある意味テンプレな作品なのですが、死者が元の世界に転生するためには、金貨が必要。で、その金貨の量が強さを決めるという設定は面白いものです。銀河鉄道の設定は「銀河鉄道999」を意識しすぎているというか、そのものというか…鉄道が「管理局」によって管理されているとか、車掌さんが黒く目だけが光っているとか、チケットのない乗客の行く末とか、各駅での停車時間が決まっており、乗り遅れるとというのとか「まんま」やんかというのが多すぎて…

ヒロインズは非常に魅力的です。ちゃっかりノワもそうですし、シリュウの奴隷・ピティーもけなげ。シリュウを巡るラブコメも楽しいものです。単純に転生を求めるのではなく、そこにタイムリミットを設けたことと、ピティーだけが今の世界の住人だという事実。それらによって、コメディではない、恋愛物語的な要素も生まれています。

このギャラクシアという世界。設定がしっかりしているので、TRPGの舞台としても使えそうですね。クエストハンターになってから転生するまでのタイムリミットがあり、破産したら終了。ゴールとなる金額は、次の人生でどのようなパラメータになるかによって決まる(つまり、少なくても転生そのものはできる)ということで、プレイヤーの裁量範囲が結構広い。戦闘も実際に殺し合う訳ではなく、ダメージが金貨換算されていくので、わかりやすい。

この作品って続くのでしょうか? もう少しこの世界で楽しみたいですね。

★★★☆
posted by あにあむ at 14:33| Comment(0) | TrackBack(0) | GA文庫